ポケットモンスターXY 道中記   作:鐘ノ音

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年内に後一回くらいは投稿したいなぁ。


ほのぼのとした日常

「うん、西行寺さんのゲンガーは食べ過ぎだね。運動をして食べる量を減らす事。これは人間も食べられるポケモン用のご飯のレシピですから、作っている方に渡してくださいね」

 

「先生、ありがとうございました。妖夢ー、これ今度からゲンちゃんのご飯ー」

 

「ゲンガー、これのレシピも書いておいたから作ってもらいなね。霊力でピリピリするのを我慢したご褒美」

 

そう言いながら抹茶のポフレを取り出しゲンガーの手に乗せニコニコしている。

 

触診の時に霊力を纏った手で触ったらしく、我慢したらいい物をあげるからと言って我慢させていた。

 

 

「じー」

 

「鈴仙、カルテをファイルに入れて棚……はないから重ねておいて。電子カルテじゃないのこんなに書くの久々だよ」

 

「はーい」

 

「ねぇねぇ、先生。私、ポケモンが食べる前に試しに食べて安全か確かめないといけないと思うの」

 

「あはは、みんなそう言いますね。西行寺さんと魂魄さんの分も用意してありますから、部屋を出たら霊夢から受け取ってください」

 

「妖夢、ゲンちゃん、早く行きましょ!」

 

「幽々子様まだしっかりお礼も……ありがとうございました。これはちゃんと料理担当の者に渡しておきます」

 

「お大事に」

 

ぺこりと頭を下げて出て行くのを見送り、今のが最後だと大きく伸びをしてそのまま畳に仰向けで倒れ込んでいた。

 

「疲れた……」

 

「お疲れ様でした。ね、残りの時間は一緒にお喋りしながら食べたり飲んだりしよう?」

 

「あー、いいっすねぇ」

 

「私、またツカサの話が色々聞きたいな」

 

「自慢したくて仕方なかった筆しらべって技とシラヌイが何処からか持って来た身の丈程ある筆の話を40分くらい話そうかな」

 

シラヌイとの絆が最大まで深まったのか奇妙な技を身につけていた。

 

「じゃあ、灯りを消して行きましょ」

 

「うん」

 

………

……

 

その宴会から数日の間は紅魔館や守矢神社で過ごし、皆の気をある程度覚えると好きな時にいつでも来れるからとサクッとカロスに帰っていた。

 

それからすぐに修行がてら別荘に誘われ流れでドラゴンボール探しを手伝ったり、フリーザがちょっとした伝手で連れて来たとあるサイヤ人が暴走してしまったのをどうにかしようと時間稼ぎをして殺されかけたり、そんな濃い毎日を過ごしている内に数週間が経過している。

 

そんな中、各地方でリーグが再開される日が近づいていた。

 

そしてツカサは……

 

「おっぱいっていいよね」

 

小悪魔とのアレコレで異性への興味がかなり上がっていた。

 

「ようやく異性に性的な目を積極的に向けるようになってくれたか……」

 

「AZは何でそんなしみじみ呟いてんの?」

 

「ではその胸を触らせてくれるという女性とモフモフさせてくれるキュウコン、どちらかしか選べないとしたらツカサはどちらを選ぶ?」

 

「そらキュウコンよ。おっぱいよりポケモンでしょ」

 

「期待した私が馬鹿だった。だがこれは大きな一歩か」

 

「まぁ、それに小悪魔と早苗も居るし」

 

ある晩に早苗にサーッ!とされ、混濁する意識の中で理性を失いそういう関係になっていた。

 

「むっ……」

 

「それより怖くて誰にも話せなかったんだけどさ、数週間前幻想郷に行くちょっと前にまた異世界に迷い込んだんだ」

 

「いつものか」

 

「小さくなった悟空さんとか悟飯さんの娘さんが大きくなってたりした世界だったの。で、迷い込んだら即身体を乗っ取られちゃってさー」

 

本来使われるはずだった純血の王子ではなく、丁度よくフラフラしていたベストコンディションで仕上がっているツカサを使う事にしたらしい。

 

「どんだけー」

 

「最近テレビやらDVDやら見てるの知ってたけどそれは引く」

 

「私も言ってからないなと思った」

 

「それで話にだけ聞いてた大猿になって大暴れしたらしいんだよね。乗っ取ったベビーって奴が」

 

「それを聞かされた私のが引く」

 

「それからしばらくあっちでお世話になってたんだけど、本来尻尾があるだろう位置が最近妙にムズムズしてて困るの」

 

乗っ取られた件を話したらまず入院だ何だと騒ぎになるから黙っており、唐突に幻想郷に行ったのも永琳の検査のが正確だからという一点だったりする。

 

「とりあえず様子を見るのがいい。最悪私が孫悟空か孫悟飯に連絡をしよう」

 

「てかマジで生えて来たら切るしかないような……」

 

「今時尻尾くらいなら珍しくない。宇宙人の血を引いて先祖返りで猫の耳と尻尾がついた渋いおっさんを私は見た事がある」

 

「小さい頃に近所に住んでたお姉さんはウサミン星から来た宇宙人だったな。あのお姉さんのお陰でメイド服が好きになったんだよなぁ……今どこで何やってんだろ」

 

よく遊んでもらっていたらしく、フリーザやクウラが居たからか宇宙人説をガチで信じていた。

 

「あぁ、ちなみにだがツカサの森はお前が居ない間は平和そのものだったぞ」

 

「嘘つけ。絶対誰かしら迷い込んで来たりしてるゾ」

 

「寧ろ何もなさすぎてポケモンに私、17号も戸惑ったくらいだ」

 

「やっと、異常現象が収まったんやなって」

 

「多分お前が居ると色々起きるんだと思うのだが」

 

「ねーよ。死んだ目をした同い年くらいの女の子がフラフラしてた時はどうしようかと思ったけど。とりあえず一ヶ月かけてメンタルケアと色々吐き出させて、もう大丈夫だろうなってくらい元気になったの確認してから元の世界に送り届けたけどさ」

 

「また来たいと言っていたが……」

 

「もう無理だろうね。お土産に俺とセレナとその子と家に居たポケモン達で撮った写真を写真立てに入れて渡したから、こんな事もあったなって想い出くらいにはなるでしょ」

 

「あの娘ならどうにかして此方側に来そうな気もするが……」

 

「まぁ、向こうで友達が出来て楽しく過ごしてる限りは来ないでしょ。完全に回復してるといいね、西住さん」

 

「ああ、元気でやっていてもらいたいものだな」

 

「さてと……あ、そうだ。父さんとクウラさんが開発してゲーセンで大盛況な色んなロボが出るシミュレーターの筐体、あれのAI凄いよね。接する内に学習して投影される姿も変わるし、ちょっと高いけどスマホに専用アプリ入れれば日常的に一緒に居られるしで」

 

クウラは自社製品の大ヒットに嬉しい悲鳴で部下と一緒に社長の自分も走り、シュウはツカサにだけ仕掛けた高難易度をどう切り抜けるか楽しみに待っている。

 

「本宅のリビングの隅にある巨大なあれか。邪魔だ邪魔だと騒いでいた割には楽しんでいるな」

 

「だってやらなきゃ損だもの。ネットで情報見ると最初は好きな量産機を選んでミッションをこなして武器やら金やら稼いで新しい機体を買うとか書いてあった。俺だけグランゾンしか選べなくて、しかも低威力のグランビームしか使えないし量産機以下の紙装甲、しかも鈍重って罰ゲームなんだけど」

 

遅い、脆い、弱いの三重苦でビックリするくらい使えなかったりする。

 

かするだけでやばいレベルで対人戦でも見た目だけラスボスの鴨状態だが、チマチマした見向きもされないようなお使いミッションをこなしているのでまだ誰にも確認されていないツチノコ状態。

