彼女達の言うあの人とは……
前回の後、一同は衛宮邸に集まっていた。
ただ、アーチャーとクー・フーリンはこの場におらずにいる。
メディア「成程ね…坊やたちは守理ちゃん達がライダーと一緒に目撃した謎のサーヴァントをセイバーと確信していると…」
守理「そうなんだよね」
刹那「なんでそう確信したのかがわからなくてさ…」
パールヴァティ―「確かに、あの2人の性格的に言うと思うんですけど…」
うーーーーんと誰もが唸っているとアイリが黙っているのでアサシンエミヤが声をかける。
アサシンエミヤ「珍しいね。君なら何かしら話題に加わると思ったのだが」
アイリ「………」
イリヤ「ママ?どうかしたの?」
話しかけるアサシンエミヤのに反応しないアイリにイリヤは心配そうに声をかけるとアイリははっとなって誤魔化す様に笑って聞く。
アイリ「な、なにイリヤ?」
守理「一体どうしたのアイリさん?話しかけてたの気づいてなかったの?」
イリヤ「なにかあったの?」
質問のにアイリはごめんねと謝る。
小次郎「…成程、ご婦人よ。そなたも謎のサーヴァントのクラスがセイバーで……
刹那「え…?」
その様子を見ていた小次郎が徐に切り出した事に誰もが呆気に取られる。
守理「ちょ、小次郎!?あなたもなの!?」
小次郎「何、少年やランサーはともかく、婦人までも黙ってるとなると大体を察したので語れなかったと見てな」
ルビー「この方たちが黙る程の人なんですかそのセイバーって?」
ヘラクレス「でしょうね。実際に見たアイリ様が確信できる程のヒントがあったんでしょうね…私も見ていましたがどんな英霊かはまだ…」
肩を竦めて答える小次郎のにうーむと唸るルビーへとヘラクレスはアイリを見ながら困った顔をする。
パールヴァティ―「黙る程ですか…そうなると知人って事ですよね?」
刹那「(先輩達の知っている人がセイバーって事……?)」
パールヴァティ―の呟きに刹那は考える。
守理「と言うかランサーの言った先輩の問題ってどういう意味なのかな……」
メディア「ん?ランサーが言ったの?」
イリヤ「うん、シロウの問題だって言ってそれっきり……ホント守理お姉ちゃんの言う通り、どういう意味よね」
2人の言葉にメディアは顎に手を当てる。
メディア「(坊やの問題…セイバー…坊やの知人で剣を使う……まさか…)」
小次郎「どうやらキャスターも同じ考えに至ったようだな」
イシュタル「ええ!ちょっとちょっと!ホント分かんないわよ!」
刹那「一体誰なの?あのセイバーは?」
次々とサーヴァントの正体について確信する面々にイシュタルは騒ぐ。
それに対してメディアはため息を吐いた後にイシュタルを指さす。
メディア「私も2人を尊重して黙秘するけど、それ以外で言える事は凛……いえイシュタル、ぼうやの問題はあなたの依り代になったその子が切っ掛けとしか言いようがないわ」
イシュタル「はい!?」
イリヤ「凛さんがきっかけ!?」
ルビー「それはまた、うっかりで起こったな感じですか?」
小次郎「そうであればまだ軽いものよ」
言われた事に驚くイシュタルにルビーがそう呟くと小次郎は肩を竦める。
守理「うわぁ、もう何がなんだか…頭が痛くなる…」
刹那「(と言う事はその人は先輩にとって普通の日常……え?そうなると……)」
机に突っ伏す守理とは別に刹那は自分の考えに目を見開く。
刹那「(……いやいやいや、まさかね……それに否定しちゃってるし……)」
イシュタル「はぁ、とにかくそろそろ寝ましょうか…」
パールヴァティ―「そうですね」
否定する刹那を知らずにそう言うイシュタルにパールヴァティ―も同意するとイリヤはあくびする。
イリヤ「もうそろそろ遅いからね…」
アイリ「そうね。じっくり休みましょうね」
その言葉の後にそれぞれ眠りに付いた。
☆
-皆、皆、居なくなった……-
-士郎も、凛ちゃんも、桜ちゃんも、セイバーちゃんも、皆、居なくなっちゃった……-
-……それでも私は待ち続けたの……-
-……皆が帰ってくることを信じてあの家で待ち続けた……でも誰も帰ってこなかった……-
-人理も世界もどうなったっていい!私はもう待つのは嫌なの!一人は嫌なの!だからこの特異点は私が守る!-
☆
アーチャー「!!?」
ガバッ!と起き上がり、アーチャーは顔を抑える。
アーチャー「やっぱり……そうなのかよ……あんたが……」
先程見た夢を思い出し、苦い顔をしながらアーチャーは嘆く様に言葉を漏らす。
布団から出て、1人、蔵へと向かう。
扉を開け、中に入った後…そこにありし物……自分の始まりとなりし、魔法陣に触れる。
アーチャー「……………」
大河「あれ?士郎。蔵で何しているの?」
しばらく見ていたアーチャーに何時の間にか来ていた大河が声をかける。
