ポケットモンスターXY 道中記   作:鐘ノ音

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番外編 世界樹の迷宮に集う仲間達3

世界樹の探索前に伸びた黒髪をツカサは切らず、フラリと何処かへ出掛けて翌朝に帰って来ると髪の一部を三つ編みにしていた。

 

ハイランダーを纏める者を世話になった老夫婦が呼んでいたらしく、問答と手合わせで正式にハイランダーとして認められて細やかなお祝いをしてもらったらしい。

 

『総ての正義である為に』

 

心にストンと落ちたハイランダーとしての在り方、そして纏める者に認めてもらえた嬉しさでツカサは心にゆとりが生まれていた。

 

 

身体を休める為の休日、男女別れて宿の部屋でそれぞれ満喫している。

 

「マミにマシュ、最近のツカサがやばいわ。今まで以上に笑顔が素敵」

 

「動きも今までよりキレがいいですよ」

 

「流石私の旦那様ね」

 

女子達は街で買ったお菓子と紅茶で最近のツカサについて語っていた。

 

 

 

「ルルーシュの女装姿は似合いすぎて逆に引くわ」

 

「わかる」

 

「……今回は俺が最下位だったから次のゲームはチェスで勝負させてもらう。最下位が一日女装、二番が半日女装の罰ゲームだ」

 

ウィッグを付けてメイクをしプリンセス用のドレスを着たルルーシュにツカサとルークはドン引き、カチンと来たルルーシュは得意分野で勝負を挑んでいた。

 

「やった事ねぇよ……オサレでやってみたかったけど」

 

「二位はなしだろ!」

 

「知らんな! 今回は俺がルールだ!」

 

「汚い、流石ルルーシュ汚い。……この前の帰りに倒れてた女性、やっぱり俺の事を知ってたよ」

 

「ツカサに惹き寄せられているのかもしれないな」

 

「ラケル・クラウディウスさん、その世界の俺の上司だったって。思考も人になってて脚も動くとかちょい電波さんっぽかったし、何か俺に討たれたとか物騒な事を言っててやばい」

 

ガチでヤバい人物が来ているが人として流れ着いたらしく、今の所は病院で療養しているので特に問題はなかった。

 

「危険人物か? 他のツカサはどうかわからないが、お前と大して変わらないなら討った理由も正しい行いではない事をしたからだと推測出来るが」

 

「得体の知れない感じはする。異性を見るような目をしたり、子を見守る母のような目をしたり……まだ見極められない」

 

「俺はチキンカツサンドを作ってくれるツカサの判断に従うから」

 

「俺はツカサと次の見舞いの時に共に行こう。ツカサがそこまで言う存在なら一緒に見た方がいいだろうからな」

 

「それと向こうの俺は老若男女問わず無自覚にフラグを乱立させてるって言ってた。自殺志願者かな?」

 

大まかなディストピアな世界についても話は聞いており、そんな世界でフラグを乱立させていると知って頭を抱えたようだった。

 

「普段のお前と同じじゃないか」

 

「あ、ルルーシュもそう思ったか」

 

「ルルルコンビが酷い」

 

「「俺達を纏めて呼ぶのはやめろ!」」

 

「呼びやすいんだもの」

 

………

……

 

ルルーシュと共にラケルの元を訪れて詳しく話を聞いた結果……

 

「ゴッドイーター、か。そんな世界でも俺は生き足掻いてるんだなぁ」

 

「恐ろしい話だったな。正直俺はこの世界に流れ着いてよかったと思ったよ」

 

「世界存続の為に殺し殺される関係だったらしいのに、母として女として愛していますとか言われた時の俺の気持ち分かる?」

 

「面白……厄介な女しか惹き寄せないなツカサは。俺の世界でも似たような目に遭ってそうだが」

 

「あの女医さんは俺が連れて来る=ギルド入りだと思ってるのか勝手にメンバー登録手続きしてたしさぁ……てか魔法使える世界から誰か来てくれてもいいのに」

 

「現実逃避しているようだが、見舞いに行く途中に拾った女性のせいでツカサを中心に誘蛾灯のように集まっている説に信憑性が出たぞ」

 

「俺の顔を見て驚いて、ミーアって名乗ってから気を失ってたね。あとおっぱいが大きかったです」

 

「あの女医もまたかって顔をしていたな。それとあの幽霊屋敷だが、依頼をこなしてくれるなら無料でいいとの事だ」

 

「マジか。男と女の部屋が離せるから毎晩騒ごうぜ!」

 

「寧ろ俺とルークの平穏の為にお前の部屋は女側にしたいんだが?」

 

「道連れって知ってる?」

 

「それにマミと盛るのが目に見えるからな。それならマミの隣にするのが正しいだろう……おい、誘蛾灯。また行き倒れがいるぞ」

 

「え? ……あ、やった男だ! マミにまた女の人を拾ったの?って言われないで済む!」

 

「言われるんだよなぁ……」

 

「ミーアさんについてはきっと俺とは関係ないだろうから! てかあんな女性と知り合いだったら異世界の俺を尊敬するわ」

 

 

マシュに話を聞いてから絶対に秘密にしないといけないと考え、誰にも話していない存在もいる。

 

現在も隔離され精神的な治療をされているオルガマリーという女性、一年近くおかしい状態が続いていたが最近ようやく話が出来るくらいに回復していた。

 

初めて対面した時は付いていた医師達を振り払い物凄い勢いでツカサに詰め寄り、引き剥がされるまで必死に支離滅裂な言葉を並び立てて大変だったらしい。

 

無駄に記憶力がいいのが災いしてカルデアにレイシフトという単語からマシュと関係している人物だと気がつき、会わせようかと思ったが精神が安定するまでは秘密にする事を決めていた。