 

「草」

 

「本当どうした、最近現代に染まりすぎてないか? スマホも何か俺より巧みに使いこなしてるし」

 

「ふっ」

 

「バカにされてる気がしてムカつく……」

 

「まぁ、私も心に余裕が生まれたという事だ」

 

「あのポケモンのアプリも何か凄いやり込んでるし」

 

「ツカサから貰ったLRワールドチャンピオンツカサがぶっ壊れだったからだな。ブリーダーで経験値3倍、トレーナーで与えるダメージと全タイプステータス1.5倍、ドクターで回復速度3倍。排出期間が終わって今はおりゅ煽りが半端ない事になっているぞ」

 

「それでも男だからいらないって人が多そう。そういえば俺のサポートAIが何かロリに変貌したのが納得いかない」

 

「寧ろ納得出来る変貌なんだが?」

 

「おかしい……姉さんみたいなAIになるように会話をして誘導したのに何で銀髪ツインテールの無口系少女になるんだよ。早く稼いで戦艦を買ってくれってチラチラリストを見せて来て無言の催促もしてくるしさ」

 

「ほう」

 

「資金管理にミッションスケジュール管理とか全部やってくれてるからありがたいけど……違う量産機買える金額貯まったのに修理費やらメンテナンス費用やらに使うからダメって言うし」

 

AIの尻に敷かれておりゲーム内で自由に買い物が出来ない縛りプレイを強要されている。

 

尚資金の一部は戦艦購入費や自身のカスタマイズの積立に回されている事に気がついていない。

 

「不憫な……」

 

「みんなは1対1の鍔迫り合いとかチーム戦とかレイドバトルとか楽しんでるのに、俺だけAIと一緒に荷物運んだり指定された廃ビルを更地にしたり何ゲーやってんのか分からんレベル。近いうちにVR化もするみたいで、そうしたら農作業とか牧場の手伝いもミッションに加わるって」

 

そうなると完全に牧場物語を遊び始める事になってしまう。

 

「それはそれでブログやらに記録すれば面白いのではないか?」

 

「何が悲しくてロボゲーで牧場物語みたいな記録を残さないといけないんだよ……」

 

「コンバインってロボみたいな名前の機械もあるらしいじゃないか」

 

「農作業の機械が今のグランゾンより強かったら悲しいから絶対嫌だ。……それとブロリー達はもう平気そう?」

 

「ああ、パラガスは気が抜けて日がな一日ポッポに餌をやったりコイキングに餌をやりながら過ごしている。ブロリーは私やポケモンと共に木の実を植え、畑を耕し、ルールを教えたらリングマと相撲をしていた」

 

「あのリングマは本当凄いわ……チライとレモはフリーザ冷凍食品でしっかり働いて休日には遊びに来て泊まって行ってるし、一度うちで働かないかってスカウトしてみたけどダメだったんだよね。適度な距離感も大切だし、決まった日に会いに行く楽しみも知ってほしいって」

 

「ああ、なるほど」

 

ツカサと二人は連絡を取り合い、ブロリーと一緒に撮った写真等を送ったりと割と仲良しだった。

 

「それと歳離れてるけど兄弟みたいだってチライ達に言われてから弟扱いされてるよ。人間状態のまま大猿の力を引き出す方法をフィーリングで教えてくれてすぐに試したけど、気がついたら全身激痛で身動き取れなくてよく見たら心配そうな顔したブロリーに押さえ込まれてたんだよね」

 

見事なまでに呑まれて大暴走して襲いかかったが格上のブロリーにあっさり鎮圧されたらしい。

 

………

……

 

午後はまったりハンモックに揺られながら森へ続く庭を走り回るイーブイ達を眺めていた。

 

「ピカチュ」

 

『ツカサちゃん!』

 

「うわぁ……」

 

突如頭に直接話しかけながら降りて来た色違いのホウオウに心底嫌そうな顔を向けている。

 

