MUV-LUVALTERNATIVE外伝   作:kaenn

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久しぶりに時間が取れたので書いてみました。

SAOの方も順次作成中ですが先にこちらが完成したので投稿してみました。

期待している人が居るかはわかりませんがどうぞ。


第2話 初登城…そして初遭遇

 

 

ーとある武家屋敷のシャワー室ー

 

早朝からの稽古で汗をかいた女性達が談笑しながらシャワーを浴びている。

 

「…お嬢様も都もホントに肌キレイだよね〜何か特別な物でも使ってるの?」

 

「いやいや、それを言うなら奥様と大奥様にこそ聞いてみたいわよ、だって2人とも**歳越えてるのよ?」

 

「………先に上がる。」

 

女性が3人寄れば姦しいと言うが本当だなぁ〜、と考えながら、門下生の女性達より先にシャワー室を出る、青色の色素の薄い髪を梳かす美少女が見える……………あぁ、鏡に写ったわたしか…。

 

「白瀬?大丈夫ですか?今日は一段と顔色が悪く見えますが……」

 

長年の付き合いから、最早実の姉妹の様な関係になった門弟兼女中の三ノ宮都がシャワーから上がってきて心配してきたので、

 

「今日………稽古……キツかった…から。」

 

と、返事をすると、

 

「それなら良いのですが…確かに今日は大奥様と奥様の御二方も参加されて居ましたし……実を言うと私ももうクタクタです。」

 

心配そうな顔を一転させてクスッ、と笑いながら私に話し掛けてくる都さんに、

 

「ごめんなさい……心配……かけて…。」

 

と、言いながら自分の髪を結わこうとする、何故なら他の女性陣がシャワー室から出て来る前に出ないと……

 

ーガラッー

 

「あっ!今日はお嬢様まだ居る!」

 

「本当だ〜〜、髪まだ結ってないじゃないですか〜私が結ってあげますよ〜。」

 

「…………まさか……剣の腕だけじゃなく胸でも負けた……だと………」

 

………こうなる。

 

 

 

やっと解放された……こうなると女性陣が満足するまで離してもらえないので何時も早く出るようにしているのだが…

 

「白瀬やっと来ましたか、では貴女はお味噌汁をお願いしますね?」

 

お祖母様が私の方を見向きもせず言うとそれに従い昆布が入った鍋の前に立つ。

 

しかし、この家の人間は気配とか足音とかで誰が来たか分かるとか………あぁ、今は私もか……

などと考えながら鍋に火を入れて味噌を溶いていく。

おっ?そろそろ良さそうだ。

沸騰しそうな鍋から昆布を取り出し、煮立たせないように気をつけてかつお出汁を入れ、別に茹でてあった具を入れて、少し味が馴染んだ頃に溶いておいた味噌を投入すると、日本では良くある味噌汁の完成である。

 

完成した朝食を配膳車に載せて食堂まで運ぶと門下生達やお父様、お祖父様……それに目に入れても痛くないほど可愛い我が妹が出迎えてくれた。

お祖母様がお祖父様の横に座ると先程まで一緒にシャワーを浴びていた女性陣がテキパキと配膳をして準備が終わると、私とお母様もお父様と妹の近くに座り

 

「…全員揃ったな?では、頂きます!」

 

「「「「「「「「頂きます!。」」」」」」」」

 

お祖父様の号令で皆一斉に食べ始めた。

 

 

「ねーねー、ねーね。」

 

最愛の妹がお母様の膝から私を呼ぶとお母様は、「しょうがないわね〜」と言いながら無事に産まれた妹を私に預けてくれる。

 

「………あーん……ふふっ……」

 

妹が催促するように見つめる幼児用スプーンに緩めに炊いた白米を載せて手渡すと嬉しそうに受け取りそのまま口に運んだ。

 

”キャッキャ”と喜ぶ妹と一緒にご飯を食べ進める。

そうしていると真剣な顔をしたお父様が私に話し掛ける。

 

「白瀬、白音と仲良く食事するのはいいが今日は何処に向かうのか覚えているか?」

 

「……ん………お城……御目通り?」

 

そう、そうなのです!

お城!現代にもあるあのお城ですよ!

