新約、とある提督の幻想殺し(本編完結) 作:榛猫(筆休め中)
前回までのあらすじなのです!
上条司令官さんが持ち前の不幸スキルで運良く監禁された艦娘さん達を発見したのです。
それを待っていたとでもいうように筑摩さんが上条司令官さんに鍵を渡してたのです
捕まった人達は助けられるのでしょうか...
それと、アンケートはまだまだ募集中なのです!皆さん是非コメントくださいなのです!
side上条
筑摩さんから鍵を貰ってから半日が経った...。
俺は溜まりに溜まった書類を片しながら、どう捕まった奴らを助けるかを考えていた。
ただ部屋から出してやるだけならいい、各々で勝手に出てもらえばいいからだ。
だが、アイツらはずっと捕まって閉じ込められていた...あの反応から考えられるに前任の奴から相当酷い目に遭っていたはずだ...。
そうなると、恐らく一人以上は自分で歩けないほどの大怪我を負っている者もいるはずだ。そうなれば俺一人じゃ手に負えない...。
だが他の奴の手は借りられない...なにせここの艦娘達は提督という存在を憎んでいるからだ。
例え救助を頼んでも話も聞いてはくれないだろう...。
「参ったな...どうすりゃいいんだ...?」
そう呟いて窓の外絵を見ると外はもう日は沈み夜の帳が降りていた。
そんなに長いこと考え込んでたのか?
書類整理をしていた手を一旦止め、俺は席を立った。
「とりあえず、風呂にでも入ってさっぱりするか」
そう言って俺は入渠ドックへと向かうのだった。
sideout
side加賀
入渠の混雑も終わり静かになった頃、私はドックへと来ていました。
混みあう時間も過ぎているので脱衣所も人気はなく静かです...。
私は中に入ると衣服を脱ぎ始めました...。
上着とスカートを脱ぎ終わり下着に手をかけた時でした。
【バササッッ】
誰かが入って来たのかと入口の方を見るとそこには何かを考え込みながら歩いてくる提督の姿がありました。
私が着替えているのに気が付いていないようです...。
私はそっとタオルを身体に巻くと未だに気付かない提督に声をかけました。
「提督...こんなところで何をしているのかしら?」
その言葉でようやく私の事に気づいたのか、提督は驚いたように私を見ます。
そしてその直後、私の姿を確認して勢い良く飛び退いて後退りします。
「な、なななんで加賀姉がいるんだよ!ってかなんて格好してやがんだ!」
両手で顔を隠して叫ぶ提督...。
「それを聞きたいのは私の方なのだけれど...どうして貴方がここにいるのかしら?」
「どうしてって...そりゃ風呂入りに来たからだよ、この時間なら入ってる艦娘もいない頃だったからな」
『加賀姉が居たのは予想外だったんだけど...』と締めくくる提督。
なるほどね、確かにこの時間なら入渠している艦娘は居ない頃だし、男である提督が入るとするならこの時間が最適ね...。
それは納得だけれどもう一つ...。
「それについては分かったわ...じゃあなぜ私が入っているのに気が付かなかったのかしら?」
「へ?あ、いやそれはだな...」
途端に曖昧な返事しかしなくなる提督に私は目を細めます...。
「まさか...私が入っていること知って覗きに来たのですか...?」
提督の事だからそれは無いと思いたいけれど...。
「へ!?いや違えよ!そんな訳ないだろ!」
「それは本当ですか?」
「本当だって!誰が好き好んで加賀姉の覗きなんかするかよ...」
ピキッ…今とても聞きづてならない言葉が聞こえたのだけど...。
「提督?今、なんと仰いましたか?」
「ん?だから好き好んで加賀姉の覗きなんかしないっt...」
カチンッ...頭に来ました...。
「......ここは譲れません...爆撃します」
私は弓を構えると艦載機を一艦のみ発艦します。
「え?チョッ加賀さん!どうして艦載機を出してるのでせう?」
「みんな、優秀な子たちですから...」
「えっちょっまっぎゃぁぁぁぁ!!不幸だあぁぁぁぁぁ!!!!!」
艦載機に追われながら提督は猛スピードで走っていくのでした。
私はその様子を見て提督が夕方ごろから様子が変だったことを思い出しながら入渠するのでした...。
sideout
side上条
「あー...不幸だ...」
あの後、加賀姉の放った艦載機の爆撃を喰らった俺はなんとか執務室に戻ってきていた。
「ったく、容赦なくぶっぱなしやがって...俺が何したってんだよ...」
痛む傷をさすりながらそう呟いていると戸がノックされ加賀姉が入ってきた。
「げ!な、何事でしょうか...?姫?」
「...なぜ姫に格上げされたのか分からないけれど...提督、あなた何を隠しているの?」
ギクッ...気づかれたのか?
「隠しているって何のことだ?」
「とぼけても無駄よ、あなたの様子がおかしいことは夕方ごろから気づいているのだから...」
げっ!気づかれてたのかよ...。
加賀姉にはやっぱ敵わないな...観念して話すか。
「分かった、話すよ...実はな?」
俺は考えていたことを全て加賀姉に話した。
話を聞いた加賀姉は最初こそ驚いていたが真剣に聞いてくれた。
「そう、そういう事だったのね...」
「あぁ、だからどうすべきなのか分からなくってさ...」
「簡単なことじゃない...」
「え?」
「当麻、私が何故貴方と共に来たと思う?私が貴方についていきたいと思ったからよ、これまで貴方は幾度となく私達艦娘を救ってくれた...その中にはこの鎮守府の艦娘だっているわ、現に貴方の危機に協力してくれた人もいたでしょう?」
そこまで言われて俺は思い出した。
確かに明石の時も食堂の時も手を貸してくれた者がいた。
何が話も聞いてくれないだよ......
力を貸してくれる奴らだっているじゃないか!
俺はそいつらの事を見ていなかったのか...
「ありがとうな!加賀姉!おかげで目が覚めた、早速で悪いんだけど、協力してくれるか?」
そう尋ねると加賀姉は無表情ながらも力強く頷いてくれた。
「その為に私は共に来たのよ?協力は惜しまないわ...」
「よし!じゃあまずは協力してくれそうなやつを探すぞ、今回ばかりは人出が多い方がいい」
「そうね...」
そうして俺達は仲間を集めに執務室を後にするのだった。
今まで助けた艦娘達に声をかけ協力してもらう事となった俺達。
他の艦娘達にも協力してもらい監禁されている艦娘達を助けるために動き出す!
次回、新約、とある提督の幻想殺し
人質救出
幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる