今年はカントーでのチャリティイベント開催だったらしく、ツカサはやたら高いホテルに泊まる事になりソワソワしながら連れて来たポケモン達の世話をしていた。
「ハルカ対策のレックウザ、ヒカリ対策のゼルネアス、メイ対策のキュレム……後は過去に旅した面々を連れて来たけど」
カロス四天王達がドン引きするくらいの数を連れて来ており、試合毎に別のポケモンを使うツカサのデータが集まらず各地方のチャンピオンは苦戦を強いられる事になる。
圧倒的な力で捩じ伏せる面々の人気は相変わらず高く、伝説や幻を所持していないと思われているツカサの人気はチャンピオンの中では未だ低い。
「ピカー?」
「カントージョウト統一チャンピオン対策にジガルデのきよひーも連れて来てるよ。ホウオウを使うらしいし」
四天王も含めた総当たりなのかと思っていたようだが、四天王は四天王だけでランダムに試合が組まれているらしくツカサは一人で全てのチャンピオンの相手をがんばるよう言われてしまっていた。
ぶっちゃけツカサが頭を潰せば四天王が勝とうが負けようが関係ないらしく、他四人は試合が終わった後の観光等のが大切なようだった。
そして記念すべき一日目の一試合目……
広すぎる大会場は観客で埋め尽くされ、天井は開いて青い空から太陽の光が降り注いでいる。
「悪役っぽいキャラを演じながらバトルってなんだよ……絶対途中から出来ないわこれ」
「ツカサ、容赦しないからね!」
「ハルカはお馴染みの初手レックウザかな? 旅してた時はやたらかもかも言ってたハルカはもう居ないんだなって」
今まで戦った事のないくらいでかい会場でのバトルにワクワクしていたが、チャリティバトルだからかキャラを演じながらという無茶振りをされていた。
「えっと……オーッホッホッ! さぁ、行きなさいダーテング!」
「ハッ、行けリザードン!」
『さぁ、記念すべきチャリティバトル第一試合はホウエンチャンピオンのハルカ! 好きなタイプは自分よりバトルが強く優しく家事が出来る人! これはアラフォーコース一直線だー! それに対するはカロスに生まれたニューチャンピオン、カロスのヤベー奴ことツカサー! 好きなタイプはみずタイプ、こちらは趣旨をまるで理解していないー!』
実況もノリノリなのか色々毒を吐きながら二人の紹介をしていた。
そこからは一進一退の激しいバトルが繰り広げられ、互いに一体また一体と倒れていき観客達の盛り上がりも凄い事になっていた。
「お願い、バシャーモ!」
「お前の師匠に勝利報告をしような、ゲッコウガ!」
ハルカの一番古いエースのバシャーモ、ツカサの2代目の黒いゲッコウガが場に出ると会場の歓声は更に大きくなっていた。
「バシャーモ、とびひざげり! ゲッコウガはあくタイプもあるはずだから当たれば一撃かも!」
「ゲッコウガ、かげうち」
とびひざげりを繰り出そうと踏み込むバシャーモの背後から影が襲い、それは体勢を崩すつもりの一撃だと誰もが思っていた。
「そんな攻撃じゃ私のバシャーモは倒れないよ!」
「だろうな。だから自爆してもらう」
ハルカからの信頼に応えてバシャーモは体勢を崩さずにとびひざげりをゲッコウガに放ち……
「えっ……な、なんで!?」
「俺のゲッコウガは変幻自在なんだ。かげうちを使うのにゴーストタイプに変わった、だからかくとうタイプの技は効かない」
微動だにせず睨みつけるゲッコウガの身体をバシャーモはすり抜け、とびひざげりの勢いを殺せず地面に激突してかなりのダメージを受けていた。
「それならほのおのパンチ!」
「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」
痛みを耐えてハルカの指示通りに走り寄ってほのおのパンチを繰り出そうとするも、それより速く動いたゲッコウガが掌に作り出した小型のみずしゅりけんで動きを制限され誘導されていく。