『その蔑むような視線、嫌いじゃないわぁ……』

 

「お前本当他の伝説のポケモンに謝った方がいいんじゃないの?」

 

『そんな事はどうでもいいの! それよりツカサちゃん、おっぱいが好きになったんですって?』

 

「いや元から好きは好きだけども」

 

『セレナちゃんより私の方がおっぱい大きいわ』

 

「は?」

 

『私の方がおっぱい大きいわ!』

 

「ピカチュウ、10まんボルト!」

 

「ピーカー……」

 

『キャー! お兄さん許して! ピカチュウにビリビリされるなんてイヤよー!』

 

「こら待て逃げんな!」

 

「チュー!」

 

『おーっほっほっほっ! 悔しかったらここまでいらっ……あっ、ダメ! 来ないで! ツカサちゃん私より速く飛べるの忘れてたわ!』

 

「アホなのかな?」

 

「ピーカチュ」

 

 

逃げ去るホウオウを呆れながら見送り、再びハンモックに揺られ始めると……

 

「ツカサ、ボクの頼んだうすしおのポテチはどこにあるんだい? 映画を見ながらコーラと一緒に食べたいんだ」

 

「お前さ、感情が分からないだの魔法少女になれだの言ってた癖に完全にニートになってるじゃん」

 

喋る白い小動物のような生き物がハンモックで揺られるツカサの上に飛び乗り、テシテシしながら要求していた。

 

「この世界に来てリンクが切れて暇だから恐怖以外の感情も学んだんだ。でも何でボクのニックネームはキリコなんだい?」

 

「お前がボトムズ見てる時にいきなり現れたからだよ。キュゥべえよりいいと思うけど基本キュゥべえって呼んじゃうんだよなぁ」

 

なんやかんやあってツカサの家でニート生活を堪能しており、もう元の世界に戻る気はサラサラなかったりする。

 

「ツカサはネーミングセンスがないからありがたいね。ピカチュウの女の子だからピカ子って単純すぎないかい?」

 

「そんな事を言うなら晩飯抜きにして色々取り上げるぞ」

 

「やだやだやだやだ! ご飯の後にお風呂入ってブラッシングしてもらって、部屋で動画サイト見て回るんだから!」

 

「いつもの。クール系からだだっ子のニートになってんだよなぁ」

 

「ピカチュ」

 

こちらに来てから誰でも見えるようになっており、野放しにしたらヤバいと感じたツカサがペット扱いで保護して甘やかした結果がこれ。

 

「もうあんな勧誘活動なんてごめんだね! ボクは一生ここでツカサに寄生してやるんだ!」

 

「すげぇ送り返したい」

 

「この身体じゃ働けないから仕方ないね! ボクじゃない個体がガンガン殺される世界に帰ってたまるか!」

 

「あー……最初に覚えた感情は死への恐怖だったもんなお前。足滑らせて湖に落ちてギャラドスが口の中に入れて助けてくれたっていう」

 

「感謝はしてるけどギャラドスがトラウマだよ……真下から巨大な恐い顔をしたのが口を開けてくるんだもん」

 

「そいつはまだ生きてるし美味しくないだろうからペッしなさいって言ってなかったら食べてたかもしれないな」

 

ツカサはそれを笑いながら見ていたらしく、思い出してイラッとしたのかキュゥべえはペシペシと前脚で叩いている。

 

「この! この!」

 

「あ^〜、程良い力で顔をフニフニされるのたまらねぇぜ」

 

こうしてツカサの珍獣ランドに新たな仲間が加わっていた。

 

「はぁはぁ……」

 

「今度またロボゲーでマスコット扱いにしてやるからもっとやってどうぞ」

 

「そういえば知ってるかい? あのサポートAI、ツカサとボクのやり取りを見て「バカばっか」って呟いていたんだ」

 

「そりゃコンテナ運びながら何処のスーパーの駄菓子が美味いとか言ってりゃな。何処で買っても変わらないわ」

 

