ドヴァキンがダンジョンに潜るのは間違い?   作:ark.knight

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投稿遅くなってすみませんでした。今月と来月の上旬は投稿難しいかもです

3,4巻に繋がるお話?


同行と準備

 

 

今日は久しぶりに図書館で本を読んでいる。読んでいる本はヘラ・トゥライス・バースド著、ドラゴン語:もう神話ではないという本だ。ドラゴンやドラゴン語について詳細に書かれている本なのだが、よく翻訳したものだと感心したのは昔の話。今でも翻訳する気はあまりないのだが単語単語で意味さえ理解していれば(シャウト)でも問題無い。

 

「ハイドくーん、ここにいるかーい?」

 

「いるぞ」

 

読書しているとヘスティアの呼ぶ声がしたので本を閉じた

 

「ここにいたんだね。お客さんだよ、ロキのところのだけど」

 

「わかった」

 

ヘスティアは不機嫌そうな顔でそう言う。なぜそういう顔をするのだ?それは置いておくとしてロキのところだと知っている奴だろう。行くとするか。私は図書室から出ていきメインルームに行くとそこにはティオナにリヴェリアの2人が椅子に腰かけていた

 

「待たせたようだな」

 

「ハイド君なの?」

 

「当たり前だ。私がハイド・クロフィで間違いないぞ」

 

2人はこちらを見るなりティオナは唖然としているし、リヴェリアに至っては密かに笑っている。いったい何があるというのだ?顔に何か付いて・・・仮面を着けていないではないか。そう言うことか

 

「素顔を見せるのは初めてだったな。あとリヴェリア、こっそりと笑うな」

 

「すまんすまん、意外だったもので」

 

「素直な感想ありがとう。ムカつく意見だったがな」

 

顔を見られて笑われるのは心外だが悪気は無いのだろう。だが二度目は無いぞ。これでも意外と根に持つ方なんでな

 

「それで何の用だ?」

 

「交渉しに来た。詳しい話は黄昏の館、ロキ・ファミリアの拠点で話したい」

 

「なら少し待っていろ。着替えてくる」

 

交渉事は苦手なんだがある程度は有利に進むといいのだがな。私はモロケイを装備しアークメイジのローブに身を包み、後は付呪を付けた革装備を身に纏いデイドラの弓とダガー、鋼鉄の矢を装備し部屋を出た。ウィンターホールド大学の一件以来魔法特化で冒険をする際にはこの装備で行くのが定番となっている。消費マジカを約8割も抑え、魔法耐性も高くそれなりに防御面も安定しているこの装備は着心地もいいものだ

 

「待たせたな」

 

「いつものハイド君だ」

 

「・・・ティオナ、貴様今何で判断したか言ってみよ」

 

「え!?いや・・・そのアイズが負けた気がするって言ってたのを思い出しちゃって。ズルいと思う」

 

何がだ。ティオナはふくれっ面で先に家を出て行ってしまうが目的の私を置いていくのはどうかと思うぞ?

 

「やれやれ困ったものだ」

 

「同じファミリアなんだろう、追いかけなくていいのか?」

 

「もし私が行ったとしてハイドはどうする?何処かに行かれては困るからな」

 

別に場所は知っているから一直線に行くつもりなのだが逃げ出すと思われているのか。多少の寄り道はあれどちゃんと行くつもりではあるんだがな。一緒に家を出てロキ・ファミリアのところに行くのだが今回はどんなことになるのだろう、ただ交渉と言うことであれば少なからずそれなりの報酬は手に入るであろう。そう思いながらロキ・ファミリアの拠点に向かっていった

 

何事も無くロキ・ファミリアの拠点に到着するなり最上階の一室に通された。その部屋の中にはフィンにやたらとくっ付こうとするティオナの姉、アイズに嫌らしい手付きで近寄るロキの4人がいたのだがどうも入りづらい

 

「・・・少し待っててくれ」

 

部屋の外で待たされると中から悲鳴に似た声が2つ上がるのが聞こえてくる。多分リヴェリアがなにかしたのだろうな

 

「すまなかったな。入ってきていいぞ」

 

中に入ると今度はちゃんと4人が座っていた。ロキは頭を押さえているがリヴェリアにやられたのだろう

 

「さっきはごめんね。適当に座っていいよ」

 

フィンに対面するように座ると名前は知らんがなんというか平凡そのものを体現したかのような人物からカップに淹れられた茶を渡された

 

「どうぞっス」

 

「ん、ありがとう」

 

丁度、視界から私の姿が消えただろう瞬間を狙い、ポケットに感謝として金貨10枚、1万ヴァリスを入れておいた。なんだろう、養子にお小遣いと言って金を渡す気分に似ているな

 

「今日は来てくれてありがとう。君とは少し話がしたくてね」

 

「御託はいいからまず本題からにしろ。その後に聞く」

 

「あんた団長になんて口きいてんのよ!」

 

フィンの隣に座っているティオナの姉が私に激昂してくる。この場合、私に選択の余地がある為こういうことはタブーだろうに

 

「落ち着いてティオネ。今回は僕たちが彼に頼ろうとしている立場なんだからそう言うことは言っちゃダメだ」

 

「むぅ・・・」

 

奴の表情からするに強く出たいけどフィンの言うこともあるという風にしかめっ面になっている

 

「さて本題なんだけど、君はロキ・ファミリアの事はどれくらい知ってる?」

 

「何も知らん」

 

即答するなりロキはずっこけ、アイズは首を傾げ、他の3人は呆れた様子だった。こちらに来てほぼほぼダンジョンを潜っているか家に篭っているかのどちらかしかないのだから

 

