MUV-LUVALTERNATIVE外伝   作:kaenn

7 / 11
灰色の軌跡番外編って言っても本編とか書いてませんが……
気が向いたら読んで見てくださいな、お気に入りとか増えたら本編書いてみようかとか考えていますが需要があるかな?まぁ気まぐれ更新ですので暇な方は是非どうぞ。


灰色の軌跡 番外編 カムチャッカ半島での出会い side???

MUV-LUVALTERNATIVETOTALECLIPSE外伝

灰色の軌跡

番外編

カムチャッカ半島での出会い

side???

 

2001年8月19日γ-04補給基地外縁部

 

「クソッ、何でこんなところにBETAが…」

 

悪態をつきながら全力で後退する兵士は何故こんなことになったのか?など現実逃避をする事で今の地獄そのものの光景を忘れようとした。

 

「……ぎ、……。」

ーブチッー

「ひっ…ーブシャー」

「ああ、ああああぁっ…ーグチャー」

 

だが現在進行形で聴こえる仲間の断末魔や何かがちぎれる様な音を聞くたびに現実に引き戻される。

 

まだ後方に戦車が数台見てとれるが相手は戦車級が数え切れないほどの数であり、中には逃走を諦めて立ち尽くす者まで出ていた。

 

「俺はまだ死なないぞ!こんな所で死んでたまるか!」

 

整備兵らしい服装の男が叫びながら俺の横を走り去って行く、1体の戦車級が突出してちょうどその男を捕まえようとすると、その男は近くに居た女性兵士の肩を掴み引き倒した。

倒れた女性兵士に反応した戦車級が女性兵士を掴もうとする。

 

【挿絵表示】

 

もう終わりかと思ったその時、突然目の前に日本軍や国連軍の一部で標準装備として使われている突撃砲を持った戦術機?が現れた。

幻かと思ったが、不思議とコレで俺たちは助かると感じた。

 

「頼む!助けてくれ!」

 

俺は危険も顧みず戦術機?の足下で大声を上げ助けを求めた。

 

「…へっ?あっ、分かりました!」

 

棒立ちして居た紅い戦術機?の衛士はそう言うと、両手の突撃砲を構え戦車級の殲滅を開始した。

 

 

【挿絵表示】

 

ーグチャ……ブシュ…ブシュ…グチャー

 

彼此30分は経っただろうか、紅い戦術機?は途中弾倉交換をしつつBETAを殲滅してしまった、たった1機の戦果としては異常な数字だろう……何故なら俺の目の前の戦術機?は突撃砲の”一発”でほぼ必ずBETAを1体仕留めているのだから……

周りを見渡すと20名に満たない位の生存者達が見えるが皆一様に同じ顔で謎の救援者を見ていた。

 

「……なさん!無事ですか?おーい!」

 

恐らく目の前の戦術機の衛士だろう、まだ若い女性の声が聞こえてハッとする、気付けば周りのBETAは動きを止め、全て死んだ様だった。

 

戦車級に掴まれそうになっていた女性兵士も生きていた様だが下半身が凄いことになっており顔を真っ赤に染めたまま俯いて泣いてしまった。

我に返った生き残りの女性がジャケットを脱ぎ女性兵士に渡す、他にも腰が抜けたのか鳴きながら座り込む人もチラホラ出てきた。

 

俺もあんなに全力疾走したのは久しぶりだったので疲れてはいたが目の前の不思議な戦術機に一体どんな奴が乗っているのか気になり声をかけてみた。

 

「其処の衛士さん、お礼が言いたいんだが降りてきてくれないか?」

 

ープシューー

と音がしてハッチが開き、中から現れたのは金髪の長い髪をポニーテールに結った少女だった。

少女は髪をかきあげると汗をかいていたのか薄い水飛沫が上がる。

 

「あのー?大丈夫ですか?何処か怪我していませんか?」

 

いつの間にか少女は俺の目の前まで来ていて顔を覗き込む様に心配してくれていた。

まさか君に見惚れていたとは言えず慌てて誤魔化す。

 

「ああ!大丈夫!大丈夫!見ての通りピンピンしてるから!」

 

少女は「良かったです!」と言って他の人達の様子を確認しに行ってしまった。

いい匂いがしたなぁ………

 

生存者確認をあらかた完了したのか少女が俺の方に戻って来る。

 

「すいません、つかぬ事をお伺い致しますが此処は何処でしょうか?」

 

金髪の少女は申し訳ない様な顔をしながら俺に質問して来た。

俺は、は?何言ってんの?この娘は?と思いながらも答える。

 

「此処はソ連軍カムチャッカ半島γ-04補給基地の外縁部で、ちなみに俺たちは国連軍の整備兵と看護兵だ」

 

すると金髪の少女は

 

「あのクソ女神やりやがったな!しかもTSで機体が戦術機じゃ無くてASだと!?嫌いじゃないけどさぁ!違うんだよ!…そうじゃないんだよぉ〜」

 