「ボクはスーパービッグチョコが好きだね。この身体でよかったーって思うくらい満足感溢れる大きさだよ」

 

「お前太らないからって毎日食べてるもんな。セレナ煽って踏まれてグリグリされてたけど」

 

「平たい胸族だから仕方ないね!」

 

「お前本当いつか埋められるぞ」

 

「ちなみにおっぱい大好きになったツカサ好みの巴マミはメンタルがクソザコナメクジだよ」

 

「個人情報漏らしすぎだろ。てかメンタルクソザコナメクジってなんだよ」

 

興味がないからか適当に話を聞きながら返答していた。

 

「どうせもう会わないしツカサも会わないから平気だよ」

 

「フラグっぽい事を言うんじゃない。あの時だってお前が当たりだらけの中で10分の1なんて引かないよ絶対、とか言ったせいで壊れたヒュッケバインMk-2になったんだからな。他だったらGN-Xとかドラグーンとかの高性能量産機貰えたのに」

 

「あれは思わず笑っちゃったよ。当たりやすい量産型ゲシュペンストすら引けないとかツカサは色んな意味で持ってるよ」

 

「うっさいよ! だけど次やる前にまたどっか行きそうだなぁ……」

 

その勘は正しかった。

 

………

……

 

数日後、リビングでメイドが運んで来た紅茶とクッキーを食べながらくつろいでいた。

 

「あ、そうだ。キュウべぇ聞いてくれ、お前の量産型と魔女を見て来た」

 

「『ワールドチャンピオンツカサ持ってないやつおりゅ?』ふぅ、今日も一日煽って発狂させないと。で、何? 魔女? 量産型?」

 

買い与えたノートPCで煽るキュウべぇを見ながら迷い込んだ世界での話をしようとしていた。

 

「何とか戸籍を作ってアルバイトしながらブラブラしてて……何やかんやあってマミちゃんがすげぇ依存してきた」

 

「は?」

 

「スーパーでいつも会うなぁって思ってて、遠出した街でカフェに入ってアップルパイ食べてたら偶然マミちゃんも入って来て向こうも驚いてたり」

 

「……ん?」

 

「それからもよく行く本屋で会ったり、バイト先に来たりと割と行動範囲が似てたのかもしれない」

 

「あっ……」

 

キュウべぇはよくツカサが行く場所や勤務先で遭遇すると聞いて察したらしいがツカサは全く気がついていなかった。

 

「お茶しませんかって自宅に誘われたからホイホイ付いて行ったらまさかの一人暮らしだし、仲間だねーって話もしたな」

 

「君は知らない人の家に付いていっちゃダメだって親に言われなかったのかい!」

 

「いや、その時にはもう自己紹介も済ませてたし……それから少しして最近物騒で一人だと怖いからってマミちゃんに言われてしばらくお泊まりよ」

 

「そんなもっともらしい言い分を……」

 

「それでそろそろ帰らないとって話をしようとしたら、何か大人びた服装のマミちゃんが帰って来て俺がアパートに残して来た荷物持ってて……幽霊アパートだったから解約するの楽だったってニコニコしながら言ってきてさ」

 

「それ完全にストーカーだよね? 寧ろ何で解約出来たんだい?」

 

「何人も逃げ出して解約しまくってたからまたかって。そんな彼女はメンタル激強だったんだけど?」

 

「偽物かな?」

 

「それから毎日学校から帰って来て朝起きるまでずーっと側にいるの。流石にちょっと怖くなってアルバイト帰りに公園に寄り道して時間稼ぎしてたんだよ。なのにいつのまにか隣に居た時は本気で驚いた」

 

気を探るのは近くにいたら怖いと思ってしなかったらしく、そのまま腕を組まれて自宅まで連行されていた。

 

「よく帰ってこれたね。ボク達はどうしていたんだい?」

 

