これは…何か不吉な事が起こる前触れか…?
そう思って少し怖がっていたら……なんと!
12月1日から、GERとGR2RBで最新無料アップデートですと!?
いつの間にか恐怖は去り、テンションがMAXになってました。
今から楽しみです。
お互いの自己紹介が終わり、これからどうしようかと考えていたら……
キュ~…
突然、目の前にいる黒歌と白音のお腹から空腹を訴える音が聞こえた。
「「あ……」」
女の子としては恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
ふと、時計を見てみると、既に時間は18時30分を回っていた。
窓の外は夕闇が見えていた。
(家に帰ってきたのは確か5時30分ぐらいだったな…。あれからもう1時間も経ったのか…)
色んな事がありすぎて、全然分からなかった…。
道理でお腹が空くはずだよ。
「少し早いが、食事の準備をしようか」
「ゴッドイーター」
「ん?」
「我の話…」
「あ…」
そうだった。
この子も確か私に用があるんだった。
「でも、今はまだいい」
「…?」
「我もお腹空いた」
「ふふ…そうか」
いかに天下に名立たる龍とは言え、空腹には勝てない…か。
夕飯は何にしようか考えながら立ち上がると、黒歌達も慌てて立ち上がった。
「わ…私も手伝うにゃ!」
「私も!」
「その気持ちはありがたいが、二人共まだ完全に回復した訳じゃない。ここは私に任せて、二人はテーブルに座って待っててくれ」
「う…分かったにゃ」
「お世話になります…」
渋々と言った感じで、二人はリビングにあるテーブルに向かった。
「オーフィスも待ってていいよ」
「手伝う」
「…え?」
「我は手伝う」
わぁお…。
これは意外な展開…。
「い…いいのか?」
「ん。我がしたいだけ」
「そうか…」
嬉しいは嬉しいけど…大丈夫かな?
『い…いいのか?』
「本人の気持ちを無下には出来ない」
なんとなくだけど、これはとても
「それじゃあ…お願い」
「ん」
私とオーフィスちゃんは一緒にキッチンに入っていった。
「さて…」
『何を作る気だ?』
「そうだな…」
黒歌達は長い間、まともな食事をしていないように見受けられる。
多分、彼女達を玩具にしていた貴族悪魔のせいだろうが、今はその怒りを抑える。
空腹のお腹にこってりしたものは、却って消化に悪い。
だから、ここは消化にいい暖かい料理を作るとしよう。
だから……
「お粥にしよう」
これなら、今の黒歌達でもスムーズに食べられるだろう。
と言う事で、早速調理開始。
敢えて省略するが、調理自体は思ったよりも順調に進んでいった。
「オーフィス、塩を取って」
「わかった」
トテトテと調味料が入っている箱があるところに向かい、塩の入ったタッパーを持ってきた。
「ん」
「…よく分かったね?」
「書いてあった」
「それもそっか」
流石に書いてあるなら分かるか。
ちょっと子供扱いしていたかも。
その後もオーフィスのお陰で、思ったよりも早く調理は進んでいった。
「味噌」
「ん」
「味見をするか……ん」
「どう?」
「うん、美味しい」
「我も」
「いいよ」
「あむ…」
「どう?」
「美味しい…」
「よかった」
こんな感じ。
誰かと一緒に料理を作るなんて初めてだから、なんかちょっと楽しい。
「なんか…違和感が無いですね」
「全くだにゃ…。髪の色とかも一緒だし、まるで親子みたいだにゃ」
お…親子とな!?
私はまだそんな歳じゃないよ!?
