本当に、ありがとうございました!
アラガミとの戦いから自宅に帰還すると、靴はいつの間にか脱げていた。
相変わらず細かい所がご都合主義だな。
体についた血糊はそのままだけど。
窓の外は真っ暗になっていて、結構長い間戦っていたことが分かった。
「まずはシャワーで身体を流さないと…」
そう思って部屋を出ようとすると、ポケットの中のスマホが震えた。
条件反射的に取り出して通話に出る。
「はい?」
『あ、僕僕』
「僕僕詐欺か?」
『違うよ!君の大好きな足長おじさんだよ!』
「別に好きじゃない」
顔も見た事も無いのに、好きも何も無いでしょうよ。
「で…何?早くシャワーを浴びたいんだけど」
『そう言えば、今の君は色々と汚れていたね。いいよ、女の子をそのままにしておける程、僕も鬼畜じゃないさ。まずは体を洗ってスッキリしてきなよ』
「言われなくてもそうする」
私は一旦通話を切って、シャワーを浴びに行った。
勿論、着替えをちゃんと持って。
神器はアタッシュケースに収納して。
その際、着ていた服は洗濯機に放り込んだ。
シャワーを浴びて、身も心もスッキリした後、持ってきていた服に着替えてから部屋へと戻った。
もう暗くなっているので、部屋の電気をつける。
これだけで、かなり安心する。
因みに、着ているのはランブルサマカジとハルシオン高体操着(下)だ。
部屋に戻るとすぐに、またスマホが鳴った。
「もしもし?」
『やっほ~!スッキリしたかい?』
「お陰様で」
『それはよかった』
お前は親か!とツッコみたくなったのは、気のせいだろうか。
『実はね、君が戦いに行っている間に色んな物を用意しておいたんだよ』
「色んな物?」
『うん。机の上に大きめの封筒があるでしょ?』
「ああ…これか」
確かに、机の上には市販で売っているようなA5サイズの封筒があった。
『中を見てみて』
封筒を開けて中身を見てみると、中には色んな書類と通帳、印鑑があった。
『まずは君の戸籍が必要だと思ってね』
書類は、私の戸籍に関する物と、どこかの高校に入学する為に必要な書類だった。
『君にはいずれ、この町にある高校に通って貰おうと思ってるんだよ』
「でも…腕が…」
この腕で普通の高校は難しいでしょ…。
『その辺は大丈夫。ちゃんと手袋を用意するから』
「それなら…いいのか?」
ま、今回もそれで誤魔化せたし…別にいいか。
『それと、生活にはやっぱり、先立つものが必要でしょ?』
「ごもっとも」
それで、この通帳か。
一体いくら入っているのか、ドキドキワクワクしながら通帳を開ける。
すると、そこには我が目を疑うような額が刻まれていた。
「な…なんだと…!」
通帳には【5000000】と書かれていた。
「ご…五百万って…」
『君は命懸けで人類の脅威と戦ったんだよ?これぐらいの報酬ぐらいはあってもいいでしょ?』
「しかし…この額は…」
ぶっちゃけ、前世の私の年収を軽く上回ってるんですけど…。
『これから、毎月これぐらいの額を入金するから』
「嘘だろ…?」
これなら、ちょーよゆーで暮らせるんですけど…。
しかも、敷金礼金や光熱費は無いんでしょ?
「どんだけ…」
『ま、確かにやり過ぎかもしれないけど、これは僕が好きでやってる事だから、気にする必要は無いよ』
「……わかった」
これはこれで納得しないと、話が終わらないな…。
『最後に、君にとっておきのご褒美があるんだ!』
「今度はなんだ…」
もう、何が来ても驚かないぞ…。
『まず、左腕を前に突き出して』
「は?」
『いいから』
なんなんだ…。
疑問に感じながら、私は渋々と左腕を前に出した。
こうしてみると、この腕ってつくづくグロテスクだよなぁ…。
左腕限定で完全にアラガミ化してるんだから、仕方が無いんだけどさ。
『次に、君が最も強いと思うものを頭の中で想像してみて』
「わ…わかったよ…」
さっきから私に何をさせようとしてるんだ…?
