マクロス・エリシオン内ブリーフィングルーム。アラド隊長率いるΔ小隊とワルキューレが集まっていた。
「みんな集まってもらったな。これからブリーフィングを始める。今日は明日調査に向かうアル・シャハルについてだ。一月にヴァールシンドロームが発生している。その内三件で生態波の異常シンドロームが感知されている。そこでレディMからその正体を掴めってのが一つだ。」
そんなアラドの言葉にデルタ4のミラージュ・ファリーナ・ジーナスが質問する。
「隊長、質問をしてもよろしいでしょうか?」
「許可する。なんだ?」
「先程ヴァールについてのが一つと申しましたが・・・・・・・・・もう一つは何ですか?」
「いい質問だデルタ4。そいつはこれだ。」
アラドはそう言うとモニターにあるものを映し出した。
モニターにはヴァルキリーほどの大きさのオレンジの恐竜や青い犬、サイボーグの様な恐竜にジーパンをはいた人狼、オレンジの鎧を身に纏った竜人にサイボーグドッグ、青い竜人に緑の昆虫人間、赤い恐竜に赤いサイボーグ恐竜、そして騎士の様なものまで映し出されていた。
「これは・・・・・・・・・なんですか?」
「あ、私知ってるよ。ミラミラ。」
そう言ったのはワルキューレのメンバーの一人、マキナ・中島が話す。
「隊長。これってヴァールが発生するところに何度もあらわれている謎の生命体だよね?」
「その通りだマキナ。どういうわけかヴァールが発生するところに毎度と言っていいほどこいつが現れる。そんで極めつけにこれを見てくれ。」
アラドはそう言うとある映像を出した。
映し出されているのはオレンジの恐竜である。俺虹の恐竜に光が注がれた瞬間で映像を止める。
「この次だ。こいつが・・・・・」
オレンジの恐竜はサイボーグの姿へと変わった。
「こうなるんだ。更に声も拾ってる。ちょっとノイズが入って聞きづらいが聞いてくれ。」
〈・・・・・・レイモン、ちょ・・・んか!メタルグ・・イモン!〉
「れいもん?」
そう言葉にしたのはデルタ3のチャック・マスタングであった。
「これについては謎が多い。おそらくこのオレンジのがなんちゃらレイモン。そんでこれがメタルなんちゃらレイモンだ。そしてこの光を発したところを見たらなんと・・・・」
映像にを部分的に拡大する。するとそこには鮮明ではないが人影が見えた。
「人・・・・・・・・ですか?」
そう言ったのはデルタ2のメッサー・イーフェルトであった。
「そうだ。おそらくこいつがこれらと関係していると推測される。」
「そんなことがあり得るのかしら?」
「私は生命についてはわからないけど、こんなこと普通に考えても無理があると思う。」
アラドの言葉に愚問を持ったワルキューレのメンバーの美雲・ギンヌメールに相槌を打ったのは同じワルキューレのメンバーのレイナ・プラウラーであった。
「断定はできないわ。でもこの人を確保して何か情報を引き出すのが私たちの任務でもあるわ。」
そう言ったのはワルキューレのリーダーであるカナメ・バッカニアである。
「ま、とにかく俺たちはアル・シャハルで調査。もしヴァールが発生したらいつも通りするって事だ。各自気を引き締めて行け。」
『了解!』
「ウー・ラッサー!」
アル・シャハル湾岸の宇宙湾。貨物コンテナが多く並ぶ湾の事務所の中でハヤテ・インメルマンはオーナーと話していた。
「リストラ・・・・・・・ですか。」
「すまねぇな。ヴァール騒ぎのせいで不景気でな。従業員減らせって上からうるさくて。」
「ま、仕方ないですね。てか俺これで何度目だろう・・・・」
ハヤテは肩を落とす。
「まぁ・・・・・・・同情するわ。給料俺の分から弾んでおくから。」
「・・・・・・・すんません。」
ハヤテはオーナーに感謝した。
