という事で、ここで訂正しておきます。
基本的に、男女入り混じるハーレムでいこうと思うます。
けど、私の中での一応のメインヒロインは確定しつつあります。
敢えて誰かとは言いませんけど。
学校の屋上にて、リアスと朱乃とのまさかの再会をした私。
話によると、二人は中学時代に知り合い、その際に私に救われたと言う共通点を知って親友同士になったらしい。
意外ではあったが、私が切欠で二人が仲良くなってくれたのならば、それは純粋に嬉しい。
二人との再会を終えた後、教室にカバンを取りに行ってから下駄箱に向かった。
そう言えば、二人は私とは別のクラスらしい。
それだけがちょっと残念だ。
ま、知り合いが同級生にいるだけでも充分に有難いけどね。
下駄箱の近くにあった掲示板には、部活勧誘のポスターが貼ってあった。
「部活…か」
そう言えば、前世ではどんな部活に入っていたっけ?
前世の事を忘れていく、いかない以前の問題として、高校時代の事なんて全く覚えていないよ。
それ以前に、部活になんて入っていたか?
なんか、帰宅部だったような気がする。
「ま、いいか」
私にはアラガミを倒すと言う使命がある。
部活なんてしてる暇ないっつーの。
掲示板のポスターを背後にして、私は帰路についた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
自宅への道を歩きながら、ちょっとだけ考えていた。
(これからは…この道を三年間通うのか…)
そう思うと、この道もなんだか違って見える気がする。
考え事をしながら歩いていたせいか、曲がり角からくる人影に気が付けなかった。
「「あ」」
ボケーっとしていたせいで、一瞬だけ反応が遅れてしまい、曲がり角からやって来た人とぶつかってしまった。
ただ歩いていただけなのが幸いして互いに倒れずに済んだが、ぶつかってしまったのは事実。
ちゃんと謝罪しないと。
「す…すみません」
「いえ…こちらこそ」
自然とぶつかった人を見る。
すると、そこにいたのは…
「「あ…」」
真っ赤なスーツを着たサーゼクスさんだった。
隣には、メイド服を着た女性が寄り添っていた。
「なんでここに…」
「あはは…。実は、今から君の家に向かおうと思っていたところなんだよ」
「……は?」
私の家に?
なんで?
って言うか……
「どうして場所を知って…」
「それは簡単さ。僕は、駒王学園の理事長をしているからね」
「えっ!?」
り…理事長!?
んなアホな!?
私は慌ててカバンの中から、学園のパンフレットを取り出した。
そこに書いてあったのは……
【学園理事長 サーゼクス・ルシファー】
顔写真付きで載ってたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
なんで気が付かない私!?
(相棒が単純に呆けていただけだろう)
五月蠅いですよ…!
「もしかして、リアスから聞いてなかったのかい?」
「全然…」
そんな事、全く言ってくれなかったじゃん!
でも、確かに理事長なら生徒の家の場所ぐらいは知ってて当然か…。
「そっか~。リーアも意外とそそっかしいなぁ~」
リーア?
もしかして、リアスの事を言ってる?
「あの…」
「ん?なんだい?」
「隣の女性は…」
「ああ。そう言えば紹介してなかったね」
人通りが少ない方とは言え、こんな場所でメイドさんを連れていれば嫌でも目立つ。
自覚はあるのかしら?
「グレイフィア」
「はい」
メイドさんが前に出て、綺麗にお辞儀をした。
「初めまして、ゴッドイーター…いえ、闇里マユ様。私はグレモリー家でメイド長を務めております『グレイフィア・ルキフグス』と申します」
「彼女は、僕の眷属で『
「妻って…」
メイドさんが奥さんって…。
どこからツッコめばいいの?
