ガキン!
青アルトリア「くっ!」
襲い掛かるセイバーライオンOの攻撃を青アルトリアが防いだ後にセイバーオルタとネコアルクが攻撃を仕掛ける。
セイバーライオンO「ガゥウウウウ!!」
セイバーオルタ「ぬっ」
ネコアルク「おおっと!」
だが、2人の攻撃を巧みに防いだ後に反撃し、3人は距離を取る。
ネコアルク「やべぇな、野生大解放してやがる」
守理「いやそれ違わなくない;」
刹那「でもすごく強いのは確かだね…」
そう呟くネコアルクのに守理がツッコミを入れるが強さが上がったと言うのには刹那は同意する。
青アルトリア「ですが止めなければなりませんよ」
セイバーオルタ「そうだな」
そう言って剣を構え直す青アルトリアにセイバーオルタも頷いて飛び出し、セイバーライオンOとぶつかり合う。
2人を相手にしてるのに互角の勝負を繰り広げるセイバーライオンOにホントに強いと守理は呻く。
刹那「これはヤバいね…あまり長引くとこっちが不利になるよ」
セイバーライオンO「ガオ、がおがおがお」
どうするかと思った後にセイバーライオンOが突如鳴く。
青アルトリア「何?『冥土の土産になぜこんな事をしたか教えてやる』ですって?」
翻訳できるの!?と守理達が驚いている間にセイバーライオンOは続ける。
セイバーライオンO「ガオガオガオ」
セイバーオルタ「『元々自分は貴様らとは違う味覚の持ち主なのだ』だと?」
出て来た言葉にセイバーオルタはどういう意味だ?と首を傾げるが…
守理「もしかして…ライオンとしての味覚が強い?」
刹那「え?どういうこと?」
ぼそりと呟いた守理のに刹那は聞く。
守理「い、いや、憶測に近い推測なんだけど、確かに見た目はライオンの着ぐるみを着たアルトリアであるけど…味覚が人のじゃなくて動物の、それもライオンのだったら味覚が違うと言う言葉は当て嵌まるんじゃないかな?」
刹那「あ、なるほど…」
言われて刹那は納得する。
確かに見た目が人なだけで味覚が動物のなら違うと言う言葉は適切である。
セイバーライオンO「ガオ、ガオガオガオガオガ、ガオガオガオ」
セイバーオルタ「だから私はもっと多くの物を食べたいので皆の味覚を私と同じにした……は?」
その後に告げられた事にセイバーオルタや青アルトリアは呆気に取られる。
ネコアルク「何!自身がたっぷり美味く食べたいから今の状況にしただと!?」
守理「こ、根本的な所が…」
刹那「セイバー達そっくり…;」
うわー…とセイバーライオンOの動機と目的に守理と刹那はなんとも言えない顔をする。
青アルトリア「なんと言う…だからと言って許せません!」
セイバーライオンO「ガオガオガオ!」
セイバーオルタ「自分も味わっていた苦痛を味わえだと?絶対にぶっ飛ばす!」
その言葉と共に2人はぶつかり合う。
早く起きてる事態を終息させて料理を食べるんだと言う思いが2人の動きをより早く、そして振るわれる力を増して行く
青アルトリア「たあああああ!」
セイバーオルタ「はぁあああああ!」
交互に振るわれる斬撃に防戦一方となったセイバーライオンOは後ずさる。
守理「押してる!」
刹那「二人とも!そのまま押しきれ!」
その言葉と共に青アルトリアとセイバーオルタは押し続ける。
隙が出来た所を2人は同時にインビジブルエアで吹き飛ばす。
転がり続けた後にセイバーライオンOは目を鋭くさせる。
セイバーライオンO「ガウウウウウウウウウ!!」
咆哮が迸るとセイバーライオンOの体が強く輝く。
刹那「!宝具を使う気だ!」
守理「ならこっちも宝具を!」
セイバーオルタ「魔力を寄越せマスター!」
青アルトリア「ならばこちらも(ぐぎゅぅ…)う、お腹が…」
それにセイバーオルタはすぐさまそう言い、青アルトリアも魔力を放出しようとして腹減りが限界だったのか膝を付く。
ネコアルク「こんな時に!?」
守理「あ、やばい」
刹那「こうなったら令呪で…」
セイバーライオンO「ガウ!」
慌てて令呪で補佐しようとするがセイバーライオンOが吠えると令呪が光らなくなる。
守理「邪魔されてる!?」
刹那「そんなっ!?」
どうすれば!と思われた時…
???「セイバー!受け取りなさい!!」
その声と共に青アルトリアはした方を見ると…1つのおにぎりが飛んで来るのが見えて…無意識のうちにすぐさま飛び上がってかぶりつく。
青アルトリア「!う、美味い!元気百倍です!!」
その言葉と共にオニギリを食した青アルトリアは魔力を放出する。
守理「おお!?」
刹那「今のは!?」
セイバーライオンO「ガウ!ガウウウウウウウウウ!!」
それにセイバーライオンOは驚いたがすぐさま黒い斬撃を飛ばす。
青アルトリア「行きます!