「…聞こえてるからな?」
「にゃんと!?」
でも…私の歳か…。
たしか、ゴッドイーターの主人公って、コウタと同い年か少し上だって言ってたな…。
だったら…。
「一応言っておくが、私はまだ15歳だ」
「「ええっ!?」」
おい、そのリアクションはなんだ。
二人の反応を怪訝に思いながら、私はおかゆの入っている器の蓋を閉めた。
「だって、15の女の子にしちゃ、背が高すぎるにゃ!」
「どう見たって、身長170以上はありますよ…」
そう言えば、自分の身長体重なんて調べた事なかったな。
なんでか、この家には体重計だけじゃなくて身長測定なんかに使う道具もあるからな。
今度試しに測ってみるか。
絶対に足長おじさんが置いたものだろうけど。
そんな事を考えているうちに、全員分のお粥が出来上がった。
私は火を止めてから、トレーにまずは二人分のお粥を乗せた。
「これは熱いから、私が運ぶ」
「ん、わかった」
私はお粥をテーブルまで運んでいって、黒歌と白音の前に置いた。
「なんか…凄く美味しそうな匂いが漂ってくるにゃ…」
「口の中が涎で一杯です…」
キッチンに戻り、私達の分のお粥をトレーに乗せて、リビングに向かう。
「これでよし…と」
私達の分のお粥もテーブルに並べてから、私とオーフィスは席に着いた。
その際、オーフィスがいつの間にか持っていた梅干しの入っているタッパーと人数分の箸を一緒に置いた。
「それじゃ…」
私は目の前で手を合わせる。
それに続くようにして、黒歌と白音も手を合わせた。
「…?それ、何?」
「これは、ご飯を食べる前にする挨拶みたいなものにゃ」
「自分の血となり肉となる食材に感謝を込める意味があるんだ」
「わかった」
説明を聞いて納得したのか、私達の真似をするようにオーフィスも手を合わせた。
「「「いただきます」」」
「い…ただきます?」
まだ熱いが、握れない程ではない蓋を開けて、おかゆを御開帳する。
中からは、とてもいい匂いが鼻孔を刺激する。
それに続くように、皆も蓋を開ける。
「「うわぁ…」」
今回は、お粥はお粥でも、卵粥にしてみました。
そして、隠し味としてちょっぴり味噌を加えてみた。
「さ…早速いただくにゃ…」
「どうぞ」
黒歌がぱくりと一口粥を口にする。
「お…美味しいにゃ!このお粥、滅茶苦茶美味しいにゃ!」
「それに…とても暖かいです…。まるで、体の芯から暖まるように…」
好評なようでよかった。
二人の満足そうな様子を見て、私もお粥を食べることにした。
うん、美味しい。
「オーフィス、どうだ?」
「ん、おいしい」
彼女は、ほっぺたにご飯粒を付けたまま答えた。
その顔は相変わらず無表情だが、心なしか嬉しそうにも見える。
「ご飯粒」
「ん」
仕方がないので、ご飯粒を取ってあげる。
「「………」」
な…なによ?
じっとこっちを見て…。
「「お願いだから、違和感仕事をしてください」」
「まだ言うか」
そんなに老けてるかなぁ…。
流石にショックだぞ?
私が何気に傷ついていると、ポケットの中のスマホに着信が来た。
「あ…」
私に掛けてくる奴なんて、現状一人しかいない。
食事の手を止めて迷わず着信に出ると、聞きなれた声が聞こえてきた。
『やっほ~!君の足長おじさんだよ~!』
「…切るゾ?」
『ご…ごめんって!ちょっとした冗談じゃん!』
アンタの冗談はなんかムカつくんだよ。
「…で?何?」
『その前に、スマホをスピーカーにしてくれる?』
「…?わかった」
なんなんだ?
