コンパチヒーローズ・ザ・グランドオーダー   作:鳴神 ソラ

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最終節:愛しい人に平穏を

 

 

大河が消えるのを見送った士郎は足元に転がっていた虎聖杯から変化した聖杯を掴む。

 

守理「やったね先輩!」

 

刹那「先生を救うことができて良かったね!」

 

そんな士郎に守理達は近寄る。

 

士郎「なあ、2人とも、悪いけど、その……聖杯に1つ、願っても良いか?」

 

申し訳なさそうに士郎は頼み込む。

 

そのお願いに2人は顔を見合わせてから笑いあって頷く。

 

刹那「うん、良いよ。カルデアにも分からないし、先輩の望む事をしなよ」

 

守理「1つ位、願っても良いもんね。その願いもね」

 

お互いにそう述べてほらと促す。

 

ありがとうとお礼を述べた後に士郎は聖杯を掲げる。

 

士郎「聖杯よ。お願いだ。藤ねえに新たな来世を過ごせる事を祈らせてくれ」

 

その願いに聖杯は強く光り、しばらくして光を失くしてから士郎の手から無くなる。

 

士郎「……ありがとう聖杯」

 

アンリマユ「まっ、これで終わりってか」

 

イリヤ「良かった……あ、そう言えば帰りは……」

 

安堵の息を吐いた後のイリヤのにそう言えばと守理と刹那も気づく。

 

どうしましょうと思っていると空から穴が出現し、そこからデンライナーが現れる。

 

驚いている面々の前にそのまま停車する。

 

モモタロス「お前等無事か!」

 

守理「あ、モモタロス!」

 

刹那「どうしてここに!?」

 

ウラタロス「特異点の異常が収まったから君達を迎えに来たんだよ。彼から聞いてないのかい?異常が消えたらすぐに迎えに行くって言うの」

 

出て来たモモタロスに続いて出て来たウラタロスの言葉に誰もがアンリマユを見る。

 

アンリマユ「いっけね、マルタの姐さんのですっ飛んでた☆」

 

イシュタル「いや、そんな大事な事を言いなさいよ!」

 

アサシンエミヤ「確かにそうだね」

 

アイリ「でもこれで帰れるわね」

 

ルビー「ですね~いやー良かったよかった」

 

てへぺろして誤魔化すアンリマユにイシュタルは怒鳴り、アサシンエミヤも渋い顔をするがアイリとルビーが宥める。

 

パールヴァティ―「それじゃあ戻りましょうか」

 

守理「そうだね。あ、マルタはどうすれば戻るかな?」

 

マルタ「んにゅ?」

 

刹那「あーそっか;このまま帰っても戻らないんだっけ?」

 

ウラタロス「そこは大丈夫。ちゃんとリウナスさんが霊基を元に戻す準備してるから、他の皆も安心してよ」

 

抱き締めてるマルタを困った様に見る守理と刹那にウラタロスがそう言う。

 

アサシンエミヤ「それは助かる」

 

ヘラクレス「安心して戻れますな」

 

刹那「あ、そうだ。カレンさん、バゼットさん、ありがとうご……ってあれ?居ない」

 

小次郎「いないのは当然であろう。入り口で我々の道を空ける為にそのまま戦っていたのだからな」

 

お礼を言おうとして小次郎に言われてそうだったねと思った後……

 

バゼット「はあはあ…間に合いましたね」

 

葛木「そのようだな」

 

カレン「あ、着きました?」

 

身体から光が漏れ出しながら3人が来る。

 

カレンはカレンでバゼットにおんぶして貰っている。

 

メディア「宗一郎様!」

 

クー・フーリン「おいおい、最後までノリは変わらねえなおい」

 

守理「3人とも…」

 

来た3人は一同へと近寄り、葛木は士郎を見る。

 

葛木「どうやら迷いは無くなったみたいだな衛宮」

 

士郎「お蔭様で」

 

刹那「三人共助けてくれてありがとう」

 

守理「ここに来れたのも3人が道を切り開いてくれたおかげです」

 

頭を下げる刹那と守理にいえいえとバゼットは手を振る。

 