気づいた時にはもう遅く、いつの間にか分身していたゲッコウガが全方位からみずしゅりけんを放ち容赦なくバシャーモの体力を削り切ってダウンさせていた。
「バシャーモ! ……やっぱりツカサは強いわ。でも次でわたしもツカサも最後、勝つのはわたしかも!」
「そうだなぁ……あ、忘れてた。ハルカ達のバトルは素晴らしかった! コンビネーションも戦略も! だが! しかし! まるで全然! この俺を倒すには程遠いんだよねぇ!!」
唐突に悪役っぽいキャラを演じながらゲッコウガをボールに戻す姿は若干シュールな光景だった。
そして皆が待ち望んだハルカの切り札、伝説のポケモンであるレックウザの入ったマスターボールが手に取られフィールドに向かって投げられている。
「あの時より強くなった私のレックウザ、ツカサは倒せるかしら?」
「キュリリリリ!!」
緑色の巨体をくねらせ叫びを上げながら現れたレックウザがハルカを守るように佇んでいる。
「この瞬間を待っていたんだ」
最後の最後に出されたレックウザを見て不敵に笑うツカサが大モニターに映し出され、伝説のポケモンを相手にして笑えるツカサに観客達はやはりチャンピオンは普通のトレーナーとは頭の中身が違うんだなと思われていた。
「うん、やる気満々だな」
そう呟くと歓喜で震える最後のモンスターボールに手をかけフィールドに向かって投げている。
「キュリリリリリ!!!」
ボールが開くと黒いレックウザが渦を巻くように飛び出し、ツカサの周りを嬉しそうに回ってからハルカのレックウザと対面していた。
ツカサのレックウザは基準とされていたハルカのレックウザを越える大きさになっており、色も相まって威圧感が半端無い事になっている。
「……え?」
『初戦から伝説対伝説!! カロスチャンピオンは伝説のポケモンを捕まえていないクソザコナメクジだと一部から馬鹿にされていたがこれはどう言った事なんだぁぁぁぁ!!』
『どうやらカロスチャンピオンは強すぎる力を安易に振りかざさないタイプのチャンピオンのようですね。いつか誰しもが辿り着ける可能性のある手段だけでチャンピオンになったようですし私は好きなタイプのチャンピオンですよ』
『確かに毎年伝説のポケモンが最初にぶつかりあって立っていた方が勝ちのパターンばかりでしたからね』
視聴率も募金も年々減っていた理由がこれでワンパターンになりすぎており、ツカサの参戦に期待をして今年は盛り返しているがそれもここから最終日まで続くかどうかが問題だった。
更にハルカを相手に一歩も引かず互角以上に戦い、挙げ句の果てに黒いレックウザを出して不敵に笑う姿が魔王のようだと様々な地方の人達に印象付けてしまっている。
「レックウザ!」
「……我が心に応えよキーストーン! 進化を超えろ、メガシンカ!!」
レックウザへの指示を出すハルカを尻目にツカサはメガリングZのキーストーンに触れ、光を放つその腕を高く掲げていた。
襲いかかってくるハルカのレックウザと激しい空中戦を繰り広げていたが、ツカサの声を聞いて長い身体を打ち付けてハルカのレックウザを叩き落としている。
そのまま黒のレックウザが光を放ち始め、ツカサのリングから放つ光と強い祈りがレックウザに届いて混ざり合い光の繭が空高くに生まれ……
「来い、メガレックウザ!!」
黒く禍々しい見た目と更に迫力を増したメガレックウザを見て少々ツカサを舐めていた他地方のチャンピオンズは認識を改めていた。
ツカサ以外女性チャンピオンしか居らず、他に漏れず軒並み加減が出来ない面々で男からは避けられている。
容姿だけでなくオープニングセレモニーでのファンや纏わり付くホウエン、シンオウ、イッシュチャンピオンへの対応と、チャンピオンだけで挨拶をした時に全く怯えず笑顔で握手やハグに応じる姿で性格も良かった。