私はスマホを操作して、スピーカーモードにした後、テーブルの中央に置いた。
「ん?どうしたのかにゃ?」
「私にもわからない」
こっちの方が知りたいぐらいだしね。
『あーあー…テステス。聞こえてる~?』
「ああ、大丈夫だ」
『よかった。え~…ごほん。黒歌ちゃんに白音ちゃん…だったかな?』
「ふ…ふぇっ!?」
「な…なんで私達の名前を?いや、それ以前に誰ですか?」
『僕は足長おじさん!そこにいるマユちゃんの後方支援者さ!』
「こ…後方支援者?」
『そう!彼女を色んな場所に送っているのも、僕なんだよ!』
「じゃあ…マユさんが神出鬼没と言われているのは…」
『僕の仕業ってわけ!ま、僕自身も場所を特定して送っている訳じゃないけどね』
「そうなのか?」
てっきり、予めアラガミの出現場所が分かってて、その上で転移していると思ってたけど…。
『僕は、
そう言う絡繰りだったのか。
道理で色んな場所に飛ばされるはずだ。
「…ちょっと待て。出現場所が時々空だったりするのも、ランダムだからなのか?」
『…………テヘペロ♡』
「もしも会うことがあったら、絶対殴る」
『ふ…ふ~んだ!電話越しにじゃ殴れないもんね~!』
明らかに怖がってるだろ。
声が震えてるぞ。
「そろそろ、何の目的で掛けてきたのか言ったらどうだ?」
『あ…そうだった』
忘れるなよ。
『実は、密かに君達の事を見てたんだけど、なんとかして安全に外出出来るようにしてあげたいんだって?』
「ああ。その方法を考えてる」
『それなら、僕にお任せあれ!』
大声で足長おじさんが叫ぶと、テーブルの横に魔法陣が展開された。
って…何気にとんでもない事言わなかったか?
ストーキングでもしてるのか?
「ま…魔法陣!?」
魔法陣の中央に、マイナスイオンとかを発生しそうな、通販とかで売ってそうな銀色の首飾りが2個現れた。
「これは…?」
『認識阻害首飾り~!』
…なんじゃそりゃ。
『簡単に言うと、この家に掛けられている結界を個人に発生させるマジックアイテムさ!』
途端にファンタジーに足を突っ込んだな。
『これさえつければ、君達の存在を人間に見えるようにカモフラージュ出来るよ!』
「「ええ~…」」
あ、明らかに疑ってる。
ジト目をしながら箸を動かしてるし。
『あ~?疑ってるな~?』
「そりゃ、疑うにゃ」
「どこから見ているかもわからない謎の人物の言う事を、そう簡単に鵜呑みには出来ません」
そりゃそうだ。
けど……
「大丈夫」
「「え?」」
「この人の事は
そう、
自分でも分からないが、
「…マユがそう言うなら、私も
「私もです。マユさんが信じているなら、
『ふふ…ありがとう(どうやら、思った以上に
二人は席から立って、首飾りを手に取って、首に付けた。
「…これでいいのかにゃ?」
「なんか…全然変わらないような気がしますけど…」
『自分達じゃ実感しにくいものさ。でも、ちゃんと発動してるよ』
そうなのか…。
そう言った知識が無いから、よく分からん。
『でも、気を付けてね?それの効果があるのは最大でも魔王クラスまでだから。それ以上の存在…例えば、目の前にいるオーフィスちゃんとかには通用しないから』
「そうなのか?」
「ん。我には二人は猫又に見える」
さっき以上に口の周りにご飯粒をくっつけながら、オーフィスちゃんが答えてくれた。
「いやいやいや…」
「充分すぎますよ…」
私もそう思う。
魔王以上の存在なんて、滅多にいないでしょ。
『そうそう。ドライグにも言う事があるんだった』
『ん?なんだ?』
『実は、これからしばらくの間、君達との接触を断とうと思うんだ』
『いきなりだな…』
『こっちにも色々と事情があってね。それで、僕の持つ転移能力や結界展開能力なんかを君に移行したいと思うんだ。その能力で、これからも彼女をサポートして欲しいんだ』
『言われるまでも無い。既に覚悟は決めている』
『その言葉を聞けて安心したよ』
どうやら、ドライグの能力が拡張されたようだな。
主にサポート方面に。
『それじゃ、僕はそろそろお暇するよ。食事の邪魔をしちゃ悪いからね』
「心配しなくても、食べながら話してる」
『ちぇっ…。いいないいな~!マユちゃん特製のお粥、美味しそうだな~!』
「実際、凄く美味しいにゃ」
「今まで食べたお粥の中じゃ、一番美味しいです」
『ふ~んだ!いいも~んだ!僕の目の前には出来立てほかほかの佐世保バーガーがあるもんね~!』
拗ねたように通話が切れた。
「…なんだったのかにゃ?」
「意味不明な人でしたね。この首飾りは有難いですけど」
いつもの事とはいえ、あのテンションにはついて行けないな…。
「ドライグは、あの人がどんな人物なのか知っているのか?」
『いや…。俺も詳しくは知らないんだ。分かっているのは、あいつが神に匹敵する超絶的な能力を持っている事と、自ら動くようなことは決してしないという事だけだな。正体については全然分からん』
「そうか…」
私を転生させたぐらいだし、普通じゃないのは確実だろうな。
いつか、直に会う機会があるのだろうか?