バゼット「私達は切っ掛けにしかすぎませんよ」

 

カレン「その通りです。これは貴方達が頑張った結果よ」

 

イリヤ「あ…光が…」

 

漏れ出す光がさらに多くなって足元から消えていく。

 

葛木「さらばだキャスター。また共にいれた事、嬉しかったぞ」

 

メディア「宗一郎様…!」

 

バゼット「今度、凛達の様なサーヴァントで共に戦いたいですね」

 

カレン「まぁ、しばらくないでしょうけどね」

 

クー・フーリン「(来ない事を願うぜ)」

 

刹那「それじゃあ…また会いましょうね!」

 

守理「いつかまた…未来で」

 

その言葉を最後に3人は微笑んで消えていく。

 

クー・フーリン「俺としちゃあ、あいつ等を依り代にする物好きな奴らがいるのか気になるけどな」

 

小次郎「まぁ、賑やかになるのは確定であろう」

 

ヘラクレス「確かにそうですな」

 

めんどくさそうに呟くクー・フーリンに小次郎はそう返し、ヘラクレスも同意する。

 

ネコアルク「ではアタシも消えるとしますかニャ」

 

セイバーライオン「ガオウ……」

 

その傍にいたネコアルクにセイバーライオンも寂しそうに呟いて体が光りになって行く。

 

士郎「いつか未来で会おうなセイバーライオン」

 

アルトリア「会える事を楽しみにしてますよセイバーライオン」

 

セイバーライオン「!ガオウ!!」

 

ネコアルク「では、さらばニャ!!」

 

2人の言葉にセイバーライオンとネコアルクは消えて行く。

 

守理「ホント、いつか未来で……」

 

戦ってくれた者達へと守理はそう言う。

 

 

 

 

その後、全員、デンライナーへと乗り込み、守理側のカルデアへと戻る間、各々に時間を潰す。

 

ナオミ「は~い皆さんお疲れ様で~す。コーヒーとジュースを持ってきました~」

 

守理「あ、ナオミさんありがとうございます!」

 

イリヤ「美味しい…!」

 

ルビー「いやー、やっと落ち着けた感じですね~」

 

そこにナオミがコーヒーやジュースを持って来て、出されたのを各々は手に取って一息を付く。

 

士郎だけはストラップを手に窓の外をぼんやり見ていた。

 

その様子に刹那と守理はオーナーのチャーハン崩しを横目に心配していた。

 

オーナー「今回もまた、特異点を攻略し、時間を修復してくれましたね。彼にとっては過去の1つのやり残しを消せた様ですし」

 

刹那「大河先生、来世ではどんな風になってるのかな?」

 

守理「やっぱり元気に過ごしてるんじゃないかな?」

 

日課のチャーハン崩しをやりながら言うオーナーのを聞きながら呟く刹那に守理はそう返す。

 

リュウタロス「ねえねえ、今回のはどういう感じだったの?僕達の方でも確認出来なかったからさ」

 

キンタロス「そうやそうや、聞かせてくれへんか?」

 

イリヤ「あ、は、はい!」

 

興味津々で今回の事について聞くリュウタロスとキンタロスにイリヤは戸惑いながら頷く。

 

オーナー「今回の特異点はか~な~り、低い確率の世界の特異点だったのですね」

 

守理「え?」

 

突然そう言ったオーナーに守理と刹那は顔を向ける中で言った本人はチャーハン崩しを続けながら士郎をチラリと見てから語る。

 

オーナー「自分の故郷である世界、他のサーヴァントの皆さんはともかく、無銘の彼にとっては様々な平行世界(可能性)があるので英霊となる前の自分の故郷に行けるなどとうてい出来ない」

 

ですが……とチャーハンを崩しながら自分の目線まで持ち上げながら続ける。

 

オーナー「今回は特異点の主の強い思いに聖杯が呼応し、それを成し遂げた。ありえない再会を起こせる程の奇跡を」

 

守理「………」

 

刹那「そんなに凄いことだったんだ…」

 

改めて言われて守理と刹那は士郎を見る。

 

自分達にも帰る場所がある。

 

