新約、とある提督の幻想殺し(本編完結) 作:榛猫(筆休め中)
前回鎮守府に深海棲艦の侵入を許してしまった
迎撃するために赤城、神通、龍田が迎え撃つも返り討ちに遭ってしまう…。
絶対絶命にピンチに、三人の前にある人物が駆けつける
その人物は前の戦いで死んだと思われていた上条だった。
side上条
「よくも俺の仲間に手を出した分はきっちり返させてもらうぞ」
俺はレ級を睨み付ける…。
「レレ…!」
レ級は艦載機を発艦しながら俺に砲撃を放ってくる。
俺は艦載機を紙一重で躱わしながら砲弾を右手で打ち消し走る。
「おぉぉぉぉぉっっ!!」
瞬く間にレ級との距離を積めると俺はレ級の顔面に右手を突き刺す。
「その幻想をぶち殺す!!」
「レ…レレッ…!!」
殴られたレ級は吹っ飛んでいきそのまま四散した…。
「ふう、なんとか勝てたか…。」
ほぅ、と一息つく…。
「て、提督…?」
「まさか…レ級を倒したの?」
「信じられません…。」
その声に振り返るとそこには今だボロボロの三人がいた。
「おいおい、入渠ドックに行けって言っただろ?どうして行かなかったんだよ…。」
「提督が一人で戦っているのに私達が下がるわけにはいきませんから…。」
「ましてや人間が深海棲艦、それもレ級を倒せるなんて思ってもみなかったしねぇ~」
「でも、危ないところを助けていただきありがとうございます…。」
それぞれの言葉に俺はため息を吐く…。
「分かった分かった…。じゃあ今度こそ入渠してきてくれよ?目の…やり場が…。」
そう言って俺は三人から目を反らす。
三人は自身の姿を見て顔を真っ赤に染める…。
『こっちを見ないでください!!』
「死にたい人は何処かしらぁ~?」
「悪かった!って龍田はその薙刀を振り回すのはやめろ!
ぎゃぁぁぁ!不幸だーー!!!」
波止場に俺の絶叫が響き渡るのだった…。
sideout
side神通
入渠を終えて私達は司令室に来ていました…。
「それで、提督はこの三ヶ月どこにいらしたんですか?」
私はそう問いかける。この疑問はもっともだろう…。
私の問いに提督は少々罰が悪そうな顔をして話し出す。
「あんまし大きな声じゃ言えねえんだけどさ、俺、深海棲艦のところにいたんだ…。奴等の住んでる街に…。」
その言葉を聞いて三人が驚いた顔をする…。
「深海棲艦の…。」
「街…?」
「そんなところがあったのねぇ~」
俺は頷き続ける。
「あの時、確かに俺はやつらの攻撃を喰らって海の底へと沈んでいった…。けど、次に目を覚ましたら知らないところで目が覚めたんだ。」
「そこが深海棲艦達の街だった…。」
赤城姉の言葉に俺は頷く…。
「その時は兎に角混乱したな…。だけど、アイツらは俺に危害を加えるどころか傷の手当てや訓練までしてくれたんだ…。だから帰ってくるのが遅くなった」
「なるほどねぇ~、それでレ級相手にあそこまで戦えてたのね」
「しかし少々信じられません…。深海棲艦が提督を助けて尚且つ鍛えてくれるなんて…。」
赤城さんの言葉に提督は苦笑しながら答えます…。
「最初は俺もそうだったさ、けど、お前達が思ってるほどアイツらは悪いやつらばっかりじゃないってことを知ったんだ…。」
今だ半信半疑といった表情の赤城さん…。
私は話題を変えるために口を開きます…。
「そ、それよりも…。他の方達にどうやって伝えましょうか…。」
すると、今度は提督が渋い顔をします。
「そうだよ…。そこなんだよなぁ…アイツらにどうやって顔を出すか迷ってんだよ…。」
すると、そこで龍田さんがニコニコとしながら口を開きます…。
「うふふ♪それなら良い案がありますよぉ~♪」
そう言う龍田さんの顔は、
明らかにまともなことを考えていない顔でした…。
おっす!上条さんだ!
龍田の提案で上条はあるものを手に他の艦娘達のところに向かう。
しかし、その上条の状態は正常とは言えず…。
次回、新約、とある提督の幻想殺し…。
提督の挨拶廻り
幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる!