現代の修羅、VR世界で暴れる   作:黄金馬鹿

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なんか最近、結構低評価付いてるけど、低評価付ける位なら何か理由を書いて欲しいところ。まぁ、作者本人の予想としてはキチガイが予想以上にキチガイ過ぎて嫌だったかストーリーが結構行きあたりばったりな所があったからか、文章が読み難かったかのどれかだと思ってるけど

なので、低評価付けるときは一言コメントしようね!それと、コメントで他作品の技とか能力を提案するのは止めよう!これはSAOだから現実を超越してるのはシリカさんの連続縮地とシノンさんの超速射くらいにしたいからね!


そのじゅーし

 ログアウト。現実世界へと帰ってきたマジキチ+途中から空気だったリーファはまず時間を確認した。

 時刻を確認してから外を見ると、既に日は暮れ、病院の面会時間は過ぎている。今行っても人が多くとてもじゃないが潜入なんて出来たものではない。なので、暫く時間を置く事にした。

 きっと今頃須郷は忍者のお縄について警察へドナドナされている事だろう。悪は滅びた。

 そして暫く時間が経ち、あまり病院に人が寄らなくなったであろう時間になってから和人が立ち上がった。

 

「アスナに会いに行ってくる」

「行って来い、色男」

 

 和人は荷物を持って建斗の部屋を出て行った。和人はここまで自転車で来ていたため、このまま自転車で病院へ向かうのだろう。

 

「ほらほら、お前らも帰った。もう夜だ。あまり男の部屋に長居するんじゃありません」

「それもそうね。ご飯食べなきゃいけないし帰るわ」

「私ももう帰らないとお母さんに怒られちゃうし帰りますね」

「お兄ちゃんと一緒に帰りたかったけど……まぁいいかな。アタシも帰るね」

 

 そう言って年頃の少女達は荷物を纏めて帰っていった。そして、残ったのは建斗と木綿季の二人。

 木綿季はお隣さんだし、夕食は建斗の家で食べているため、別に帰らなくてもいい。建斗はこれで小遣いが貰えるぜ、と今持っている金と今回の報酬の金が合計するとどれくらいなのかを計算し、手持ち無沙汰な木綿季は胡座をかいたままアクビをしている。

 そして、キリトが出て行ってから十数分後。建斗の携帯にメールが届いた。建斗は何だよ今いい所なのに、とメールの内容を確認すると、その内容に目を見開き、舌打ちをしてから立ち上がった。

 

「どしたの?」

「……仕事だ。木綿季、ついて来い」

「んー……どんな仕事?」

「お前を呼ぶ時点で決まってるだろ」

 

 建斗と木綿季は基本的にはツーマンセル。まだ一人前ではない二人はそれぞれで助け合って一人前となる。

 一人前にならなければ出来ない仕事。それはただ一つ。荒事だ。

 

「――――殺人だ」

 

 

****

 

 

 和人は建斗の家を出てから全力で自分の乗ってきた自転車を漕いだ。全てはアスナに会うため。リアルで再会するため。

 落ちた筋力で、落ちた体力で必死に自転車を漕ぐ。早く目を覚ましたアスナと会いたい。その一心だけで。

 きっと、珪子ならお得意の縮地で自転車よりも速く走っただろう。しかし、和人には連続縮地は使えない。だから、走らせる。自転車を。今度バイクの免許ぜってー取ってやると息を切らしながら。

 そして、和人は最低限の電気しか付いていない病院へとようやくたどり着く。

 入れる場所は裏口のみ。そこからスネークして高い所にあるアスナの病室へ。自転車を乗り捨てるように降りてから重い足を動かして裏口へと走る――――が、殺気。自分へ向けられる殺気を感じた。

 咄嗟にその場から退く。その瞬間、自分のいた場所をナイフを持った男が通り過ぎて行った。

 

「なっ!?」

 

 その男には見覚えがあった。全身がミミズ腫れのように腫れており、両目は充血して痛々しい外見をしたその男には。

 

