元奴隷がゆくIS奇譚   作:ark.knight

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始めましての方は初めまして、そうではない方はまたありがとうございます

ISのSS第2弾目ですがどうかよろしくお願いいたします


隷属の転生

 

 

俺は奴隷だ。人として生まれ名前を得たが名前を奪われ人権を奪われ生活を奪われ全てを奪われた人形(ヒト)のなれの果てそれが俺だ。ただ知らない誰かのために働き続け死ねば補充されるただの人形(ヒト)でしかない俺は自分に起きたことが分からなかった。ただ何かが起きたことだけが分かっていたがここはいつも俺が働いている場所ではないどこかだったのはすぐに分かる。上下左右手前奥すべてが目が痛くなるほどに真っ白だった

 

『混乱していないとは珍しいのぉ』

 

どこからともなく男の声がするが全方向を見渡すが誰もいない

 

『いないもんを探してどうしたのじゃ?儂はそなたの脳内に直接語り掛けているのじゃからな』

 

姿を見せない奴を信用するほど俺は甘くはないがまずは俺がどうしてここにいるかを再考察するしかないみたいだ

 

『お主は死んだのじゃ、上から石材が落ちてきてのぉ』

 

話したつもりは無いが先ほどの脳内に語り掛けるというやつで話を聞いているのか?

 

『そうじゃよ、さてここは転生の間じゃ、死者は死に虚無へと帰るかどこかに転生するかを選べるのじゃがどうするのだ?』

 

正直どちらにも興味は無いのだがならば神とやらに任せてみるとしよう

 

『これぞ神頼みというやつじゃな、では転生してもらうのじゃがお主は自分が知らないだけでとてつもないものがあるようじゃな』

 

俺にはそんなものは無い、もしあるのであればあんな生活はしなかったはずだと思う

 

『無自覚は怖いものじゃのう、では特典を1つつけるがどうするのじゃ?』

 

特典だと?おまけみたいなものなら特にいらないがせめて普通に暮らせると俺は助かる

 

『普通じゃと?・・・それはしてみなけらばわからんのぉ』

 

ならその世界での全知識とかあると助かるなそれだけだ

 

『そっちならできるはずじゃ、では転生させるがいいか?』

 

勝手にしろ俺はとっくに死ぬ覚悟は完了している

 

『寂しい奴じゃのぉ、では死なないように祈っとるぞ』

 

少しずつ白い空間が消えていく・・・あぁ次の俺はうまくやって要領のいい人間になれたらどれだけ最高なんだろうな・・・

 

 

 

俺は1人の少女に抱えられている。それよりも俺の姿を確認したがどうやら赤ん坊からのようだな正面にいる女にも2人の赤ん坊が抱えられてるけどよそもそもこいつは誰だ?

 

「お母さん!!春十(はると)が目を開けたよ!!」

 

うるせぇな耳がいてぇよ、眠いから寝るか

 

しばらく白い天井と睨めっこしてたけど飽きた誰か来ねぇかな、暇すぎて仕方ねぇんだけどよ。ん?誰か入って来たなって、おい放せ!鞄に詰めんな!誰か助けてくれ!どうしてまた俺がこんな目に遭うんだよ!

 

 

 

千冬サイド

 

私にもようやく弟と妹が出来たんだ!長男の春十に次男の一夏、次女の円華!今日も学校が終わったから3人の様子を見に来たんだけど何か慌ただしいなどうしたんだろ?警察も来てるし何かあったのかな?千冬はカウンターに向かい面会できるか確認しに行く際にこの騒動を聞いてみた

 

「あのどうかしたんですか?」

 

「あらかわいい子ね、聞いた話なんだけど織斑春十って子が誘拐されたらしいのよ」

 

「春十がですか!?」

 

な、なんで春十が・・・嘘だ、そんなのは嘘だ!!こんなことってあるのか!?どうして春十なのだ!そこで私の意識は途切れた

 

目を覚ますとベッドの上で母が目の前にいた。外は真っ暗だったがなぜ倒れたかを思い出す

 

「お母さん!春十はどうなったの!?」

 

母は事の顛末を話してくれた。病院で春十が誘拐されいまだ捜索中で近くにあった監視カメラにはその時の映像は消されていたそうだ

 

「それじゃあ春十はどうなっちゃうの?」

 

自分でもわかる、いや直感で分かってしまったこの後がどうなってしまうのか。春十はもう私たちの下には帰ってこないのだと

 




お読みいただきありがとうございます

しばらくは原作開始にはなりませんのであしからず

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