ドヴァキンがダンジョンに潜るのは間違い? 作:ark.knight
年に4回、3か月に1回開かれる
「よ、ヘスティア」
「ん、タケかい」
神の中ではそれなりに親しい仲であるタケミカズチ・ファミリアの主神、タケミカズチことタケ。極東の国の出身ということもあってか服装は和で統一されている
「お前んところの
「そうだよ。あとは噂の中心の
「あのレベル8か?まぁ、噂には聞いてるけどいろいろとぶっ飛んでるな」
「僕もそう思ったよ。恩恵を授けたらレベル8って・・・普通じゃ信用できないよ」
本当に信用できないレベルだよ。数値も信用度的にもね。
「誰だってそうだろ。俺たちは俺たちでやれることをしてやろうぜ」
「そうだね、ありがとタケ」
「おう、それじゃあ行こうか」
ボク達は
「案外落ち着いてるのね」
「そう見えるかい?」
隣に座っているのはヘファイストス。ここに呼ばれている神はレベル2以上の冒険者を抱えているファミリアの主神だけだ。数としては30より多いくらいかな
「んじゃ始めるで。司会をさせてもらうんは、うちことロキや。情報交換は後で行うとして先に任命式いくで~!」
あいつが司会とか嫌な予感しかしない
「んじゃまずはドチビ、お前のところや」
「うげぇ・・・」
一気に視線がボクの方に集まってくる。どうせハイド君の事がメインなんだろう
「えーまず被告人のヘスティア、何か弁明することはあるん?」
「なんで被告人!?」
「だってな~、
「んなわけあるかッ!?そもそもみんな勘違いしてると思うけど彼は最初から強かったんだよ。恩恵を受ける前にロキの
最初は何してるんだと思ったけど、よくよく聞いてみたらベル君の為を思ってやったことらしいから強く言えないけどよくやったと言わざるを得ないかな
「それにいろんなところを旅して2,30年も冒険をしていたハイド君にはいき過ぎたレベルかもしれないけど妥当だと思うんだ」
「確かにうちのベートをボコしてくれたしなぁ。でもそれとこれは別やで。どんな才能や経験があったとしても誰もがレベル1から始まる。レベルが上がれば
なんで最初からレベルが8という異常な数値なのかはわからない。でも、それ相応に神に近い存在なんだろうか?
「忘れてないよ。でもそこの部分は分からないんだ。種族はハイエルフ、家以外では仮面を着けていて魔法だけじゃなくありとあらゆる戦い方を熟知している。でもどうしてレベルが高いのかは分からないんだ」
ボクとロキの対話となってしまったけど、知らない
「・・・なら聞いてしまえばいいやん。神とどれだけ親しいのか、ただそれを聞くだけや。それで次の
「確証は持てないけどいいよ」
異世界での暮らしを聞くいい機会だと思う。どんな神がいて、どう接触して、どんな関係を築いてきたのか。ボクは聞かなきゃいけないんだろう
「この話は置いておいて、二つ名を決めるで!」
「でも俺たちにはあんまり分かんねぇんだよ。実際に見たってわけじゃないし」
他の神からもちらほら声が上がるのは印象のことだ。常に仮面を着けているハイエルフぐらいしか知らないわけだ。知ってるとしてもボクやロキ、ヘファイストスぐらいだろう。冒険者もどれほどのものになるか・・・あの顔を見てしまえば女性は自信を無くすのが目に見えている。あれで男って・・・世の中バランスがおかしいよね。ボクだって自信を無くしかけたよ
「どうなんやロリ。うちも見た事あらへんけど流石に見たことはあるんやろな?」
「日常的にね、でも教えれないかな。本人には口止めされてるんだ」
「なんやそれ、つまらんやないか!?なら他に知ってる奴はおらへんか?」
「私も知ってるけど生憎ヘスティア同様に、口止めされてるわね」
まさかヘファイストスも知ってるだなんて思わなかった。ハイド君の交友関係って少ないのは知ってるけど何を基準にして交友を深めてるんだろう?
「ぐぬぬ・・・んじゃ印象から決めるって、仮面を着けてるしかわからんやないか!?」
1人漫才を披露するけど印象は分からないだろうさ。そういう風にしているんだから簡単に分かっちゃったら大変だもん。主にボクが
「印象から仮面を着けてんだから
「ちっちっちっ、
なんか嫌な予感がしてきたぞ?発展した形がしっくりくるけど痛い方向になりつつある。これは修正しなきゃマズいぞ!
現在、僕たちはミノタウロスとの激闘を終え、自宅で療養している最中でやることも無くただ暇していた。神様は
「あー、暇だなー。いつもダンジョンに行ってモンスターと戦ってたのに、こうして家にいるだけってのも暇だなー」
僕もベッドの上でゴロゴロしてるだけでやることが無いって結構堪えるんだね。ここ最近はずっと頑張ってたしいいよね
「・・・あの」
「ふぁ?」
なんか変な声が出ちゃった。それは置いておいてベットから起き上がるとヒョウちゃんが冷たい視線を僕に送っていた。すんごい恥ずかしい
「いや、あのこれはですね!?」
「昼食、食べる?」
「・・・うん」
取り付く島もない感じだ!?言うだけ言って出て行っちゃったしどうしよう、変な勘違いしてなきゃいいんだけど・・・
「・・・とりあえず行こう」
誤解されたなら誤解は解いておこう。そうじゃないと後々、日常生活で支障をきたしかねないからね。部屋から出てきて下に降りるといい匂いが充満していた
「あ、ベル様」
呼称だけだと分かり辛いけどリリが1冊の本を持ってメインルームに来ていた
「リリ、その本はどうしたの?」
「図書館にあった本ですよ。ベル様もどうですか?」
リリが持っていた本の著者はミル・エスト、タイトルは「新ドラゴンボーン伝説」と書かれていた
「なら昼食を食べた後にでも行くよ」
これがハイドさんの過去に繋がる本とは知らず、僕たちは無意識に知ることになるなんて思わなかった。どういう人か、どういう経緯であそこまでの力を得るに至ったのか。それを知るのはもう少し後の話である
今回もお読みいただきありがとうございます
ハイド氏達が50階層へ行くまでの話・・・二つ名はダンジョンでの再開後にお披露目となります