ハヤテはワークロイドに乗りシートベルトを着用、タッチパネルを操作しマシンを起動させる。
〔大変だね、ハヤテ。〕
「仕方ないよ。不景気なんだから。」
〔でもハヤテの不運って結構あるよね?大抵この場合・・・・・〕
「やめろい。考えたくもないから。」
ハヤテは一人しかいないコックピットで二人と話していた。
湾に設置されたスピーカーから音楽が流れ、ハヤテは踊る様にワークロイドを操作する。
「相変わらず踊るように操作するよな。」
「でも作業効率が誰よりも早い。あの技術欲しいよな。」
「なー。」
ハヤテの操縦を見ている従業員は口を並べてそう言った。
「ん?これって・・・・・」
ハヤテはワークロイドを操作しているとスピーカーからではない別の声に気付き、人目につかないところでタンカーを置くと中を開けた。そこにはリンゴの上でリンゴを食べている赤いフードを被った女の子がいた。
「ご、ごめんなさい!見逃してくれんかねぇ?」
土下座をしてお願いする女の子にハヤテは言った。
「え~っと・・・・・・・とりあえず場所移動するか?なんか訳ありそうだから。」
その言葉を聞くと女の子は顔を上げた。涙と鼻水を流しながら。
そしてその訳を聞いた。要約すると14になっても結婚しないからリンゴ農園の次男坊に無理矢理結婚させられそうになったため、密航したそうだ。
「・・・・・・・・・大変だな。」
「そーなんよー。あ!申し遅れました。私、フレイア・ヴィオンって言います。この度は、本当に・・・・本当に・・・・・・腹減った・・・・」
ハヤテはワークロイドごとズッコケそうになった。
人気のない場所でハヤテは自分の昼をフレイアに分け与えていた。フレアは飢えた獣のようにおにぎりをほうばっていた。
「落ち着けよ。おにぎりに足が生えてるわけでもあるまいし。」
「むぐむぐ・・・・んっ!ありがとうね、ハヤテ。おにぎりまでいただいて。」
「しっかし家出で密航までするか、普通?」
「それだけじゃないよー。じゃっじゃじゃーん。」
フレイアはそう言うと小型のデバイスを出し、起動させる。するとワルキューレの音楽が流れた。
「ああ。ヴァールを鎮静させるワルキューレってメンバーの曲か。」
「そう!そのワルキューレの新曲の“恋!ハイテンション THE WAR”。」
「ふ~ん。で?」
ハヤテがそう言うとフレイアは笑い、懐からある紙を出した。
「来週、このラグナ星で新メンバーのオーディションがあるんよ!」
「そのために密航?」
「ほいな。」
「あー・・・・・・・言っていいか?」
「ん?なんなん?」
ハヤテは言いづらいことを言った。
「ここはアル・シャハル。目的のラグナは三十光年隣だ。」
「え!?」
フレイアの表情は一気に絶望へと変わった。
「まぁ・・・・・・・・俺も今日向こうの都合でリストラになったからこの星を出ようと思うから・・・・・・・・よかったら一緒に行くか?」
ハヤテの提案にフレイアは喰い付いた。
「いいの!ほんまにいいの!」
「いいも何も・・・・・・俺が勝手にやるんだ。乗るか乗らないかはお前次第だ。保険は無し。失敗したらそこまで。やるか?」
「やるやる!やらせていただきます!」
フレイアの言葉を聞くとハヤテは立ち上がった。
「よーし。んじゃお前がここを上手く出て行く最高の舞台づくりしてやる。ここに書いてある時間にこの場所に向かえ。」
ハヤテはそう言うとメモに時間と場所を書いた。
「んじゃ、それまで見つかるなよ。」
「は、ハヤテはどこ行くん?」
「俺か?舞台作りだ。」
いたずら顔のような笑みでハヤテはそう答えるとその場を去る。
〔いいの、ハヤテ?最後にこんなことして?〕
「みんな女性に話す話が無いって愚痴ってたから話題づくりくらいにこれぐらいっておもってさ。」
〔ハヤテらしいね。オーナーには伝えておくんでしょ?〕
「まあな。最後くらい、わがまま言わせてもらうよ。」
数十分後。ハヤテはオーナーとフレイアを捕まえるために動いている人材に話と金を使って一芝居を計画した。
まずフレアがハヤテが指定した場所で待っていると探していた人たちがフレイアを見つけ追いかける。当然フレイアは逃げる。そして上手い具合に追い込まれる。
そこへハヤテが来て乗り物に乗って逃げる。
ここまでは計画通りではあるが・・・・・・・・・一つイレギュラーが発生した。
偶然湾に来ていたミラージュが二人の姿を目撃したことだ。
夕方。人気のない裏道でハヤテはそのことを話した。
「は~、あんな短時間でよく考えたねー。」
「ま、経験だ。それよりお前どうする?明日朝一で行けば何とかやり過ごせるけど。」
「やる!命がけでやる!」
「命がけ・・・・・・・ね。まあお前にはその程度が命がけか。」
「なに?バカにしとるん?」
「・・・・・・・・かもな。俺の場合、就職したはいいがなぜかリストラ&ヴァール被害に遭う。そんで星へ星へと渡る始末だ。どこかに俺のいるべき場所ってのを探してるのかもしれない。けど・・・・・・・誰もその答えは教えてくれない。ま、教えられないんだけどよ。」
そんなハヤテの言葉にフレイアは言った。
「そりゃそうだよ!行きたいとこに行かんきゃね!」
フレイアはそう言うと木箱から建物から突き出しているもの、そして橋へと飛び移った。
「アタシは、好きな歌を歌いたい!一分でも一秒でも長く!だから絶対、帰らない!」
そう言うフレイアの笑顔は夕焼けのせいか眩しく感じられた。
が、足場が崩れフレイアは下へと落ちる。
「バカ!」
ハヤテは受け止めようとする。受け止めたまではいいのだが・・・・・・どんな力が働いたのかハヤテがフレイアを押し倒す形になってしまった。フレイアはその状況に気付くと頭のハートが光り、ハヤテをポカポカ殴る蹴るする。
と、そこへタイミング悪くミラージュが来てハヤテに銃を向けた。
「動くな?」
「へ?」
「この・・・・・変態!」
「ちょっ!まっ!話・・・・」
ハヤテの話を聞く間もなくミラージュはハヤテを押さえる。
「密航犯確保!」
「なんでだ!証拠の提示を要求する!」
「じゃあ婦女暴行犯て呼ばれたい?」
そんな状況にパニクってかフイレアが挙手をして宣言する。
「はい!密航犯はアタシです!」
その言葉にミラージュは戸惑う。
「え?」
「あっ!」
数分後。
「すみませんでした!」
「いいよいいよ。まじめな人だからあれを普通に見たらそう思うし。それにしても・・・・・・・・・港の人じゃないよね?どちら様で?」
「ケイオス、ラグナ第三航空団Δ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」
「え!Δ小隊!」
フレイアはその言葉を聞くと反応する。
「苦情でしたら、広報に―――」
「で、Δ小隊って、ひょっとしてワルキューレと一緒に飛んどる?」
フレイアがミラージュに質問をする。
「ええ、そうですが・・・・」
「はぁー!ゴリゴリー!」
フレイアは心底喜んでいた。そんな状況に困惑してミラージュはハヤテに問う。
「な、なんなんですか?」
「ファンだそうですよ。あ、ちょっとお願い頼めますか?」
「お願い、ですか?」
「そ。こいつオーディションのために密航したはいいけど行先間違えたから送ってやってくれないか?元々俺と一緒に同行する予定だったんだがアンタと一緒だったら安全性が八割増しだと思ってさ。」
「はぁ・・・・まあ、隊長に掛け合ってみます。」
「感謝します。」
ハヤテは礼をする。
が、その時であった。ハヤテの耳に謎の歌が聞こえてきた。
(これは・・・・・・・・・ヴァールの前の歌!)
