ポケットモンスターXY 道中記   作:鐘ノ音

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道中記の本編終了後のIF的なあれ。



番外編
番外編 世界樹の迷宮に集う仲間達


拝啓

 

カロスの皆さん、お元気ですか?

 

僕は元気です。

 

ここが異世界という事を除けば……

 

「ツカサ、どうしたの?」

 

「今日はマミと初めて世界樹探索をするんだなって感慨に耽ってた」

 

「私がツカサに助けられて半年……ふふ、ギルド『ドリフターズ』始動ね!」

 

「マミが見てた漫画のタイトルだっけ?」

 

「ええ、私達の境遇にそっくりなの!」

 

 

ここはハイ・ラガード公国、世界樹を神木と崇める国。

 

数年前に見つかった遺跡群や世界樹の迷宮の探索をする為に数多の冒険者達が訪れる国でもあり、国が世界樹探索を支援し報酬を用意している。

 

 

「漂流者、ねぇ」

 

ツカサは約一年前に迷い込んでおり、生きて行く為に配達のアルバイトをしたり酒場でウェイターをしたりして過ごしていた。

 

マミを見つけたのは配達のアルバイトが終わり宿に帰宅途中の街中であり、恐慌状態で皆が遠巻きに見ているのをある程度落ち着かせてから連れ帰っていた。

 

宿でもガタガタ震えが収まらず、手を伸ばしてくるマミを抱き締めて優しい言葉と背中をポンポンして落ち着くのを待っていた。

 

それが原因で完全に依存されてしまったが、宿の女将や冒険者達に優しくされても孤独を感じていたツカサはそれを受け入れて共依存のような状態になっていた。

 

「そ、それで今日は帰ったら……ね?」

 

「よっしゃ、やる気出てきた」

 

そんな二人が一線を越えたのが二ヶ月前であり、それから急速にマミの精神が安定して今に至る。

 

快楽よりも心の充足感が凄く、互いに離れられない関係になっていた。

 

 

「もう……ツカサのえっち」

 

「男だからね、仕方ないね。さて、行こうか」

 

此方に来てすぐに嘗てはハイランダーだった爺さんの元でアルバイトを始め、暇な時間には徹底的に鍛えられハイランダーとしての思想と基礎を叩き込まれていた。

 

そして職としていつの間にかハイランダーにされており、爺さんの奥さんもハイランダーだったらしく伝統であるらしいお手製マフラーを手渡されボロボロ泣いてしまったりも。

 

………

……

 

「やったねマミちゃん、まだ1Fなのに二人も仲間が増えたよ!」

 

「先輩、誰に話しているんですか?」

 

「俺と入れ替わりで入院か?」

 

「ツカサ、私はこっちよ?」

 

「マシュとルルーシュにマミもいたのか」

 

ちなみにマシュはいきなり街中で先輩と声をかけられ、詳しく話を聞くとパラレルワールドのツカサがマシュと共に戦っていた事を聞かされていた。

 

スケールの大きすぎる話にもう一人の俺は苦労してんなという同情と、マシュという可愛い子に先輩と呼ばれる羨望が入り混じっている。

 

パラレルワールドだろうが先輩は先輩と押し切られ、今はパラディンとしてギルド『ドリフターズ』の一員でメイン盾になっていた。

 

 

「マミとマシュを同室に、俺とツカサを同室にする話をしに来たんだ。ギルドとして正式な活動を始めたんだ、流石に男女別にしなければな」

 

「でしょうね」

 

ルルーシュはマミより前に助けていて、入院とリハビリで今の今までギルドに加わっていなかった。

 

入院費に治療費を肩代わりして毎日見舞いに行き、ボロボロな心も話を聞いて癒やして完全復活させている。

 

やけっぱちになっていた時にその始まりからギアスや黒の騎士団に自身の最期までを上手く聞き出し、成し遂げたならこれからは自由に生きたら?と告げていた。

 

それから数ヶ月が経過して怪我もよくなり始め、リハビリが始まった時にギルドを作った話をすると治り次第参加したい旨を告げられ了承している。

 

そして皮肉にもプリンスという自身にピッタリすぎる職に就き、座学とリハビリを繰り返しようやく参加するに至っていた。

 

 

「私は同室でいいのに……」

 

「この話はこれで終わりだ。ツカサ、仲間に勧誘していたあの獣人はどうだった?」

 

「ダメだった。ランニングトランクスタイガーさん、散り散りになった仲間を探してるんだって」

 

「そうか……」

 

「仕方ないし、今後も仲間になってくれそうな人を探して声をかけよう」

 

「そうだな」

 

「話は変わるけどルルーシュはあれだよね、シトト交易所のエクレアちゃんを舐め回すように見てたよね」

 

「ばっ、違う!」

 

「ルルーシュさん、まだあの子は小さいんですよ?」

 

「ロリコンは病気なのよ?」

 

マシュとマミはツカサの話とルルーシュの焦り具合からマジモンのロリコンだと思い、生暖かい目で見ながら諭そうとしていた。

 

「だから違う! ツカサ、お前だって酒場で胸のでかい冒険者ばかり見ていたじゃないか!」

 

「ちょっ、こっ、バカ!」

 

「俺の服を引っ張って、『ルルーシュ、あれ見てみろよ。凄い揺れててやばい』と指差していたじゃないか」

 

「へぇ……」

 

「先輩、最低です」

 

そんなこんな野郎二人の足の引っ張り合いで互いに遠慮もなくなり、活動しやすくなったのは言うまでもなかった。

 

ただし野郎二人はしばらく女性陣から冷たい目で見られる事になっていたが。

 

 

そして二人が部屋に戻ったのを確認すると改めて椅子に座り、先程の事を話し始めていた。

 

「……ルルーシュの言った通りにしたら、マジで上手く言ったな」

 

「あの二人は少々距離があった。本格的な探索前に距離を詰める必要があったんだ」

 

「でもこれでお前はロリコン、俺はおっぱい星人扱いか……」

 

「くっ、代償は大きいな……」

 

「シスコンでロリコンとか救えねぇな」

 

「うぐっ!」

 

「俺は健全だし、男だからセーフ。さっさと寝ようぜ」

 

「納得いかない……」

 

 

これが後にハイ・ラガード公国で一番のギルドになる者達の始まりである。




死んでたり、行方不明だったり、一度消えたりした者達が主に集まるよ!

不可思議な力は使用不可、この世界で手に入れた力しか使えない設定。


やっと世界樹5の星喰を倒したテンションで書いちゃったから続きはないけど。

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