現代の修羅、VR世界で暴れる   作:黄金馬鹿

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ツルギ「全ての元凶、リアルは最強ゲームはクソザコ!俺にもゲームでの取り柄をください!マジキチレッド!!」
ユウキ「敵には一切容赦無し!取り柄は反応速度だけ!命は大切?知ったことじゃないなぁ……マジキチパープル!!」
シノン「唯一残った良心。え?お前もキチガイ?記憶にないわね……マジキチグリーン」
キリト「この中で唯一の勝組、大切なのは嫁と娘!教育に悪い?知らんなそんなこと。マジキチブラック!!」
シリカ「マジキチの中のアイドル!速さキチ?思考がキチ?どうせ皆外見しか気にしないから特に気にしない!マジキチブルー!!」
キチガイ共『思考回路は狂わせるもの!頭のネジは外すもの!我等正真正銘のキチガイ集団!!マジキチ戦隊キチレンジャー!!』

リーファ「帰れ」←マジキチグリーン二代目



本日三話目の更新。見てない人は前の前の話か前の話から見てね


そのじゅーさん

 下衆顔を披露している須郷を放置して誰から行く?とキチガイ共は既に話しており、公正なるジャンケンをした結果、シリカがガッツポーズを取った。

 

「速さで私に勝とうなんて百年速いんですよ!」

「ジャンケンってそういうのじゃねぇから!!」

 

 どうやら、シリカは相手の手がどう動くかを見てから手を出す、要するに後出し紛いの事をしたらしい。流石一番速いだけある。

 シリカはそのまま片手に短剣を持ち、須郷と向かい合う。

 須郷は相手がまだまだ子供だという事を知ってか知らないでか、相手を見下す癖があるのか分からないが、シリカを対面にしてとんでもない下衆顔を浮かべる。

 

「私本人には何もされてないから特に何も無いんだけど、一個だけムカつく所あったんだよねー……」

「小娘がぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 シリカがちょっと困り顔で話しているのに関わらず、須郷は斬りかかる。リーファなら苦戦するレベルの、アバターの能力に任せた突っ込み。

 ――――だが、その程度、音を超えたシリカには止まって見える。

 

「それは……」

 

 瞬きの時間よりも短な刹那の間。シリカの姿は一瞬にして残像すら残さず消える。

 その刹那が終わった時、須郷の腹には感じた事のない衝撃と熱さがあった。

 

「よくも私のキリトさんをその汚い足で踏んだな。このクズ」

 

 貫手。シリカが使ったのは短剣ではなく、貫手。その貫手は須郷を吹き飛ばさない。

 貫通し、須郷の走った勢い全てを塞き止める。その瞬間に須郷が感じるのは、途轍もない熱さと痛み。

 

「イギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!?」

「アッハッハッハ!!無様無様!!」

 

 手を抜かれ、痛みで腹を抑えながら転がり回る須郷。それをシリカは笑いながら踏み付け、その場に縫い止める。

 

「やっぱり、人が痛みで悶え苦しんで涙目になってる姿って最っ高!ここで殺しても死なないからまだ恐怖が足りないけど?まぁ、SAOじゃ見られなかった苦痛に歪む顔だしまぁいいかなぁ!」

 

 シリカは既に可愛らしい笑顔ではなく、快楽殺人者のような表情と笑顔を浮かべながら須郷の貫通した腹を躙り踏む。

 その度に漏れる須郷の悲鳴にシリカは笑いを止めない。それどころか笑っている。

 

「ねぇ、どうしたい?助かりたい?ここから逃げ出したい?それとも私をこの場で斬り殺したい?――――が、駄目!そんなの私が許さない!!ここからどうやって頼もうと懇願しようと足を舐めようと服従を誓っても奴隷になっても死んでもダメ!!人の尊厳全部踏み躙られて生への希望を失って痛みに悶て訴えて泣いて叫んで絶望に心を支配されてキリトさんを踏んだ事を後悔しながら現実世界でフィードバックで植物人間になってやっと半分!そこから奇跡的に目を覚ましてから豚箱にぶち込まれてマズイご飯を一生食べる事になって今までの人生全部無駄だったと知って毎晩枕を濡らして死んでいってようやく!ようやく半分と少し!!お前の人生全部否定されて惨たらしく死んでもまだ足りない!!お前が何をしてもお前がやった事の全てを償えない!!所詮はその程度の価値のない人間!!生きている意味?これから生きる意味?生きていた意味?そんなの無い!!そんな人生に嘆きを感じながら神に怒ってファッキンゴッドって言いながら空に中指でも突き刺してみれば?何の意味も無いけどねぇ!!お前の人生何の意味も無いけどねぇ!!これからのお前の人生も何の意味も無いけどねぇ!!この世で一番何の意味も無いけどねぇ!!」

 

 アハハハハハと須郷を足蹴にしながら高笑いするシリカの下衆さに全員が引いている。もうアレがラスボスでいいんじゃないかな?とすら思えてくる。チャームポイントである筈の猫耳もこうなると悪魔的なナニカに見えてくる。