セイバーオルタ「
その直後に青アルトリアとセイバーオルタも同時に宝具を放つ。
セイバーライオンO「ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
青アルトリア「負けませんよ!!!!」
セイバーオルタ「負けるものか!」
お互いに魔力を放出する中でネコアルクがセイバーライオンOに接近する。
ネコアルク「隙を見せたニャー!必殺!ウルニャリン!!ねこまっしぐら!!!」
両手の爪をカギヅメのように伸ばして、 すれ違い様に右から左にセイバーライオンOへと連続ひっかき攻撃を行う。
それによりセイバーライオンOは怯み、その影響で魔力が途切れた事で均衡が崩れて2人の斬撃が押して行く。
ネコアルク「シュバっと脱出!!」
セイバーライオンO「ガ、ガオオオオオオオオオオオオオ!?」
その後にネコアルクは離脱するとセイバーライオンOは黄金と黒の輝きに包み込まれる。
ネコアルク「アタシのフォローで決まったぜ」
守理「うん。ありがとうネコアルク」
刹那「さて、虎聖杯を破壊しないと…」
ふっと決めるネコアルクに守理はお礼を言う中で刹那はセイバーライオンOの方を見る。
だが、そこにいたのはキューと目を回して元に戻ったセイバーライオンだけで虎聖杯と思われるのがなかった。
確認と守理と刹那はセイバーライオンの体を探るが聞いていた虎聖杯は全然ない。
守理「あ、あれ?」
刹那「虎聖杯がない……!?」
ネコアルク「ふむ、どうやらこやつは操られていた様にゃね。魔力もその副産物にゃったのね」
???「その猫の言う通りね。さっきまで放たれていた魔力も消えてるわ」
驚く2人の後にネコアルクが呟くとその声と共に、メディアが現れる。
青アルトリア「キャスター!もしやさっきのオニギリはあなたが?」
メディア「はあいセイバー。間に合って良かったわ」
守理「え、どうしてここに?」
刹那「もしかして…キャスターも魔力を感知して?」
そう言って挨拶するメディアに刹那は聞く。
メディア「正確には坊やから電話でね。前に受けた事あるから自分が魔力を受けない様に少し前にリウナスと共同で影響を受けない魔術を完成させていたのよ。それを結界に入れてたから電話でやっと気づいた訳。そうそう、坊やから聞いてるわよ。はい、オニギリを沢山作って来たからたっぷり食べて」
苦笑してからなぜここにいるかの理由を述べてメディアは持っていた箱を開けるとたっぷり並べられた綺麗なおにぎりが姿を現し、それに守理はすぐさま1つ取って食べる。
守理「~~~~~!美味しい!!」
刹那「ようやく美味しい食事が食べれた…」
セイバーオルタ「うむ美味いな…ジャンクフードがあればもっと良かったが」
メディア「それは坊やに頼みなさい。とにかく災難だったわね。変な猫を除いてセイバー達は対魔力があるからともかく、マスター達も影響を受けなかったのはマシュちゃんのお蔭かもね。耐性が変な魔力関連にも作用したのかも」
目をキラキラさせる守理と一緒に渡されたお茶を飲んで一息つく刹那を見ながらメディアは推測を言う。
青アルトリア「成程」
ネコアルク「変な猫とはにゃんだね」
刹那「でも良かった……本当に良かった」
オニギリを食べながら納得する青アルトリアと憤慨するネコアルクの隣で刹那は噛みしめながらオニギリを食べる。
守理「ホント、食のありがたみを改めて知ると言う感じの騒ぎだったね」
刹那「そうだね…。もしあのままだったら地獄だったよマジで…」
そう言う守理に刹那も深々と頷く。
メディア「しかし、虎聖杯は誰かが持っていると言うのは確定ね。それも私達の知人の中にいる」
青アルトリア「!どういう事ですかキャスター?」
刹那「なんでそれがわかったの!?」
出て来た言葉に誰もが驚いてメディアを見る。
メディア「考えて見なさい。セイバーライオンは野生の本能があるから知らない人に近寄るなんてありえないわ。セイバーライオンが抵抗もなくそうなるなんて、親しい者と接触しないといけないわ…まぁ、セイバーライオンより強い存在でも出来るかもしれないけどその場合は傷を負ってる可能性があるから低いのよね」