「す、須郷!?」

 

 その男は、変わり果てた須郷だった。須郷はもう枯れて元の声よりもかなり掠れた声で和人へと声をかける。

 

「キリトぉ……貴様だけは……貴様だけは殺すゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

「忍者から逃げるとかどんな執念だよ!!」

 

 しかし、和人はリアルでも鍛えてる身。素人同然の須郷程度敵ではない。

 が、今は疲労しまともに手足を動かせない状態。体力が落ちた事がここまで影響してくるのかと和人は舌打ちをしてから須郷のナイフを受け流す。それが精一杯。

 

「このっ!」

 

 お返しと言わんばかりに振るわれた和人の蹴りは須郷の脇腹に直撃ずる。しかし、須郷は気味の悪い笑みを浮かべた。

 まさか、先程の拷問と殺戮で痛覚が麻痺している?和人は仮説だが頭の中でそう判断した瞬間、須郷から距離を取る。

 だが、須郷はそれを気に食わずに和人へと走っていく。

 このままじゃジリ貧だ。そう思い、何か武器はないか。そう思い周りを見渡そうとした瞬間、背後から伸びた黒色の棒が須郷の手を叩き、ナイフを打ち落とした。

 

「やっぱりここにいたか……須郷」

「まさか忍者から逃げるとはね……」

 

 そして、和人の後ろから二人の男女が同じような棒を持って現れる。その姿は、和人が一番知っている。どれほど強くて頼もしいか知っている。

 

「建斗、木綿季!」

「和人、お前は嫁さんに会ってこい。これはもう俺達の仕事だ」

「そうそう。ここからは裏の仕事だから」

 

 和人は暫く悩んだが、ここで何を言っても二人は意見を変えないだろうというのは分かり切っているため、あとは頼んだ!と言葉を残して走り去るしかない。

 須郷はそれを追おうとしたが、建斗と木綿季がそれを止める。

 

「須郷伸之。貴様は人道を外れ外道へ落ちた」

「黙れ!お前ら愚図に僕の何がわかる!!」

「愚図はお前だ。お前が自らの罪を認め、法の裁きを受けるのであれば、我等はお前を見逃そう」

 

 建斗と木綿季の口調からは今まであった巫山戯たような気配や歳相応の気配はない。鋭く鋭利な、刀のような鋭さを感じる。まだ十代の子供が出していいような声では無かった。

 だが、理性を失っている須郷はそれに気が付かない。

 

「うるさい!僕は何も間違っていない!!間違っているのはお前らだ!!」

「……ならば良かろう。これより、貴様は我等『裏』の処刑対象と認定する」

「……は?」

「人の道を外れ外道に堕ちた愚か者よ……輪廻の中でその悔い、改めろ」

 

 建斗と木綿季がその手に持った物を、引っ張る。金属が擦れるような音と共に現れたのは、光を反射する、銀色の鉄の棒。いや、棒ではない。包丁をそのまま大きくしたような刃物……刀だ。

 

「な、何だそれ……それで何をする気だ!」

「我、如月建斗の名を持って――――」

「我、紺野木綿季の名を持って――――」

『これより貴様を殺す』

 

 しゃらん。美しい音と共に現れるのは刀身。本来、空の下で現れることの無い、かつて人斬り包丁と呼ばれたそれは今、その切っ先が二つ、須郷へと向けられた。

 そして放たれるのは圧倒的な殺意。今まで感じた事のない、濃厚な死の気配。それを目の前の弱い僅かな男女が出している。

 最早アレは人ではない――――修羅だ。

 

「ひぃっ!?」

 

 そして振るわれる刀。須郷はそれを必死の形相で避ける。

 どこか心の中ではまだ、目の前の修羅を見くびっていたのだろう。あの二体の修羅の持つあれは偽物なのだろうと決めつけていたのだろう。須郷は振るわれた刀が少しだけ触れた服が綺麗に斬れているのを見た。

