ハロのネットワークによって思春が見つかった。どうやらギュネイ・ガスと融合してしまっているらしい。
ギュネイといえば、逆襲のシャアに登場した人物で強化人間。スパロボにもよく登場していて、Dでは剣鉄也と同じく主人公の相棒役だよな。
コロニー落としで孤児になっているのか。今は外宇宙暮らし?
強化人間にされる前に合流したいんだが、いきなり会いにいくしかないか。
ちょっと迷っていたことがあったんだけど、悩んでいたらシーマが連れてきてくれた。この世界ではやっていないが、0083のシーマは宇宙海賊のようなこともやっていたから元河賊の思春とは合うのかね?
でさ、俺が悩んでいたのってコロニー落としの実行をさせられたシーマ達と会わせていいかってことだったんだけど!
シーマ・ガラハウは「約束してたからね」と一刀君と契約し、彼のファミリア兼恋人の1人となっている。
シーマ達はT1社の社員でもあるが、やはりコロニー落としのことを気にしている者が多く、罪滅ぼしというワケではないがその遺児を見つけ出してはうちの孤児院に入れたいと連れてくる。思春もその一環で見つけたみたいだ。
「なんだ、知り合いだったのかい?」
「お前など知らん」
な、泣かないぞ。まだ記憶が戻ってないだけ……いや、違うな。
「そのそっくりさん、かな?」
濃い連中と会うことが多いせいか最近、〈人物鑑定〉のスキルがかなりレベルアップしているので、この子が俺の嫁ではなく、無印恋姫世界の甘寧とギュネイの融合であることがわかるようになっている俺。
生意気っぽいのは甘寧とギュネイ、どっちもだから無印甘寧の記憶が戻っているかはわからないが。
「孫権のことはわかるか?」
「そんけん? ……うっ」
頭をおさえて蹲る少女。スカートじゃないので下着は見えない。というか、生足じゃないのも珍しいな。俺の嫁さんの思春じゃないけどさ。
やはり融合先のギュネイに引っ張られているのか姿も若い。中学生ぐらい?
「ふふっ、今夜が楽しみね」
「いや、手を出しちゃ駄目だからね、華琳ちゃん」
「なぜ? 季衣にも手を出したくせに」
うっ。それを言われると。
華琳ちゃんはファミリアだけでなく嫁さんにもなってくれたが、ついでにとばかりにきょっちーも誘い、彼女も俺のファミリアとなってくれた。それだけでなく、嫁さんにもだ。
嫁の季衣ちゃんとそっくりな上に無印ではなかったきょっちーとのエッチ。我慢できるはずもないワケで。
「それもあんなにまで。私の時も激しかったけど、初めての子の時は私が一緒じゃないともたないわよ」
そこでなんでJの3人娘を見ますかね?
銀鈴ちゃんの視線も感じるし、隠れて覗いているんだろうか。
◇
GR計画はこの北アタリア島で続いていたりする。国際警察機構ではなく、わがT1社の管轄で。
だって大作君と草間博士をBF団から逃がした村雨健二は紫なワケだし。眩惑のセルバンテスも深追いなぞせずGR2までも奪取された。草間博士も無事。それどころかGR3もうちで建造中。
ぶっちゃけ草間親子とGRシリーズの脱出自体が孔明ちゃんによって計画されたマッチポンプ。
国際警察機構の目を欺くというのもあるが、うちの優秀な技術陣が堂々と作業できるのは大きいよね。
GRシリーズは原子力ではなく、MSと同じく核融合が動力だ。爆発したら物騒なのは変わらないけどね。ついでに銀鈴ロボも開発するか迷っているとこ。
大作君も孤児院の子たちと仲良しで、洗の……敵対しないように気を使って教育している。開発者の息子同士ということでアムロが面倒を見ていることが多いのも微笑ましい。
アムロには俺がセイラさんに気があるんじゃないかと勘ぐられたことがあったが、逆に発破をかけてフラウ・ボウとともに結婚するように説得中。フラウは満更でもなさそうなんだけど、セイラさんは自分の血筋のせいで迷っていてちょっともどかしい。小説版のようにアムロとは既に肉体関係もあるようなのに、さ。
これでベルトーチカなんかきたらあっさり身を引きそう。
でもアムロがフラウと結婚したら、キッカの義理のお父さん? つまり、融合しちゃっているゆきかぜちゃんの夫である俺の義理のお父さん?
