新約、とある提督の幻想殺し(本編完結)   作:榛猫(筆休め中)

6 / 54
前回までのあらすじなのです!

レ級を圧倒し、三人の危機を救った上条。

司令膝に戻った上条はどうやって生き延びたのかを三人に話す…。

その内容は信じられないものでした…。


提督の挨拶廻り

side上条

 

俺は目の前に置かれた物に困惑していた…。

 

何を隠そう、目の前にあるのはウィスキーであるのだから…。

 

 

「あのぉ…龍田さん?どうしてこんなものがあるのでせうか?」

 

 

「あらぁ、だってこういうのは勢いが大切でしょぉ?だからこそこれに頼るのよぉ~」

 

 

「いや、私、まだ未成年なのですが…。」

 

 

「大丈夫よぉ~1度くらいなんとでもなるわぁ~♪」

 

怖い…。迫り来る龍田さんが怖い…。

 

 

「仕方ねえ、ええい!ままよ!うおぉぉ!!」

 

俺はウィスキーをひっつかむとコップに注ぎ一気に飲み干した。

 

直後、喉が熱くなり頭がふわふわしだしてきた…。

 

おぉ、これなら行けそうだ!

 

 

「よぉ~し、んじゃぁ行ってくる~」

 

 

「あ、ちょっと待ってねぇ~これ、持っていって」

 

そう言いながら龍田が渡してきたのは複数の小包だった。

 

 

「これを渡して来れば良いのか?了解ら~」

 

俺はフラフラしながら歩き出すのだった。

 

 

sideout

 

 

 

side鹿島&長門

 

 

私達は演習場にいた…。

 

 

「次だ!」

 

 

「はい!次、いきます!」

 

的が目の前に現れる。

 

 

「撃てぇ!」

 

長門は主砲を撃ち的を破壊していく…。すると後方から…。

 

 

「おぉ~やってるな~ナガモンにカシちゃん~…ヒック」

 

何やら聞き覚えのある懐かしい声が掛けられた。

 

私達が振り向くとそこにはこちらに手を降る提督の姿が…。

 

 

『提督!?』

 

私達は急いで提督のもとに駆け寄る。

 

 

「ご無事だったのですね…。」

 

 

「ん、なんとかな~ヒック…とぉ、そうそう、これ、はいお土産」

 

提督はフラフラしながら持っていた小包を私達に渡すとまた歩き出した。

 

 

「ま、待ってください提督さん!どちらに?」

 

鹿島が慌てて声をかける…。

 

提督は振り返るとニコリとしながら答えた…。

 

 

「みんなのとこ~ヒック…」

 

それだけ言うと提督はフラフラと歩き去ってしまった…。

 

 

「長門さん」

 

 

「なんだ?」

 

 

「提督、酔っぱらってませんでした?」

 

 

「あぁ、完璧に酔っていたな…。」

 

 

「やっぱり…。」

 

そうして私達は提督が去っていった方向を見つめ続けていた。

 

 

sideout

 

 

side空母勢

 

 

加賀です…。

 

私達は寮にいました…。ですが、誰も口を開こうとはしません…。

 

私達の時間はあの時から止まったままなのですから…。

 

 

「提督…。」

 

ボソリと呟く言葉は普通に呟いただけなのにとても大きく感じます…。

 

 

「なんらぁ~?呼んら?」

 

そんな声と共に扉が開かれ入ってきたのは提督でした…。

 

 

「て、提督?どうして…。」

 

 

「どうしてって帰って来たのでせうよ~…ヒック…。はい、これ」

 

言って、提督は小包をそれぞれ私達に渡していく…。

 

 

「さて~…ヒック用件もすんだし、次行くかぁ~ヒック」

 

 

「え…?あ、お待ちください」

 

慌てて呼び止めるも提督には聞こえていないのか寮から出ていってしまった…。

 

 

「提督…。いったい何があったの…?」

 

私達はいつまでも部屋の扉を見つめ続けていた。

 

 

sideout

 

 

side戦艦勢

 

 

金剛デース!

 

私達は今、フコー達とteatime中ネ!

 

 

「あぁ、空はこんなに青いのに…。提督は帰らない…。」

 

 

「姉様が提督が居ないことに現実逃避しちゃってる…。はぁ、不幸だわ…。」

 

OH..これはいけませんネ、teatimeは暗いと美味しくアリマセーン!