美しい顔を怒りで歪めながら空に向かって叫んだかと思うと、頭を抱えてうずくまる様にしてさらに叫ぶ、最後は怨みの篭った呟きを洩らす。

 

「何があったのかは知らないが此処はまだ安全じゃない、悪いが君の戦術機で俺たちを基地まで運んでくれないか?」

 

新兵に良くあるPTSDかと思ったが、そうではない様なので生き残った俺たちを運んでくれる様頼むと、

 

「え、えぇと……基地って戦術機とか居ますか?不知火とかF-18とかF-16とか?」

 

期待の眼差しで俺を見ながら、またもおかしなことを聞いて来る美少女……もうなんか残念な美少女にしか見えてこないが。

 

「あぁ!あるよ戦術機!後退しているはずだからソ連の奴も観れるはずだよ!頼むから!早くこの場所から離れたいんだよ!」

 

残念美少女はキョトンとすると直ぐに花が咲く様な笑顔を見せて

 

「直ぐに行きましょう!さぁ早く!えぇと……あっ!アレがいいですね、皆さん乗ってください!直ぐに運びますよ!」

 

はしゃぎつつ周囲を伺い、ちょうど良さそうなカーゴを見つけると戦術機?で持って来て、皆んなに乗るように促した。

 

ー逃げた整備兵士ー

 

「ハハッ!ハハハハッ!ハアッ…やった、やったぞザマァみろ!俺は生き延びたんだ、よし、このま友軍と合流できれば生き残れ………え?」

 

女性兵士の肩を掴み引き倒した整備兵士は誰も着いて来ない現状を見て生き残った事を確信し、後は歩いても大丈夫か…と考えてふと空を見上げた、

其処には爆炎に包まれた爆撃機があろうことか、自分目掛けて墜落して来るのが見える。

 

「嘘だ……嘘だぁーーーー……」

 

 

 

 

「ん?何か聴こえた様な?………まぁいいか!それより♪それより♪戦術機♪戦術機♪やっと観れるぞ戦術機♪」

 

何処か遠くで悲鳴が聞こえた気がしたが、本物の戦術機を見ることが出来る喜びでそれ以外の事を全く考えていなかった。

 

「其処の”AS”!止まりなさい!動いたら蜂の巣にするわよ!」

 

【挿絵表示】

 

そう、明らかに不審な戦術機?が正規部隊の居る基地に向かう危険性を全く考えていなかったのだ。

灰色の戦術機が少女の乗る紅いASに向けて銃を構え衛士と思われる女性の声で警告される。

 

「ひっ!……そうだった…そう言えばコレ戦術機じゃ無いんだった、どうしよう?…どうしよう?……………!?”AS”?コレをアームスレイブって知ってるって事は?」

 

金髪の少女は頭を抱えながら考えを巡らす、そして目の前の戦術機はこの機体をASと言った。

この世界に存在するはずの無いこの紅い機体を見てハッキリと。

 

「……フルメ○ル・パニッ○……」

 

「!ふもっふ。」

 

通じた……咄嗟に出たのはアナザーな感じでなくふもっふな感じだったがこの戦術機の衛士は間違いなく同じ転生者だ。

然も、我が憧れの戦術機………よく見ると明らかに改造機であるが戦術機に乗った声からして綺麗な女性兵衛士だ。

何だ、その羨ましい状態!代われ、寧ろ代わってください!このASあげますから!

何て事を考えていると目の前の恐らくビェールクト?らしい戦術機からプライベート通信が入る。

 

「………貴女、転生者ね?何しに此処に来たの?原作を改変している私を殺しに?其れとも誰か好きな登場人物に会いに来たの?」

 

マーティカさんに似た金髪の女性が凄く冷たい瞳で静かに私に質問する、その眼と顔すっっごく怖いんですけどどうにかなりませんか?などと言った瞬間に撃たれそうな気がしたので、素直に目的を話す事にした。

 

「せっ、戦…」

 

「戦闘が望み?ならこのまま死ぬといいわ…」

 

何か勘違いしたお姉さんが銃を此方に向ける

 

「戦術機が見たくて来ました!他は興味有りません!撃たないで〜〜〜!」

 

「は?………戦術機が見たい?それだけ?それだけでこんな世界に来たって言うの?馬鹿じゃないの?そんな戯言信じるとでも思ったの?」

 

何処で怒りの琴線に触れたのか、蔑む様な瞳で見つめASのハッチ上から銃をグリグリする金マーティカ

 

「ひっ、降ります今から降りますから撃たないで〜〜〜〜〜〜」

 

顔から出る水分をコレでもかと出しながらハッチを開けると目の前に銃口が………

 

「!キュゥ………」

 

「え?ちょっと…何なのよ、この娘は!」

 

わたしは気を失いながら、金マーティカさんがポカンとする顔が網膜の隅に見えた気がした。




オムニバス形式で各話を繋ぐのは結構難しい、プロット練り直すべきか?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。