人間関係がややこしいな。
そのアムロ、ナンパしてるのをタマに見かける。セイラさんに焼き餅やかせたいんだろうかね? ほら、またやってるよ。って、アムロがナンパしているあの子、エマ・シーンじゃね?
観光できてるのか?
もう少しここの入島制限、厳しくした方がいいかな。でもまだティターンズ入りはしてないか。
デラーズフリートがまだ動いていないからティターンズの結成も少し遅れた。うちにも技術協力しろって圧力かけてきてるけど無視。孤児院を出た子たちの就職先としても認めるつもりはないよ。
エゥーゴには資金提供するか少し迷っている。アナハイムからはMSを購入したり、ジオン出身の技術者が出向したりとそこそこ仲は良い。俺が大好きなスペリオルガンダムが完成したら売ってもらうつもりだからね。Sガンダムはスパロボαにこそ出てこないけど、第4次には出ているからこの世界でもちゃんと開発されるだろう。
4機試作されたはずだから、α任務部隊に回されるやつ以外のを買ったって問題はあるまい。それともうち用に余計に試作してもらおうか。俺用とあとアムロ用にとか。
「甘寧は落ち着いたわ。まだ完全には思い出していないようね。思い出したら、すぐにでも孫権を探しに飛び出すわ」
「だろうなあ。せめて蓮華がいてくれれば思いとどまりもするんだろうけど」
蓮華も誰かと融合しちゃってるんだろうか。レンファだからファ・ユイリィ? 孫権のケンだったら候補者が多すぎて絞り切れない。ハロネットワークに期待するしかないか。
「他のみんなも早く見つけたい。そのためにも華琳ちゃん、T1社の会長として表に出ててね。華琳ちゃんの顔を見れば思い出す子、多いと思うから」
T1社の社長は俺。会長は華琳ちゃんとなっている。Fドライブやハロ他の売り上げで我が社は成長を続けており、経済誌の表紙を何度か華琳ちゃんが飾っている。俺よりも美少女が表紙の方が売り上げが上がるだろうってことで俺は顔出しを避けている。だってBF団の首領でもあるからね。
もっとも、俺のことは「院長先生」と呼ぶ子も多い。孤児院のね。
「こんにちは、院長先生、華琳様。はあ、アムロったらまたナンパしてるのね。いい加減フラウに愛想尽かされちゃうわよ。大作君もあんな大人になっちゃ駄目よ」
挨拶とため息をしてくれたのはサニーちゃん。大作君と同じくらいの少女だ。
その正体はサニー・ザ・マジシャン。うん。衝撃のアルベルトの娘。妻を亡くしたアルベルトが教育のためってこの北アタリア島で暮らさせているけど、俺の監視もあるのだろう。アルベルトとはテレパシーで繋がっているのだし。
彼女には朱金に渡したのと同じ、スマイルパクト、キュアデコルをプレゼントした。サニーだからね。
それ以外の理由としては樊瑞みたいに「おじさま」って呼んでもらいたかったからだけど、それは成功していない。
「おとーさん」
かわりに俺を呼びながら駆け寄ってきてくれた璃々ちゃんを抱き上げる。俺と結婚した紫苑の娘ではなく無印の璃々ちゃんだけど、そう呼んでって頼んだら素直に呼んでくれている。いい子だなあ。
璃々ちゃんを羨ましそうに見てる子も多いので、他の子も「お父さん」と呼んでいいって言ってあるんだけどそう呼ぶ子は実は少ない。もしかしてビッグ・ファイアと融合している俺が怖いんだろうか?