 その瞬間、須郷は、今己が対抗策を一つも持たず、人殺しにその命を狙われているのだと、完全に理解した。

 

「……避けたか」

 

 建斗の小さな声が聞こえ、その目には最早温情など無い。正しく人殺しの目をしていた。

 

「お、お前!ぼ、僕を殺したらどうなるのか分かってるのか!?」

 

 須郷の支離滅裂になった思考回路が必死に生き延びようと言葉を発す。だが、その根性は最早変わることなく、上から目線の言葉が出てくる。

 だが、それでも修羅の態度は変わらない。刀を構え、今にも斬りかかろうとしている。

 

「裏が表に捕まるとでも思っているのか?」

「警察と政府は既に掌握済み。死体処理班もすぐそこだ。勿論、この周辺は既に通行禁止。人っ子一人居ない」

「ここで貴様を殺すための準備は出来ている。貴様は表でこのご時世に人間を実験動物にして人体実験をした最悪の犯罪者として語り継がれ、裏ではただの愚か者として処理される。貴様はこの先生きて檻の中から出てしまったら、再び罪を重ね再び罪無き者へ危害を加える……そう判断された」

「だから貴様はここで処断される。更生の余地などないと、『この国』が判断したからだ」

 

 そして、須郷が逃げられないように建斗と木綿季は須郷を前と後ろから挟む。二人の手にある刀は電柱から発せられる光を受けて煌めいている。

 

「ぼ、僕はまだ死ぬわけには……」

『死ね』

 

 その瞬間、二人の姿が消える。そして次の瞬間、建斗の刀が須郷の額に、木綿季の刀が心臓へと突き刺さり、須郷の命を一瞬にして奪った。

 声など上げさせない。だからこそ、脳を一刀で破壊した。

 刀を引き抜くと、須郷の額と胸からは血が吹き出し、そのまま痙攣しながら倒れ、動かなくなった。

 死んだ。それを確認し、二人は刀に付着した血を払い鞘へと収めた。その瞬間、建斗の後ろに黒装束の男が現れる。

 

「すまんな、如月の。お主等にはもう裏の仕事はやらせぬと決めてたのだがな……」

 

 現れたのは正しく忍者という風貌をした男だった。木綿季もそれには驚かず、須郷が完全に死んだのを触らずに確認している。

 

「いいんっすよ。代わりに今度、仕事の一つでも変わってくれれば」

「そうか。では、死体の処理はこちらに任せてくれ。事後処理はこちらで全て引き継ごう。それと、特別報酬も出すそうだ」

「おっ、そりゃラッキーだ。んじゃ、俺等は帰ってるんで、いつも通り後処理お願いしますね。まだ病院には人がいるんで、迅速に」

「承知した」

 

 忍者はそう言うと、仲間を合図一つで呼び出し、須郷の死体と血の処理を行う。見つかっても問題は無いのだが、少し面倒なのは確かだ。だから、処理は完璧に行う。

 この後須郷は自らの罪を遺書に書き、失踪し、この世には存在しない通り魔に殺されたと世間一般では公開される。レクト・プログレスの問題は、全て須郷一人に背負わされ、仮想現実も世間からは少しダメージを受けるが、そこは裏での印象操作で何とか持ち直し、フルダイブ技術は様々な物へと転用される。そして、須郷はその中でフルダイブの危険性を顕にし、表でも似たような案件は対処がしやすいようにする。須郷はそのための『絶対悪』として選ばれたのだ。

 

「さて、帰って寝るか」

「そうだね」

 

 そして建斗と木綿季は建斗の私物であるバイクに乗って帰っていった。

 こうして、ALOにて発生したSAO未帰還者事件は表と裏によって完全に解決したのであった。




建斗と木綿季がまだ一人も人を殺してないと思った?残念!殺してます!普通に前の話で裏の事口にだしちゃってます!コイツ等既に殺人処女捨ててます!殺せって言われたら知り合いじゃなければ二つ返事で殺すよ!!

あ、次回はちょっとした後処理してからGGOが始まるよん

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