新約、とある提督の幻想殺し(本編完結)   作:榛猫(筆休め中)

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鹿島です。うふふ♪

前回は提督が文化祭の様子を見て回るという会でした。

今回は提督がある方に再開しますよ


再開の幻想殺し

side上条

 

 

文化祭の一件から数日後…。

 

俺は仕事を終え執務室にて伸びていた。

 

そんな時、不意に頭の中に声が聞こえてきた。

 

 

――コイ…コイ…――

 

 

「ん?誰かいるのか?」

 

しかし辺りを見回しても辺りには誰もいない…。

 

 

「…誰だ?」

 

 

 

――コイ…コイ…――

 

……この声に従えばいいのか?

 

俺は頭の中に響いてくる声に不審に思いながらも従うことにした…。

 

 

 

 

_______________________

 

 

 

 

「海岸に出ちまった……海に出ろってことなのか?」

 

 

――コイ…コイ…――

 

それでも頭の中の声は止まない…。

 

考えていても仕方ないし、行くだけ行ってみるか。

 

そう考えた俺は土御門が以前持ってきてくれた二代目のマリンバイクに乗り込み、海に出ていくのだった…。

 

 

「……提督?」

 

それをとある艦娘に見られているとも知らずに…。

 

 

 

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声に導かれるまま俺は、ソロモン海域深部のアイアンボトムサウンドまで来ていた。

 

途中別の方向に向かおうとして違うと声にお叱りを受けたのは黙っておく…。

 

 

「こんな所まで来ちまったよ…どうすりゃいいんだ?これ…」

 

いつの間にか声は聞こえなくなっており恐らく目的地はここなのだろうということだけは分かった。

 

 

「まさか…呼ぶだけ呼んで放置でせうか?不幸だ…」

 

俺がそう言って方を落とした時だった。

 

 

【ザバアッ】

 

何かが跳び跳ねるような音が後方で聞こえてきた。

 

恐る恐る振り返ってみるとそこには……

 

 

「…………」

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?!?」

 

俺の顔をジッと覗き込む青白い肌の女が立っていたのだ…。

 

俺は混乱して言葉にならない叫びと共に後方に移動する。

 

 

「な、なな!?なんだなんだ!!」

 

 

「フフフ…相変ワラズ面白イ反応スルジャナイ…トウマ」

 

青白い肌の女は俺の反応を見てそう言うとクスリと笑った。

 

その動作に俺はとても見覚えがあった…。

 

 

「飛行場姫さん…?何してるんでせう?」

 

そう、それは俺が深海にいた時にお世話になった姫の内の一隻、飛行場姫だった。

 

 

「アラ、何ッテアナタヲ脅カソウトシタダケヨ?」

 

はぁ…朔夜(防空棲姫)さんもそうだったけど、この人?も相変わらずマイペースなんだよな…。

 

 

「俺を呼んだのも飛行場姫さんですか?」

 

すると飛行場姫は首を横に振る。

 

 

「私デハナイワ…アノ子ガ呼ンデイタノヨ」

 

そう言って飛行場姫さんが振り向く、俺もそれに習い視線の先を追ってみる…するとそこに現れたのは…。

 

 

「トウマ兄ィ!久シブリ!」

 

 

「オ久シブリデスネ…トウマサン…」

 

飛行場姫さんをそのまま小さくしたような青白い肌の幼女と、同じく飛行場姫さんを成長させたような姿の青白い肌の女性……。

 

北方棲姫と港湾棲姫の二隻であった…。

 

北方棲姫は俺を見つけると嬉しそうに側に走り寄ってくる。

 

 

「おーホッポ!久しぶりだなぁ!元気だったか?というより、もしかしてさっきまで呼んでたのってお前か?」

 

マリンバイクに乗っているので軽く頭を撫でてやる。

 

 

「ウン!」

 

そうか、どうやら俺を呼んでいたのは北方棲姫だったらしい…何か用でもあったのだろうか…?

 

 

「そっかそっか、それで何の用なんだ?」

 

 

「エット…ナンダッタッケ?オ姉チャン?」

 

ズコッ…覚えてないのかよ…まあ、ホッポらしいといえばらしいんだが…。

 

話を振られた港湾棲姫はやれやれという風に首を振ってから俺に説明してくれた。

 

 

「ゴメンナサイネ…ホッポガ…実ハ中枢サマ達ガアナタヲ呼ンデイルノ…急デ悪イノダケド、私達ノ街マデ来テモラエル?」

 

中枢さん達が俺を?

 

何かトラブルでもあったのか?

 

 

「分かった、それじゃあ連れていってくれ」

 

 

「決マリネ…ソレジャア私ガ連レテ行クカラ乗ッテ」

 

その言葉にしたがって俺は港湾棲姫さんの艤装に乗り移った。

 

 

「乗ッタワネ?ソレジャア行キマスヨ」

 

こうして俺は再び深海棲艦の住まう街に向かうのだった…。

 

後には俺が乗っていたマリンバイクだけが残されていた…。

 

 

sideout

 

_____________________

 

 

side??

 

 

あの後、司令官が出ていったのを追ってきた私はソロモン海域付近まで来ていた。

 

 

「確か…この辺だったはず…」

 

しかし辺りを見回しても司令官の姿は何処にもない…。

 

 

「何処にいるの…?司令官…」

 

もしかしたら深海棲艦の残党に襲われたのかもしれない…そうだとしたら急いで助けにいかなくちゃ…

 

辺りを見回していると遥か遠方に見覚えのある物を見つけた…。

 

近寄ってみるとそれは司令官が乗っていたマリンバイクだった…。

 

しかし司令官の姿は何処にもない…。

 

遅かった…司令官はもう……

 

 

「…っ!大変……早く皆に知らせなきゃ……」

 

私は艤装をしまうとマリンバイクに乗り込み呉鎮守府へと戻っていった…。

 

 

上条司令官を探すために…。

 

 

 

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その後、江ノ島鎮守府や大阪鎮守府の協力のもと、上条司令官の大規模捜索作戦が行われる事になるのだがそれはまた別のお話……




港湾達に連れられ再び深海の街へとやって来た俺こと上条当麻…。

そこでは過去にお世話になった姫や鬼、ヲやレ等といった懐かしい面々が待っており鍛え直してやるという…。


次回、新訳、とある提督の幻想殺し

海の底での鬼姫修行

幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる…。

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