「璃々ちゃん、また少し大きくなったかな? サニーちゃん、大作君、璃々ちゃんを見ててくれたんだね、ありがとう」
「えへへ。おとーさん、璃々、一緒に行っていい? サニーお姉ちゃんと大作ちゃんのデートの邪魔したくないの」
「そうだな。大作君」
こいこいと手招きしてお小遣いを渡す。デート費用だ。いや大作君はあまり無駄遣いするタイプじゃないから余計なおせっかいかもしれないが、孤児院の近くに開店している駄菓子屋だと、他の子たちに見つかってうるさいからね。
ちなみに大作君はこっそりとガードしている連中がいる。サニーちゃんもついているし危険はあるまい。
「こんなに貰えないですよ」
「気にするな。大作君はいつもお土産を持ってきてくれるじゃないか。そのお礼だよ。サニーちゃんにいいとこを見せてあげなさい」
「……ありがとうございます」
大作君はよく孤児院にお土産を持ってきてくれる。食べ物や洗剤等の消え物が多いのはたぶん栄華あたりの要求だとは思うが子供たちも喜ぶんだよ。大作君も母親がいないのでうちの子たちとも共感する部分があるのか、仲もいいようだ。
栄華もまだ少女と言っていい年齢だが、孤児院の経営をほぼ任せられるぐらいの能力を持っている。華琳はいずれT1社の方も任せたいようだ。本人の方は可愛い少女たちに囲まれている孤児院で幸せそうにしているのだけどね。
「二人とも、夕食は孤児院で食べるんだろ? それまでに帰っておいで」
「はい!」
「サニーちゃん、大作君を頼んだよ」
「まかせて、院長先生」
うんうん、微笑ましい。幼馴染みが次代の十傑集候補だって知ったら大作君はどんな顔するかな?
十傑集といえば、華琳ちゃんは腕試しとばかりに十傑集に稽古をつけてもらっている。もちろん、この島の外でだが、ファミリアになっているせいもあって戦闘力がめきめきと上がっている。そのうちトンデモ能力にも目覚めてしまうんじゃないだろうか?
俺も十傑集走りはできるようになったんだけどね。
十傑集はだいぶビビらずに話ができるようになった。元引き籠もり同士で暮れなずむ幽鬼とは話が合う。その流れでカワラザキの爺様ともよく飲むよ。まあ、あいつらにしてみれば俺を観察しているのも大きいんだろうけ。
神の使徒のはずなのに悪の秘密結社の親玉やってていいのかと悩んだこともあったけど、できるだけ一般市民に犠牲を出さずにってことで孔明ちゃんも作戦を立ててるみたいで、そこまで良心は痛まない。最近の敵は他の悪の組織だったり、不正を行う政治家なのさ。
「サニーも数年後が楽しみね」
「華琳さま、璃々は?」
「璃々は言うまでもないわ。美人になる。あと私のことは華琳お母さん、でもいいのよ?」
華琳ちゃんは俺の娘の方の璃々ちゃんが華琳を呼ぶ時のようにお母さんと呼ばれたいようだ。でも黄忠が見つかるまではそれは難しいんじゃないかな?
さて、孤児院で食事の用意をしないと。シンジ君も最近やる様になってきたし、他にも料理できる子も増えてきた。だいぶ楽ができるようになったよ。まあ、きょっちーみたいにたくさん食べる子が来る時は大変だけど。早く流琉が見つかってほしい。ダリウス界への行き方がわかればいいのに。
◇ ◇
孤児院での夕食後、俺は自室で作業に入る。
工作作業だ。もちろん破壊工作ではなく
女性キャラのフィギュアではない。建造物だ。
「ふんふふーん」
鼻歌を歌いながら作っているその模型はバベルの塔。この世界では国際警察機構のトップ、黄帝・ライセに奪われているそれ。あの人、バビル2世だとカリスマの高い部下思いのやつだったけど、こっちだとどうなんだろうね?
このバベルの塔の攻防戦でBF団、国際警察機構の双方に多大な犠牲者が出てしまうんだけど、そんなことにならないように俺がもう1つのバベルの塔を創ればいい。奪われたバベルの塔よりもグレートなバベルの塔を!
マザーハロはテストの意味もあって
これができたら新マクロス級にもチャレンジしたいんだけど、ビッグ・ファイアの記憶がおぼろげなのでEPがなかなか貯まらない。大戦が始まるまでになんとかしたいが、たぶん間に合わないだろう。また華琳ちゃんが過去であり未来である俺たちを誘導することになるのだろうか?
わかっていることもある。このバベルの塔が完成すれば拠点になる。使徒の拠点に。
なぜか確信できているのだ。拠点が完成すれば皆との合流も進むだろう。
だけどなかなか進まないEP注入に気張らしの模型ばっかが捗ってしまう。
ほら、 ラビアンローズ級の模型が完成してしまった。今の俺なら
やっぱり、うさだ、だろうか?
今日は葵ちゃんの誕生日
なのだが登場せず