「俺が一緒に暮らすようになったからか邪魔になったみたいで追い出してた」

 

「草」

 

「で、一ヶ月くらいしてもしかしてこれ依存されてないか?ってなった」

 

「遅いよ……」

 

「キュウべぇが見えてたからか、魔女退治を見てほしいって言われて付いて行ったりもしてたからかなぁ……まぁ、それから兎に角色々あって帰ってこれたんだよ。最終的に色々お手伝いしてたら黒髪ロングのぺったんな女の子も超依存して来たけど、一人も二人も大差ないしもう帰って来たからセーフ」

 

「また迷い込んだら最後だと思うよ」

 

「まずないから平気平気。二人共友達になってたし、なんなら百合百合してるかもしれないし」

 

「血眼になって探してそう」

 

地雷原でタップダンスして無事に帰って来たツカサをキュウべぇは尊敬しつつも呆れて見ており、いつかこっちに来たら大惨事だなと思っているがそっと心に秘めていた。

 

「何があっても高校生になるまでは手は出さないからって二人とは距離を置いてたから大丈夫」

 

「何というか……餌を与え続けて懐かせたのにいきなり居なくなる無責任糞野郎だね」

 

「意味が分からないよ」

 

「それはボクの台詞だよ」

 

「ちなみにカフェでご馳走する代わりに愚痴を聞いてもらってたまどかちゃんが癒しでした」

 

「あー、あの。フラットな身体で凄い才能のちっぱいの」

 

「後ですり潰しの刑な」

 

「なんで!?」

 

「俺みたいなお兄さんがいたらって言ってたから、彼女のお兄さんになったんだよ。だからすり潰そうかなって」

 

「そのだからですり潰す意味が分からないよ!」

 

「ちっぱいとか言ったからね、しょうがないね」

 

「お兄さん許して! お兄さん許して! すり潰されるなんてイヤよー! あー!」

 

「うるせぇ! 冗談だから喚くなって!」

 

 

数分待ち落ち着いてから話を再開していた。

 

「はぁ……冗談なら早く言ってよ」

 

「何なら向こうのお前にやったみたいに吊るして炙ってやろうか」

 

「すり潰すよりそっちのがリアルすぎて怖いよ!」

 

「まどかちゃん守る為とはいえ、最終的にサイヤパワーに興味を持たれて俺がストーキング対象に変わったのは本当ひで」

 

一段階目でも余裕で星を砕く力を持っているから仕方がない。

 

「だってツカサ達から溢れ出るエネルギーは凄まじいからね」

 

「へー」

 

 

そんな一人と一体の会話が終わるのを反対側のソファで待っている三人が居た。

 

「ディアンシー、セレナ、ボクはツカサの作ったシュークリームが沢山欲しいのです」

 

『私はエクレアを所望します』

 

「私はツカサのフレンチトーストかなー」

 

「あぅあぅ、梨花には内緒で毎日シュークリームが食べられて幸せなのです!」

 

『羽入は本当にシュークリームが大好きですね』

 

「ツカサも羽入ちゃんが来る時だけは沢山シュークリームを作るのよ」

 

「ツカサが持たせてくれるお土産も大好評で梨花達と取り合いになるのですよ! 当然この世界の話は秘密にしているのです! あぅ!」

 

 

 

キャッキャッ言いながら姦しい三人を見てツカサは呟いていた。

 

「何だろうね、この中じゃ純粋な地球人はセレナしか居ないとか笑っちゃう。そういや羽入は本来見えないとか言ってたな」

 

「最初から見えてたのに馬鹿らしいよね」

 

「お前も同じような事言ってたんだよなぁ……警察だ! もう抵抗しても無駄だぞ!って羽入を抱き上げた時はあぅあぅ言いながら混乱してたっけ」

 

「何やってんの?」

 

「何かピカチュウをおっかなビックリ見てたり、一発芸シワシワピカチュウで笑い転げてたり可愛かったからつい……」

 