強いもの…か。
私の中で強いものと言えば…。
(リンドウさんか…ソーマかな…)
ふと、頭の中に戦闘中のリンドウさんとソーマの事を想像する。
すると……
「なっ…!?」
急に左腕が光り出し、それが収束すると、異形の腕に刺々しい龍の鱗を彷彿とさせる深紅の籠手が装着されていた。
手の甲の部分には、緑色の宝玉が装着されている。
「なに…これ」
『それは『
「セイグリッド・ギア…?」
『う~ん…詳しく話すと長くなっちゃうけど、簡単に言えば、神様が人間達に与えた秘密兵器ってところかな?』
「秘密兵器…」
訳が分からないけど、役に立つものである事は確か…かな?
『その籠手の能力はね、【10秒ごとに様々な能力を倍化する】と言うものだよ』
「倍化…」
それって、かなり凄くない?
しかもこれって、ちょっとした防具にもなりそうだし。
『おい。俺はいつまで黙っていればいいんだ?』
『おっと、ごめんね。ついつい忘れていたよ』
籠手から声が聞こえる。
しかも、この声って…
「あの時の赤い龍?」
『ドライグだ。一発で覚えろ』
ああ、そうだった。
ちょっと忘れてたよ。
『それが、さっき言った君への【ご褒美】だよ』
『俺を勝手に褒美にするな』
『え~?別にいいじゃん。君だってまんざらじゃないんでしょ?』
『それは…』
『心配しなくても、彼女は間違いなく歴代で最強の赤龍帝になるよ』
『それに関しては心配はしていない。こいつの戦いを近くで見ていたからな』
そう言えばそうだったね。
あの時は夢中だったから、すっかり頭の隅から消えてたけど。
「ところで…どうしてこんな姿に?」
『詳しい経緯は省くが、俺は三大勢力の連中に封印されて、こんな姿になってしまっている』
「ふ~ん…」
あんな大きな龍を封印するなんて、あのお兄さんたちも中々やるもんだね。
少しだけ見直したよ。
『これからは、彼が僕の代わりにサポートをしてくれるよ。主にアラガミの出現を感知したりとかね』
「お前は?」
『僕は、必要な時にこちらから連絡するようにするよ。基本的には、ドライグと一緒に頑張ってほしい。ドライグもそれでいいかい?』
『いいだろう。俺としても、こいつの行く末には興味がある』
『そう言って貰えて良かったよ』
これからはドライグがナビゲーター代わりか。
それはそれでいいかもな。
『それと、君の神機を赤龍帝の籠手に収納出来るようにしたよ』
「おお…」
それはありがたい。
神機をいつでも取り出せるのは、とてもいい。
『試しに、神機を籠手に当ててみて』
「了解」
アタッシュケースから神機を取り出して、籠手に持ち手の部分を当てる。
すると、神機が眩しく発光して、籠手に吸い込まれるように消えていった。
『お前が言えば、いつでも出してやる。それと、装備の変更もな』
「…出してみてもいい?」
『ああ』
籠手の宝玉が光ると、神機が収納した時と同じような感じで出現した。
だが、少しだけ違っていた。
「色が違う…」
本来なら青い筈のカリギュラ装備が、真っ赤に染まっていたのだ。
これではまるで、ルフス・カリギュラ装備のようだ。
『恐らく、俺の影響を受けたせいだろう。別に色が変わっても、性能に変化は無い筈だ』
「そう…」
ま、この色も嫌いじゃないからいいけど。
一応の確認が出来たから、私は再び神機を収納した。
「この籠手を収納する時も?」
『同じ感覚で構わない』
少し精神を集中すると、籠手が光って消えた。
「おお~…」
『これで大丈夫だね』
「ああ」
『僕はそろそろ失礼するよ。今夜はゆっくりと休んでね』
通話が切れた。