「なら説明するけどロキ・ファミリアはダンジョン探索系のファミリアなんだ。他にもダンジョン探索系のファミリアはいっぱいあるけど、その中でもトップクラスの実力を持っているのがこのファミリアさ」

 

「つまり今回の依頼はダンジョンに関係があるということでいいのか?」

 

「その通り。今回僕たちは君にダンジョンの探索に同行してもらいたいんだ」

 

ダンジョンにはまだ知らないことがあるからこの策に乗るのはやぶさかではない。だが依頼というからには何か見返り、報酬があるのだろう

 

「もちろんタダで頼むつもりは無いよ。報酬は支払う、どうか同行してくれないかな?」

 

「報酬はドロップアイテム全てだ。それなら同行してもいい」

 

正直金など要らん。今はドロップアイテムの調査を最優先しているからな

 

「リヴェリアどうだい?」

 

「稼ぎは減るがそもそも獲得できる量が少ないから何ら問題ない」

 

「なら交渉成立だな。報酬に見合う分はキチンと働かせてもらうとしようか」

 

此度の探索でどのようなドロップアイテムが手に入るのだろうか。それを素材としてどのような武器を作ることができるのか楽しみが出来たな

 

「話はこれだけか?」

 

「・・・次は私」

 

「なんだ?」

 

「稽古をつけて欲しい」

 

その程度なら安いものだ。だがしたいのなら私の家に来ればいいものを

 

「別に構わんぞ。時間と場所は?」

 

「時間はレフィーヤのもあるし朝方?」

 

朝か・・・寝ぼけて集中力が欠ける可能性があるので遠慮したいのだが

 

「仕方ない。その時間にするとしよう」

 

「場所はここの訓練場で」

 

「・・・フィン、許可証みたいなのをもらえないか?番をしている奴らに警戒されるのも面倒だからな」

 

「書いておくよ。それまで適当に時間を潰しておいて」

 

フィンは部屋から出ていく。それまでは暇になるが先ほどからロキやティオネとやらの視線が痛い

 

「そういやハイド、いつまで仮面着けてんねん」

 

「家に帰るまでだ。そうやすやすと見せたくないのだ」

 

「家では簡単に見せてしまったのは誰だったかな?」

 

そういわれると弱いのだ。仮面を着けるのには一旦メインホールを通らねばならないから必然的に見せなければならなかった。ドレやエン達に持ってこさせる事も出来たがそこまで頭が回っていなかったのだ

 

「なんやリヴェリア見たんか?」

 

「いろんな意味で凄かった。ティオナなんて見て驚いていたな」

 

「・・・ほんとに凄かった」

 

「アイズたんがそこまで言うんのは余程なんやろな?」

 

近づくな、そして手をいやらしく動かすな気持ち悪い。どうせ仮面を剥ごうとしているのだろうが私は強く出るぞ

 

「仮面を剥げば先の交渉は全て無に帰す。私は見せたくないから仮面を着けているんだ」

 

「つまらんなー」

 

「私とて、あんな顔では無ければ日常的にはこんなのは着けん」

 

そういえば気になっていることがある。以前ヘスティアはロキに問い詰められて私のレベルをバラしたという話だったはずだ

 

「話は変わるがヘスティアから聞いた話だ。ロキ、貴様はヘスティアを問い詰めて私のレベルをバラさせたそうだな」

 

「ああ、あれか。うちとフレイヤで聞いただけや。まぁ驚いて大声上げたんはうちやけど」

 

というと私のレベルを全面的にバラしたのはこいつなのだろう。全くもって面倒なことをしてくれたな

 

「本当に面倒なことをしてくれるな。これだから神というのは好きになれん」

 

「なんや?喧嘩売っとんのか?」

 

「勘違いするな。もう神に振り回されるのはごめんだと言っているまでだ。幾度となくデイドラ()に振り回されたんでな」

 

「・・・ハイドも大変だった?」

 

「もう2,30年も前の話だがな。だが強烈な記憶として残ってしまっている」

 

二度とあんな経験などしたくないものだ。エルフの血を集めたり、喋る犬とダンジョンに潜って吸血鬼と戦ったり盥回しにされるのはこりごりだ。あのようなことは二度と起きないと信じたいがそうはいかないのだろう。現にこうしてオラリオ中に私の噂が広まってしまっているのだからな

 

「そんなに長い間、冒険者やってたん?」

 

「ここではないがな。ここが生ぬるく感じる程の過酷な環境だ。日常的にドラゴンや巨人、山賊なんかに襲われるわ、ダンジョンに潜れば罠が酷くてな。最悪即死まであった」

 

あの扉みたいなのに棘がついたようなトラップは本当に酷かった。当たれば即死、運良くても瀕死という最強トラップ。無論私も当たれば相手も当たる、それを利用しドラウグルを倒したのだがその時の挙動が面白かったな

 

「ホンマ、どんな環境やねん!?」

 

「そんな中で冒険してたんでな。経験は豊富なのだ」

 

「だからって初期からレベル8ていうのは詐欺臭いわよ」

 

「そこは私が知るところではない」

 

ダンジョンとは大変であるが同時に楽しいものでもある。敵を蹂躙するのが面白いのなんの

 

「とりあえずフィンが許可証を持って来次第、私は帰ることにする。再確認するが明日の早朝、ここの訓練でいいんだな?」

 

「うん・・・よろしく」

 

では今から考えるとしよう。1度アイズと戦ったことがあるのだがその時は手数が多かった印象だ。ならば力押しというのも面白そうだ。しかし私のメインスタイルとは違うので帰ったら素振りでもしておこうか。その後フィンが戻ってくるまで特に面白い話をするでもなく時間を潰すのであった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

次回から・・・どうしましょ。原作通りだとちょっと違うような気がしますし改変になると思います(既にしている件)

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