ハヤテはヴァールの度に聞こえてくる歌に反応する。
「どうしたん、ハヤテ?」
「マズイことになった。えっと・・・・・・時間無いからミラージュさんで。ミラージュさん、すぐにアンタはバルキリーのある方まで戻った方がいい。もうすぐ戦場になる。」
「どう言う・・・・」
ミラージュが問おうとした途端、ヴァール警報が発せられた。
「っ!貴方一体・・・・」
「説明は後だ!早くしないと大勢死んじまうぞ!」
ハヤテの正論に押し負けミラージュは自分の部隊の方へと向かおうとするが、立ち止まりハヤテの名前を聞いた。
「君、名前は?」
「ハヤテ・インメルマン。」
「ハヤテ・インメルマン・・・・・確かに覚えました。後程話を聞かせていただきますから。」
ミラージュはそう言うとその場から走り去って行った。
町は火の海となり、ヴァールになった隊員が操縦する104式リガードが破壊活動をしていた。
「警告する!速やかに基地に戻れ!従わなければ・・・・」
デストロイド・ジャイアントⅡを操縦する隊員が警告するが口よりも手で応えた。104式リガードの一機がミサイルを放つ。デストロイド・ジャイアントⅡに乗っている隊員は撃ち落とそうとするが喰らってしまい倒れる。
「ダメだ!完全にヴァール化している!」
圧倒的戦闘能力の差で新統合軍の部隊が次々に倒されていく。
そんな戦場をハヤテとフレイアは走っていた。
シェルターに逃げようとしても状況は悪くなる一方。ましてや体力が無いフレイアと一緒ではうまく逃げられない状況であった。
(・・・・・・・・二人共、悪いけど・・・・・)
〔気にしないで、ハヤテ。〕
〔そうだよ。僕たち何度もこんな状況を切り抜けてきたじゃないか。今更だよ。〕
「・・・・・・・・・・ありがとう、二人共。」
ハヤテはそう言うと104式リガードの方を向く。
「は、ハヤテ?」
「フレイア。これから見ること、内緒にしてくれ。」
ハヤテはそう言うと左手の甲に外、中、内と構成されている三つの光の円が現れる。ハヤテは左手を突き出し、叫ぶ。
「リアライズ!アグモン!ガブモン!」
ハヤテが叫ぶと空中に円が二つ現れゲートを構成、そしてアグモンとガブモンがリアライズする。
アグモン。成長期、恐竜型、ワクチン種デジモン。
必殺技はヘビーフレイム。
ガブモン。成長期、爬虫類型、データ種デジモン。
必殺技はプチファイアー。
「な、なんなんこの生きもん!」
「説明は後。二人共、いくよ!」
ハヤテがそう言うと内側の円の一つが光り手の甲に刻まれ、“EVOLUTION”という文字が浮かび上がった。
「ソウルチャージ!」
ハヤテは左手を突き上げ叫ぶとそのまま下へ下ろし、突き出した。
「EVOLUTION!」
ハヤテの目の前に一つの円が浮かび上がり、二つの光がアグモンとガブモンに向け放たれる。二体に大量の情報が注がれ、二人の肉体を再構成する。
「アグモン進化!グレイモン!」
「ガブモン進化!ガルルモン!」
グレイモン。アグモンが進化した成熟期、恐竜型、ワクチン種デジモン。
必殺技はメガフレイムとホーンストライク。
ガルルモン。ガブモンが進化した成熟期、獣型、ワクチン種デジモン。伝説のレアメタルと言われる「ミスリル」のように固い体毛を持つデジモン。
必殺技はフォックスファイヤー。
「ち、ちっこいんが化けた!」
フレアはグレイモンとガルルモンを見て驚く。
「グレイモン、ガルルモン。分かってるとは思うけど・・・・・」
「ああ。いつも通り手加減だね。」
「大丈夫だよハヤテ。安心して。」
