鋼鉄の極緑神   作:ルフト

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第三話 蒼穹の暴風

この世には二種類の人間がいる。

現実を受け止め、それに対処するもの。

もう一人は現実から目をそらし、現実逃避をする者。

そお、この男のように。

「はあ、海はいいな~」ズズズ

そう言いながら青年は緑茶を飲み地平線の方向を見ながら呟く。

「現実逃避しないでくださいよ艦長」

副長は呆れ雑じりに呟く。

「だって異世界だぜ異世界。どんな世界かどんな時代かも分からないんだ。」

「いえ場所は分かっています。」

「で、ここは何所なんだ?」

荒鬼は面倒くさそうに聞く。

「今の現在位置はオーストラリア沖合南西部ですね。」

やっぱりか。荒鬼は心の中でそう思った。

と言うのもあの戦いがあったのは今俺がいる此処なのだ。

そんなことを思っていると。

「レーダに感!未確認艦隊接近!」

「どうしますか?艦長」

どうするか?正直言って状況を把握できていない今は出来るだけ戦闘は避けたい。

「この辺は確か水深8000メートル程あったな。」

「ええ。」

「よし、深度6000メートルまで降下、バラストタンク注水。急速潜航!」

「急速潜航!」

鋼鉄の城は轟音と共に巨大な水柱を立てて沈み始めた。

 

 

ートラック泊地ー

 

「な、何なんだあれは!」

加佐見提督が見たものは、とてつもない速度で海原を走り回る巨大な艦船だった。

「大鯨。何なんだあいつは!」

「わ、わかりません………不明艦発砲!」

「な?!」

不明艦から発射された砲弾は放物線を描き鎮守府に飛来した。

「まずいぞ。至急砲台に発砲命令!」

「!、新たな不明艦接近!」

う、嘘だろ。一隻でも手間取っているのに二隻目が来るなんて、壊滅も時間の問題か

「へ、変です!二隻目の不明艦は最初に現れた不明艦の方向に向かって進んでいます 。」

「一体何が?!」

 

 

荒鬼が潜航してから数分後

「艦長!レーダに謎のノイズが、この波長から見て超兵器だと思われます!」

「超兵器か……艦影を識別できるか?」

「いえ、流石にこの距離では艦影を識別する事は不可能です。」

「そうか。それで、超兵器の現在位置は?」

「超兵器の現在位置は、ここから北東の方向、ちょうどトラック諸島の辺りですね。」

「よし、取り敢えずはトラック諸島に向かう。全速前進!」

「全速前進!」

トラック諸島に現れた超兵器は果たして味方なのだろうか?

この世界に来た超兵器はあの戦いにいた者達だけなのだろうか?

もしかしたら全ての超兵器がこの世界に飛ばされたのかもしれない。

だとしたらこの先どんな強敵と遭遇するのだろう。

一刻も早く仲間と合流しなければ。

 

 

 


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