神を喰らう転生者   作:とんこつラーメン

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ここから遂に原作突入です。

今思えば長かったですね…。

そう言えば、皆さんは年末はどうお過ごしですか?

私はいつものように、のんべんだらりと過ごしています。

あ、大掃除しなきゃ…。



全ての始まり ~神機使いとシスター~
第19話 最上級生になりました


 私が転生をしてから、もう二年近くが経過する。

もう殆ど前世の『記憶』は無い。

 

二年目の年末も相変わらずの感じで過ごした。

 

そうそう。

新年に入ってから、受験に備えて足長おじさんから黒歌達の戸籍が届いた。

正直、今更かよ!?と思ったが、あの人のやる事にいちいちツッコんでいたらキリがないので、言うのはやめておいた。

 

黒歌と白音の苗字は何故か『塔城』だった。

足長おじさん曰く、『今、自分が呼んでいるラノベに出てくるキャラの苗字から取った』との事。

かなり適当な決め方に呆れてしまったが、本人達がこれでいいと言ったので、私は自分の言葉を飲み込んだ。

 

猫又姉妹の方はそれでよかったが、問題は龍神っ子達の方だった。

 

なんと!戸籍上においてオーフィスちゃんとグレートレッドが私の妹になっていたのだ!

因みに名前は『闇里オーフィス』と『闇里レド』。

オーフィスちゃんの方は語呂的にも違和感は無かったが、グレートレッドの方は流石に違和感があったのか、名前を略していた。

 

これを見た二人が、こんな会話をしていた。

 

「ほほぅ?我等がマユの妹になっておるぞ!」

「妹?我はマユの妹?」

「ここには、そう書いてあるな」

「マユが我の姉…」

「ならば、これからはマユの事を『お姉ちゃん』と呼ばなければな!」

「わかった。我、マユの事をお姉ちゃんと呼ぶ」

「と、いう訳で…」

「「よろしく頼む。マユお姉ちゃん!」」

 

こんな感じで、図らずも私にいきなり二人も妹が出来てしまった。

まぁ…私自身は別に嫌じゃないし、こんなに可愛い妹達なら大歓迎だ。

 

そんな事がありつつも、私達は相変わらずの日常を送っていった。

 

そして、白音が遂に初受験を迎えた。

 

とても緊張していたが、私達で励ますと、途端にリラックスしたようで、笑顔で受験会場に向かって行った。

 

その結果だが……勿論合格だ。

 

白音はとても喜んでいたし、勉強を教えた身としても鼻高々だった。

 

4月に入り、無事に入学式も終え(その際、黒歌が白音を見て号泣していた)、名実共に白音は私の後輩になった。

 

それから少しだけ月日が過ぎ……

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 

「「いってきます」」

「いってらっしゃいにゃ」

「「いってらっしゃい」」

 

こうして、一緒に登校するようになった。

 

黒歌には二人分のお弁当を作って貰う事に対し、かなりの罪悪感があったが、本人は寧ろ嬉しそうにしていた。

 

どうしてか本人に聞くと、こうして日常を過ごせるだけでも充分過ぎるくらいに幸せなので、これぐらいは決して苦にはならない、らしい。

 

それを聞いた時、思わず込み上げてくるものがあった。

このキャラでは無かったら、絶対に泣いてたな。

 

二人並んで登校していると、校門付近でリアス、朱乃と合流する。

 

「おはよう。二人共」

「おはようございます」

「おはよう」

「おはようございます。グレモリー先輩。姫島先輩」

 

私達は並んで一挙に校舎へと向かう。

 

「おぉ~…朝っぱらから豪華な組み合わせだな…」

「駒王三大お姉さまに、話題の一年生の白音ちゃんだぜ…」

「お姉さま方……今日も素敵だわ…」

「今日も一日、いいことがありそう!」

 

この会話から分かるかもしれないが、入学して数週間で白音は一年生の中でも有名人となった。

この容姿に物静かな性格が加わって、魅力的に映ったのだろう。

私から見ても白音は可愛いと思う。

本人に言うと絶対に照れるけど。

 

因みに、三年になっても私達三人は一緒のクラスになれた。

これ絶対にサーゼクスさんが一枚噛んでるよ…。

 

「確か今日は体育があったわね」

「うふふ…。今回もまたお姉ちゃんの無双が見れるのかしら?」

「言わないでくれ…」

 

体育の授業がある日はいつも大変だ。

オラクル細胞の恩恵で、私の身体能力は凄まじい事になっている。

故に、本気で取り組むと、とんでもない事になるのだ。

まさか、手加減するのに全力を注ぐ事になろうとは、夢にも思わなかった。

もう三年目だから、流石に慣れたけどね。

 

「噂では聞きましたけど、やっぱりマユさんは学校でも活躍してるんですね」

「勿論よ。これからは貴女もお姉ちゃんの勇姿を見られるわよ」

「とても楽しみです」

 

リアスや…余計な事を言わないでくれ…。

お陰で、白音がキラキラした期待の目でこっちを見ちゃってるから…。

 

微妙に一抹の不安を感じながら、校舎に入っていった。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 1、2、3時間目が終了し、次は4時間目の体育だ。

今回の体育は他のクラスと合同で行う為、他のクラスの子達と一緒に女子更衣室に向かう。

その中には、私がよく知っているソーナもいた。

 

皆一緒に女子更衣室に入り、荷物をロッカーに入れる。

私の両隣にはリアスと朱乃が位置していて、リアスの隣にソーナが来ていた。

 

「くっ…!」

「悪いけど、早い者勝ちよ」

「次こそは…!」

 

何をやってんねん。

 

二人の会話を気にしていたらキリがない為、私は黙って着替えをすることにした。

 

いつものように制服を脱ぎ、下着姿になる。

普通なら絶対に恥かしがるだろうが、ここは女子更衣室で、私の精神は完全に女子になっている。

もうこの程度では狼狽えない。

 

「………ん?」

 

なんだ…?

急に静かになったけど…。

 

「お姉ちゃん……また、大きくなった?」

「な…何が?」

「色々と…よ」

 

そう、三年になってから、また私の身体はまた成長していたのだ。

バストとヒップは大きくなり、反対にウエストはほんの僅かだが細くなった。

そして、遂に身長が180cm台に突入してしまった。

身体測定でこの結果を知った時、本気で落ち込んだ。

だって、身長180cmの女子高生って…どう考えたって普通じゃないでしょ!

どうしてこうなった!?

 

「背も高くて、スタイルも抜群で……」

「やっぱりお姉ちゃんは凄いですわ…」

「…………」

 

こらこら、君らの方がバストは大きいでしょうが。

そしてソーナちゃんや。

私の事をジッと見つめるのはやめてくれないかい?

 

なんか妙な空気が更衣室内に流れそうになっていると、何処からか変な視線を感じた。

 

体操服を出しながら、私は静かに耳を澄ました。

すると……

 

(おいおい…!マジでスゲェな!)

(ああ!リアス先輩も朱乃先輩もスゲェけど、マユ先輩も負けてねぇよな!)

(ところで松田よ。お前のスカウターはどれぐらいの数値を示している?)

(現在のマユ先輩の戦闘力(バスト)は約89cmと推定)

(は…89!?遂に先輩もリアス先輩達クラスに近づきつつあるのか…!)

 

……そろそろ言うべきかな…。

 

私が意を決して言おうとすると…・・・

 

「あ~!アンタ達、なに覗いてるのよ!!」

「げ!ヤバい!?」

「に…逃げるぞ!!」

 

あ…逃げていった。

あの二人を追いかけるようにして、一部の女子達が彼等を追いかけていった。

 

「全く……この学園で覗きなんて、良い度胸してるわね」

「同感ですわ。お姉ちゃんの着替えを覗くなんて……次はどんな目に遭わせようかしら?」

「すみません…。生徒会が不甲斐無いばかりに…」

「気にしなくてもいい。ソーナはよくやってる」

「マユさん……」

 

本当に彼女は頑張ってると思うよ。

正々堂々と生徒会長に立候補して、見事に当選したんだから。

今でも、生徒達や学園の為に頑張っているし。

いや…マジで偉い。

 

「はぁ……。嫌な事は早く忘れて、着替えましょ」

「そうだな」

 

もうすぐ授業が始まるので、私達は急いで着替えてグラウンドに向かった。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 放課後。

私と白音は一緒に旧校舎にあるオカルト研究部の部室に向かっていた。

 

そうすると、いつものように皆の目線が刺さる。

 

「あ!闇里先輩だ!」

「え?どこどこ?」

「あそこだよ」

「お、マジだ」

 

はぁ……私なんか見て何が楽しいのかしら?

 

「そう言えば知ってるか?」

「何をっすか?先輩」

「実はな、駒王三大お姉さまが去年あったミスコンのトップを独占したって」

「トップを独占!?どういう事っすか?」

「あそこを歩いているマユ先輩が一位になって、リアス先輩が二位、朱乃先輩が三位だったんだよ」

「成る程…。なんか凄いっすね」

「ああ。なんでも、マユ先輩とリアス先輩は僅差だったらしいぜ」

「でも一位なんですよね?やっぱ凄いっすよ!」

「事実、人気あるしなぁ…。しかも、本人は超美人だし」

「クールなお姉さまって感じですよね」

「だからだろうな。あの人って女子にもスゲー人気なんだよ。確実にここの生徒の何割かは百合に目覚めてるぜ」

「ああ~…なんか分かるかも」

 

……そう言えばそんな事もあったな。

 

