新約、とある提督の幻想殺し(本編完結)   作:榛猫(筆休め中)

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陸奥よ...。

前回までの新約、とある提督の幻想殺しは...。


演習場強化期間により、遥か南国のブルネイ泊地の鎮守府へとやってきた上条と艦娘達(見学隊)

そこでブルネイの提督である大将金城と会合する。

演習場へと連れてこられた上条達、呉艦娘達見守る中、幻想殺し提督vsブルネイ第一艦隊の演習の幕が切って落とされるのだった......。


幻想殺しvsブルネイ泊地

side上条

 

 

「Fire!!」

 

 

「榛名!全力で!参ります!」

 

相手の金剛と榛名達が俺目掛けて砲撃を仕掛けてくる。

 

 

「ぽいっ!」

 

 

「いくよっ!」

 

かと思えば夕立と時雨が接近してきて至近距離で魚雷を放ってくる。

 

 

「第一攻撃隊!発艦開始!」

 

 

「ここは、譲れません...!」

 

そうかと思えば赤城と加賀が艦載機を俺に向けて発艦させていた。

 

 

砲弾、魚雷、それに爆撃や銃撃が俺へと迫る......。

 

そのわずかな時間の中、俺は迷いなく砲弾の方へと突っ込んでいく。

 

 

「おおおぉぉぉぉぉっっ!」

 

そうして迫りくる砲弾の一つに向けて右手を振りぬく。

 

 

「hitデース!」

 

金剛の喜ぶ声が聞こえてくる、だが......。

 

 

パキイィィィィンンッッ

 

ガラスが割れるような音が響き渡り、右手で触れた砲弾が消え去る。

 

 

「What!?」

 

 

「えっ...?」

 

唐突な出来事に場の状況を呑み込めてない二人に、俺は弾幕の包囲を掻い潜って一気に距離を詰める。

 

 

「shit!」

 

 

「くっ...!やらせません!」

 

それに気が付いた二人が構えを取るがもう遅い

 

俺は二人に近づき、右ではなく左で高速で二人を殴り飛ばした。

 

 

「ああぁぁーーー...っ!!」

 

 

「きゃあぁぁぁっっ!!」

 

吹き飛ばされていく二人を見ずに、言った。

 

 

「撃破、次!」

 

次に相手に定めたのは駆逐艦の夕立と時雨だ。

 

 

「次は僕達みたいだね、けど、負けないよ!」

 

 

「金剛さんと榛名さんの仇、取ってあげる!」

 

二人も狙われたことに気が付いたのかすぐさま構えを取った。

 

なるほど、どうやらここは近接格闘も教えているらしい......。

 

 

「おおおおおぉぉぉぉっっ!」

 

マリンバイクをふかし突撃する。

 

 

しかしそこに艦載機の爆撃が降り注ぐ。

 

 

「チッ...」

 

当たりそうなものだけを右手で打ち消し、海に投げ出されないようにしっかりと掴まる。

 

 

「私達の事も忘れないでいただけますか?」

 

 

「簡単にはやらせません...。」

 

そこで少し考える......。

 

航空攻撃の事を考えれば、先に空母を潰しておくのが得策、だが機動力のある駆逐艦も中々厄介なのだ......。

 

 

「余所見をする暇が...っ!」

 

 

「あるのかいっ!!」

 

その声に思考を断ち切り我に返ると、そこには夕立と時雨がダブルラリアットの要領で両手を繋ぎながら迫って来ていた。

 

 

「ッ!!」

 

すぐさま体を逸らしその攻撃を躱すと、そのまま通り過ぎていく両腕を掴み、一人づつ投げ飛ばした。

 

 

「くぅっ...!」

 

 

「ぐっ...」

 

叩きつけられてそれなりにダメージが入ったのだろう、二人はすぐには立ち上がらなかった。

 

そこに追撃をかけるため、俺はまず夕立の方へと向かった。

 

そして近づきざまに......

 

 

「先に謝っとく、悪い!」

 

 

「え...?」

 

困惑している夕立の肩に右手を触れさせた。

 

 

 

パキイィィィィンンッ

 

またも鳴り響くガラス破損音......。

 

そしてその直後......!