そんな事を思いながら、私は食事を続けた。
途中、ご飯粒を付けたオーフィスちゃんの世話をして、その度に猫姉妹にからかわれた。
けど、不思議と不快じゃなかった。
久方振りに誰かと一緒に食事をしたからだろうか?
転生してから、一番楽しい食事だった。
食事が終わった後、今度こそ手伝うと言い出した黒歌と一緒に食器を洗い、皆で食後のお茶を堪能していた。
「このお茶も美味しいにゃ~」
「落ち着きます…」
二人共、ほっこりとした表情をしている。
そんな顔をされると、こっちも嬉しくなる。
「あ…そうだ。何か話があるんじゃなかったか?」
「ん。そうだった」
言い出した本人が忘れてたんかい。
「我、静寂が欲しい」
「「「静寂?」」」
随分と漠然としたものが欲しいんだな。
「でも、グレートレッドいるせいで帰れない」
「自分の住み家にか?」
「違う。次元の狭間」
「「「は?」」」
次元の狭間?
何処だそりゃ?
「だから、ゴッドイーターと一緒にグレートレッド倒す。そして、静寂手に入れる」
「ま…待ってくれ。話について行けない…」
頭がこんがらがってきたぞ…。
「ドライグ。グレートレッドとは何者だ?」
『簡単に説明すれば、最強の力を持つ龍の中の龍。真の赤龍神帝と呼ばれる、夢幻を司る龍だ。無限を司るオーフィスとは対になる存在ともいえるな』
オーフィスちゃんの対になる龍…か。
そんなに乱暴な龍なのかな?
『だが…アイツはそんなに粗暴な龍だったか?少なくとも、龍の中では珍しく思慮深い性格だった筈だが…』
「そうなのか?」
『そうだった筈だ。最強の実力を持っていると自覚しているが故に、自ら戦いを挑むことは殆ど無い。受けた勝負は絶対に買うがな』
いくら大人しくても、そういう所は龍なのね。
「けど、事実。グレートレッド、我を次元の狭間から追い出した」
「う~ん…」
思慮深いのなら、意外と話し合いで何とかなるんじゃ?
大体、私なんかが最強の龍に勝てるわけないじゃん。
最初に会った時のドライグも相当な大きさだったよ?
龍の中の龍って事は、確実にあの時のドライグ以上に大きいんでしょ?
私が戦える最大の大きさは、ウロヴォロスが限界だよ。
それ以上は専門外。
「オーフィス。まずは話し合って…「早く行く」……え?」
オーフィスが急かすように言うと、私の身体が急に光り出した。
この感じは…まさか…!
次の瞬間、私はオーフィスちゃんと一緒にどこかに転移した。
今回はなんだか日常回みたいになってしまいました。
次回は、グレートレッドが登場?
性格とか一人称とかよくわかんないから、完全にオリジナルになりますが。
では、次回。