神を喰らう転生者   作:とんこつラーメン

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ゴッドイーターと言えばコラボ衣装だよね。

そんな話。


第12話 入学祝

 サーゼクスさん夫妻が突然、自宅訪問をして来た日の夜。

夕飯を食べ終わり、みんなお風呂も入り終わった後、ゆっくりとお茶を飲みながらまったりとしていた。

 

「なんか…今日は色んな事があったにゃ…」

「そうですね」

 

確かになぁ~。

 

高校に入学した日にリアスと朱乃に再会した挙句、その帰りにサーゼクスさんにも会ったし。

しかも、彼のお陰で黒歌の事がなんとかなりそうだし。

それを知った時の白音も非常に嬉しそうにしていた。

 

今日の事を思い返していた時、またまた私の携帯が鳴った。

こんな時は大抵が『アイツ』だ。

 

「…もしもし?」

『いやぁ~。何度も何度もゴメンね?』

「そう思うなら、掛けてくるなよ…」

 

有言実行ぐらいはしようよ…。

 

また何か言う気だろうと思って、私は毎度のように携帯をスピーカーモードにして、テーブルの中央に置いた。

 

「…で?何?」

『うん。さっき思い出したんだけどさ、君に言わなくちゃいけない事があったなぁ~って』

「言わなきゃいけない事?」

「それは何にゃ?」

 

確かに。

一体何を言い忘れたと言うんだ?

 

『マユちゃん』

「なんだ?」

『高校入学…おめでとう!』

「………へ?」

 

お…おめでとう?

 

『いや~。一応さ、僕が君を入学させた以上、最低限の礼儀としてこれぐらいは言わなきゃな~って思ってね』

「そう言えばそうだにゃ!」

「私達もすっかり忘れてました…」

「ん?めでたい事なのか?」

「我、分からない」

 

ま、龍神っ子二人は分からないかもな~。

確かに、一般的にはめでたい事だよね。

私に当てはまるかは微妙だけど。

 

「マユ!」

「ん?」

 

どったの?

 

「おめでとうにゃ!」

「おめでとうございます」

「おめでとうだ!」

「おめでとう?」

 

皆が一斉に私を祝福してくれた。

なんだろう……こうして言ってくれるだけでも…なんか…嬉しい。

オーフィスちゃんは疑問形だったけど。

 

「ありがとう…」

 

うぅ……我慢してなきゃ、速攻で泣いてたな…。

今だけ、このアバターで良かったって思うよ。

 

『それでね、君に僕から入学祝を送ろうと思うんだ』

「ほぅ?」

 

入学祝とな?

 

『まずはこのまま、君の部屋に移動してくれるかな?』

「…?わかった」

 

と言う事で、皆で私の自室に行くことにした。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 んな訳で、やって来ました私の部屋。

別にそこまで遠い訳じゃないけどね。

 

「来たけど…?」

「ここで何をする気にゃ?」

『まずは、以前神機を入れていたケースを出してくれるかな?』

「わかった」

 

実は、あのケースは初日以降、ずっと部屋の一角を占領していた。

そこまで邪魔にはならなかったけど。

 

「出したぞ」

『次は、神機を出して、ケースの中に入れて』

「…ドライグ」

『承知した』

 

赤龍帝の籠手を出して、いつものように神機を出した。

その後、神機をケースの中に入れた。

 

『ちゃんと閉めた?』

「ああ」

『んじゃ、その状態で10秒ぐらい待ってて』

「10秒…?」

 

なんで10秒?

 

そして、10秒後……。

 

『開けて』

「うん」

 

言われた通り、私はケースを開ける。

すると……

 

「こ…これは…!」

 

中に入っていたのは、別のパーツに換装した神機だった。

いつものカリギュラ装備では無くて、青緑色の機械的なデザインの神機パーツだった。

これは、アニメ版のゴッドイーターで主人公である空木レンカが使用していたヤツじゃないか…!

 

「リベリオンにストライバー…それにディソレイト…」

「なんか、パーツが変わったにゃ!」

「これも貴方がしたんですか?」

『まぁね』

 

本当に色々やるなぁ~。

それでも、この人を信じちゃってるから、私ってば怖いわぁ~。

なんでだろ?