二人はハヤテに向けそう言うとハヤテは頷いた。
「二人共、行って!」
「おう!」
「うん!」
グレイモンとガルルモンはヴァ―ル化した104式リガードのへと向かう。
「おら!どら!」
グレイモンは腕と尻尾を使い次々と104式リガードを倒してゆく。ミサイルを装備した104式リガードがグレイモンに向け放つ。
「メガフレイム!」
グレイモンはメガフレイムを放ちミサイルを全て叩き落す。
「これ以上無益な争いは止めるんだ!」
ガルルモンは自身の体毛の硬さを活かし、身体から伸びているブレードで砲身を斬る。それでもなお暴れようとする104式リガードにガルルモンはモニター部分へと跳び付く。
「フォックスファイアー!」
ガルルモンのフォックスファイヤーによって104式リガードもメインモニターが破壊される。
「すごい!でも・・・・」
フレイアは二人の活躍に感心する。しかし状況は悪いままであった。
「ちっ・・・・・仕方ない。グレイモン、ガルルモン。超進化だ!」
「わかった!」
「それしかないね。」
二人はハヤテの提案に合意する。
ハヤテの左手の甲に内と中の輪が刻まれ、“SUPER EVOLUTION”という文字が浮かび上がる。
「ソウルチャージ!」
ハヤテが左手を上げるとハヤテの腕に二つの輪が現れる。
「SUPER EVOLUTION!」
ハヤテが手を突き出すと二つの円が現れ二つの光が放たれる。二人に向け膨大な情報が与えられ、身体を再構成する。
グレイモンの左腕と胸部がサイボーグへと変化し、頭部には鉄のヘルメット。背中には翼が生えた。
ガルルモンは二足歩行になると右膝にスパイクが付いたジーパンに皮のショルダーアーマーを左肩に装備、左腕を布で防御し手にはブラスナックルが握られていた。
「グレイモン、超進化!メタルグレイモン!」
「ガルルモン、超進化!ワーガルルモン!」
メタルグレイモン。グレイモンが超進化した完全体、サイボーグ型、ワクチン種デジモン。
必殺技はトライデントアームとギガデストロイヤー。
ワーガルルモン。ガルルモンが超進化した完全体、獣人型、ワクチン種デジモン。
必殺技はカイザーネイル。
「またまた化けた!どうなっとん!?」
「進化だって。行け!メタルグレイモン!ワーガルルモン!」
「おお!」
メタルグレイモンは飛行すると104式リガードに向けメタルスラッシュを使い足や砲身を斬る。
「トライデントアーム!」
メタルグレイモンのトライデントアームが104式リガードを掠め、倒してゆく。
ワーガルルモンは俊敏に動きラッシュを繰り出し104式リガードを戦闘不能にする。
「カイザーネイル!」
ワーガルルモンはクァドラン・レアの武装を全て壊す。
戦闘が激化する中、歌が聞こえてきた。
「虹色の、声?」
フレイアはその歌声を虹色の歌声と口にした。
一人の女性が戦場を見てこう口にした。
「やっと温まってきたわね。」
すると女性はサングラスと帽子を取り、叫んだ。
「It’s show time!」
女性の服装はアイドルの服装へと変化する。
「歌は、神秘!」
その女性を見てフレイアは叫んだ。
「やっぱり!美雲さん!」
すると飛行機の音が聞こえてくる。四機のVF-31 ジークフリートが旋回しシグナスが射出される。黄色いVF-31は足を出して急停止するとコックピットが開き、一人地上へと降りてくる。
「歌は、愛!」
レイナがそう叫ぶと続くようにマキナ、カナメが続く。
「歌は、希望!」
「歌は、命!」
そして三雲が言う。
「聞かせてあげる、女神の歌を!」
『超時空ヴィーナス!ワルキューレ』