 

「……な、何でシリカはあんな暴走してるんだ……?」

「え、お前あの言葉聞いてマジで分かんねぇの?」

「特には……」

「哀れシリカ……!だけど愉悦……!!」

 

 最早下衆とキチガイを通り越した何かになっているシリカはこの中で一番ヤバイ思考回路をしているのだとやっとリーファとアスナは気が付いた。そしてそれを知っている四人は久々に見たシリカのアレにドン引きだ。

 ちなみに一度目はリアルで四肢切断からの内蔵全部ぶっこ抜きをしようとしていたので四人がかりで止めた。

 

「さぁて、後はお楽しみの解体ターイム」

 

 須郷は痛みで涙目になりながらもう止めてくれとか何か言っているが、シリカには聞こえない。いい笑顔で短剣を取り出したシリカは適当な場所に短剣を突き刺し、その短剣ごと片手で須郷を持ち上げ、そのまま投げ捨てる。

 そして、須郷が地面に触れる前にシリカが動く。

 

「四肢切断。内蔵切断。性器破壊。モツ抜き。ハツ抜き。脊髄抜き。脳切断。脳掻き混ぜ」

 

 シリカがただ走る事のみに意識を切り替え、あの仮想現実の塗替えを行う。そして、シリカは一瞬にして須郷を数回通り過ぎる。

 一回目でまず四肢を切断どころか指の先から細切れに替えていき、次に通った所で内臓を貫手で開けた穴から短剣を突っ込んで切り裂いていき、次に性器を短剣の柄による殴打で鎧通しのように衝撃を伝えて破壊。その後に体のあちこちを貫手で内臓を引き抜くように何度も貫き、次に心臓を引き抜くように貫き、次に脊髄のある部分に貫手を突っ込み途中で止め、そこをグチャグチャにし、次に頭を半分に分割し、最後に断面を素手でグチャグチャにかき回す。

 この全ての技の名前はシリカが呟いた通り。実践しか考えてない故に余計な技名はいらないのだ。

 シリカはそのまま止まり、須郷はリメインライトと変わった。そして、シリカが背中を向け去ると同時に須郷が復活する。

 

「一回殺しちゃったしパース」

「なら次は私ね」

 

 シリカとシノンが手を叩き合い、バトンタッチ。殺戮が一旦終わる。キリトもこのままだと須郷は永遠に痛みに悶ているだけなので一度ペインアブソーバーを元に戻す。

 

「こ、このガキ共がぁぁ……!!」

「なぁ、なんでアイツまだ強気なんだ?シリカ、もう一回殺るか?」

「え、嫌なんですけど……触りたくないです」

「じゃあ私がぶっ殺すわ。やってみたい事あるのよね」

 

 そう言ってシノンが前に出る。そこでキリトがペインアブソーバーを切り、再び須郷が痛みに悶える。

 シノンは矢を弓に番え、思いっきり引く。

 

「……早射ち、速射」

 

 まさに一瞬。音にして一回。須郷がこちらを向いたその瞬間にそれは放たれた。

 まずは一つ、矢が気付かれる前に刺さった。その直後に二本目が刺さり、気が付かない。

 それが何度も何度も、何十度も繰り返し、そして全身を蹂躙し、須郷が気がついた時にはシノンと対面していた部分全てに隙間無く矢が突き刺さっていた。さらに、シノンはそこから矢を鳥籠の小さな鉄の棒に当てて跳弾させるという方法を使って文字通り須郷の全身に矢を突き刺した。

 その間、僅か数秒。須郷はたったそれだけの時間で剣山のように全身に矢を突き刺された状態に変わり、その全身を走る激痛を超えた痛みに叫びを上げようとしても喉も貫かれているため、声を上げることも出来ず、そのままポリゴンは崩れリメインライトに。そしてそのまま蘇生し、全身に走る痛みに悶え始めた。

 

「……イマイチね。表情も見えないし叫び声も聞こえないし……心臓と頭と首だけは避けないと」

 

 そう言いながらシノンは後ろから歩いてきたユウキと手を合わせてバトンタッチ。ユウキはそのまま悶え苦しむ須郷の前まで行くと、メニューから予備の片手剣を大量に呼び出して須郷の全身に突き刺し、床に張り付けた。

 

「実はボク、リアルだと建斗の手伝いで数人しか殺してないんだよね。だから、今日はいい機会だし、全身を解体されると人間ってどんな悲鳴上げるのか実験させてもらおうかな〜」

 

 自身の愛刀の刃を撫でながらユウキはシリカ並のドス黒く下衆い笑顔を浮かべると動けないために止めろぉ!!と叫び続ける須郷へと片手剣を突き付ける。

 そして始まったのは処刑ではなく解体。手足の一部を削ぎ落とされたり細切れにされたり傷口を抉られたり。最早戦いでも処刑でもなく解体という愉悦タイムになってしまった。その光景を見てアスナとリーファはもう見てられないと手で顔を覆って目を逸らし、キチレンジャーもうわぁ……とドン引き。