 

『今まで、君は中型のアラガミと何回か戦ってきたね?』

「ああ」

『小型アラガミとは違い、中型以降のアラガミは『属性』が非常に重要になってくる』

「…?どう言う事なんだ?」

『簡単な事さ、グレートレッドちゃん。火属性のアラガミには氷属性の近接武器やバレットが効果的で、その逆も然りってわけ』

「ああ…成程」

 

その通り。

ぶっちゃけ、弱点属性を突くと突かないとではダメージは雲泥の差だ。

 

『けど、時には異なる属性のアラガミが同時に出現したりもする』

「だな」

「マユ、我にも教えて」

「いいよ」

 

私は皆の方を向いて説明した。

 

「例えば、火属性と氷属性のアラガミが同時に出現したとする。白音ならどうする?」

「え…?火は氷が弱点で、氷は火が弱点で……あれ?」

「そう。片方の弱点を突こうとすれば、必然的にもう片方の属性に高い抵抗力を持つ属性を持つことになる。例え片方を素早く倒せたとしても、もう片方で苦戦をしてしまっては意味が無い」

『中には二つ以上の属性を持っている近接武器もあるけど、いつも都合よくそんな武器が手元にあるとは限らない』

「そんな時、役に立つのが無属性の武器だ」

「無属性?」

 

最初の頃は、この意味は全く理解出来なかったけどね。

どうして属性が無い武器があるんだろうって、当時は疑問に感じたもんだよ。

 

「属性が無ければ、相手の弱点を突く事は出来ないが、その代わりにダメージを極端に減らされる事も無い」

『つまり、どの相手でもほぼ均等にダメージを与えられるわけだな』

『その通り!ドライグは理解が早いね』

『ふん!』

 

あ、照れてる?

 

『丁度、今君が装備しているパーツが無属性だからね。これからは基本的にこれを使えばいいよ』

「今までマユが使ってきたのは何属性なんだにゃ?」

「あれは氷属性だ。今までの敵は運よく氷属性が弱点だったから良かったが、これからもそうとは限らない」

『だから、こう言った準備は必須なんだよ』

 

これは純粋に嬉しいぞ。

正直、この問題には必ずぶつかると思っていたから。

それを解消してくれるのは非常に有難い。

 

『これからは、今までと同じような方法で『君が嘗て持っていたパーツ』を全て装備出来るようになるよ』

「了解した」

 

つまり、前世のゲーム内で所持していた全パーツが使用可能になったという訳か。

かなりやり込んだからな。

殆どがランク14のパーツばかりだ。

これからは少し楽になりそうだな。

油断は禁物だけど。

 

『で、そのついでと言っちゃなんだけど、君の衣装の方も少し増やしておいたよ』

「そこまで…」

 

至れり尽くせりだな。

 

『追加の衣装はクローゼットに入ってるよ』

「早速開けてみるにゃ!」

「私も見てみたいです」

「う…うん」

 

二人の勢いに押されて、私は神機を籠手の中に仕舞った後、クローゼットを開けた。

 

「あ…」

 

中には、見たことがあるような衣装が何着か増えていた。

 

「シングルクロスにミューティニア…」

 

サクヤさんとアリサの衣装か。

ここまではいいとして、他は……

 

「……あ」

 

こ…これは…!

 

「これは…どこかの制服みたいですね?」

「でも、見た事ないデザインにゃ」

 

常盤台中学の制服……!

御坂美琴の着ていたヤツじゃねーか!

確かにコラボはしてたけど!

 

『因みに、今回僕が用意した衣装を着れば、その服に対応した特殊能力が使えるようになるよ』

 

マジかよ…!

そこまでしなくてもいいのに…!

 

「因みに、この制服はどんな効果があるんですか?」

『電撃を操れるようになる』

 

やっぱりね!

そうだと思ったわ!

 

『ちゃんと、ポケットにはコインも入ってるから』

「そこまでしなくてもいい」

 

私は別に生身で超電磁砲(レールガン)とか使わないから!

 

「これはなんだかファンタジーな衣装だにゃ」

「スカート、短い」

 

次はグレイセスのシェリアの衣装か…。

 

『それを着ると、短剣を投げるのが上手くなったり、色んな回復魔法を使えるようになるよ』

「おお!それは便利だな!」

 

そこだけを聞けばね。

 

『後、焼き鳥が大好きになる』

「それ…意味あるんですか?」

『別に?』

 

無いならつけるなよ!

大体、そんなことしなくても普通に焼き鳥は好きだし!

 

「マユ」

「ん?どうした?」

「これ、クローゼットに入ってた」

 

そう言ってオーフィスちゃんが差し出したのは、ピンク色の手のひらサイズの綺麗に装飾された宝石だった。

 

「ま…まさか……これは…!」

『ああ、それね。普通に衣装を送るのも芸が無いと思ってね、ちゃんと変身出来るようにしてみました』

「しなくていい」

 

そこまで忠実にしなくていいから!

なんでよりにもよって『ソウルジェム』なんだよ!

事情を知ってる者からすれば、気味悪い事この上ないわ!