 

 

【パアァァァァァァンッ!!】

 

夕立の艤装が、衣服事弾け飛んだ。

 

 

「い...いやあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「すまん!つ、次!」

 

夕立の方を見ないようにしながら時雨へと突っ込む。

 

 

「こ、来ないで...!」

 

 

「お前もごめん!」

 

通り抜け様に右手で軽く艤装に触れる。

 

 

パキイィィィィンンッ

 

そして夕立同様艤装事弾ける衣服......。

 

 

「こんなの...提督に見せられないよ......」

 

 

「次ぃ!!」

 

真っ赤になって海中に身を隠す時雨を他所に俺は残った二人に狙いを定め突っ込んでいく。

 

 

「くっ...」

 

 

「チッ...」

 

二人が弓を構え、次の攻撃隊を放とうとする。

 

 

「やらせるか!」

 

エンジンをふかして突っ込んでいく......。

 

しかし、先に出ていた艦載機たちの攻撃により阻まれてしまう。

 

 

「くっそ!鬱陶しい!」

 

しかし艦載機に構っていてはキリがないのでさっさと本体を倒そうと捨て身で突っ込んでいく。

 

 

「おおおおおぉぉぉぉっっ!!」

 

降り注ぐ爆撃、銃撃、雷撃の雨を突っ切り赤城と加賀へと直進していく。

 

 

「私達だって格闘が使えないわけではないんです!」

 

 

「舐めないで!」

 

鋭いパンチが飛んでくる。

 

だが、俺はあの鬼畜な姫級の師匠たちに散々鍛えられてきた。

 

ちょっとやそっとの喧嘩だの軍の格闘技術程度じゃあ通用しねえ!

 

赤城と加賀の攻撃を捌きながら隙を見て右手を振りぬく。

 

 

「そらよっ!」

 

まずは加賀を殴り飛ばし、その勢いのまま身体を捻り、回転しながら某道路格闘家ゲームのようにアッパー気味に下から顎を殴りつける。

 

 

「昇〇拳擬きってな!」

 

そのまま俺も海に着水する。

 

 

「勝負あり!この勝負、艦隊全滅により、上条大佐の勝利となります!」

 

そこで先程まで審判をしていたブルネイの明石から、そう声がかけられるのだった。

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

「ふ、不幸だ......」

 

演習が終わり、先程の無礼(剥ぎ取り)の事を改めて謝罪しに行ったところ、手痛い反撃を喰らい、ボロボロになっていた時だった。

 

 

「よお、上条大佐...ってまたこっぴどくやられたな...」

 

 

「あはは...いつものことでふよ...」

 

 

「いつもなのかよ......」

 

相当だな...と苦笑する金城大将。

 

そうして少しして再び口を開いた。

 

 

「なあ、上条大佐、さっきの戦いを見て思ってたんだだが...あんた、腕は相当立つみたいだな」

 

 

「あ、いやー...まあ少しは自信ありますけど」

 

 

「そうか、ならよ、俺の相手もしてくれねえか?」

 

 

「・・・・はい?」

 

唐突な申し出に、思わず耳を疑った。

 

 

「いやな、あんたの戦い方見てたら俺もなんだか久しぶりに体を動かしたくなったんだ...あんたなら相手にとって不足はなさそうだしよ...どうだ?」

 

 

「はぁ、そこまで言うんでしたら、いいですよ。不詳上条当麻!大将のお相手謹んで受けさせてもらいます!」

 

 

「そうこなくっちゃな!なら、早速」

 

 

「ちょちょちょっさすがにもう少し休ませてくださいって!動きまくったせいで今ヘトヘトなんですよ...」

 

 

「それもそうか、なら休憩にするか」

 

こうして金城大将と模擬戦をすることになったのだが、どうなることかと私|(わたくし)上条当麻は先行き不安になるのであった......。

 

 

不幸だ......。




遂に始まった金城大将との模擬戦......。

始まってみると金城大将はとんでもない戦い方をし始め......


次回、新約、とある提督の幻想殺し

幻想殺しvsブルネイ大将

幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる...。


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