新約、とある提督の幻想殺し(本編完結) 作:榛猫(筆休め中)
前回は司令官と吉野司令官が艦娘のトレードに話をしていました!
交換する艦は加賀さんみたいですね、加賀さん、大丈夫なんでしょうか...
side上条
『そうか、報告感謝するよ大将君後はこちらでなんとかしよう』
「すいません、よろしくお願いします...」
『構わないよ、態々大阪まで出向いてくれたのだからね、では、また何かあれば連絡してきてくれ』
「はい、失礼します...ふう...。」
そうして元帥へ大阪での報告を終え、俺は通話を切る。
「報告は終わりましたか?」
秘書艦のサラトガが声をかけてくる。
「あぁ、何とか終わったって感じだな...はあぁ...」
話していただけなのにやたらと疲れて俺は椅子に背を預ける...。
元帥を相手にしてるとどうも緊張しちまうんだよな...目上の人だからか?
「とにかく、これで一通りやることは終わったな、そういえば、向こうの加賀さんはまだ到着してないのか?」
「え?えぇ、まだ到着はしていないみたいですね、四時間ほど前に吉野さんから出立したと連絡がありましたし、もう直に着く思いますよ?」
「そうだといいけどさ...」
「提督は心配性ですね、あら?Goodtiming!加賀さんが只今ご到着されたみたいですよ?」
「本当か!」
いきなりの事に俺は身を乗り出し名が聞き返してしまう。
「え、えぇ...今挨拶に向かっているそうですよ?ほら、噂をすれば...」
サラがそう言って扉の方を見る。
俺も釣られてそちらを見ると...。
【ガチャッ】
「失礼するわ、到着したので挨拶に来ました...。
航空母艦、加賀です。貴方が一月の間の私の提督なの?それなりに期待はしているわ...。」
そう、扉を開けて入ってきたソイツの挨拶を紛れもなく加賀その人であると理解する...。
そう、挨拶を聞くまでは...。
問題はその恰好だ、何故ならその加賀さんは加賀姉がよく来ている弓道着のようなものではなく、裾や袖にひらひらのレースが付いた装飾に、スパンコールが全身に縫い付けられた半スケニーソックス...そしてこれで止めと言うかの如くマイクロミニのスカートのメイド服だったのだ...。
サラトガも笑顔のまま固まっている...。
「えっと...はい、ようこそ呉鎮守府へ...加賀さん...で、合ってるんだよな?」
「そうよ?私の顔に何かついていて?」
「いや、顔には何もついてないですけど...その恰好はどういうことなのでせうか?」
「...?あぁ、これ?これは私達の第二の戦闘服よ...。」
「戦闘服!?そのメイド服が!?」
「そうよ...。」
すました顔でさらりと答える大さ加賀...。
いや、そんなのでどう戦うんだよ!寧ろ色々見えちまって戦えねえじゃねえか!
まさか...!露出狂の気があるのか?
「そ、そっか、まあそれは置いといて、加賀さんには一カ月の間こっちで生活してもらいます。特にやることはないので自分の好きなように行動してていいですよ、後、その恰好は今後呉鎮守府内出来ることを禁止します...。いいですね?」
「分かったわ、けれど着替えをこれしか持ってきていないのだけれど」
「着の身着のままかよ!はぁ...家にいた加賀の着替えがあると思いますので、それを貸しますから着ておいてください」
「了解しました、それよりも上条提督、少し聞きたいことがあるのだけれど」
「聞きたいこと?なんですか?」
「
俺はそれを聞いて脱力してしまい、机に頭を打ちそうになった。
「っ!提督!?大丈夫ですか?」
サラが慌てて受け止めてくれたおかげでなんとか打たずには済んだ...。
「えっと...?加賀s「姉さん...」...加賀s「姉さん...」だぁぁぁっ!もう分かった!分かったっての!加賀の姉貴!長いから姉貴で!これでいいか!」
「少し投げやりな気もするけれど、良いわ、流石に気分が高揚します...。」
無表情ながらに僅かに頬を染め上げる加賀...じゃなかった、姉貴。
そしてそれを羨ましそうに見つめるサラの姿があった...。
俺、この空母と一緒にやっていけるんだろうか......。
「不幸だ...」
これから先の事を考えると俺はそう呟かずにはいられなかった...。
大阪鎮守府に無事到着した加賀姉...。
吉野から簡単な説明を受け挨拶の為に鎮守府を散策する。
しかしそこはトンデモ人外魔境の巣窟だった...。
次回、新約とある提督の幻想殺し
とある正規空母の災難...。
幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる