新約、とある提督の幻想殺し(本編完結)   作:榛猫(筆休め中)

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睦月です!

前回は提督が元帥から新たに艦娘を貰っていた話だったのね!

今回はその語のお話になるのだぞ!にゃははは♪


世界観の違う演習という名の修行

side上条

 

 

「...不幸だ」

 

俺こと上条当麻は、机の上に広がる地獄に白目を剥きたくなっていた...。

 

原因は深海の姉ちゃん達に呼ばれて一年ほど鎮守府を放置して溜まった書類である。

 

元帥に呼び出されて戻ってきてからなんとか二カ月分は加賀姉や他の姉ちゃん達|(秘書艦ズ)にも手伝ってもらいながら終わらせたのだが、それでもまだ十か月分ほど残っている...。

 

 

「終わりの兆しすら見えねえ...いつ終わるんだこれ...」

 

 

「...もうすぐで休憩時間なんですからそれまで頑張りなさい」

 

...加賀姉の言葉に時間を見てみる。

 

見ると、時刻は1200(ヒトフタマルマル)に差し掛かろうとしていた。

 

 

「あー...もうそんな時間なのか...」

 

 

「...そうよ、早くやらないと終わるのが遅くなるわ、さっさとやりましょう」

 

相変わらず加賀姉が冷たい......

 

まあ仕方ねえんだけどさ、自業自得みたいなもんだし...。

 

 

「へいへい...」

 

とりあえずやるだけやっちまうかな!

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

「あー...つっかれたぁ...」

 

 

「あらあら、随分お疲れみたいですね...」

 

そう声をかけてくるのは間宮姉。

 

そう、俺は今休憩で昼飯も兼ねて食堂に来ているのだ。

 

 

「未明からぶっ続けですからね...体力的にはまだ余裕なんですけど、精神的に疲れが...」

 

 

「未明から今までやっていて体力が余裕なだけでもおかしいんですけどね...」

 

そんなこと言われても...リコリス師匠や水鬼師匠に嫌というほどしごかれたから嫌でも体力は付くというか付けさせられたというか...。

 

 

「それより、あいつらはどうですか?上手く他の姉ちゃん達と絡めてますか?」

 

 

「えぇ、問題なく過ごしてますよ?最近は良く他の方達に演習を付けてもらっているみたいですしね」

 

ん?演習を付ける?

 

 

「えーと、どういうことですか?」

 

 

「ですから、演習を付けてもらっているみたいですよ?そこに本人たちがいますから聞いてみたらどうです?」

 

あ、あいつらいたのか、全然気づかなかった...。

 

 

「そうですね、そうしてみます」

 

間宮との話を切り上げ、俺は新艦娘sに近づく。

 

 

「よっおまえら、元気か?」

 

 

「...あ、提督、こんにちは...」

 

 

『......(ペコリ)』

 

おいおい、全員目のハイライトが消えかかってんじゃねえか!?

 

一体何があったんだ?

 

 

「ど、どうしたんだよ元気ないじゃねえか、何かあったのか?」

 

 

「...聞いてない?今の私達の状況」

 

状況?つーと確か...。

 

 

「他の奴らに演習相手をしてもらってるんだろ?」

 

 

「演習?そんな訳ないじゃない!あんなものは演習じゃないわ!」

 

 

「うん...あれは演習というよりは修行って言った方がしっくりくるかも...」

 

し、修行ぉ~?なんか話がおかしな方向に向かってないか?

 

 

「い、いったいどんな修行なんだよ?」

 

 

「えっとね、まず重りの付いた制服を着せられて、その制服を着たまま牛乳が良く入っている瓶に入った燃料を数本持って鎮守府内にいる燃料の補給が必要な艦娘達に届けるのさ、スキップ+ジグザグに歩きながら...とかね...」

 

 

「・・・・は?」

 

 

「他には深と書かれた石を香取さんが鎮守府内のどこかに隠してそれを全員で時間を計って競い合ってそれを見つけた者以外は全員補給禁止っていう縛りがある探索をさせられたり...あ、もちろんこれも重り制服を付けた状態でね?」

 

 

「お、おう...」

 

 

「その他にも鎮守府内にある使われてない土地を素手で開墾させられたりもあったわね...これも重り制服付きよ?」

 

 

 

「おぉう...」

 

 

 

「挙句の果てには鎮守府の外の土木工事まで手伝わされるのよ!重りを付けた状態で...」

 

 

「うわぁ...」

 

 

「ははは...ちなみに今もその重り制服着用させられてるんだぜ?」

 

 

「ウソだろ...?」

 

 

「ウソなもんか、こうして話してるのすら結構負担が掛かってるんだよ?」

 

 

「なん...だと...」

 

 

「ここ居る他の艦娘達も全員体験していることらしくてな、練度を上げるために我々もそれをやっているというわけだ」

 

 

「うわぁ...」

 

如月たちがやたら強かったのはこういう理由があったからなのか......

 

 

「隊長はこれ...どう思います?」

 

 

「いや、どうと言われてもな...まだ軽いとしか...」

 

 

『なっ!?』

 

 

「ちょっと!これが軽いってどういうことよ!」

 

 

「いや、だって俺それ以上に無理難題やらされたし...」

 

 

「その内容とやらを是非聞いてみたいものだなぁ...」

 

なんか切れてませんか?あなた達...。

 

 

「まあいいか、俺がやらされてたのは深海棲艦の姫と鬼に二隻の師匠の所為なんだ...」

 

 

『......え?』

 

困惑してるな、まあそれも当然っちゃ当然だよな。

 

 

「まずやらされたのは艦娘や深海棲艦とまともに戦うために実力を付けろって言われてほぼ毎日死にかけるまで姫と鬼の相手をさせられたよ...」

 

 

「姫と鬼の!?」

 

 

「そうだぞ?んで次は艦種ごとの対応方法を覚えろって言われて駆逐級から空母級まで全ての艦種と戦わされたよ...しかも連戦で...」

 

 

「全ての艦種と連戦!?」

 

 

「次に無双の戦い方を覚えろって言われて左手だけで数十という数の深海棲艦と戦わされたりしたな...」

 

 

「左手だけで数十の深海棲艦の相手!?」

 

 

「おまけに対人戦闘としてある拳法を習得させるために秘孔、まあツボだな。身体中のあらゆるツボを突かれまくって無理やり体に場所を覚えさせられたりな...」

 

 

「それ何処の暗殺拳!?」

 

 

「とまあこんな所だけど...」

 

 

「あら、ほほぅ?

提督は私達が心配して探し回っている間にそんなことをされていたんですね」

 

......こ、この声は...

 

 

「い、いやー...香取さん?これには深ーい訳があってでせうね?」

 

 

「そうですか、それじゃあ向こうでじっくりとお聞かせくださいますか?」

 

 

「......不幸だぁぁ!!」

 

 

『提督、ご武運を...(ビシッ)』

 

 

「お前らも見てないで助けろよぉぉぉぉぉ!!」




香取とのOHANASHIから数日、性懲りもなく遊びに来た土御門があるゲーム機を持ってくる。
艦娘達はそのゲームに興味津々で...


次回、新約、とある提督の幻想殺し

艦娘とゲーム機

幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる...。

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