やはり俺がデスノートを拾うのはまちがっている。   作:ねおる

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どうも!ねおるです!気づいたらお気に入りが40件以上になり、感想も沢山頂いていて、とても驚きました。こんな、拙い文章を読んでくださって本当に感謝です!あまりの期待に少しビクビクしながら書きましたが、お楽しみいただければ幸いです。


やはり俺がデスノートを使うのは間違っている

 

 

 

そのノートは黒かった。(小並感)いや本当にそうなんだって。題名デスノートって書いてあるだけだし。しかしデスノート?死のノートってこと?なんだそれ?見た方が早いか。とりあえず1ページ目めくってみるか。あ?中も英語かよ暗くて読みづらいし…。ええとThe human whose…

簡単に訳すと、このノートに名前を書かれた人間は死ぬ、ってとこか。…はぁ?ノートに名前書かれたら死ぬ?おいおい材木座、お前、黒歴史ノート落としてるぞ。明日全校生徒にバラしてやろうか。きっと材木座は名前を書かれなくても死ぬ。社会的に。いや、材木座の持ち物じゃないか。そもそもあいつは剣豪将軍だかなんだかの設定だからこんな感じのテクニカルなチート能力は考えないか。それよりまずあいつなら英語なんかで書かない。バカだから。ホントだよ?はちまんうそつかない。材木座じゃないとすると英語ができる中二病患者か、今話題の外国人中二病患者だろう。なんだよ外国人中二病患者って。わざわざ日本に来て英語で、闇に呑まれよ!っやんのかよなんだそれちょっと見てみたい。とにかくここは総武の生徒が多く通る道だし、明日にでも学校の落し物ボックス的なあの箱に入れておこう。持ち主には可哀想だがこんなの持ってたら俺が中二に見えてしまう。あ?そんな風に思う奴すらいないだろって?うるせぇよいるよ戸塚とか戸塚とか戸塚とか。あれ1人しか居なくね?まぁ、とりあえずは持って帰るか。

 

 

 

ニヤッ

 

 

ゾクッ

なんか寒気したんだか気のせいか?

 

 

 

 

 

今は学生らしく勉強中。俺ってば友達いなくて目が腐ってるところ除けば基本高スペックだから、勉強はすればするほど頭に入ってくる。しかし数学、貴様は別だ。即刻ギルティ慈悲はない。なんて言っててもやらない訳にはいかないので泣く泣くやるんですけどね。これが世界の理不尽か…。おい雪ノ下、ここから世界を変えてくれ。あー腹減ったなぁ。そろそろ飯の時間だと思…

 

「おにーちゃーん!ご飯できたよー!食べよー!」

 

…う。流石マイエンジェルシスター。俺が腹を空かせているところを見計らって声をかけるなんて。兄の腹はもう妹に掴まれているのか。もうお兄ちゃん大天使コマチエルなしでは生きていけない。

 

「おにーちゃーん?気持ち悪いこと考えてないで早く来てねー?」

 

まさか腹だけでなく心まで掌握されてるとは…。あいつはそろそろリモコン一つで人の心を操るんじゃないだろうか。

 

「おう。待たせたな。お、今日も美味そうだな。いつもありがとうな。」

「なに?お兄ちゃん。いつもの捻デレさんはどうしたの?熱でもある?ハンバーグじゃなくて、おかゆ作ったほうがいい?」

「いやなんで礼を言ったら心配されるんだよ…。」

「だってお兄ちゃんが自分からお礼なんて信じられないよ!明日はヤシでも降るのかな⁉︎」

「ヤシじゃなくてヤリだろ。それはそれで痛そうだが。」

「そうだっけ?まぁどっちでもいいや!あり得ないし!」

 

うーん。その通りなんだがお兄ちゃんは妹がアホの子の影響を受けていそうで心配です。由比ヶ浜め。まさか小町にまで悪影響を与えるとは。これはもう許せんな。なんてアホな事を考えているうちに小町が夕食の準備を終わらせてしまった。

 

「さぁお兄ちゃん!早く食べよー!」

「そうだな。いただきます。」

「いただきまーす!」

 

 

 

『………では次のニュースです。去年、千葉県内で発生した連続銀行強盗殺人事件の容疑で逮捕されていた加藤 弘樹容疑者が今日の裁判で証拠不十分だとして、無罪の判決を受けました。』

 

あれ?この裁判、無罪になったのか。朝見たニュースでは有罪判決は免れないなんて言われてたのに。

 

「怖いよねー。この加藤って人、絶対無罪じゃないよ。さっきチラッて見た時ね、無罪になった時のインタビューで、当然の結果だ、なんてドヤ顔で言ってたんだよ?殺されちゃた人の家族の人達、みんな泣いて睨んでるのにどこ吹く風だもん。こういうこと、法律じゃどうにもできないのかなぁ。」

「まぁ法律にも限界はあるからな。家族が泣いてるからって証拠がない奴を有罪にはできない。」

 

テレビには殺されたのであろう、男の人の遺影を持った女性と、小町ぐらいの女の子が映っている。女性は加藤に向かって罵倒し、今にも殴りかかりそうなところを他の親戚らしき人に抑えられている。逆に女の子は喪服のスカートをギュッと握りしめて下を向いている。足も震えていて、すぐに崩れ落ちてしまいそうだ。

 

「ホント、なくならないかなぁ、こういうの。」

 

なぜかやけに小町のその言葉が、胸に響いた。

 

 

 

 

 

実際、ああいうことはよくあるそうだ。罪を犯しても証拠がないため、法律で裁けない。残された家族が泣いて悲しむ。そんなことが。はぁ、いつもはこんな事、気にしないんだけどな。この胸のつっかえはなんだろうか。机に向かってペンを握っても集中できない。仕方ない、今日はもう寝るか。ん?これは…。あぁ、拾ったノートか。しかしデスノート。これが本物だったら、世界は大騒ぎだな。何しろ、世界のどこにいても名前さえ分かってれば人を殺せる。もし、そんなものが犯罪者に出回ったら、大変だな。

 

 

………ま、書くだけならタダだし、いいか。明日学校に持っていく前にページを破ればいいし。確か、あいつは、

加藤 弘樹 っと。………ハッ。バカバカしい。寝るか。今日は奉仕部連中と久しぶりに話したせいで疲れてらのかもしれない。明日も学校だ。早めに寝るか。

 

 

 

『………現在新しく入った情報です。連続銀行強盗殺人事件の裁判で無罪判決を受けた加藤 弘樹氏が、明日の釈放のために1日過ごしていた留置所での死亡が確認されました。その直前まで加藤氏と会話をしていた警官の話では加藤氏は急に胸を押さえ苦しみ出し、そのまま死亡したとのことです。死因は心臓麻痺、加藤氏はかねてから、容疑を疑われていましたが……』

 




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