新約、とある提督の幻想殺し(本編完結)   作:榛猫(筆休め中)

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電です...。

前回は如月ちゃんが改二に至って、司令官さんが改二の事を吉野少将に聞きにいくお話でした。

今回はそれから半年後のお話になります...。


呉と大阪と江ノ島と深海

side上条

 

 

おっす~上条さんだ。

 

如月が改二になったあの一件から早半年が過ぎた...。

 

今ではここ、呉の艦娘達のほとんどが改二となっている。

 

改で止まってるのもまあ一部いるんだけど......

 

そんな訳で、艦娘達が改二となったり、溜っていた書類の山を片付け終えたり、不幸な毎日に遭い続けたりととにかく色々なことがあった。

 

 

「提督、吉野少将達がお見えになられたわ」

 

そう声をかけてくるのは加賀姉。

 

江ノ島から俺と共に来てくれた姉の様な存在だ。

 

 

「お、もう来たのか?サンキュー加賀姉、んじゃ俺達も行くとしますか」

 

 

「えぇ、そうね」

 

加賀姉の返事を聞きながら俺達は演習場へと向かった。

 

 

 

 

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「吉野さん、遠いところお疲れ様です」

 

 

「あぁ、上条君、そうでもないよ、それより、今日は演習の相手よろしく頼むよ」

 

そう、吉野さん達が今日ここに来た理由、それは......

 

呉との合同演習を行うためだ...。

 

 

「こちらこそです。吉野さんの所は強いですからね」

 

 

「ははは...まあ君の所に比べたら全然の様な気もするけど...」

 

んな馬鹿な、吉野さんの所ほど攻めに特化した艦隊はないだろうに......

 

 

「ま、まあお互いに良い演習が出来るようにしましょう」

 

 

「そうだね、それがいい...」

 

 

 

『ではこれより!大阪鎮守府第一艦隊VS呉鎮守府第一艦隊同士の合同演習を開始します!』

 

こうして呉VS大阪の演習の幕が切って落とされた。

 

 

 

 

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まず動いたのは如月達であった。

 

砲撃も魚雷も撃つことなく敵艦隊に真正面から突っ込んでいく。

 

大鳳は念のためか攻撃隊を少し飛ばしてから同じく敵艦隊に突っ込んでいく...。

 

猛スピードで突っ込んでくる如月たちを迎え撃つように出てきたのは、人修羅と武蔵殺し、鉄壁の異名を持つ、長門、榛名、大和、そしてその弟子の夕立だった。

 

海上で起きる水柱と衝撃波...。

 

後方では大阪の側の加賀が艦載機を発艦させ、妙高が砲撃を行っている。

 

それを悠々と躱しつつ牽制とばかりに魚雷を放つ呉駆逐艦ズ...。

 

最早艦隊戦と言えるのかと言われかねないそれはそれほど時間がかからずに決着がついた...。

 

如月とやり合っていた夕立がわずかな練度の差で如月に倒され轟沈判定を受け...。

 

大鳳とやり合っていた大和は実力は互角ではあったが、

故に大鳳の発艦していた艦載機の爆撃を喰らいながらも大鳳を道連れに相打ち...。

 

比叡とやりあっていた榛名はその異名の通りの実力を見せ、比叡を打倒し...。

 

陸奥との艦種だけの姉妹対決をしていた長門は善戦していたが隙をついて打ち込まれた陸奥の掌底により轟沈判定...。

 

その他の利根姉妹は後方から砲撃をしていた大阪艦隊相手に近接戦闘を主に砲雷撃にて応戦し、二隻の内、加賀を撃沈、妙高を大破判定にしていた。

 

 

両者残存数が半数により結果は引き分けという形になった...。

 

 

 

 

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「いやー、やっぱり強いですね吉野さんの艦隊は」

 

 

「いや、自分もまさかあそこまで粘れるとは思ってもみなかったよ」

 

演習を終えた俺達は挨拶をしていた。

 

 

「こっちの主力は殆んどあの二人みたいなものですから、あの二人を止められるとせ攻め手に欠けるんですよね...」

 

 

「それが出来なかったらこっちは確実に負けていただろうねぇ...」

 

と、そんな会話をしている時の事だった。

 

 

「よい試合でしたね、当麻」

 

そう声をかけてくるものがいた。

 

 

「なんだ、来てたのか?赤城姉」

 

 

「えぇ、加賀さんに招待されたので」

 

加賀姉が呼んでたのか、ってことは演習を見てたんだな。

 

 

「私達モ来タワヨ」

 

 

「オ久シブリデスネ、当麻サン」

 

そこに現れたのは飛行姐さんと中枢姐さんの二人であった。

 

 

「な、なんで姐さんたちがここにいんだよ!?」

 

 

「大阪ノ朔夜トカイウ防空棲姫ニ呼バレタンダ...」

 

 

「折角ダカラ弟子ノ顔ヲ見テヤロウト思ッテ来タトイウ訳ダ」

 

そうだったのか、つか、あんたら深海棲艦なんだからもう少し自覚持てよ......

 

こんなの他の奴に見られたら大問題になるじゃねえか......

 

 

「ソレヨリ、腕ハ鈍ッテイナイダロウナ?」

 

ギクッ...。

 

 

「い、いやぁ...大丈夫のはずです...多分」

 

 

「ソウカ、ドレ、ココハ私達ガ腕ガ鈍ッテイナイカ見テヤロウ」

 

 

「ソレハイイ!丁度身身体ヲ動カシタカッタトコロダ」

 

 

「......いや、お二人さん?そこでどうして近づいてくるのでせうか?うわやめろ!近づいてくんな!ぎゃああぁぁぁぁああ!不幸だぁぁぁ!!!」

 

 

「はは...上条君も大変だね...」

 

 

「そうですね...」

 

全力で二人から逃げ回る俺を見ながら微笑ましく見守る二人の姿があったという...。




はい、という訳で、これにて『新約、とある提督の幻想殺し』完結となります。

と言っても、本編は最終回ですが、もう少し番外編を書いていこうと考えていますが......

前作『とある鎮守府の幻想殺し』に引き続きこちらをお読みいただいて本当にありがとうございました。

zero-45様...。

ネタ引用の許可をくださり本当にありがとうございました...。

それでは皆様、また番外編でお会いしましょう!
それでは!

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