美雲、カナメは両手でWを作り、レイナとマキナは二人でWを作る。
『♪~~~~♪~~~~』
ワルキューレは歌でヴァール化した人たちを静め、その隙にΔ小隊が無力化する。メタルグレイモンとワーガルルモンも協力して鎮圧に協力する。
「実際に見てみるとデカいな。こいつは。」
「確かに。しかもさっき名前を叫んだことから会話ができる程の知能を持ってます。」
「こんな生命体がいるなんて・・・・・しかもサイボーグ。」
「こいつはすっげーや!」
Δ小隊の各はメタルグレイモンとワーガルルモンを見て驚いていた。
「よし、このまま・・・・・・・・っ!?」
ハヤテは空を見上げる。見る先は遥か高くにある宇宙。
「・・・・・・・・・来る!」
「へ?」
ハヤテの言葉にフレイアは間抜けな声を出し、ハヤテ同様に空を見上げた。すると突然空の上で爆発が起こった。そしてアル・シャハルへ大気圏突入をしてきたヴァルキリー隊が地上へ攻撃を仕掛けてきた。
「くそっ!ここにいても危ない!」
ハヤテはフレイアをお姫様抱っこする。
「ちょっ!なにすんねん、ハヤテ!」
「こんな場所にいたらいつ巻き添え喰らうかわからない!行くんなら・・・・・」
ハヤテは建物を超人と言っていいほどの跳躍でワルキューレがいる建物まで飛ぶ。
「ここでしょ!」
「な、なに貴方!ファン?」
突然現れたハヤテとフレイアを見て美雲が驚いた。
「いや、こいつがアンタたちのファンで・・・・・って、そんなこと言ってる場合じゃなかった。」
ハヤテはフレイアを降ろす。
すると謎のヴァルキリーがワルキューレのいる方へと向けミサイルを放とうとしていた。
「マズイ!メタルグレイモン!ワーガルルモン!」
「どうした、ハヤテ!」
「何かあったのか?」
「貴方一体・・・・・」
メタルグレイモンとワーガルルモンのことを知っているハヤテにカナメは驚く。
「話は後!究極進化だ!」
「なんだって!」
「危険だ!君は二回も僕たちを進化させた!!君の身体が・・・・・」
「時間が無いんだ!」
ハヤテがそう言うとハヤテの左手の甲に三つの円が刻まれ、“ULTIMATE EVOLUTION”の文字が浮かび上がる。
するとカナメの目も前に投影ディスプレイが現れ、ある反応が現れる。
「アクティブ反応?まさかこの子・・・・」
「ソウルチャージ!」
ハヤテが左腕を上げ叫ぶと、ハヤテの左腕に三つの円が刻まれる。
「ULTIMATE EVOLUTION!」
ハヤテが左腕を突き出すと三つの円が現れ、二つの光が放たれる。二つの光は二人に向け放たれ、これまでに無い膨大な情報を与える。
「メタルグレイモン!究極進化!」
恐竜のような姿から一変し竜人の肉体に金色の鎧を身に纏った姿へと変わる。両腕にはドラモンキラー、背中には二つに割れたブレイブシールドを装備していた。
「ウォーグレイモン!」
ウォーグレイモン。メタルグレイモンが究極進化した究極体、獣人型、ワクチン種デジモン。
必殺技はガイアフォース。
「ワーガルルモン!究極進化!」
ワーガルルモンは獣人の姿から一変し、全身メタルのサイボーグ獣型デジモンへと姿を変える。背中にはウィング、尻尾にはナイフを装備された姿へと変わった。
「メタルガルルモン!」
メタルガルルモン。ワーガルルモンが究極進化した究極体、サイボーグ型、データ種デジモン。
必殺技はコキュードブレス。
「うそ・・・・・」
「あの生き物が・・・・・」
「変わった・・・・・」
「しかも人の手で・・・・・」
美雲、カナメ、マキナ、レイナの順に驚きのあまり言葉を述べた。