あれは忘れもしない一年前…。

学園祭があった際にミス駒王コンテストと言うものが開かれて、いつの間にか私とリアス、朱乃がエントリーしていたのだ。

しかも、いつの間にかサーゼクスさんとグレイフィアさんが現れて、私達三人をコーディネートしたのだ。

そのせいか、実際のミスコンは殆ど出来レースに近かった。

だって、票数が私達三人に集中してたんだもん。

あれには本気でビビった。

結局は私が優勝しちゃったんだけど。

 

「あの時は凄かったですね。今でも鮮明に覚えてます」

「そうか……」

 

私は忘れて欲しかった。

 

「マユさん……とても綺麗でした」

「……照れるな」

 

褒められ慣れてないんだから、そう言うのはやめて欲しい。

悪意が無いのは分かってるけどね。

 

「なんか騒がしくなってきた。早く行こう」

「わかりました」

 

ちょっとだけ早足になって、旧校舎に急いだ。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 オカルト研究部の部室に入ると、そこには既にリアス、朱乃、祐斗の三人が揃っていた。

 

「いらっしゃい、二人共。座って頂戴」

「わかった」

「失礼します」

 

私達はリアスの正面側のソファーに座った。

 

「どうぞ」

「いつもありがとう」

「どうも…」

 

毎度のように朱乃の紅茶を口にする。

うん、いつ飲んでも美味しいな。

この味だけは変わらない。

 

「…美味しいです」

「ふふ…ありがとうございます」

 

どうやら、白音も気に入ったようだ。

 

「さて、塔城さん。貴女もここに入ってくれると言う話だったけど…」

「はい。マユさんが所属している以上、私が入らないわけにはいきませんから」

「あらあら…」

「本当に先輩は人気者ですね」

 

人気者…ね。

ただ、周囲の人達を大事にしているだけなんだけどなぁ~…。

 

因みに、白音も黒歌もリアス達が悪魔なのは知っている。

本人達も人外であるせいか、全然驚いていなかったけど。

 

「入部届けはちゃんと書いて、昼休みに生徒会室に渡しに行きました」

「そう。しっかりしてるのね」

「マユさんの隣にいる以上、当然の事です」

 

うん、別に胸を張るようなことじゃないからね?

 

「あら?お姉ちゃんの隣は渡さないわよ?」

「私もいる事を忘れないでくださいね?」

「勿論、僕もですよ」

「ゔ……流石はマユさんです。ライバルが想像以上に多い…!」

 

ライバルとはなんぞや?

 

「ご…ごほん!…では、改めて歓迎するわ。塔城白音さん」

「はい。これからよろしくお願いします」

 

こうして、白音もオカルト研究部の一員になった。

 

その後は、少しだけ話しをしてから解散した。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 私は現在、買い物袋片手に一人で帰路についていた。

と言うのも、白音と一緒に校門を出た辺りで黒歌からメールが届いたのだ。

その内容は、少し足りない材料があるので、帰りに買ってきて欲しいと言うものだった。

 

黒歌の頼みを断るわけにはいかないので、私は迷わず了解の返事をした。

その際、白音も一緒に行くと言い出したのだが、たいした量ではないので大丈夫と言って、先に家に帰した。

 

夕闇が目立ち始めた頃、私は嘗て衝撃的な出会いをした公園の近くに来た。

 

「ここは……」

『どうかしたのか?相棒』

「いや……この公園に来ると、いつも思い出すんだ…」

『何をだ?』

「……ミルたん」

『……!アイツか…』

 

あの時の事は一生忘れない。

だって、生身でアラガミと互角に戦うなんて誰が想像する?

この事をサカキ博士が知ったら、驚きの余り倒れてしまうかもしれない。

 

『未だに俺はアイツの事を人間と認めていないぞ…』

「あんなんでも一応人間だよ…………多分」

 

自信を持って言えない自分が情けない…。

 

「…ここ通るか」

『なんでだ?』

「何気にここって近道だし」

 

嫌な思い出があるからと言って、いつかは克服しなくてはいけないのだ。

避けるのはよくない。

 

私は公園に入っていく。

そして、例の噴水の場所まで行った時だった。

 

「……!?これは…」

 

いきなり、周囲の風景が暗くなったのだ。

 

『こいつは結界だな。偉く低レベルだが』

 

ドライグの辛辣な評価が飛び出る。

 

一応、周囲を警戒していると、上から気配がしたので見上げてみる。

すると、そこにいたのは……

 

「そこの人間……いきなりで悪いけど、死んでくれるかしら?」

 

ボンテージっぽい格好をした堕天使の女の子がいた。

 

この時の出会いが全ての始まりであったことを、この時の私は全く知らなかった。

 

そう……ここから全てが始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この年末に原作突入って…。

ある意味、キリがいいのかな?

ここから一気に物語は加速していく?

では、次回。

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