もしかしたらこれはチャンスなのでは?と皆が内心考えており、ポケモンの話で盛り上がった一部の者達は連絡先を既に交換しており内心勝ち誇っている。
「れ、レックウザ! 」
「メガレックウザ、これは俺達カロスの強さを証明する為の始まりのバトルだ。絶対に勝つぞ」
ハルカの言葉で襲いかかって来た自身の同族を睨みつけながらツカサの言葉に頷くと、その長い尾を鞭のようにしならせてレックウザの横っ面を薙ぎ払って地に叩き落としていた。
レックウザはたったそれだけで苦しそうに身悶えをしており、薙ぎ払ったメガレックウザはあまりの手応えのなさに戸惑っている。
今まで圧倒的な力で相手を倒して来たホウエンチャンピオンのレックウザがあっさり叩き落とされた事に観客達も静まり返り、何が起きているのか皆が理解出来ていなかった。
「……え?」
「まぁ、仕方ない」
毎日ツカサのポケモン達とのバトルで鍛えられているメガレックウザは今の一撃も防がれる前提で繰り出したらしく、まさかこうなると思わなかったようでチラチラとツカサを見ている。
「はっ……レックウザ、げきりんでこっちのペースに戻すわよ!」
「メガレックウザ!」
悶えていたレックウザはハルカの指示で急上昇、そのまま加速してメガレックウザ目掛けて襲いかかっていく。
メガレックウザは暴れようとするその全てを見切って会場を飛び回り、疲れ果てたのを見ると空に向かい急上昇
「ガリョウテンセイ!」
ツカサがこれでトドメにしようと出した指示を聞き、空高くから加速しながら疲れ果てているレックウザに向かって急速落下し……
『初戦勝ったのは……』
「俺の……勝ちだ!!」
バトルフィールドにはハルカのレックウザが埋まって気を失っており、ツカサのレックウザもメガシンカが解け少々フラフラしながら浮いている。
ツカサは悪役の演技を忘れて右腕を突き上げて勝利宣言をしていた。
………
……
…
試合後に勝者へのインタビューがあり、それに答え終わってハルカと握手を交わそうと近づくと
「ツカサー!」
「握手だって言ったでしょ! 離れなさいってば! こんな事してると彼氏やら出来なくなるぞ!」
まだ撮影されているのにプライベートのように抱きついてきて、慌てて離そうとしたが写真もパシャパシャ撮られて既に手遅れだった。
「あ、それは別にいいかも」
「いや、マジでハルカのママさんが嘆いて何故か俺に電話とかしてくるから言ってるの。最近は何かご機嫌で電話してくるからちょっと怖いけど」
個人の控え室ではなく暇潰しに大きな休憩室に集まっていたチャンピオン達はハルカが当たり前のようにベッタベッタする映像をビキビキしながら見ており、ヒカリとメイは自分達もバトルをしたらやろうと決めていた。
………
……
…
初日はもうやる事もなく自由時間になり、周辺の散策をしようと一度ホテルに帰って着替えてから出歩いている。
「兄弟子達はパーティーで知り合ったみんなと見に来るとか言ってたなぁ。姉さん達もグラジオ連れて来るって言ってたし」
「ピカピカ」
「明日はクッキングバトルの日だからなぁ……審査員にだけは絶対なりたくない」
各地方のチャンピオンのデータを見て全員家事×が付いてるのを見て何かの間違いじゃないかと資料の担当者に連絡をするも、何一つ間違っていないと言われて絶句していた。
「ハルカ達には俺が旅の最中に何度も料理くらいは出来るようになれって言っておいたのに……」
「ピカピーカ」
二日目は色んな意味で地獄絵図になるのは確定だった。
観客、実況、ツカサの誰もが怯える中で抽選で選ばれてしまう審査員、嫌だぁぁぁっ!!という切実な悲鳴と共に連れて行かれてしまう選ばれた幸運な観客。
毎回各地方チャンピオンが頬を朱に染めながら審査員に指名してきて、撮影されていようが関係なく美しい土下座をして断るもそのまま運ばれて行くツカサ。
「とても嫌な予感がする……俺のお腹が大変な事になるような」
「ピカ?」