しかしそんなことに構わずミサイルは接近してくる。
「メタルガルルモン!」
「わかった!」
メタルガルルモンはミサイル群の前に立つと口を大きく開ける。
「コキュードブレス!」
メタルガルルモンのコキュードブレスがミサイルを全て凍らせる。凍ったミサイルはそのまま海や地上へと落ちるが爆発はしなかった。
「ウォーグレイモン!」
「任せろ!」
ウォーグレイモンは謎のヴァルキリーにドラモンキラーで傷を付けようとするがリル・ドラケンが邪魔をする。
「そこを退け!」
ウォーグレイモンがグレートトルネードでリル・ドラケンを破壊する。
しかし地上ではまだヴァールと化した兵たちが暴れていた。
ハヤテは肩で息をしながら状況を整理する。
「マズイ・・・・・あいつらイカトンボのせいでヴァールになっちまった人たちの抑えが効かなくなった。助っ人追加するか。」
ハヤテがそう言うと二つの円が空中に現れる。
「リアライズ!ブイモン!ワームモン!」
すると円がゲートを構成し、ブイモンとワームモンがリアライズする。
ブイモン。成長期、子竜型デジモン。
必殺技はブイヘッドとブイパンチ。
ワームモン。成長期、幼虫型デジモン。
必殺技はネバネバネットとシルクスレッド。
「ハヤテ、無茶するな。」
「そうだよハヤテちゃん!三回連続進化をしたんだよ!これ以上は・・・・・」
「わかってる。だからこれを使う。」
ハヤテはそう言うと二つのデジメンタルを手に取った。
「アーマー進化か。それなら普通の進化より負担が少ない。」
「ハヤテちゃん・・・・・・・・・・うん、わかったよ。僕たちがんばるからハヤテちゃんは休んでて。」
「悪いな、二人共。じゃあ行くぞ。」
ハヤテは二つのデジメンタルを空中に投げると左手をデジメンタルの方へ向ける。手の甲に内側の円が刻まれ、“ARMOUR EVOLUTION”の文字が浮かび上がる。
「ソウルチャージ!ARMOUR EVOLUTION!」
空中に円が現れ二つの光が放たれる。二つの光はデジメンタルに当たるとそのままブイモンとワームモンの方へと注がれる。
「ブイモン、アーマー進化!燃え上がる勇気、フレイドラモン!」
「ワームモン、アーマー進化!湧き上がる知恵、ハニービーモン!」
フレイドラモン。ブイモンが勇気のデジメンタルでアーマー進化したアーマー体、竜人型デジモン。
必殺技はナックルファイアとファイアロケット。
ハニービーモン。ワームモンが知恵のデジメンタルでアーマー進化したアーマー体、昆虫型デジモン。
必殺技はポイズンパウダーとパラライズスティング。
「また変わりよった・・・・・」
フレイアはブイモンとワームモンのアーマー進化に驚かされる。ワルキューレも目の前でデジモンの進化に驚きを隠せなかった。
「ハヤテ、しばらく休んでてくれ。」
「僕たちがあっちの方を制圧してくるから。」
フレイドラモンとハニービーモンはそう言うと戦場に身を投じた。
ハヤテは見送ると座り込んだ。
「ハヤテ、大丈夫なん?顔色悪いよ!」
フレイアが見るハヤテの表情は疲労の色でいっぱいであった。
「悪い・・・・・ちょっと連続で進化させすぎた。少し休んだら大丈夫だから・・・・」
フレアに気遣いそう言うハヤテ。そんなハヤテにカナメが質問をする。
「ねえ、君。」
「はい?」
「聞いていいかな?」
「答えられる・・・・範囲で・・・・今ちょっとやばいんで・・・・」
「わかったわ。あの生き物たちは何?」
「デジモンです。俺にとって大事な仲間です。」
「なるほど・・・・・ね。君は私たちの敵?」