それに返事をせず、アーチャーは無言で立ち上がった後に宙を見上げる。
アーチャー「なあ……
大河「んー?なんのこと?」
顔を向けずにそう言うアーチャーに大河は首を傾げる。
アーチャー「……あんたが今の騒動…特異点の主なのは、分かってるんだよ…」
大河「…………そっか、気づいちゃったか」
出て来た言葉に大河は否定もせずにそう呟く。
アーチャー「否定はしないんだな……いや、あんたならバレたと思ったら正直に話すもんな……」
大河「どこらへんで私が主って分かったの?」
確認する大河に愚問だよと返す。
アーチャー「桜を助ける為にライダーに放った突き…爺さんに引き取られてから時たま見ていたのを忘れる訳ないだろ…」
大河「あーやっぱりアレでバレちゃったか……失敗だったなー」
まるで悪戯がバレた様な子供の様に呟く大河にアーチャーは振り返る。
アーチャー「藤ねえ……あんたがこんな事をした理由は……俺に……俺にあるのか?」
大河「………」
確認する様に問うアーチャーに大河は顔を伏せる。
アーチャー「答えてくれ藤ねえ!俺があんたの前からいなくなったからか!」
大河「…うん、そうだよ。でもそれだけじゃないんだよ」
近寄るアーチャーのに大河はうつむきながらそう返す。
アーチャー「それだけじゃない?他はなんなんだ?」
大河「……憎いからよ。みんなを殺したこの世界が……!」
出て来た言葉にアーチャーは目を見開く中で大河は顔をあげる。
その眼には憎悪が宿っており、それに彼女を知るアーチャーは思わず息を飲む中で大河は続ける。
大河「だって士郎が頑張って正義の味方していたのに世界はそんな士郎を裏切ったんだよ?助けて貰ったのに、それなのに怖がって、恨んで…そんな世界なんて…壊れてしまえば良いのよ!」
ドン!
アーチャー「!?」
噴き上がる魔力により大河の姿が見えなくなると共にアーチャーは後ろに飛ばされて背中をぶつけた後に周りの雰囲気が一転する。
息を吐きだして少し呻いてから熱さを感じた後に蔵の所々が燃え始めてるのに気づいた直後、見えなくなっていた大河の姿があらわになる。
胸元をさらけ出した所々がボロボロになった剣道服を身を包み、綺麗だった髪の色はエミヤシロウの様に白く染まり、目には狂気を示す様に赤く光る。
アーチャー「藤ねえ……」
大河「だから士郎。この特異点は壊させない。この特異点を壊すって言うんなら士郎でも容赦はしないよ…!」
「フッ、そう言う事だ。もう一人の私よ」
なんとか言葉を漏らしたアーチャーに大河は手にした黒い竹刀の切っ先を向けて宣言した隣にある人物が出現する。
見覚えのある姿、本来の自分……
アーチャー「アーチャー……エミヤ……シロウ……」
エミヤ「ああ、そうだもう一人の私。私は藤村大河の味方として召喚されたエミヤシロウだ」
お互いにみつえあう2人の後に大河は後ろを振り返る。
そこには守理達がいた。
守理「大河さんが…」
刹那「この特異点の主……!?」
イリヤ「タイガが!?」
驚く守理達を見ながら大河はアーチャーへとまた顔を向ける。
大河「それじゃあ士郎。私たちは大聖杯があったところで待っているからこの特異点を修復したいなら来なさい」
そう言って2人は消える。
アーチャー「………藤ねえ」
クー・フーリン「やれやれ、やっぱり、大河の姉ちゃんか」
ルビー「まさか大河さんが黒幕だったとはルビーちゃん驚きです!」
頭をガシガシ掻くクー・フーリンの後にルビーが大げさな感じで動き回る。
その後にうるさいとイシュタルに叩き落とされる。
だが、彼女が黒幕と言う事で説明が付く。
セイバーライオンをオルタ化させる事を出来るという意味では彼女がセイバーと士郎に続いてもっとも警戒心を持たない相手だからだ。
そして、彼女自身が虎聖杯を持っていなかったのは大河が召喚したエミヤが所持して隠れていたから……
小次郎「さて、先程の彼女の言い分が本当ならば寺の地下にある天然の鍾乳洞におる事になる」
アサシンエミヤ「そうなると、相手側の全員がそこにいると言う事になるな」
アイリ「ええ、そうね…」
腕を組んで呟く小次郎にアサシンエミヤも険しい顔で言うのにアイリは同意する。
そんな複雑な顔で顔を伏せるアイリにイリヤは心配そうに近寄る。
イリヤ「ママ、大丈夫?」
アイリ「ええ、大丈夫よ」
微笑むアイリだがやせ我慢してるのは丸わかりでメディアは我慢しないで良いわよと言いながら一同を見渡す。
メディア「とにかく、これから大聖杯の元に向かうわよ……ん?」
号令をかけようとして空を見上げるメディアに誰もがつられて見る。
すると、一部分が歪みだしてるのに気づく。
守理「何あれ!?」
刹那「空間が歪んでる…!?」
誰もがその光景に驚く間に穴の様なのが出来た後…
ドーーーン!!