「そう言えば、どうして私の家に?」
「単純に興味があったからかな?」
興味って…。
流石は魔王。
気紛れな事この上ない。
グレイフィアさんも大変だろうに。
「と言う訳で、早速行こうか!」
「あ…ちょっと…」
サーゼクスさんはさっさと行ってしまった。
残された私とグレイフィアさんはポカーンとしてしまった。
「……すみません」
「いや……」
なんて反応すればいいのか分からん…。
流石に、人妻の気持ちは解らんしな…。
あ、そう言えば、あの人って魔王だったっけ。
それなら、黒歌の事も相談出来るかな?
なんか、魔王って言う割にはいい人そうだったし。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
先に言ってしまったサーゼクスさんに追いついた私達は、そのまま自宅まで向かった。
「全く…少しは魔王…と言うか、大人としての自覚を持ってください」
「いいじゃないか。この方が悪魔らしいだろう?」
「あなたって人は……」
グレイフィアさんが盛大な溜息を吐いた。
なんか…すげー同情できる。
そんな事をしているうちに、いつの間にか家までついた。
「…!これは…」
ん?どうした?
「見た目は普通の家だが…」
「結界が張られていますね…」
あ、そう言えばそうだった。
確か、認識阻害の結界が張られてたんだった。
「二人共、実は…」
一応、結界の事を話しておく。
聞いた途端、二人の顔が驚愕に変わったけど。
「認識阻害…道理で」
「今まで気が付かなかった筈です。この結界、かなり高度な技術と見ました」
そうなのか?
私にはよくわかんないけど。
「この結界は最初から?それとも誰かが張ったものなのかい?」
「それは……」
う~ん…。
足長おじさんの事は言うべきか?
ちょっと悩むな…。
「…まずは家に入ろう。こんな所で立ち話もあれだし」
「それもそうだね」
「承知しました」
よかった…。
少しだけだけど話を逸らせることが出来た。
私は玄関を開けて中に入る。
すると、いつものように白音とオーフィスちゃん、グレートレッドが出迎えてくれた。
「お帰りなさい、マユさん。……後ろのお二人はどなたですか?」
「あ…この人達は…」
サーゼクスさん達の事はなんて説明しよう?
「む?この者は確か…」
「お帰り、マユ」
グレートレッドは何かを感じたようだが、オーフィスちゃんは平常運転だった。
流石は無限の龍神…。
色んな意味で大物だ。
「黒歌は?」
「姉様なら、キッチンで夕飯の下ごしらえをしています」
「ん。わかった」
私は二人分のスリッパを出した後、入るように促した。
「「お邪魔します」」
お、意外とマナーを解ってる。
スリッパを履いた後、私はカバンを部屋に置くために一旦戻り、その間に二人をリビングに案内するように白音に言う。
白音は即座に頷いてくれて、二人をリビングに案内してくれた。
その後、白音にはオーフィスちゃんやグレートレッドと一緒に別の部屋に行ってもらった。
カバンを置いた後、私もリビングに向かう。
二人は、私達が普段は団欒に浸かっているテーブルに座っていて、キョロキョロと家の中を見ていた。
そんなに珍しいかな?
「待たせた」
「大丈夫だよ」
「お気になさらずに」
礼節は弁えてますってか。
ま、魔王だしね。
私は二人とは向かい合わせになるように座った。
すると、丁度いいタイミングで黒歌が三人分のお茶を持ってきてくれた。
「お帰りなさいだにゃ、マユ。お客さんが来たって聞いたから、お茶を持ってきたにゃ」
「ありがとう」
黒歌は本当に気が利くなぁ~。
因みに、黒歌も白音もちゃんと認識阻害ネックレスは装着している。
念の為に、普段から付けるようにしているらしい。
そのお陰で、この二人にも気が付かれていない。
「…で、何を話していたっけ?」
「えっと…」
確か、結界の事だったような…。
でも、本当に話していいものか?
私が本気で悩んでいると、突然私の携帯に着信が来た。
このタイミングで来ますか…!
「ちょっといいか?」
「どうぞ」
私は少しだけ離れて、通話に出た。
『やあやあ!何やら困っているみたいだね?』
「主にアンタの事でね」
『分かってるって。だからこうして掛けてきたんじゃん』
コイツめ…!
『いつものように、スピーカーモードにしてくれるかな?』
「ああ」
コイツ自ら話す気か?
ま、そっちの方が手間が省けるからいいけど。
私は携帯を持ったままテーブルに戻り、中央に携帯を置く。
すると、明るい声が響いてきた。
『やーやーどーも!初めまして、魔王君!』
「なっ…!?」
「これは…?」
『僕は足長おじさん。マユちゃんの後方支援者さ!』
「後方支援者…?」
『そう!この子を色んな場所に飛ばしたり、この家に結界を張ったのも、この僕さ!』
「なんだって!?」
そりゃ、そんな反応するわな。
『と言っても、君達と彼女があったのは僕の意思じゃないけどね。あれは本当に偶然さ』
「…………」
険しい顔で携帯を見つめるサーゼクスさん。
頼むから、壊さないでくれよ?
『信じられないかい?』
「俄かには…ね。君は一体何者なんだ?」
『言ったでしょ?後方支援者だって。それ以上でも、それ以下でもないよ』
お前はどこの赤い彗星さんだ。
『ま、別に僕の事を疑うのは構わないよ。けど、僕の事を信じてくれているマユちゃんの事は信じて欲しいかな?』
「彼女の事を…?」
『そう。マユちゃんは何処までも純粋に皆を守りたいと思っている。僕は単純にその手助けをしているだけに過ぎないんだ』
その割には、かなりの事をしてくれたけどね。
『君は、彼女の気持ちすらも信じられないかい?』
「そんなことは…」
『それなら、この話はもう終わりだ。僕としては、マユちゃんの事さえ信じてくれれば、それでいいんだから』
なんだろう…。
不思議と足長おじさんの言葉が心に染み込んでくる…。
「はぁ…。わかったよ。そこまで言われては、僕としてもこれ以上は追及するわけにはいかない」
『結構。物分かりがいい子は好きだよ』
「素直に喜んでいいのかな…」
なんか疲れてるっぽい?
まぁ…コイツと話してれば疲れるか。
サーゼクスさんはのどを潤すようにお茶を飲む。
『そう言えば、あの事は相談しなくてもいいのかい?』
「うん…。タイミングを計ってた」
こういうのって、なんか緊張するんだもんなぁ~。
「こっちに来て」
「…?わかったにゃ」
私は黒歌を呼んで、隣に座らせた。
「ネックレスを取ってくれ」
「え?でも…」
「大丈夫」
彼女を安心させるように、黒歌の手を握る。
すると、決意したかのように黒歌はネックレスをゆっくりと外した。
その瞬間、二人の顔色が変わった。
「き…君は!?」
「SSS級はぐれ悪魔の黒歌…!なんで今まで…」
『それは、僕があげた認識阻害ネックレスのお陰さ』
「また貴方か…」
呆れたように携帯を見るサーゼクスさん。
「で?これは一体どう言う事なんだい?きちんと説明してくれるんだろう?」
「ああ…」
私と黒歌は、静かに彼女達の事を話した。
黒歌は自分達が今までどんな目に遭ってきたかを。
そして私は、彼女達姉妹を助けた時の経緯を。
出来る限り事細かに。
話し終えると、サーゼクスさんは頭を抱え、グレイフィアさんは悲しそうな顔になった。
「そうだったのか…」
物凄く罪悪感に満ちた顔をしている。
魔王として、この話は非常に頭が痛いのかもしれない。
すると、彼は思いっきり黒歌に向かって頭を下げた。
「済まなかった!今回の事態は完全に魔王である僕の監督不行き届けだ。そんな非道をしている連中がいるとは聞いていたが、ここまで話が歪んでいるとは思わなかった」
「そうですね…。これからは、もっと徹底しなくてはいけませんね」
やっぱり…悪魔達の上に立つ存在としては、責任を感じてしまうんだろうな…。
「そ…そんな!頭を上げてくださいにゃ!確かに苦しい思いはしたけど、私も白音も今の生活にとても満足してるにゃ。だから、大丈夫だにゃ」
