新約、とある提督の幻想殺し(本編完結)   作:榛猫(筆休め中)

30 / 54
山城です...。

前回は提督が凶悪キンケシ飴と格闘していました。

一方の吉野さん側では明石さんに唆された加賀さんの格好に吉野さんの叫びがとどろくというものでした...。

二人して何をしてるのかしら...


加賀姉の変貌

side上条

 

 

姉貴が来てからようやく一月が経った。

 

あの地獄の一件(サルミアッキ大量投入事件)後から姉貴の悪行はエスカレートしていった...。

 

ある時は禁止したものとは違うハイレグの燕尾服バニーという恥じらいというものを何処かに捨ててきた物を着用して鎮守府内を闊歩していたり...。

 

またある時は間宮や鳳翔、そして俺の目を盗んで比叡と混合料理(毒料理)を作ってそれを自分たちで食べてぶっ倒れるという謎行動を起こしていたりしていた...。

 

だが、それも今日で終わりだ...。

 

加賀姉が戻ってくれば少なくとも俺に降りかかってくる不幸の量を若干なりとも減らせる...。

 

 

「はあぁぁ...早く戻って来てくれ加賀姉ぇ...」

 

 

「失礼ね、私ならここにいるというのに...。」

 

 

「いやアンタのことを言ったんじゃねえよ!」

 

 

「五航戦の子なんかと一緒にしないで...。」

 

 

「してねえしどこにもいねえよ五航戦!!」

 

何故か執務室にいる姉貴の言葉にすぐさまツッコミを入れる...。

 

これもなんつーか、習慣になりつつあったよな......

 

姉貴はやること自由過ぎて何を仕出かすか分かったもんじゃない。

 

これでも向こう(大阪鎮守府)ではかなり大人しい方らしい...。

 

これでまとも方とか...吉野さん、あんたも苦労してるんだな...幻想殺しを持ってる訳でもないのに...。

 

俺は心の中で吉野さんに合唱する。

 

そんなことをしつつ時計を見ると時間はヒトヨンマルマルになっていた。

 

 

「っと、そろそろ時間だ、姉貴、準備は終わってるか?」

 

 

「出かける準備ですか?鎧袖一触です...。」

 

ってことは終わってるという事で良いってことだよな?

 

 

「よし、んじゃ行きますか、ところで...ホントにその恰好で行くつもりでせう?」

 

俺がそう聞くにはちゃんと理由がある。

 

何故なら姉貴は来た時と同じあのマイクロミニのスパンコールメイド服を纏っているからだ...。

 

 

「ここの加賀さんの服を着ていくわけにはいかないのだから仕方ないでしょう?」

 

 

「ぐっ...そう言われればそうなんだが...」

 

その恰好は...上条さんには目の毒な訳なのですよ...。

 

主に目のやり場とか目のやり場とか目のやり場とか......

 

くっ...!惑わされるな!上条当麻!

 

 

「ほら、もう行くのではないの?」

 

俺が内心で悶えていると姉貴がそう声をかけてくる。

 

時間を見るとそろそろ出ないとまずい時間になっていた。

 

 

「っと、確かにそろそろ行かねえと!行くぞ姉貴」

 

 

「分かっているわ...。」

 

こうして俺達は呉鎮守府を後にして大阪鎮守府へと向かった。

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

『『『『『いらっしゃいませ!お客様!』』』』』

 

 

「俺なんかに構ってないでいいから仕事してください...」

 

また出来ていたメイド道を通りながら軽くツッコミを入れていく...。

 

執務室に辿り着きその戸を軽くノックする。

 

 

『どうぞ、空いてますから』

 

そんな声が返って来たので俺は問を開け中に入る。

 

 

「失礼します。お久しぶりですね、吉野さん」

 

 

「あぁ、久しぶりだね上条君。ウチの加賀君はどうだったかな?」

 

そう話す吉野さんは相も変わらず髭眼帯というハッタリ装備である...。

 

 

「あ、あはは...なんというか、個性的な人でした」

 

それを聞いて吉野さんは凄く申し訳なさそうな顔をする...。

 

 

「きっとウチの加賀君が相当やらかしたと思うから代わりに謝っておくよ」

 

そう言って深々と頭を下げる髭眼帯(吉野)さん。

 

 

「へ!?いやいや謝らないでください!中々楽しい一か月でしたから」

 

 

「...そう言ってもらうとすごく助かるんだけど...実は今頭を下げてるのはそれだけじゃないんだよねぇ...」

 

 

「・・・へ?」

 

おいおいおいおいなんかとんでもなく嫌な予感が済んだけど!?

 

すると司令室の戸が叩かれある一人の艦娘が入ってきた。

 

その艦娘に俺は物凄く見覚えがあった...。

 

というか、加賀姉だった...。

 

しかしその恰好はピンクを基調としたメイド服で上下のセパレートで、胸を強調しつつお腹は丸出し…。

 

背中には白い蝶の羽根、スカートは短く、妖精をイメージさせるものだった…。

 

 

「......なぁ吉野さん」

 

 

「チガイマス」

 

 

「いや、まだ何も言ってないんですけど...」

 

 

「君が何を言いたいのか大体察してるから、先に言っておくけど自分は極めてノーマルだから、メイド愛好家とかコスプレを着せて喜ぶような人間じゃアリマセン」

 

 

「お、おぉ...なんつか、大変なんですね...そっちも...」

 

髭眼帯(吉野)さんに同情の視線を向けていた俺は加賀姉(呉加賀)に視線を向ける...。

 

姉貴(大坂加賀)以上に目にやり場に困る服装にどう話しかけたらいいものかと思案する...。

 

 

「......どう...かしら?当麻」

 

先に口火を切ったのは加賀姉(呉加賀)の方だった。

 

 

「え、えーと...似合っておりますことよ?」

 

 

「そ、そう...。それならこれからも着てみようかしら」

 

 

「それだけはやめてくれ頼むから!というか元に戻ってくれ加賀姉!」

 

 

「私は何も変わってないわ...。強いて言うならメイド服を着こなせるようになってひやしあめを良く飲むようになったくらいよ」

 

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!加賀姉がおかしな方向に向かいだしちまったぁぁ!不幸だぁぁぁぁ!!」

 

俺の叫びに髭眼帯(吉野)さんは終始申し訳なさそうな顔をしていたという...。

 




加賀姉が戻って来ていつも通りの日常が戻ってきた呉鎮守府。

久しぶりに料理でもしようとしたところぞろぞろと艦娘達が集まって来て...


次回、新約、とある提督の幻想殺し

復活のK

幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。