何かが飛び出して地面に激突して衝撃と土埃が起こる。
守理「うわわ!?」
イリヤ「な、なに!?」
ヘラクレス「お嬢様、後ろに」
誰もが警戒する中で土埃は収まって行き……
???「いやー、やっと辿り着いたぜ。始祖の姉ちゃんマジ頑張った」
カレン「!?アンリ!」
姿を現した人物、アンリマユにカレンは驚く。
???「ふええ、やっといけた」
その後に後ろからひょっこり現れたぶかぶかな服を引きずった小さい女の子に誰もが目を丸くし、アンリマユはあちゃあとなる。
アンリマユ「あーあ……早速異常出てるな、だからお留守番しとけって言われたのにマルタの姉さんは」
守理「マルタ!?」
刹那「なんか小さくなってる!?」
えええええ!?と驚く守理達にアンリマユがこの経緯に至った訳を説明する。
守理達がレイシフトを行った後、突然謎の力により通信を遮断されてしまったのだ。
起こりし事態に慌てる中でリウナスは事態の究明に乗り出し、それを知らせる事が出来る様になったので一応同じ第5聖杯戦争に存在したアンリマユがメッセンジャーとして送られるのが決まったのだが問題発生。
守理が心配になったマルタが無理やり割り込んだのだ。
リウナスが突貫工事でもあるから何が起こるか分からないと事前に言ったのだが、前に守理が誘拐されていたのもあったのでマルタは聞かずに強行した。
アンリマユ「んで、こうなった訳なんだなこれが」
イリヤ「わ、私と同じくらいになってる…」
ルビー「あちゃあ、これでは戦力に含めませんね」
べべんと何時の間にか落語家な恰好して締め括るアンリマユのを聞きながらイリヤは守理に抱き上げられたマルタを見る。
大事なのはわかったが流石にこれでは無理だよね……と……本当に思った。
マルタ「やだー~しゅりはわたしがまもるの~」
守理「精神も引っ張られてるねこれ;」
刹那「だね…;」
腕や足をバタバタさせるだだっこマルタに困ったなと唸る。
実際問題、ステータスなども普通に激減してるだろうし、守る所か逆にお守的な意味で守られる立場になっている。
カレン「まぁ、連れて行くしかないでしょう。守理本人が抱き抱えたまま離れた方が良いでしょうし」
守理「それしかないよね;」
アイリ「それじゃあ行きましょうか。大聖杯のあった所に…」
ネコアルク「おう行くにゃ!」
誰もが頷いて歩き出す。
守理「猫さんいつの間に!?」
ネコアルク「ふっ、このまま出なきゃあ、アタシの出番がもうないと思ったからニャ」
アーチャー「メタいな;」
キザに言うネコアルクにアーチャーは呆れる。
ガオガオ!とセイバーライオンも自分がいるぞと主張する。
アーチャー「そうだな。頼りにしてるぞセイバーライオン」
セイバーライオン「ガオウ!!」
頭を撫でるアーチャーにセイバーライオンは強く頷いた後に再び歩き出す。
その際、刹那はアンリマユから何かを受け取ってるクー・フーリンの姿があった。
刹那「(あれ?ランサー、何受け取ったんだろう……)」
なんだろうと思った後に刹那は次の疑問が来た。
それはアイリの事である。
刹那「(なんでアイリさん、大河さんの事知っているんだろ?)」
こっちのエミヤに聞いた話ではアイリは大河と出会う前に死去しているとの事だ。
そうなると…彼女はどうやって知りえたのだろうか…
刹那「(ん~後で聞いてみようかな?)」
それが良いかなと刹那は足を速める。
途中でバゼットと合流し、途中出て来た魔物を倒しながら進んで行く。
しばらくして柳洞寺に到着して大聖杯がある洞窟へと足を進めると…
???「来たか衛宮よ」
アーチャー「!葛木先生」
メディア「宗一郎様」