「…寝るか」
多分、明日以降もアラガミとの戦いが待ってるだろうしな。
私は、ベットに入って大人しく寝ることにした。
相当に疲れていたのか、転生初日の夜は、ぐっすりと眠ることが出来た。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
冥界のグレモリー領内にある森の中。
そこで、一人の幼い少女が散歩をしていた。
少女の名はリアス・グレモリー。
魔王であるサーゼクス・ルシファーの実の妹で、冥界における名家であるグレモリー家の娘でもある。
「空気が美味しい…」
現在、彼女の両親は用事でおらず、兄のサーゼクスは他の魔王と会議の真っ最中である。
幼い彼女にとって、大人達の話は退屈極まりない。
故に、こっそりと屋敷を抜け出して、こうして森の中を散策しているのだ。
「はぁ…お父様もお母様もお兄様も…少しは構ってくれてもいいじゃない…」
名家であるが故に、家族は毎日のように忙しい。
特に、魔王と言う立場にいるサーゼクスは非常に多忙だ。
「私も…大人になったら、あんな風に忙しくなるのかしら…」
周囲の大人の姿を見て、急に自分の将来が心配になるリアス。
自分が普通の身分でないのは幼心に理解はしているため、その落ち込みようはさらに深くなる。
その時だった。
付近の草むらが少しだけ揺れた。
「あら…?何かいるのかしら?」
子供故の好奇心で、草むらを覗くリアス。
だが、それが彼女の命を危機に晒すことになろうとは、その時の彼女には想像もしなかった。
リアスの身体が謎の影に覆われる。
反射的に上を見上げると、そこには…大きな牙を持つ異形の獣がいた。
その体には腕部に該当する部位が無く、鬼の顔のような巨大な尾を持つアラガミ…オウガテイル。
そのオウガテイルが草むらから飛び出し、リアスに襲い掛かった!
「ひっ…!?」
余りの恐怖に、悲鳴すら上げられず、その場に座り込んでしまう。
完全に腰が抜けてしまい、身動きが出来ないリアス。
絶体絶命のピンチだった。
「だ…誰か…助けて…!お兄様……!」
目尻に大粒の涙を浮かべ、兄の名を呼ぶ。
だが、彼は現れない。
そんな彼女を無視して、ゆっくりと近寄るオウガテイル。
その口が大きく開かれ、リアスの眼前に近づいた……その瞬間…
「ドライグ!!」
【Boost!】
その左手に赤い籠手を装着した少女が、オウガテイルを全力で殴り飛ばした。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
あ…危なかった…。
転移してからすぐに女の子の悲鳴が聞こえたような気がしたから、慌てて行ってみると、まさかオウガテイルがいるなんて。
オラクル細胞によって強化された聴力に感謝だな。
オウガテイル……神機使いにとっては正真正銘の雑魚中の雑魚だが、あんな小さな女の子にとっては恐怖の対象以外の何物でもないだろう。
本当に間に合ってよかった。
私は急いで女の子の傍まで行き跪くと、よっぽど怖かったのか、体全体を大きく振るわせて、悲鳴すら上げらない程に脅えている。
「怪我はない?」
「う…うん…」
出来るだけ優しく言ったつもりだったんだけど、意味なかったみたいだ。
仕方ない…。
「大丈夫……私がついてるから…」
「…!」
私はゆっくりと彼女を抱きしめた。
そして、その赤い髪を静かに撫でる。
「う…うわぁぁぁぁぁぁぁん!!怖かったよぉぉぉぉぉぉ!!」
「そうだね。よく頑張ったね」
「ひくっ……お姉ちゃぁぁぁぁん…」
「うん。ここにいるよ」
これでいいのかな…?
小さな子供をあやした事なんて無いから、よくわかんないや。
すると、殴り飛ばしたオウガテイルがのそのそと立ち上がった。
いくら赤龍帝の籠手とは言え、神機での攻撃でない以上、効果は薄かったか…。
「しっかりと捕まって」
「う…うん」
女の子は私の服にしがみつく。
因みに、今回の私の服はFSATグリーンの上下セットだ。
動きやすさ重視にしてみました。
これなら、左腕も全体的に覆えるしね。
私は神機を前方に構え、女の子は左腕で支える。
『相棒!増援が来たぞ!』
「マジ…?」
周囲を見渡すと、草むらからオウガテイルが次々と出現する。
その数、大体6体程。
これぐらいなら楽勝だけど、女の子を庇いながらだしなぁ…。
ま、なんとかするしかないか。
「ドライグ、ショートに変更」
【Short!】
ドライグの音声と共に神機の刀身が光り、刃がショートブレードであるクラウディアに変更された。
これなら片手でもいける。
「目…瞑ってて」
「うん…」
女の子は私の腕の中でギュっと目を瞑る。
その仕草が可愛くて、ちょっとだけ和んだが、すぐに思考を切り替えた。
私は一気に飛び出し、眼前にいるオウガテイルを切り裂く。
勿論、その際には返り血が女の子にかからないように考慮して。
オウガテイル自体の耐久力は低く、すぐに倒せるが、やはり誰かを庇いながらの戦闘と言うのはやりにくい。
タツミさん達、防衛班の人達はいつもこんな感じで戦っているのか…!
本当に…凄い人達だよ…!
「次…!」
オウガテイルがこっちに向かって突撃したり、その尾から棘状の弾を飛ばしてきたりするが、余裕で躱す。
だが、こちらが全力で動けば女の子にも大きく負担がかかることになる。
だから、必然的にこっちの動きは制限されてしまう。
けど……
「やるしかない…」
覚悟を決めてから、突撃してきたオウガテイルをカウンターの要領で切り裂く。
片手では銃形態は使えない為、ヒットアンドアウェイの要領で立ち回っていった。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
会議が終わったサーゼクスは、妹のリアスを迎えに行ったが、与えられた部屋に彼女はいなかった。
「リアス…?」
開いている窓を見て、嫌な予感がした彼は、急いで会議場の付近を捜索する。
すると、近くの森の中から、戦闘音のようなモノが聞こえてきた。
「これは…まさか…!」
自分の嫌な予感が的中したことを感じたサーゼクスは、すぐに森の中へと入っていった。
そこでは、妹のリアスが見覚えのある少女に抱きかかえられていた。
少女は、右手には嘗て見た武器(刀身と色は違っている)を持ち、左腕には深紅に輝く籠手を装着して、見た事も無い異形の獣と戦っていた。
「彼女は…!」
サーゼクスは忘れてはいなかった。
あれからかなりの歳月が経過したが、少女の鮮烈な存在感と力は忘れようがなかった。
予想外の光景に呆けていたサーゼクスを他所に、少女の無双は続いていく。
リアスを庇いながら戦っていると言うのに、彼女の動きには全く迷いが無い。
不利とも言える状況の中でも、彼女の強さは劣ることは無かった。
そして、彼女の戦いは終わりを迎えた。
「これで…ラスト」
最後の一体を切り裂くと、少し離れた場所に移動して、ゆっくりとリアスを降ろした。
「もう…いいよ」
「うん…」
命を救われたせいか、リアスは彼女に懐いているように見えた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
ちょっとだけ苦労したけど、なんとか殲滅出来た。
オウガテイルの死骸から離れて一息ついていると、見たことがあるような人物がやって来た。
「リアス!」
「お兄様!」
あれって…あの時のイケメンさんだよね?
お兄様って……あの子はあの人の妹って事?
女の子はイケメンさんに走って行って、抱き着いた。
「よかった…無事で…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
うんうん。
やっぱり兄弟は仲良しが一番だ。
ここに私がいるのは無粋だな。
神機使いはクールに去るぜ。
「待ってくれ!」
「え?」
お兄さんがいきなり私を引き留める。
なんじゃらほい?
「君は…あの時のゴッドイーター…なのかい?」
「それは…」
これはイエスと言うべきか?