然も京都の偉い人が居る豪華なお城だそうです。

 

「うむ、白瀬の料理が絶品だと親父が自慢したらしくてな?紅蓮中将閣下からおよびがかかったんだよ、なっ?親父?」

 

父がよそ行きの仮面を外し軽い感じでお祖父様に確認するとお祖父様は、

 

「紅蓮の奴め!ワシの孫の料理が美味いんだと言ったら祖父馬鹿だとか吐かしおったんでな?売り言葉に買い言葉で、じゃあ食わしてやろう!……ということになってな?………婆さんすまんかった…謝るからワシの横で殺気出すのやめてくれんか……。」

 

お祖父様は最初は元気だったが、段々と強くなってきたお祖母様の不機嫌オーラに圧されてお祖母様に謝罪していた。

 

「まったく!貴方も貴方ですが紅蓮様も紅蓮様です、いいトシをしたジジイが孫の自慢話で喧嘩腰になってどうするのです。」

 

おおっ、お祖母様が珍しく怒ってらっしゃる。

滅多に怒らないが怒ると手が付けられない、まさに家の秘密兵器……だが、

 

「……ばーば?…」

 

「あら?白音どうしたの?おばあちゃんはここですよ〜〜♪」

 

「うきゃ〜♪」

 

家の最終兵器”白音”には勝てない。

白音が不安そうにお祖母様を見て声を出した途端に怒りが霧散したようで、お祖母様はご機嫌な様子で白音を抱き上げてあやす。

その横でお祖父様とお父様はホッと胸を撫で下ろしていた。

 

 

お父様もお祖父様も武家っ!!て感じの服装に着替えて車に乗る、その後ろに同じ様な白い色を纏った私が続く。

すると「では、発車しますのでご注意ください。」と丁寧な言葉遣いをする運転手のおじさんがニコリと笑いかけてきたが………何だろう見た事がある気がするんですが?…………貴方まさか帝都の怪人さんじゃないですよね?………お父様?今この方の名前を鎧衣と呼びませんでしたか?……嘘ですよね?嘘だと言ってください………

 

………迂闊だった………わ

 

 

車に乗って一時間程で城に着くと鎧衣さんが車のドアを開けてくれてお父様、お祖父様、私の順で降りていく。

2人が受付の為少し離れて行ったその時、

 

「…………いやはや、今日は晴れて良かったですなぁ?初めてには縁起のいい事ですし、私の息子……いやいや、息子の様な娘も元気に遊び回って居るでしょう……それに、噂の天才少女は予想外ですな?まさか私がどんな人間かご存知の様だ……。」

 

鎧衣さんが薄く眼を開け私を観察しながら話してきた。

私は背筋に寒気を感じながら必死に返事を考える。

 

「……よっ、鎧衣さんは運転手さんなのでしょう?どんな存在かはわからないですが……。」

 

私は、額に冷や汗を浮かべながら必死に返事を返す、間違ったらいつか殺されるのでは無いか?という恐怖が身体にまとわりついて離れなかったからだ。

 

「…ほぅ、”存在”…ですか…私はどんな人間か?と、聞いたつもりだったのですが?」

 

やばい、間違えた?冷や汗で背中がびしょ濡れになっているのが自覚出来る……

 

ートンー

 

ー【ビクッゥ】ー

 

 

「待たせたな白瀬、手続き終わったから行くぞ!……って何でそんなに驚いてるんだ?ん?なんだ緊張してるのか?流石にそれじゃ紅蓮様に失礼だからなぁ……着替え持ってきてるから大丈夫だよ、それじゃあ1度着替えるために道場の更衣室にでも行くか。」

 

手続きが終わった父親が私の肩に手を置くと私は跳び上がって驚いてしまい不思議そうにした父が緊張していると勘違いして宥めながら私の手を引いてくれる。

 

「では父上、私は白瀬を道場に連れて行きますので先に紅蓮中将の処に行かれては?」

 

「うむ、そうしようか。」

 

では、と言ってお祖父様と鎧衣さんを残して私とお父様は立ち去る。

 

「………おい、左近の小僧…まさかとは思うが白瀬になんかしたんじゃなかろうな?あの子があんな風に怯えるのは”あの事件”以来だぞ。」

 

「いやいやまさか、流石の私も剣術指南役の一席に名を連ねる祇園家に逆らう気概は持ち合わせておりませんよ、私が彼女に話したのは私の息子の事と天気のことぐらいですし。」

 

真面目な顔で問いただすお祖父様に対して柳に風、とばかりにニコニコとした笑顔のまま悪びれもせずに返答する鎧衣

 

「ん?確か貴様のところは娘じゃなかったか?」

 

お祖父様がふと、疑問に思い聞くと

 

「おや?そうでした、先ほどお孫さんにも同じ様なことを言ってしまいましたな。」

 

と、悪怯れる様子も無く言い切った。

 




マブラヴなのに戦術機がほぼ出無い……なんてSSだ………

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