ドヴァキンがダンジョンに潜るのは間違い? 作:ark.knight
書くつもりはないですよ?・・・たぶん
翌日、私はリリを引き連れてヘスティアの部屋に訪れていた。昨日、話したことを全て話すわけでは無いがある程度の詳細を話してリリをヘスティア・ファミリアに引き込もうと思っている
「それで話って何だい?」
「リリルカの事で話がある。ファミリアにも関係する話なんで貴様にも話は通しておこうかと」
「ふーん」
昨日の事が引っかかるようでどこか不信になっている様子だが、ファミリアに関係があるということで半分不信半分期待という感じだった
「もしかしてソーマのところにも関係あるのかい?」
「知っていたんですか?」
「一応ね、ギルドの人が教えてくれたんだよ。ベル君たちがソーマ・ファミリアのサポーターと組んでいるって」
なら話は早い。現在私達に不足しているのは補助要員だ。荷物持ちをしながら戦闘を行うなんて愚策でしかなく効率的ではない。ならばそれ専用の役職がいるのは普通である、私は1人で旅をしていた期間が長いせいかそんなに苦でないが
「今、私達のファミリアに必要なのはリリルカのような補助的人材だ。ベルやヴェルフには戦闘、リリルカには補助要員として役割を持たせ、このファミリアに改宗させたい」
「本気で言っているのかい?」
「やるからには本気だ。でなければ貴様にこんな話など持ち掛けない」
「……ハイド君は少しこの部屋から出ていって貰えないかな。ボクはこの子と話がしたい」
いつになく真剣な表情で言われた為、私は無言でこの部屋から出ることにした。後はリリルカ、貴様次第だぞ
昨日考えていた。ハイド君やこの子、リリルカ・アーデの話を聞いてどこか引っかかるような感じがしたので徹底的に考え抜いた。ハイド君の「問題は無いし
「ボクが聞きたいのはただ一つ、昨日ハイド君は君を助けた際に冒険者を
この質問にはズルい手がある。殺した場合なら嘘をついても正直に話しても分かる。それでも違和感を感じるようであれば直接的には殺していないという風にも取れる、その他の場合がある可能性もあるけどね
「いえ、ハイド様は冒険者なんて殺していません。リリを助けるために冒険者の腕を切り落とし逃がしてくれました」
嘘は無いようだけどもっと面倒な話を聞いてしまった。ちょっとこれはどういうことだい!?
「そ、それって本当かい!?」
「はい、こんなリリの為にそこまでしていただき助けてくれました。その時、リリはその冒険者に殺されそうになっていましたし」
「……それは大変だったね」
確かに大変だったとしか言いようがない。でもやりすぎだと思う。助けるのであればもう少し穏便にやってもよかったのではないだろうか?
「話は変わるけど君は本当にこのファミリアに改宗したいのかい?」
「はい、このファミリアの為に何よりもハイド様の為に改宗したいです」
ハイド君の為か。この前はモンスターの素材を食べようとする珍事件が起きたしお目付け役としても十分だろう。それにサポーターとしてしっかりとやってくれればこのファミリアにも貢献してくれるだろう
「ボクとしても嬉しい限りだよ。ボク達ヘスティア・ファミリアに歓迎するよ」
「……そのことなんですがちょっとハイド様を呼んでもよろしいでしょうか?」
「ああ、そうだね。呼んでおいで」
リリルカちゃんは部屋の外で待機しているであろうハイド君を呼びに行った。それにしてもハイド君が主目的なのは予想してた。ボクとしては頑張ってほしいところだな、彼を狙っているのは現状、他のファミリアのところにもいるんだから!
「話は終わったのか?」
「一応ね、話があるからということで一旦中断した形になっているよ」
「すみません。では話に戻りますけど改宗に当たって二つ条件があるんです。1つはお金、これは目標の9割がた集まっているので問題無いのですが、最大の問題はソーマ・ファミリアの主神ソーマ様に会って試練を乗り越えなければならないのです」
「試練?」
「市場に出回っている
あれ、
「
「そうなのですが最後のが1番大変なのです。市場に出回っているのはいわば欠陥品で本物は1口飲んでしまえば例えお酒が苦手な人であろうと魅了し依存してしまう代物です」
「ふむ魅了か。異常状態になるというのか?」
「簡単に言ってしまえばそうだね。でも危険だよ、相手は神の作った酒なんだ」
そう、これが一番厄介なんだ。相手は神界でも造酒で有名なソーマが作る酒、
「異常状態か。毒や病気のそれとは違うのだろうな。ヘブノラークは使えんか」
「何だいそれは?」
「いつもつけている仮面の1つだ。毒や病には完全な耐性を持つのだが異常状態には分からん」
結構便利な仮面だね。でも今回の事には無意味かもしれない、意外にこれは難しい問題だ。最悪、
「やっぱり難しいですよね」
「すまんな。だが必ず貴様をこのファミリアに入れさせる」
「ありがとうございます!」
それにしても本当にどうしよう。リリルカちゃんは欲しいけどその条件が厳しすぎる。簡単に上げられる問題では無いにしろ本当に困ったとしか言えない
「そういえばリリルカ、貴様は今まで宿とか家に住んでいたのか?」
「宿ですね。家はありませんし」
「なら家に住むか? 部屋はまだ余っているのと安全のためにだ」
「安全ですか?」
「そうだ。あんなことがあったのだから安全を確保するまでが契約の無いようだったろ? 暴論ではあるが一緒に住んでしまえば問題は無い」
多分リリルカちゃんを助けた時の事を言ってるんだろうけど本当に暴論だったよ。でも当人はすっごく喜んでるんだよね
「本当ですか!」
「後でドレに言っておく。すまんがやらねばならないことがあるので今日はここまででいいか?」
「ボクは大丈夫だよ」
「リリも大丈夫です。本当に何から何までありがとうございます」
「気にするな」
そう言ってハイド君は部屋を出ていく。この問題はまだ解決したものでは無いけどいつか対面しなきゃいけないんだろうね。ボクはこのことであまり協力はしてやれないけど応援はするつもりだよ。頑張っておくれハイド君にリリルカちゃん
今回もお読みいただきありがとうございます
これにて第2巻分終了です