「・・・・・・・そちらの出方によりますが、今は味方です。」
ハヤテがそう答えるとしばらく沈黙が続いた。
「・・・・・・・・・わかったわ。でも後で私たちについて来てくれるかしら?」
「いいですよ。それより・・・・」
ハヤテは空を見る。するとそこにはSv―154がハヤテたちのいる方へ向かっていた。
「あのイカトンボ、何とかしないとな。」
ハヤテはそう言ううと立ち上がり深呼吸、そして大きな声で叫ぶ。
「ウォーグレイモン!メタルガルルモン!」
「「ハヤテ!」」
「ソウルドライブだ!」
「「なっ!?」」
二人はハヤテの言葉に驚きを隠せなかった。
「危険だハヤテ!もっと体を大事にしろ!」
「そうだよ!もしそんなことしたら・・・・・」
「二人の気持ちはわかる。でもな、俺は後悔したくないんだ!」
「「っ!?」」
ハヤテのその言葉を聞くと二人は負ける。
「相変わらずだな、ハヤテは・・・・」
「全くだね。どうなっても知らないよ?」
「構うもんか。二人共、準備は?」
「「いつでも問題ない!」」
「よし!」
ハヤテは両手に拳を作る。左に勇気、右に友情の紋章が浮かび上がる。
「ソウルドライブ!ウォーグレイモン!」
「おう!」
「メタルガルルモン!」
「ああ!」
ハヤテは建物から飛び降りる。その行動にフレイアとワルキューレは驚く。
「合体!」
ハヤテが叫ぶとウォーグレイモンとメタルガルルモンはデータとなりハヤテへ注がれる。
ヴァルキリーサイズのデジタマが形成され、中から一体のデジモンが姿を現した。
「オメガモン!」
オメガモン。ハヤテがウォーグレイモンとメタルガルルモンとソウルドライブし合体した究極体、聖騎士型、ワクチン種デジモン。
必殺技はガルルキャノンとグレイソード。
「は、ハヤテとデジモンが・・・・・」
「合体したですって!」
フレイアと美雲は言葉にして驚いた。
「行くぞ!」
オメガモンは空を飛び、Sv―154へ向かう。Sv―154はファイターからガ―ウォークと変形するとガンポッドでオメガモンに攻撃する。しかしオメガモン派がルル問の腕を使い防御。そしてグレイモンの腕からグレイソードを出し切りつけようとする。
Sv―154はファイターへ変形し真上へと逃げる。オメガモンのグレイソードは空振りする。
「逃がすか!」
オメガモンはガルルモンの口から砲身を出すとSv―154に狙いを定める。
「ガルルキャノン!」
ガルルキャノンがSv―154に向け放たれる。Sv―154は回避しようとするが羽に掠りバランスを失う。ガーウォークに変形し地上に着地するとバトロイドへと変形する。オメガモンも地上に降りSv―154と向き合う。Sv―154はガンポッドをオメガモンに向け放つが、オメガモンは防御することなくゆっくりとSv―154へと近づく。
オメガモンはグレイソードでガンポッドを破壊すると右腕、左腕を斬る。そしてオメガモンはコックピットへ向けグレイソードを突く。Sv―154のパイロットは恐怖しSv―154ごと尻餅を着く。
が、オメガモンがグレイソードを止めたのはSv―154に刺さる寸前であった。
オメガモンはグレイソードとガルルキャノンを収める。それと同時に謎のヴァルキリー隊もその一機だけを残し撤退した。
デジタルワールドの戦士たちとワルキューレが出会う時、冒険が進化する。
こんな感じです。
一発ネタの理由としてここから先が動画サイトだと海外系統みたいのじゃないと見れないから。
パソコンをダメにしたくないので。
誰か書いてくれたら嬉しいです。