俺はこうなってしまうのを知っていてあいつらと一緒に帰ったのだからあいつらには一切責任はない。もしあいつらが責任を感じるならそれは違う。あれは俺が悪い、誰がどう考えても当たり前だ。それで俺は今
「何よ!!年下で上司だからっていい気になるんじゃないわよ!!」
「ぐふっ・・・がはっ」
「くそっ!!くそっ!!くそっ!!」
流石に殴られ過ぎて感覚が無くなってきちまった。視界も霞んでくるしもうダメか
「あぁもうダメ、さっさと起きなさい。早くしないと殺すわよ!」
殺すか・・・もうなにもできないからいっそのこと殺してくれ。そうしてくれると俺も助かるしお前が言ったことも完遂できる、いいことづくしだろ?
「返事も何も無いなら別に死んでも構わないわよね」
あの女は台所から包丁を持ち出して俺の利き腕である左腕に包丁を深々と刺し鮮血が飛び散るとまだ痛覚が残っていたらしく激痛が走る
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は床で転げまわるが激痛は止まることなく続いていた。この時俺の頭には死に対する恐怖と痛みに支配されこの場から逃げようと必死になり外に逃げ出そうとすると背中に何かが当たる感覚を覚えた。次の瞬間に背中を大きく斬られまたしてもかなりの血をまき散らしながら外に出た
「はぁはぁはぁ・・・誰か・・・助けてくれ」
血が出過ぎてもうダメだ。近所の○○公園だったら誰かいるだろうと思い入るが誰もいない。そんなのは仕方ないといえば簡単なのだろうがそれでも悔しいな。もっと楽しい生き方ができるかと思ったけどそんなことはなかった、それどころか前世とほぼ同じ生き方になった
「もうダメか・・・じゃあな
俺はベンチに座りなぜか過去の楽しいと思えた瞬間が思い浮かぶ。無視する俺に友達になろうとしてくれたこと、簪が俺のサインに気付いてくれたこと、刀奈がいつまでも俺に構ってほしそうにしてくること、虚が俺と刀奈と本音に溜息をつきながら一緒に宥めたこと・・・なんだかんだでいい生き方をできてたのか。俺はゆっくりと眼を閉じようとすると白猫が俺のそばに近寄ってきた
「あぁ・・・お前もいたかシャイニィ・・・じゃあな」
だんだんと意識が遠のく。そんな中誰かが近づいてくる音が聞こえるがもうどうだっていい
「こんなに傷ついて大変ね。助けるとするサ」
刀奈サイド
あの後、簪ちゃんには謝って許してもらったけどやっぱり簪ちゃんが1番可愛いわよね。異論は認めないわ!でも七実君の事が気になっているのは知ってる。そんな私も少し気になって仕方ないのだけど今は本音ちゃんと虚ちゃんのお父さんに話さなくちゃいけないことがあるんだ。私は部屋をノックすると入っていいと言われたので中に入る
「ん、刀奈ちゃんか。こんな夜遅くにどうしたのかな?」
「七実君の事で少し話があります」
「件の子か、それで七実君がどうしたんだい?」
「彼はもしかしたら・・・」
そうあの日私が見た物を伝えなきゃいけない気がした。でも正直に言うのはどうかと憚られる気がしてならない
「彼がどうしたんだい刀奈ちゃん?」
「・・・彼はとても怖い目をしてたんです。闇のように深くて全てを飲み込んでしまいそうな光のない目で如何にも
「そうだったんだね。でもどうしてそんなことが分かったんだい?」
「いつも彼が空を眺めててどうして目を合わせてくれないのかなって思って彼を正面から見てそう感じました」
そうそれ以来私は彼の眼を見ることはしなかった。それどころか彼の眼を極力見ないようにしていた、そうせざるを得なかった。だって私よりも1つ歳が下であんなにも絶望的に死を求めた目をしてるなんて誰も思わない。どうして彼に友達がいなかったのかも分かった気がする。彼は死ぬことを望んでいるのだから友達は作らない方がいい。ならどうして簪ちゃんや本音ちゃんと友達になったのかが分からないけど
「それを考慮するとおかしい点がいくつかあるけどそれは今は知る由はないか。ありがとうね刀奈ちゃん」
「いえいえ、それで七実君はどうするつもりですか?」
「私の友人に子供が欲しいって言っている夫婦がいてそこに任せようかと思ってるんだ。もちろん信用に足る親友だから安心してほしい」
「わかりました。それじゃあおやすみなさい」
「うんおやすみ」
この後はあの人に任せるしかないかな。私は寝ることにしよう
???サイド
私は鏡、性格や本性、能力、思考全てを映し出す鏡。まだ彼が知らないあの人の本当の力。私と彼は表裏一体で彼が傷つけば鏡も傷つき姿が見えなくなるただの鉄になる
俺はなんだ?
あなたは私、私はあなた
俺はどうして生きてる?
私が生きてるからあなたも生きてる
俺は何がしたかった?
それは私にもわからない
自問自答するけど結局は私をどう使うかはあなた次第でその力は巨大で誰にも映し出せない。それほどに巨大で誰にも勝てもしないし負けもしないのがあなたと私
お前は俺なんだな?
あなたは私だ
もう分かった、全てわかった。何もかもがつまらなく感じるほどにつまらなくなる力それが
そう、私が嫌になる程に全てがどうでもよくなるよ
『ならこの力を使ってどうでもいい生き方をしよう」
今回もお読みいただきありがとうございました
最後のあれはストーリー進行に必要なものです。ただ厨2的なものですので自信はないですが冷ややかな目で見ないでください