だけど士郎には自分の生きた世界と言う名の故郷と言う帰る場所には低い確率でしか行けない。

 

それはどのエミヤシロウ(無銘の守護者)にも言える事でもあった。

 

オーナー「聖杯と言えぞ万能と言われてますが世界によっては万能とは言えない。今回のは本当に主の思いが万能を万能へと至らしめた…」

 

そう言った直後にチャーハンが後少しと言う所で旗は倒れ、オーナーはショックを受けて変顔をした後に表情を戻し、チャーハンを置いて席を立つ。

 

守理「世界によっては万能とは言えない…か…」

 

刹那「あーそう言えばゲーティアが使っていた聖杯もそうだったよね」

 

そんなオーナーから士郎へと顔を向けて呟く守理の後に刹那は思い出してそう言う。

 

そう言えばそうだね……と言われて守理も思い出す。

 

ゲーティアがバラまいた聖杯は特異点を発生させ、願いもまたそれぞれ渡した者達のを一部は完全に叶えていなかった。

 

守理「改めて、願いは自分の手で叶えたくなるね」

 

刹那「うん、そうだね」

 

お互いに頷いた後にデンライナーの景色を見ながら到着するのを待つ。

 

 

 

 

リウナス「はい、次の人~」

 

守理の方のカルデアに帰還後、リウナスの手により、一部のサーヴァントは弄られた霊基を戻す作業を受けていた。

 

先に受けたイシュタルとパールヴァティ―はんーと背伸びする。

 

イシュタル「あー、戻れたわ」

 

パールヴァティ―「ですね」

 

何時ものが落ち着くと笑い合う中で守理はマシュに抱き着かれていた。

 

マシュ「もう心配したんですからね先輩!!」

 

守理「おおう、心配させてごめんねマシュ;」

 

刹那「良いなー…私も早くうちのマシュと会いたいよ」

 

グリグリと自分の胸に顔を押し付けるマシュにたじろく守理に刹那は羨ましそうに漏らす。

 

マルタ「うう、わたしゅも~」

 

ブーディカ「はいはい、先走っちゃった子は我慢しましょうね~」

 

ジタバタするマルタだがブーディカに抱き締められながら離れる。

 

心配だからと言って向かったのに結局活躍してなかったので罰として1日守理禁止令を言い渡されたからである。

 

元に戻るのも後日と言う事になった。

 

守理「あはは;」

 

刹那「まあ明日たっぷり甘えればいいじゃん」

 

グリグリされながら苦笑する守理の隣で刹那は困った様に呟くとドドドドと駆け出して来る音がしたので2人はする方を見る。

 

モリアーティ「マスタァァァァァァァァァ!!大丈夫だったかい!!!どこも怪我してないよね!?」

 

切羽詰まった顔で走って来るモリアーティで、急停止してから刹那の肩を掴んで聞く。

 

刹那「あ、うん。大丈夫だから、教授、落ち着いて」

 

守理「と言うか、この教授ってもしかして刹那の方の?」

 

ホームズ「ああ、その通りだ。彼は刹那くんの方の教授さ」

 

ダ・ヴィンチ「あっちに連絡したら、一目散に来たんだよね」

 

揺らされてるので落ち着かせようとする刹那の隣で守理がそう聞くとホームズとダ・ヴィンチが来て理由を言う。

 

Sモリアーティ「もう本当にお父さんは心配したんだからね!」

 

イシュタル「いやあんたお父さんじゃないでしょ;」

 

刹那「教授、落ち着いて…落ち着いて……」

 

パールヴァティ―「(もう孫を心配するおじいちゃんですね;)」

 

よかったよかったとダバダバと涙を流して安堵するSモリアーティにパールヴァティ―とイシュタルは呆れる。

 

イリヤ「ふぅ、戻れた…」

 

こちらも霊基ではないがアルトリア達以外のサーヴァントカードが特異点から帰還した事で戻ったのと堅苦しい感じのを続けてた分、イリヤはほへーとなる。

 

安堵の息を吐いた後に士郎の姿がない事に気づく。

 

イリヤ「あれ?アーチャーさんは?」

 