 

 

「フラグか。もし俺の居た世界でナナリーとその手のフラグを立てていたらツカサを抹殺しなければならないな」

 

「無表情のルルーシュ超怖E」

 

………

……

 

「えっと、ツカサとは私がラクス様の代わりになる前にお付き合いをしていたの。私が夢を叶える為なら身を引くって言ってくれて、そのまま行方不明になって連絡が取れなかったのよ」

 

「よもやこの世界で白河博士に救われ、更にブシドーという職に就くとは……乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない」

 

「ツカサ、ここは賑やかですね。貴方が大黒柱、これからは私が母として……」

 

「ライダー助けて!」

 

幽霊屋敷が手に入り改装やらも終えた頃に皆が同日退院でワチャワチャして大惨事だった。

 

 

「人材発掘マシーンツカサか……黒の騎士団時代に居てくれたら毎日歩き回らせる仕事だけをさせていたな。バード、ブシドー、メディックが同時に加入とは……梨花はドクトルマグスに適正があったようだが、広範囲属性攻撃持ちが来ていないのが辛いな」

 

「ツカサがマミとマシュに足をグリグリされながら必死に助けを求めてるぞ」

 

「マシュもタイムリミットがなくなった事を俺達に話してからマミに一切の遠慮もなくツカサに甘えたり、マミにばかり構うツカサに嫉妬してみせたりと明るくなったな」

 

「『先輩が先輩すぎて、もうこっちの先輩も先輩ですから!』って色々凄かった。割とみんな腹黒いから全く羨ましくないハーレムだが」

 

「しかも知らぬ世界の自分の行いで好感度は最初から最大、下げようと色々するも向こうの自分と全く同じ事をしているから意味がない。つまり最初から詰んでいる形になるわけだ、可哀想に」

 

「物凄く嬉しそうな笑みを浮かべて可哀想とか言ってるんだよなぁ……」

 

「奴が四苦八苦する姿を見ると何というか……愉悦というやつだな。俺の為に更に増えて欲しい」

 

既に親友レベルで仲良しだが、一度は経験しておこうと娼館に一緒に行っておきながらマミに密告したりとツカサの面白い扱い方を心得ていた。

 

だがルルーシュもツカサに選んだ娼婦が年下のつるぺったんボディだった事を皆に暴露され相討ちだったりする。

 

 

「程々にしとけよな。拠点構えてから料理してるのツカサなんだから」

 

「分かっている。刺されないよう円満に行くように女性陣だけで話をする機会を作り、男性陣は酒場で飯を食う流れを作らなければ」

 

「食の喜びだな!」

 

「あぁ、国営料理店の手助けはルークがツカサに頼み込んだんだったな。レジィナに任された店名はマシュの考えた『カルデア』に決まっていたが」

 

………

……

 

「酒場でグラハム歓迎の為に飲めや歌えやで盛り上がって帰って来たら、何故かマミ以外も養う事になってたんだけど?」

 

「「おめでとう」」

 

「いや、こいつはめでたい! 私の世界の白河博士は逃げに逃げたが最後には薬を盛られ、そのまま既成事実を作られて死んだ目をして婿入りしていたが」

 

「なにそれこわい」

 

「相手は死んだと思われていたが宇宙で漂流していた名家の娘だったはずだ。鬱陶しそうに助けなければよかった、と呟きながら大好きな研究開発が出来ないと嘆いていた姿は痛ましかった……」

 

「研究開発が大好きなのか……相手が美人なら勝ち組だろうけど」

 

「ああ、見目麗しいご婦人だった。ゲッソリした白河博士にべったりしていたのも印象深い」

 

「うわぁ……」

 

「適度に研究開発をさせていれば浮気をする心配がなく、その開発を商品化する事で働かせず、更に身体の相性が信じられないくらい良いから手放せないとご婦人に惚気られたよ」

 

「ピュアな女性と幸せになってる俺は居ないのかな?」

 

 

そんな悲しい話を聞かされて数日、公宮からのミッションである行方不明の衛士を探し終えていた。

 

F.O.E.である駆け寄る襲撃者、そのボスである残酷なる蹂躙者をも撃ち倒している。

 

「鹿は簡単だったけど、今回は罠が使えたのも大きいな」

 

「ええ、それに私達のギルドも少しずつ有名になってきてるわね」

 

新人冒険者は3Fが鬼門になっているらしく、そこで文字通り蹂躙されて散る者が多い。

 

そんなF.O.E.を新人冒険者ギルドが撃ち倒し、更に行方不明だった衛士を見つけた事で酒場では話題になっている。

 

「ツカサ、ここからは慎重に進むぞ。経験を積んでスキルの習得も考えなければ公宮から出されたミッション、百獣の王キマイラ討伐が厳しいかもしれない」

 

「ああ、他にも採集したりもしたいしな。ルルーシュの号令はマジでありがたかったよ。力が漲るし、守りの精度も高まったし」

 

「先輩、私も挑発をして受け流すスキルを覚えますよ!」

 

「そうだな。俺は待機組とも出るから、同時進行のがいいかもしれない」

 

一階層の壁を乗り越える前に地力の底上げに走り始めていた。

 




こんなに居るのにまだ広範囲属性攻撃持ちがいないっていう。

GEツカサはキュウビ辺りが懐いてそう。
喚起と従属の複合的なアレで。

後はカスメ、レンジャー、ダクハン、ペットで全職加入。
所長は強制アルケミスト枠確定。


FGO、弓エミヤと殺エミヤが欲しくてガチャ回したのに鈴鹿御前が出すぎて困る。
かなり好きだけどもう5で重ねられないからレアプリ行き。

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