「審査員は可哀想な料理研究家に抽選で選ばれた観客、会場内の誰かから指定だから心配はないと思うけど……嫌な予感が拭えないわ」
ピカチュウに愚痴りながら公園のベンチに座りボーッとしており、これから暇な時間をどう潰そうかと考えているだけで時間が過ぎて行く。
「異星人の霊に教えてもらった瞬間移動、早く自分の物にしたいなぁ……毎日姉さんに会えるようになるとか最強の技だわ」
留美穂が毎日会いたいと言えばそれだけで即自身の物にするくらい振り切っているが、今は早く使えるようになりたいと焦って中々身につかない悪循環に陥っている。
「しかし最近荒廃した未来の世界とかいう怖い夢を見る日が続くのが嫌だなぁ」
「ピカ、ピカピカピ」
「うなされてるからって顔を叩いても痺れさせても起きないって? もっと優しく起こしてくれよな~、頼むよ~」
「ピーカ」
ありえた絶望の未来の世界に精神だけで行っており、その時だけ肉体も構成されていて向こうで死ねばこちらでも死ぬかなりヤバイ状態なのに気がついていなかった。
「とりあえずうなされてたらみんなで起こしてくれればいいよ。あの世界は怖いから……」
先日は苛烈な戦いが始まるのを目撃して気を抑えて潜み、終わった後に倒れていた二人を見つけ運んで助けたりしている。
こちらで貰った不思議な豆もいくつか持ち込めていたらしく、自分が起きる前に食べさせた所で目を覚ましていた。
「ピカピー?」
「兎に角起こして。……そういやわたぼう達があの不思議な豆を育てるって全部持って行ったけどどうなってるんだろう」
皆に大切に育てられて順調に成長しており、一年後にはちゃんと一定数収穫出来るようになっている。
アイスの移動販売の車が来たのでポケモンも食べられる物を購入し、再びベンチに座りピカチュウと一緒に食べていた。
「チャァ……」
「頭がキーンってする……」
美味しかったからか早く食べ過ぎて一人と一体はアイスクリーム頭痛に苦しめられている。
ピカチュウはスプーンを手に片手で頭をテシテシ叩き、ツカサはアイス片手に額をトントン叩いていた。
同じようにアイスを買って歩いて来た学校帰りの女生徒達にクスクス笑われているがそれどころではなく、治るタイミングまでシンクロする光景を皆が見守っていてくれている事にも気がついていない。
「……あー、痛かった。なんならクレープでもよかったかもしれない」
「ピーカ! ピカ、チャァ!」
「でもアイスが好きだからね、しょうがないね」
ツカサは気づいていないが亞里亞の家の執事やメイドの何人かが私服姿で見守っており、不埒な人物等の接触がないよう警戒と亞里亞に送る写真を撮っていた。
ツカサのご先祖様に兄弟子とそのライバル、年の離れた友人である兄弟子の息子にツカサと種族的にお金持ちな異性に好かれやすい何かがあるのかもしれない。
「ピカ!」
「モーモーミルクのアイスは美味しいもんな。ビークインの蜜かけたり、ドレディアの花の蜜をかけたり」
様々な天然素材でアイスを自作するらしくサナやティエルノ達にも好評で、セレナパパのカフェにも稀にアイスを納品しており即完売になるくらいの人気はある。
不思議な豆程の効果はないが擦り傷や切り傷といった軽い物や荒れた手や肌等にも効果があるらしく、食べるだけで肌荒れが治ると深夜まで勉強をしているセレナは毎日食べてツヤツヤしたお肌を保っていた。
「ピカ、ピカピー」
「帰ったら作ろうな」
………
……
…
ホテルに戻り夕方のニュースを見ているとド派手な初戦の事が取り上げられており、自身が初参加でハルカを破った事でカントー以外にも名を轟かせる事になっていた。
「うわぁ……ネットだけで有名だった頃に戻りたくなる。うたた寝してただけで荒廃した世界の夢を見るのはつれぇわ」
うたた寝ですら迂闊に出来なくなってしまい頭を抱えている。