「いつか小さな子と戯れてて捕まりそう」

 

「カントーでもう捕まってるんだよなぁ……」

 

若干トラウマになっておりカロス以外の幼女パイセンとはあまり戯れたりはしていない。

 

「マジで何やってんの?」

 

「親御さんに見ていてもらっていいですか、からの勘違い通報で話を聞くだけだからって連れて行かれたんだよなぁ……慌てて俺の擁護に来てくれた幼女パイセン達の親御さんと迎えに来てくれたオカリンに感謝」

 

世界チャンピオンになっている今ならば微笑ましく見られるだけで済みそうだが、カロス以外では自重している。

 

「何だろう可哀想すぎて仕方ないよ……でもツカサは整った容姿をしているのに捕まったのかい?」

 

「そんなのリアルで考慮されるわけないでしょ」

 

まともな感性を持った大人もいるんだなと思いながら素直に付いて行ったらしい。

 

「世知辛いね……」

 

「それで思い出した。この前マリリンさんが遊びに来て一緒に出掛けた時、マリリンさんが迷子を見つけて話しかけたらギャン泣きされて警備員に連れて行かれそうになってたのは笑ったわ」

 

笑いを堪えながらツカサが割って入って事なきを得たらしく、誤解が解けた後に笑い出したツカサの胸をポカポカ叩く姿を見てチャンピオン同士で本当に仲が良い事に野次馬は驚いていた。

 

 

「色んな意味でお似合いじゃないか」

 

「第三者だと見てて凄い面白かった。おばちゃん怖いー!とか言われて額に青筋浮かべて、笑顔なのに口元がヒクヒクしてたし」

 

そういう面も含めてツカサはマリリンを好ましく思っており、最近はインタビュー等で好きなタイプを聞かれると普通にマリリンと答えるようになっている。

 

「あ、そっかぁ……」

 

「泊まった翌日に俺にすっぴんを見られたって部屋に引き籠ったり、他にも色々残念な所も好意をもてるよ。薄く化粧するだけでも可愛いのに子供っぽさが残るから嫌って言うし」

 

「あぁ、ボクがいい歳して何恥じらってんだよBBAって扉をノックしまくって煽ってエライ目に遭った時の」

 

「般若みたいな顔で出て来てお前を鷲掴みにして部屋に戻って行ったっけ……」

 

「ツカサの好みとかを色々話して解放してもらえてよかったよ。グライオンってこわい」

 

「あいつかぁ……特性のポイズンヒールで回復してはねやすめ、どくどく、ハサミギロチンに苦戦させられたの思い出した」

 

仲良くなってからマリリンのエゲツない戦法は更に磨きが掛かっており、挑戦者の心をガンガン折りまくって惚気まで始めたせいでツカサにコントロールしろという謎のクレームが入り始めている。

 

「本当あのBBAは……そろそろお菓子作り始めた方がいいんじゃない?」

 

「そうね。今日はセレナが間違えて買って来たシュガーなしのコーンフレークを使ったパフェかな。昨日余ったガトーショコラにバニラアイス、チョコソースも生クリームもあるし」

 

そう言うとソファから立ち上がりキッチンに向かって行った。




こうなるとホウオウのNNはカチョウになるんやなって。
花鳥、火鳥、課長でピッタリ。


セレナ以外宇宙人やらポケモンやらで純粋な地球人が居ないツカサ邸。

餌やりおじさんと化したパラガス、ギャラドスやバンギラス等の強面ポケモンが懐くブロリー、スーパーニートなキュウべぇ、当たり前のように週一でシュークリームをタカリに来る羽入と個性的な面々が大集合。


FGOはSタルがヒロイン性能高めで満足だし、カラミティ・ジェーンは可愛いしでハロウィンシーズンにやらなければ良かったのになぁ。

PS4やっと買ってP5Rとアイスボーンを購入。
DLCペルソナは全部購入、衣装は10円のは全部購入してデモニカを買うか悩んでる。

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