ドヴァキンがダンジョンに潜るのは間違い?   作:ark.knight

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神宴と装備

今日は何をしよう。ヘファイストスの所に遊びに行ってもいいが昨日、一昨日と行ったし今日はミアハの所に行くか?ただ行っても錬金の事は話したし素材でも持っていってやるか?でもそうなるとこっちにある素材もある程度提供させてもらうか?そういえば以前ゴブリンの爪を入手したのだったな。どんな効果があるか食べてみるか?自室でこんなことを考えていると部屋の外から声が聞こえてくる

 

『ハイド君いるかい?』

 

「いるぞ。鍵は開いているから入って来い」

 

そういうとヘスティアは袋を持って私の部屋の中に入ってくる

 

「君に頼まれていた物を持ってきたよ。正確にはベル君がだけど」

 

「早く集めてきたな。私としてはありがたいがな」

 

袋を渡され中を確認すると確かにゴブリンの爪が3つ入っていた。これでエンチャントがついていない上に素材が判明しているドラゴンプリーストのダガーが入手できるのか。ヴェルフには悪いがこの武器はある程度手を加えさせてもらうぞ

 

「さてこれでベル君の装備を作ってくれるんだね」

 

「依頼通りに報酬は頂いたし作ってやる。何か要望はあるか?」

 

「特には無いけどさすがに凄すぎる武器はよしてくれよ?」

 

注文は駆け出しが持つ用の武器ということか。そうなると防具はもう決めているが武器はもう少し考えねばならんな

 

「了解した」

 

「ありがとねハイド君。そうだ明日ボクは神の宴に呼ばれてるから出かける事になる。2、3日は戻らないと思うよ」

 

「そうなのか。もしヘファイストスに会うようであれば感謝の意を伝えておくのだぞ。居候させてもらってそれで終いというのはいささか問題だからな」

 

本来は養う理由などないはずの奴を養ってくれたヘファイストスは良い奴だと思う。そうでもしないと聞いた私が気にするからな

 

「それをヘファイストスから聞いたのかい!?」

 

「ああ聞いたぞ。この落ち度は貴様にあるだろうな」

 

「何も言えないのが悔しいよ。今もこうやってハイド君の家に転がり込んでるみたいな状況だし」

 

それについては気にしなくてもいいのだがな。貴様もいつぞや家族と言っていたそれだけで十分だと思うのだがな

 

「私からすると至極どうでもいいがな。ただ家族であるそれだけでいいだろうに」

 

「うん、そうだね。ありがとうハイド君!」

 

「かといって迷惑を掛けるようであれば否応なく叩き出すがな」

 

「なんでそこでいい話でまとめようとしないかなー」

 

知らんな。さて本格的に製作に取り掛かるとしよう

 

 

 

翌日ボクはガネーシャ・ファミリアの拠点『アイアム・ガネーシャ』に来ている。ガネーシャ・ファミリア主催の神の宴に呼ばれていた。そろそろ怪物祭(モンスターフィリア)が開催されるためそれの協力を募るために開催したらしい。ボクはそこでヘファイストスに会うために来たんだけど見つからない

 

「もしかして来てないのかな?」

 

「あらヘスティアじゃない」

 

「げぇ・・・フレイヤ」

 

ボクが苦手としている神の一人フレイヤだ。いつも何を考えているかわからないし欲しいものは何でも手に入れようとするとんでもない神様だ

 

「そんないい方しなくてもいいじゃない。傷つくわね」

 

「ボク君の事苦手なんだよね」

 

「ふふふ、私はあなたのそういうとこが好きよ」

 

やめておくれ少し気味悪いから。遠くで何かこっちに走ってきている奴に比べたらまだマシだけどね

 

「おーい!フレイヤー!とドチビ」

 

「あらロキ」

 

一番苦手にしている神ことロキだが今日は胸元が見えるドレスを着ているけど寂しい胸を見せに来ているのかい?

 

「おいドチビ話があるんやけどお前んとこのハイドっちゅー奴。いったい何者や?」

 

ハイド君の事か。ぶっちゃけ話そうとは思わない

 

「あら新しい眷属()ができたのかしら?」

 

「うちのファミリアのメインアタッカーがタイマンで負けるわ。モンスター召喚するわ一体なんなんやあいつ?」

 

ハイド君・・・ロキ・ファミリアに行ったときに何をしてるんだい!?それに何、モンスターの召喚もできるのかい!?

 

「おまけにそんだけ魔力を使ってんのに魔力枯渇(マインドダウン)せえへんとかありえへんやろ。恩恵を受けてすぐでこんなんおかしいはずなんやけど一体レベルいくつや?」

 

「へぇそんな子がヘスティアのところにいるのね」

 

「詳しいところは分からないけど彼はおかしいほどに強いのはわかる。ハイド君から聞いた話だけどいったいどれだけの事をしたらあんなに経験を積めるのかは僕にもわからないよ」

 

正直彼がいた世界がどれだけの場所なのかは彼にしかわからないけど聞くだけでかなり場所だと思う。そんなところで冒険してたっていうならあのレベルも納得できる

 

「それでいったいレベルはいくつなんや?」

 

「レベル8。現行最強のレベルになったよ」

 

「8やて!?」

 

ロキはつい大きな声を上げてこちらに注目を浴びてしまった。なーにをしてくれてるんだいロキは!