「森の警備に雇って四月から来てくれるっていう17号さんともう一人の兄弟子の奥さんの18号さんに似た二人組が暴れてたの超怖い」
自然とポケモンの保護も兼ねて割と厳しい条件で募集しており、十中八九来ないだろうと思っていたら来たらしく即採用。
広範囲の見回りと怪我をしたポケモンの保護、今は被害は出ていないがポケモンハンター等 が侵入した時の対処等の危険な可能性もある故にかなりの高給だった。
「あぁ、また眠く……」
地獄を見た。
………
……
…
「あの世界の悟飯さんパネェ。教えるの上手いし……年齢以外フィードバックしてるからちょっと服のサイズがキツいな。金髪碧眼、こっちの変身のがカッコいいなこれ。……あれ? これから人助けの時はこうなれば正体バレないんじゃね?」
翌朝眼を覚ますと何かに吹っ切れたツカサは鏡の前に立ち、逆立った金髪と鋭い碧眼を見ながら呟いていた。
「野生のミルタンクが沢山居たお陰でモーモーアイスを沢山作れたから助かったなぁ。修行で出来た怪我も治ったし、コンディションも整うから毎日が修行修行……」
鬱フラグブレイカーとして派生した世界を掻き回し中であり、更に適応する程度の能力がヤベーくらい機能して恐ろしい速度で成長しており兄弟子達も会場で再会した時に驚くレベル。
「……ん? こっちの十数時間で向こう側でのランダム日過ごせて、更に老けず色々フィードバックするとかチートやんけ」
もう存在そのものがチートの塊なのでセーフ。
「確かこっちは……あ、二日目だっけ。朝食に新聞もお願いして総当たり一日目の結果見ないと」
初日は統一、シンオウ、イッシュは当然のように白星を挙げていた。
「うわっ、相変わらずエグいなぁ……」
鮮烈な世界デビューを果たしたツカサ特集も組まれており、ハチクマンが置かれている希少なレンタル店では特設コーナーが早速出来ている。
「ギラティナとゼクロムとホウオウが大暴れとか伝説所持者は圧倒的すぎるのがまたなんとも……明日は午後の一般参加も可能なちょっとした武道のレクリエーションに格闘技世界チャンピオンのサタンさんが来てくれるんだ。挨拶はしに行くとして……うわ、参加者には自腹で賞品を用意してるとか本当いい人すぎる」
新聞に挟まれていた予定表を見ながら呟いていた。
「……『あの唯一の男性チャンピオンであるカロスチャンピオンも参加するぞ!』って隅っこに書いてある。やだー!」
尚色々やらかしてもカロスチャンピオンだしなぁ、で済まされるくらいに有名になってしまっている。
カロスの有志が作ったまとめサイトにはやらかした事の時期一覧や写真、動画もあり初心者からツカサガチ勢まで楽しめる模様。
「……最優秀者には『どんな怪我も治すマシンを自宅に設置しませんか?』のCMで有名なクウラさんの会社の最高級メディカルマシンが貰えるの? ガチで勝たなきゃ」
鍛え始めた今は割とガチで欲しい物だったが高すぎて手が出せず、賞品になるなら必ず手に入れてやろうと物欲に釣られていた。
「まぁ、まず負けないだろうし余裕……嫌な予感がする。兄弟子とか普通に楽しそうだからとか言って参加してきそう」
パーティーで知り合い仲良くなった面々は賞品に釣られたり兄弟子が出るならと軒並み参加し、ちょっとした天下一武道会のような様相になってしまう模様。
「とりあえず今日のクッキングバトルをがんばろう。四天王のみんなはカントー観光を楽しんでて写真まで送って来てめっちゃ腹立つけども」
殆どの四天王はチャンピオンとは一歩引いて公私を分けているが、カロスはツカサに変わってからみんなで仲良く食事をしたり遊びに出掛けたり日常的にバトルをしたりと仲良くなっていた。
そして激動の二日目が始まる……
色々やらかしていく初日。
三号に任命されちゃう可能性が高まる。
またジラーチの配布がポケセントウホクオンリーでいい加減嫌になってきた。
トウホクだけ色違い、その他ポケセンは通常色の配布でいいじゃん……。