ルビー「そう言えばいませんね」

 

クー・フーリン「ああ、あいつならしばらくあの姿でいとくってよ」

 

ヘラクレス「それで先程出て行かれましたよ」

 

そんなイリヤの疑問にクー・フーリンとこのままなら話しやすいでしょうと言う感じでそのままでいるヘラクレスが答える。

 

イリヤ「もしかしてアーチャーさん…まだ気にしてるのかな?」

 

クー・フーリン「さあな。そこらへんはあいつしか知らねえし…ま、久々の生前の若き姿なんだ。良いんじゃねえか?」

 

心配するイリヤにクー・フーリンは肩を竦める。

 

ヘラクレス「そうでございますな。あの姿の士郎様は…あ;」

 

イリヤ「あれ?生前の若き姿?」

 

同意してからしまったな顔をするヘラクレスの後にイリヤはんん?となる。

 

イリヤ「(あれ?ちょっと待って…さっきクー・フーリンさんはお兄ちゃんの姿だったアーチャーさんをアーチャーさんの生前の若い頃の姿って言って…んで刹那さんの方のエミヤさんと同じ名前と考えると……)」

 

その後しばらく考えてからまさかな顔で空中を見続け…

 

イリヤ「お兄ちゃんってエミヤさんの様なガタイの良い感じになるのかな…?」

 

それには思わずクー・フーリンとヘラクレスはよろけた。

 

ヘラクレス「(へ、変な所に考えが行きましたな;)」

 

ルビー「(いやまぁ、こちらの士郎さんの鍛え方次第でもあるんですけどね)」

 

なんとも言えない顔をしながらそれぞれ思うのであった。

 

 

 

 

士郎は1人ストラップを見ながら歩いていた。

 

残った形見を見て物思いに更けていた士郎は肩を叩かれる。

 

振り返るとヤクザ姿のジャガーマンがいた。

 

士郎「あんたかよ。んでヤクザスタイルかよ」

 

ジャガーマン「おう、今回は気分でニャ、それにしても()()、若くなったな」

 

呆れた感じに言う士郎にジャガーマンはそう返すが返されたのに士郎は呆気に取られる。

 

士郎「あんた、なんで俺がエミヤシロウ(アーチャー)だと分かったんだ?」

 

ジャガーマン「む?ニャんであろうニャあ…まぁ、気にせんでも良いだろう。なんかさっきまで急に寝ていたので飲みに付き合えニャ」

 

そう言って強引に引っ張るジャガーマンになんだかな……と士郎はため息を吐く。

 

その刹那……

 

「ありがとう、士郎」

 

士郎「!?」

 

振り返ったジャガーマンの浮かべた笑みに士郎は目を見開く。

 

ジャガーマン「む、なぜか理由もないのについお礼を述べてしまったニャ……とにかくツマミをつくるニャ」

 

言った本人が訝しげながら前を向く中で士郎はああ……と笑みを浮かばせる。

 

士郎「(あんたはあの時から近くにいたんだな……)」

 

思わず苦笑する中で士郎……アーチャーはストラップを仕舞って歩き出す。

 

 

 

 

とある世界…

 

???「んーーーーーーーーいい朝だこと~」

 

1人の女性は背伸びしていた。

 

???「久しぶりに見たわね…前世の夢」

 

立ち上がってからカーテンを開ける。

 

???「私は元気に過ごしているよ。だから頑張ってね士郎…」

 

そう言って…女性……藤村大河は笑ってさあ今日も頑張るぞ~!と腕を突き出す。

 

そんな彼女はとある事に巻き込まれるが…別の物語である。

 

 




黒虎セイバー
属性:混沌・悪 隠し属性:地
身長:165cm 体重:??kg
出典:日本冬木市 地域:日本
性別:女性
ステータス
筋力:C 耐久:A 敏捷:B 魔力:E 幸運:EX 宝具:A 対魔力:A 狂化:EX
保有スキル
戦闘続行:A+ 守護者:EX 


守護者EX
ある者たちの帰りを待ち続けたことで得たスキル
自身の大切なものを守り抜くスキル

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