 

「一応聞いておくが…この衣装の効果は…」

『銃身から矢の形をしたピンク色のオラクル弾を撃てるようになる』

「い…意外と普通だな…」

 

良かった…。

攻撃方法を再現しただけか…。

 

『後、本気モードになれば真っ白なひらひらのドレスになって、一種の無敵モードに…』

「言わなくていい…!」

 

流石の私も、そこまでやろうとは思わんわ!

そんな簡単に世界中の絶望を消せれば苦労しないっつーの!

 

「なんか、オレンジ色の法被もあるんですけど…」

『それはね、太鼓が異常に上手くなる』

「「意味あるの!?」」

 

姉妹の同時ツッコミ。

そういや、あれともコラボしてましたね。

 

「マユよ、なにやら派手な衣装もあるぞ?」

「派手な衣装?」

 

なんか嫌な予感がするけど…一応見てみよう。

 

私はクローゼットに掛かっている服を少しだけどかしてから、それを見てみた。

グレートレッドが言っていた服…それは……

 

「は…はは……」

 

もう笑うしかないや…。

まさか、これまで入ってるなんて…。

 

「これって…まるでアイドルのライブ衣装みたいだにゃ」

「ですね。初めて見ました」

 

スターリーフェアリーにドリーミングスターズ、おまけにマイファーストスターまであるし…!

これは、一番最新のアップデートの衣装じゃないか…!

 

「これはなんとなく予想がつくにゃ」

「私もです」

「そうなのか?」

「はい。寧ろ、分かりやす過ぎです」

 

でしょうね…。

私にも分かっちゃったよ…。

 

『君達鋭いねぇ~。この三着はね、着れば歌と踊りが非常に上手になると言う代物で…』

『もう完全に戦いとは関係なくなってきてるな…』

 

だよねだよね!

いいぞドライグ!

もっと言ってやって!

 

『しかし、時には潤いが必要なのもまた事実。偶にはいいんじゃないか?』

 

速攻で裏切られたぁっ!?

いつの間に俗世に染まってしまったのですか!?

赤龍帝さんよ!?

 

「私もドライグに賛成にゃ。偶にはマユも女の子らしい服を着た方がいいにゃ」

「そうですね。せっかく美人なのに、ボーイッシュな服ばかりじゃ勿体ないです」

『別に似合わないわけじゃないけどね。でも、制服以外にもスカートとかを着る努力をした方がいいとは思うよ?』

 

ゔ……正論。

確かに私は今までずっと、前世の癖でズボン系ばかりを着てきた。

今の私は女なのだから、そう言った服を着る努力も必要なのかもしれない。

なんでか制服のスカートは普通に着れたけど。

でも……

 

「なんか…恥ずかしい。それに、私のような大きい女がスカートなんかを着ても、似合うかどうか…」

「背の高さとか関係無いです。私は絶対に似合うと思います」

「私もそう思うにゃ。背が高いって事は、裏を返せばスレンダーって事にゃ。着ればきっと、男共は見逃さないにゃ」

「我も見てみたいぞ!マユのスカート姿!」

「我も見たい」

 

全員で攻めますか…。

そこまで言われたら、嫌とは言えないじゃん…。

 

「…分かったよ。この衣装群は有難く貰う事にする」

『そうこなくっちゃ!』

 

随分と嬉しそうだな…。

 

「にしても、もう連絡を取らないとか言っておきながら、今日で二回も電話してきてるぞ」

『もう連絡しないとは言ってないよ。暫く接触を断つと言ったの』

「同じ意味にゃ」

『揚げ足を取らないでよ…。とにかく、本当の本当に今日から暫くは連絡を絶つよ。何か用事があったとしても、かなり先になると思う』

「そうか……」

 

騒がしくはあったけど、いないとなると、それはそれで寂しいような…。

 

『あれ?もしかして別れを惜しんでくれてる?いや~なんか嬉しいねぇ~』

 

前言撤回。

いなくなって清々するわ。

 

『それじゃあねぇ~。皆おやすみ~』

 

あ、切れた。

 

「最後までテンションが変わらなかったにゃ」

「気持ちがぶれないって、ある意味凄いです」

 

白音、尊敬なんてしなくていいから。

 

「はぁ……。ゆっくりし直そうか」

「「「「賛成」」」」

 

私達はリビングに戻って、もう一回お茶を飲みながらゆっくりして、その後に就寝した。

 

まぁ…偶にはコラボ衣装を着て出撃してもいいかもな…。

 

魔法少女は御免だけど。

 

 

 

 

 




てなわけで、色々と出してみました。

コラボ衣装なだけあって、特徴大爆発ですね。

衣装につき特殊能力が使えるのは、後で考えつきました。

使うかどうかは不明ですが…。

でも、まどマギのマドカの衣装はいつか着せたいですね。

それだけでいいネタになりそうですし。

では、次回。

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