「……そうだ」
「やはりか…」
あ、お兄さんがこっちに近づいてくる。
「妹を救ってくれてありがとう。君にはまた助けられてしまったね」
「別にいい。私は私の役目を果たしたに過ぎないから」
「君の役目…?」
「そう。だから、気にしなくていい」
「それでも…君に僕達が助けられたのは事実だ」
しつこい人だな…。
本人が気にするなって言ってるのに。
「けど、君は本当に何者なんだ?君は人間のようだが、君が最初に冥界に現れてから既に数百年が経過している。それなのに、君の姿は全く変わらない。それに…」
え?冥界?
あ、そう言えば空が紫だ。
そうか…ここって冥界なんだ…。
冥界ってあの世じゃなかったっけ?
それに、あれから数百年が過ぎてたんだ。
あれって、かなりの過去だったんだな。
なんでかすんなりと納得してるけど。
「その籠手は…赤龍帝の籠手だろう?」
「まぁ…」
「君が…現代の赤龍帝になった…という事かい?」
『その通りだ』
うわっ!
いきなり割り込んでこないでよ。
「この声は…!」
『久し振りだな、赤髪の魔王よ』
「そうだね…」
『お前の言う通り、この娘こそが今の赤龍帝だ。そして、歴代最強の…な』
「確かに…彼女の能力に赤龍帝の力が加われば、鬼に金棒だ」
『なんであの時会った我等がこんな事になっているかは言えんが、この娘に敵対する意思が無いのは俺が保証しよう』
「赤龍帝の言葉ではイマイチ説得力に欠けるけど…彼女が邪悪な存在では無いのは、その戦いを直に見た僕達が一番よくわかってるよ」
『それならばいい』
いいのか。
「…あれからずっと…また君に会いたいと思っていたよ」
「そうか…」
なんか…凄く澄んだ瞳で私の事を見てくるんですけど?
しかも、いきなり私の手を握ってきたんですけど?
籠手越しだけど。
「君に…どうしても言いたいことがあってね…」
「何…?」
うぉう…。
なんか、超真剣な表情なんですけど?
「僕の…眷属になって欲しい」
「………はい?」
眷属?
なにそれ?
「君の為に、わざわざ『女王』の枠を開けているんだ」
「そう言えば、グレイフィアは『僧侶』だったわね」
グレイフィアって誰?
それに、女王と僧侶って?
チェスの駒の事を言ってるの?
状況が分からず、そんな事を考えていると、その時はやって来た。
「この光と魔法陣は…!」
「お姉ちゃんが…消えていく…」
「…また…行ってしまうのかい?」
「そのようだな」
『我等には為さねばならない事があり、戻るべき場所がある。いつまでもここにはいられん』
「そうか……」
ちょっと…そんなに落胆しなくてもいいんじゃない?
なんか罪悪感が半端ないんですけど。
「出来れば…君の本当の名前を聞きたかったけど、時間が無いか…」
「ああ…」
「また…会えるかな?」
「貴方が望めば……きっと会える」
何を言ってんだ私は!
全く根拠も無い癖に!
「そうか……。ならば、君にまた会えるように強く願い、望むよ。この想いを止めることは…出来そうにないからね」
「私も願う!お姉ちゃんにまた会いたいから!」
「そうか…」
うぅ…。
嬉しい事を言ってくれるじゃない。
前世ではそんな事は全然言って貰えなかったからね。
純粋に嬉しいよ。
「最後にもう一度言わせてくれ。リアスを助けてくれて、本当にありがとう!」
「お姉ちゃん!ありがとう!」
「どういたしまして」
嬉しそうに微笑む兄妹を見ながら、私は家へと転移していった。
今度はどんなアラガミと戦うのかな?
って…もう完全に思考パターンが神機使いになってるな…。
あんまり疲れてはいないけど、今日もゆっくりと休もう。
次はどんな事があるか分からないからね。
休める時にちゃんと休んでおかないと。
今回の話で分かるかもしれませんが、この作品は所謂逆ハーレムものです。
前回から今回に掛けて、まずはサーゼクスに対するフラグが立ちました。
さて、次は誰にフラグを建てるでしょうか?
では、次回。