 

「ドチビお前神の力(アルカナム)を使ったんやな?」

 

「使ってないよ!そもそも神の力(アルカナム)は使えないようになってるじゃないか!」

 

「本当に素でレベル8なんやな?」

 

「そういってるじゃないか。それよりも今はまだ隠しておきたかったんだけどこの事態どうしてくれるんだい?」

 

周りはボク達の話を聞いて騒ぎ始める。こうなるから神会(デナトゥス)まで隠しておきたかったんだ。当然他の神はハイド君の話を始めるがつい最近来たことから情報は少ないはず

 

「大変なことになったわねヘスティア」

 

「ほんとだよ。どうしてくれるんだいロキ」

 

ロキがいた方向に顔を向けると既にいなくなっていた。やりたいだけやって消えやがったし!

 

「この騒ぎは何なのよ。いったい何があったのヘスティア」

 

「あ、ヘファイストス!君に会いに来たんだよ!」

 

「私に?丁度私もヘスティアに用があって来たのよ」

 

ヘファイストスもボクに用事があったなんて驚きだよ。え、なにもしかしたら今まで居候してたことで何かされるのかな!?

 

「今ここで噂になっている彼の事よ。凄い眷属()じゃない、あんたにもったいないくらいにね」

 

「それは思うけど、なんでハイド君がボクのファミリアに入ったのか分からないんだよね」

 

「あらそうなの?」

 

「うん最初はベル君に誘われてボクが住み着いたあの協会に連れてきた時に勧誘したら入ってくれたんだよ。ロキ・ファミリアのスカウトを蹴ってまで」

 

ロキ・ファミリアのスカウトまで蹴ってまでそうしたのはボクにもわからない。教えてくれない物は神であるボクにもわからない

 

「贅沢な選択したわね彼。でもそのおかげでこっちにも嬉しいことが起きたわ」

 

「なにかあったのかい?」

 

「うちの眷属()ヴェルフが彼から刺激されてやる気出しちゃって、そのことで頼みがあるのよ」

 

今まで居候させてもらってヘファイストスの頼みごとを聞けないほどボクも冷たくないよ!

 

「いままでお世話になってもらったんだ。なんでも言っておくれ!」

 

「ありがとうね。それでその頼みっていうのは・・・」

 

周りが静かになった後に気づいたが、ボク達が話し込んでる間にフレイヤはいなくなっていた

 

 

ヘスティアがどっかに行ってから早2日が経過しベルの防具も作り終えた。筋肉量から見て軽装にした。革装備であれば防御面は問題ないが頭装備だけは視界を悪くしてしまうので毛皮の兜にした。武器はエルフのダガー2振りにした。これらには今まで私が培ってきた鍛冶の技術全てを費やし自分でもほれぼれしてしまうほどのものに出来上がった。まだエンチャントをつけるかは決めていないが後はこれをベルに渡すだけとなった。ダガーを作り終え外にある椅子で休憩しているとヘスティアが帰って来たらしく私のところにやってきた

 

「ただいまハイド君。その様子だとお疲れみたいだね」

 

「たった今ベルの装備を全て作り終えたのでな。しばしの休息という奴だ」

 

「お疲れ様、これがその装備なのかい?」

 

ヘスティアは革の鎧を手に取る。この装備のいいところは低価な素材で作れる割になかなかの耐久を誇るのだ。売値も100ゴールドは超えていた気がする

 

「武器の方も完成してある。念のためこれから予備の分を制作するつもりだがな」

 

「なんで予備の分?」

 

「無いとは思うが無くしたスリに遭うとかそんなことがあった時の為だ」

 

これは私の経験則だ。シャウトによって武器が吹き飛ばされ紛失、マルカルスで武器をスラれるなんて無様なことがあったのを昨日思い出して急遽予備を制作することにしたがそれは鋼鉄のダガー2本にするつもりだ

 

「もしかしてそれって経験則かい?」

 

「・・・悔しいがその通りだ。今となっては問題は無いがな」

 

私にスリを働いた奴には否応なしに全てを奪うようにした。そのせいもあってか噂になり一切私にスリを働く奴はいなくなったが

 

「大変だったんだねハイド君も」

 

「これくらいはどうということは無い。デイドラの奴らに比べたら可愛いものだ」

 

あいつらは気まぐれで私達人に悪を振りまくものだから質が悪すぎる。いや悪いだけでは済まされない

 

「あはは、大変だったんだね」

 

「笑いごとで済まされないのだがな。人に悪夢を見せ弱らせたり仲間を殺させようとするわでもう関わりたくないのだがな」

 

「うわぁ」

 

その点こちらはまだ比較的安全と言えよう。あんな経験は二度としたく・・・いやクソ爺のせいでこちらに来ているのだからもう三度としたくないと言えるな

 

「ハイド様!!お客様ですよ!!」

 

エンがこちらに走りながら大声を上げてやってくる

 

「客だと?名前は聞いているか?」

 

「えっとティオナって言ってました!!」

 

あいつか。そういえばここを教えていたのだった。かといって今の私は仮面をつけていないから少し待っていてもらおう

 

「少し着替えるので家の中で待っているように言っておけ。無論酒以外の飲み物を出すのだぞ」

 

「わっかりました!!」

 

エンは再び来た方向に走って戻っていく。今日もエンは元気だな

 

「すまんが今日はここまでにさせてもらう。それらは貴様に預けておくからいつ渡すも貴様次第だ」

 

「わかった。ありがとうねハイド君」

 

「礼はしなくていい」

 

さて着替えるとしよう。もし冒険の類だったことも考えちゃんとした防具にしよう

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

次回は怪物祭序盤となります

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