 解体が終わったのは数分後。達磨にされてゆっくりと頭を貫かれた須郷はリメインライトとなってから再び蘇生。ユウキはスッキリした顔で戻ってきた。

 

「満足満足。ツルギ、こうたーい」

「やっと俺かよ……ってかお前らのやってる事エグ過ぎて俺のやる事霞みそうなんだが……」

 

 一人は拷問&殺戮、一人は剣山作り、一人は解体ときた。最早全ての元凶たるツルギを超えたキチガイの極地の一つに立ってしまった仲間からツルギは俺は悪くないと目を逸らし、腰の刀を引き抜く。

 

「俺は優しいからさ……目玉引き抜いて最期に頭握り潰して終わらせてやるよ」

 

 その言葉に既に心を砕かれかけている須郷は恐怖に顔色を染めてその手の聖剣を構えることなく逃げようとする。

 だが、そんな事を許す訳がない。疾ッ。そう呟きながら縮地で一瞬にして距離を詰め、すれ違いざまに耳を削ぎ落とす。

 

「ヒィィィィィィィィ!!?」

「とうとう痛みすら麻痺してきたか?まぁ、あんだけ拷問されりゃあな……けど、お前はそれだけされるのに相応しい事をやってきた。いや、これでも足りないレベルの事だ。お前は罪も無い人の魂を弄び、新たに出来たこの仮想現実という世界を滅ぼそうとした。この先様々な事に貢献し、難病すら治す切欠になるかもしれないこの世界を。人々が新たな期待を持ったこの世界を、容易く滅ぼせる事をした」

 

 ツルギの言葉に感情は乗っていない。ただ、無感情に、罪人の罪状を読み上げるように淡々とツルギは須郷へと告げる。

 

「だからこそ、俺達が……『裏』が動いた。それを後悔し、懺悔し、悔いながら死にゆけ。大罪人よ」

 

 腰を抜かす須郷。しかし、ツルギは容赦しない。一呼吸。たったその間の時間でツルギは行動を成していた。

 ツルギが既に振り終わった刀を鞘へと収めた瞬間、須郷の体に幾つもの線が走り、そのままゆっくりとズレていき、何分割にもされそのまま地面に肉塊となって落ちてからリメインライトとなった。が、すぐに蘇生させられる。

 これで、須郷の命のストックは無くなった。もう、この命が最後だ。

 

「キリト、あとは任せた。好きにしろ」

「おう」

 

 キリトはツルギと手を叩き、順番がキリトへと移った。

 キリトはその手のブラックプレートの剣先を地面に付け、床に剣の跡を残しながらゆっくりと須郷へと近づいて行く。

 

「須郷……俺はお前を許さない。二年間必死で生き残ったSAOサバイバーを実験台にした事。この仮想現実を……もう一つの世界を滅ぼそうとした事。そして何より……」

 

 既に須郷に戦意はない。あるのは逃げたい。ただそれだけ。

 しかし、それを黒の剣士は許さない。許す訳がない。ブラックプレートを構え、キリトはその表情に憤怒を浮かべ、須郷と対峙する。

 

「俺からアスナを奪おうとした事!それだけは例え天変地異が起ころうがこの世界の理が正反対になろうが世界が滅びようが、それだけは許さない!!」

 

 その瞬間、須郷が逃げるために背を向ける。だが、キリト相手に背を向ける事はただの自殺に過ぎない。

 キリトが両足を切り裂く。そして須郷の体は走り出した慣性により前のめりに倒れかける。だが、その前にキリトが須郷を串刺しにして持ち上げ放り投げる。そして、落ちてくる瞬間に両腕を切り飛ばし、最後に頭から股まで一気に真っ二つに斬る。

 そして、須郷はリメインライトに。そのままキリトがリメインライトを踏み付けるとリメインライトはその場から消滅した。

 

「……さて、後は外の忍者に任せるか」

 

 キリトはブラックプレートを投げ捨て、アスナへと近付く。

 

「アスナ。やっと、やっと君を本当に助けることが出来た」

「キリトくん……」

 

 キリトはそのままアスナを抱き締める。アスナも涙を流しながらキリトを抱き締める。流石にこれは邪魔出来無いな。とキチガイ達も空気を読み何も言わない。

 

「アスナ、これから君をここからログアウトさせる。だから……多分、夜中になるけど、現実で会おう」

「うん……私、待ってるから」

 

 アスナを抱きしめたままキリトはGM用のメニューを操作してアスナをログアウトさせる。

 そして、アスナは光の粒子となって消えていった。死んだのではなく、現実世界へと帰っていった。

 キリトは暫くその余韻を噛み締め、振り返った。

 

「さ、俺達もログアウトしようか」

 

 こうして、ALOで起きた事件は彼等の手によって解決した。




はい、今回はキチ共のヒャッハー回でした。何気に男性陣よりも女性陣がヤバイという。知ってた?ですよねー

しかし、改めてシリカが酷い。今まで書いてきた中で一番キャラ崩壊激しいと思う

あ、ALO編はもう少しだけ続くんじゃ

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