入口で佇む男性にアーチャーとメディアは声を漏らす。
葛木「藤村先生はこの先でお前を待っている」
アーチャー「そうですか……」
刹那「えっと通してはくれるんですよね?」
短く言う葛木に刹那は恐る恐る質問する。
葛木「ああ、私は別に門番のつもりではない。ここで見届ける者だ」
守理「そうなんですか…」
イリヤ「でも門番が居ないって訳じゃないみたいね」
答えた葛木に守理は安堵するがイリヤが入り口の奥を見て気を引き締める。
そこには複数の魔物達が阻む様にいた。
クー・フーリン「おうおう、たっぷりといやがるぜ」
ヘラクレス「やはり簡単には行かせないようですな」
それを見て構える面々の前にカレンとバゼットが立つ。
バゼット「ランサー、ここは私達に任せて先に」
カレン「アンリもです。あんまり相応しくないですが、道を切り開いてあげましょう」
アンリマユ「お、やるね」
刹那「バセットさん、カレンさん……」
構える2人に刹那は悲痛な顔をする。
なぜならこの特異点を修復すれば目の前の2人は消えてしまうのだ。
守理も同じ様に顔を歪めていると2人の肩に手を置く者がいた。
それは葛木だ。
そのままカレンとバゼットと並んで顔だけを一同に向ける。
葛木「行くんだ。君達には役目があるのならば立ち止まってはいけない」
アーチャー「先生……」
メディア「宗一郎様……」
守理「……はい!」
刹那「ありがとうございます葛木先生!」
礼を受け取った3人は同時に攻撃を放って道を作り上げる。
出来上がった道をメンバーが駆け抜ける。
葛木「衛宮」
アーチャー「!」
最後に通り抜けようとしたアーチャーを葛木は呼び止める。
葛木「迷いがあるかもしれない。だが、彼女を救いたいなら向き合う勇気が必要だ……頼んだぞ」
アーチャー「………はい!」
激励を受け、アーチャーは走る。
しばらく進むとまた魔物達が阻む。
マルタ「またでたー!?」
イリヤ「それだけじゃないわ。あそこを見て」
それに守理に抱かれていたマルタは守理に引っ付く中でイリヤは魔物の後ろを見て叫ぶ。
そこには桜がいるのだが、その髪は白く染まり、赤い目に狂気を宿していた。
アーチャー「厄介な状態で出て来たな…」
黒桜「うふふ、先輩待ってましたよ」
刹那「えっと桜ちゃん?なんかさらに黒くなってない?」
守理「と言うか普通に喋れてるね…それはそれで怖い!!」
うっとりとした顔で言う黒桜に顔を抑えるアーチャーの隣で刹那と守理は思わず後ずさる。
黒桜「先生によって強化された私を乗り越えられますか?」
ルビー「うわー、この桜さんなんだか色々ヤバい感じがプンプンしますよ!」
イリヤ「確かに、ヤバすぎだわ」
気迫にイリヤも後ずさる中でメドゥーサが前に出る。
メドゥーサ「桜ならば私が相手をしましょう」
パールヴァティ―「わ、私は応援を」
刹那「2人とも、大丈夫?」
聞く刹那にメドゥーサはバグルドライバーを装着しながら大丈夫ですよと返す。
パールヴァティ―も頷いて黒桜を見る。
メドゥーサ「皆さんは先にいる大河の所に向かってください」
パールヴァティ―「追いつきますから!」
イリヤ「先に行って待ってるわよ!」
その言葉と共にアーチャーを先頭に走り出す。
黒桜「先輩」
アーチャー「!」
通り過ぎる間際、黒桜は何もせずに言葉をかける。
黒桜「…先生の事、今度はちゃんとした選択をするようにしてくださいね」
アーチャー「……俺なりに答えるつもりだ桜……」
言われた事にそう返してアーチャーは駆け出す。
メドゥーサ「桜、あなたは……」
黒桜「さあライダー、戦いを始めましょ」
ギリギリチャンバラ!
声をかけようとしたメドゥーサのを無視して黒桜はガシャットを取り出して起動し、宙に浮いたのを蹴り飛ばしてからバグルドライバーⅡのAボタンを押した後にガシャットがバグルドライバーⅡに自動で装填されると共に左上のボタンを押す。
ガシャット!
バグルアップ!
ギリ・ギリ・ギリ・ギリ!チャンバラ~!
ライダー少女となった黒桜をみつえながらメドゥーサもガシャットを起動させる。
リベンジャーゴルゴン!
メドゥーサ「変身!!」
ガシャット!!
バグルアップ!
喰らえ大蛇!
Woooo!!
噛み砕け神を!
Woooo!!
復讐の牙!
リベンジャーゴルゴーン!!
Woooo!!
ゴルオンへと変身完了して目を光らせる。
黒桜「行くわよライダー!」
ゴルオン「桜、あなたを止めます!」
その言葉を皮切りにぶつかり合う。
☆
後ろから響く戦闘音を聞きながらアーチャー達は進んで行くと……
ギルガメッシュ「ふん、待ちくたびれたぞ贋作者にセイバー達よ」
アルトリア「ギルガメッシュ!?」
セイバーオルタ「貴様も邪魔をするのか英雄王!」
待ち構えていたギルガメッシュにアルトリアとセイバーオルタは構える。
守理「と言うかどういう事!?」
刹那「何でギルガメッシュが先生の味方を!?」
ギルガメッシュ「ふん、虎女の話を聞いて協力してやろうと思ってな」
返された事に守理達は驚く。
守理「(ギルガメッシュが味方になる程の?)」
刹那「(一体どういう話をしたんだろう先生…)」
ギルガメッシュ「ホントならば通すのはせん主義だが、セイバー2人と我が戦う間なら通っても良いぞ」
アーチャー「なんだって?」
それに2人が考える中でギルガメッシュの提案にアーチャーは思わず声を漏らす。
ギルガメッシュ「貴様にとってはいたせりつくせりであろう贋作者?あの女の所に行けるのだからな」
イリヤ「どうするの士郎。あの英雄王の言う通りにする?」
ルビー「刹那さん達の安全を考えると乗るのが良いかと」
困るイリヤと冷静に分析するルビーのにアーチャーは考えようとして、その前にアルトリアとセイバーオルタが前に出る。
アルトリア「シロウ。ここは任せてください」
セイバーオルタ「貴様たちは先に行け」
剣を構える2人にギルガメッシュは通れる様に魔物達を王の財宝で吹き飛ばす。
ギルガメッシュ「ほれ、通るが良い」
アーチャー「……頼んだ2人とも……皆、行こう」
守理「う、うん」
刹那「アルトリア!オルタ!二人とも気をつけてね!」
2人に声をかけて一同はギルガメッシュの隣を通る。
ギルガメッシュ「良いか贋作者、この特異点は貴様の過去の過ちから生まれたと言っても過言ではない。だからこの特異点は貴様自身が何とかしろ」
通り過ぎる瞬間、アーチャーへとギルガメッシュは真剣な顔つきで言葉をかける。
アーチャーは無言で頷いて走る。
アルトリア「ギルガメッシュ、あなた……」
ギルガメッシュ「ふん、我らしくない事を言ったな。さあ、行くぞセイバー達よ!」
セイバーオルタ「こい、英雄王!」
その言葉と共に3人はぶつかり合う。
☆
しばらくして、広い空間に出る。
アーチャー「ここだ」
アイリ「此処にかつて大聖杯があったのよ」
イリヤ「此処に…」
ネコアルク「広いでんにゃ~」
アイリの言葉にイリヤは呟く中で守理と刹那は奥に大河が立っているのに気づく。
アーチャー「藤ねえ…」
大河「待ってたよ士郎」
近寄ろうとしたアーチャーだが、その前に飛んで来た魔力弾に阻まれる。
マジカル凛「待ってたわよシェロ」
???「ゼッちゃんの邪魔はさせないわ」
大河の前に放った人物であるマジカル凛と……黒い衣装を身に纏ったアイリであった。
守理「アイリさんがもう1人!?」
刹那「あれ、第四次の特異点で出てきた黒アイリさん!?」
黒アイリ「こんにちわ。それとさようならね。ゼッちゃんの為にも邪魔はさせないわ」
驚く2人に黒アイリはそう言う。
イシュタル「成程、ボディガードって事ね」
クー・フーリン「大河の姉ちゃんと対峙したいなら倒して行けってか」
ヘラクレス「そのようでごさいますな」
イリヤ「ってちょっと待って、ゼッちゃんってもしかして大河のこと!?」
対峙する黒アイリやマジカル凛を見て呟いた3人の後にイリヤが彼女から出て来たのに驚いて聞く。
黒アイリ「ええ、そうよ。何故ならゼっちゃんは私の弟子だからね」
刹那「弟子!?」
守理「どういう事!?」
告げられた事に誰もが驚く中でアイリが前に出る。
アイリ「…昔、ゼっちゃんはね。聖杯の中に迷い込んだことがあるのよ」
ルビー「なんと!?そうなんですか!?」
守理「あれ?けどなんでアイリさんがそれを?」
出て来た言葉にルビーは驚き、守理が気になって聞く。
アイリ「えーとそれはね……」
黒アイリ「私は聖杯と繋がっていたから、あの子と夢と言う形で知り合えたのよ」
それにアイリが答える前に黒アイリが大河をチラリと見てから先に答える。
マルタ「ゆめのなか?」
イシュタル「マスターがサーヴァントの生前のを見るのと似た感じかしらね。聖杯に迷い込んだ影響で一時的に知り合えたのかもね」
説明された事にイシュタルはオデコをトントンしながら呟く。
成程と守理と刹那が納得してると黒アイリはアーチャーを睨む。
黒アイリ「それで私の弟子を泣かせた上にオルタにまでさせた士郎くんってのは貴方よね」
アーチャー「………ああ、俺だ」
問う黒アイリにアーチャーは肯定する。
守理「先輩!?」
刹那「言って良かったの!?」
まさかの肯定に驚く2人にアーチャーは目を瞑った後に再び開いて大河をみつえながら口を開く。
アーチャー「ああ、確信したからこそ言える。ここは俺の、
メディア「え!?」
小次郎「なんと…」
クー・フーリン「おいおい、マジかよ……坊主のとは思っていたが、そんな低い確率のが、あり得るのかよ……」
ヘラクレス「それは本当なのですか士郎殿」
出て来た言葉に誰もが驚き、ヘラクレスが代表で問う。
アーチャー「ああ……生前生きていた時にしか
黒アイリ「ええ、そうよ。出会って楽しいひと時だったからこそ……あなたを許せない」
そう言って殺意を放つ黒アイリにイリヤはビクッとなり、アイリが安心させる様に抱き締める。
守理「う、凄い殺気」
刹那「物凄く怒っているね…」
クー・フーリン「へっ、わりぃがあんた等の相手は俺達だ」
アンリマユ「そういう事、あんたはその間を通ってあの姉ちゃんとぶつかりな」
思わずたじろく2人の前に出てクー・フーリンとアンリマユは構えてアーチャーに言う。
ヘラクレス「では私は魔法少女の凛殿の相手をしましょう」
イシュタル「いえ、バーサーカー……ヘラクレス。あなたも黒い彼女を相手して、彼女は私だけで相手するわ」
そう言ったヘラクレスにイシュタルはそうお願いする。
少し考えてから分かりましたとヘラクレスは了承する。
エミヤ「成程、そちらは温存か…ならば他の者達はこいつ等とだな」
構える者達をみての言葉と共に指を鳴らすと魔物が現れる。
メディア「たくっ、行くわよWアサシンども!」
ハサン「ぎょい!」
小次郎「やれやれ、梅雨払いと言う事か」
ネコアルク「猫もいる事もお忘れなく!!」
セイバーライオン「ガオウ!!」
現れたのにメディアがそう言って魔力弾を展開し、ハサンと小次郎もそれぞれの武器を構えて、ネコアルクは爪を伸ばし、セイバーライオンも骨付き肉を構える。
イリヤ「やっちゃって、バーサーカー!」
みつえあった中でイリヤの号令を合図にそれぞれ戦闘を開始する。
アーチャー「(藤ねえ…)」
大河「………」
その中でアーチャーと大河はお互いに見続ける。
黒く染まりし虎を止める為の戦いが今始まる。
大河「虎言うな!!」
アーチャー「そこは黒くてもツッコミ入れるのか!?」
始まるったら始まる!!