守理「な、成程…」
刹那「でも知人と言うと誰が…」
断言した理由と説明された事に守理は納得し、刹那は考える。
メディア「まあ取り敢えず大河は除外していいわね」
あの能天気そうな人は出来なさそうだし…とメディアは肩を竦める。
青アルトリア「ですがそうなるとやりそうな知人など………」
セイバーオルタ「と言うとあの神父がやはり持っているのかもしれないな」
ううむと唸る青アルトリアにセイバーオルタがそう言うが違うんじゃないかしらとメディアはそう言い…
メディア「もしそうなら彼好みの愉悦な感じになってて…あそこで気絶したままな訳ないし」
言峰「(チーン)」
守理「あ、忘れてた」
刹那「じゃあ一体誰が持ってるかな……他に黒幕候補いないの?」
青アルトリア「一応いますのはいますね…」
現れてから今までの間、その場に放置されていた言峰に守理は呟き、刹那は首を傾げて聞くと青アルトリアは困った感じに言う。
守理「誰?」
青アルトリア「あー…カレンです」
刹那「カレンさん!?」
出て来た名前に2人はえー!?となる。
青アルトリア「カレンは色々と黒幕になったりした事あるので…」
セイバーオルタ「親子揃って黒幕になりやすい。セイバーライオンの時は一緒にやってた時あるからな」
刹那「あーそう言えば二人って親子なんだっけ?」
2人のアルトリアのに言峰を見ながら刹那は自分達の方の面々の話を思い出してそれは確かに…と頷く。
青アルトリア「もしカレンだとすると…証拠を集めませんとのらりくらりとかわされそうですね…」
守理「それはめんどくさい;」
刹那「めんどうだねぇ;」
青アルトリアのを聞いて同じ感想を述べた2人にメディアは肩を竦める。
メディア「とにかく、今日は休んで、明日には教会を調べさせてもらう感じで良いんじゃないかしら?」
青アルトリア「確かに、セイバーライオンもそうですが、夜の事もありますしね」
刹那「それじゃあそうしようか。早く帰って先輩のご飯食べたいし」
そう提案するメディアのに誰もが頷いた後にセイバーライオンを青アルトリアが抱えて戻る。
ネコアルク「色々と大変そうにゃね。ま、あたしも手伝ってやるかね」
それを見送りながらネコアルクもとぼとぼと歩いて行く。
☆
大体の事情を聞き、アーチャーは額を抑える。
アーチャー「それは大変だったな」
青アルトリア「全くですよ」
刹那「あー美味しい♪」
作られた料理を食べながらそれぞれ思い思いに美味さを噛み締める。
ちなみにセイバーオルタはハンバーガーを作って貰ってご満悦である。
イシュタル「まさかそんな事が起きてるとはね…」
パールヴァティー「ホント驚きでしたね」
守理「全くだよ」
刹那「人って美味しい物が食べてないとホントヤバいよね…」
腕を組んで呟くイシュタルとお茶を飲みながらそう述べるパールヴァティーに守理も一息付いてから頷き、刹那はしみじみと言う。
アーチャー「しかし、カレンか…確かに黒幕的候補だと近いな」
刹那「他にもいるの?」
青アルトリア「他…アンリマユ、アヴェンジャーは…どうなんでしょうね」
守理「アンリマユもなんだ」
セイバーオルタ「あとは間桐もありえそうだな」
んーーーと誰もが唸る。
守理「あー、駄目だ。今回の明確なのが少なすぎ…」
刹那「情報が足りないよねー」
ううむと2人は唸る。
何分、今までの特異点と違ってこれだと言えるのが全然ないからだ。
一発でこれが特異点の発生源だと言うのがこれまであったが、今回はとことんなさすぎる。
守理「あー、とにかく今日は夜に備えて少し早寝する!」
イリヤ「それがいいわね。もしかしたら出ないかもしれないけど」
刹那「そんときは夜更かしだ!」
そう言って寝に入る守理にイリヤや刹那も同意して部屋に向かう。
それを見送った後にアーチャーは夜食を作るかと下ごしらえを始める。
アーチャー「(……ホント、虎聖杯は誰が持っているんだ?)」
そう考えながら手を動かす。
ひとまずの事態は解決したが一体誰が…