 

 

「フコー、マシロ!teatimeに暗い話はNOネ!楽しくいきまショー!」

 

 

「そうですよ!せっかく集まったんですから楽しみましょう」

 

私達の言葉にフコーが頷く。

 

 

「そうね、折角のお茶会なんだものね…。山城、今は暗いことは忘れて楽しみましょう」

 

 

「姉様がそう言うのでしたら…。」

 

これで楽しく過ごせますネー。

 

すると、扉が叩かれる音がした。

 

 

「あ、私が出てきますね。はーい!今開けまーす!」

 

榛名が応対してくれましたネ、私は紅茶を飲みながらその様子を伺いマース。

 

 

「はーい、え?あ….え?て、提督?….え?」

 

ンー?榛名、いったいどうしたのデス?

 

暫くすると榛名が戻って来マシタ…。

 

 

「誰だったんデース?」

 

 

「えっと…信じられないと思うのですけど…。提督でした…。これを私達にって…。」

 

そういって榛名は幾つもの小包を出して私達に配りマス…。

 

 

「榛名、これ何デース?」

 

 

「恐らくお寿司じゃないでしょうか…。」

 

 

「これも不思議デスけど、提督がいたってreally?」

 

 

「はい、本当ですよ。お姉様」

 

それが本当ならこうしちゃいられマセーン!

 

 

「テートクゥ!!待っててネ!」

 

 

「あ、待ってくださいお姉様!」

 

 

「山城、私達もいきましょう」

 

 

「はい!姉様!」

 

私達は急いで提督の後を追い出しマシタ…。

 

 

sideout

 

 

 

side駆逐艦勢

 

 

電です…。

 

私達は部屋に閉じ籠っています…。

 

あの時から私達は外に出るのが怖いのです…。

 

また大事な人が居なくなってしまうんじゃないかと…。

 

そう思うと体が震えてしまって動けなくなってしまうのです…。

 

もし、あの時提督を助けられていたら…。

 

提督は今も笑って私達を撫でてくれたでしょうか…。

 

提督…。

 

 

『帰ってきてください(なのです)(にゃしい)…。』

 

その呟きの直後…。

 

トントントンッ!

 

ノックの音が聞こえてきたのです。

 

神通さん達だろうと思っていると…。

 

 

「お~い、誰か開けてくれ~」

 

男の人の声?それになんだかとても懐かしい声なのです。

 

私は気になって扉を開けます…。

 

するとそこにいたのは…。

 

 

「よぉ~…ヒック電ちゃん」

 

上条司令官だったのです。

 

 

「….え?….え?提督なのですか?」

 

私は目の前の現実が信じられず疑問を口にします…。

 

 

「そうですよぉ~…ヒック!….電ちゃん達の提督の上条さんでせう」

 

それを聞いた私は中に駆け戻っていきました。

 

そして、二人に伝えます…。

 

 

「綾波ちゃん!睦月ちゃん!司令官さんが、司令官さんが帰ってきたのです!」

 

すると、二人は勢いよく起き上がり私を見ました。

 

 

「ほんと!?ほんとに提督が帰ってきたの!?」

 

 

「司令官はあの時死んだはずじゃ…。」

 

すると、扉が開いて司令官さんが入ってきたのです…。

 

 

「なんだよ~急に扉閉めないでくれよな~…ヒック!」

 

それをみた二人は目を見開いていました。

 

 

「ほ、ほんとに提督?」

 

 

「ん~?…ヒック!そうですぉ~君達の提督だぁ~」

 

 

「ほんとに司令官です…。お帰りなさい!」

 

そういうといきなり司令官さんに抱きつく綾波ちゃん。

 

 

「あ!綾波ちゃんズルい!私も!」

 

 

「わ、私もするのです!」

 

それに続いて睦月ちゃんと私も抱きつきます…。

 

 

「心配駆けちまったみたいだな…。…ヒック!悪かった…。」

 

司令官さんが私達を抱き締め返してくれます…。

 

でも、私達は忘れていました。司令官さんの右手の事を…。

 

 

パキィィィィンッ!!

 

部屋の中にガラスが割れるような音が響き渡りました…。

 

その直後のことなのです…。

 

私達の来ていた服が弾け飛んでしまったのです…。

 

 

「….え?」

 

 

『き、キャァァァァッ!!』

 

私達は恥ずかしさのあまり司令官さんを殴り飛ばしてしまいました….。

 

 

「んぎゃぁぁぁぁッ!!不幸だ…。」(ガクッ…)

 

司令官さんに裸を見られてしまったのです…。

 

うぅ…恥ずかしいよぉ…。




あの後、なんとか司令室へと戻った上条…。

だが、更なる問題が起きて…。

次回、新約、とある提督の幻想殺し…。

新たなる問題…。

幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。