「しかし…」
「それに、どこかで何かが違っていたら、きっとマユには会えなかったにゃ。だから、もう気にしてないにゃ」
「はぁ…。情けない魔王だな…僕は。被害者の子にここまで言わせるなんて…」
「気にしても仕方がありません。問題は、これからどうするかですから」
「確かにその通りだな」
グレイフィアさんの励ましに、生気を取り戻したサーゼクスさんは黒歌に真っ直ぐに向き合う。
「君のはぐれ悪魔認定の件は魔王の名に懸けて僕がなんとかしよう」
「微力ながら、私も尽力いたします」
「二人共…」
良かった…。
ちゃんと分かってくれた…。
「あ…ありがとうございます!」
黒歌は目尻に涙を溜めながらお礼を言った。
うんうん。
本当に良かった。
『ふふ…。君が良識ある魔王で良かったよ。この件は僕もなんとかしたいと思っていたからね』
「本当なら、君の身体にある
「現在の技術では、まだ取り出せませんからね…」
そうなのか…。
ま、ここでネガティブになっても仕方ないし、前向きに行こう!前向きに!
「黒歌さんのはぐれ悪魔認定が解除されたら、僕の方からも全ての悪魔に通達するようにしよう。それなら大丈夫な筈だ」
「これからは、彼女と一緒に普通の生活を歩んでいってください」
「はい…はい…」
とうとう泣き出してしまった黒歌。
けど、この涙はいい涙だ。
「黒歌…」
「マユ…私……」
私はそっと彼女を抱き寄せた。
黒歌は私の胸に顔を埋めて、ずっと泣き続けた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
それから暫くして、黒歌はなんとか泣き止んだ。
顔は真っ赤になってたけど。
足長おじさんは、あの後空気を読んだのか、すぐさま通話を切っていた。
私としても有り難かったけど。
「それじゃ、そろそろ僕達は行くよ。長居しても悪いしね」
「そうか…」
魔王も忙しいんだろうな。
その上、学校の理事長までしてるんだから。
…いつか、過労で倒れたりしないだろうな?
魔王が過労で倒れましたとかって、色んな意味で洒落になってないからね?
「そうだ。その前に互いの番号を交換してくれないかな?」
そう言うと、彼は懐から携帯を取り出した。
案の定、真っ赤なデザインだった。
って言うか、携帯持ってたんだ。
私達は互いに番号とメルアドを交換した。
ついでにグレイフィアさんとも。
「さっきの事で何か変化があれば、すぐにでも連絡するよ」
「わかったよ」
私達は玄関まで二人を見送った。
「そうだ。実は今度、この駒王町一帯の管理をリアスに任せようと考えてるんだ。出来れば、手助けしてあげてくれないかな?君が手伝ってくれると聞いたら、あの子も喜ぶだろうしね」
「そうだな…。わかった。私で良ければ」
黒歌の事をなんとかしてくれんだもの。
それぐらいはお礼をしないとね。
それに、私もリアスの事は手伝ってあげたいし。
「黒歌さん」
「は…はい?」
「これからは、全力で幸せになりなさい。貴女には、その権利がある」
「はい…!わかったにゃ…!」
グレイフィアさんが黒歌の肩に手を乗せて、優しく微笑む。
これが人妻の包容力ってヤツか…!
その時、白音達が見計らったかのようにやって来た。
「あ…お帰りになられるんですか?」
「お邪魔してしまったね」
「いえ。別に気にしてませんから」
白音は相変わらずの無表情だったが、なんだか照れているようにも見えた。
「この子が?」
「はい。妹の白音だにゃ」
「そうか…」
ん?白音をジッと見て、どうかしたのかな?
「もし彼女が駒王学園に行きたいと思うなら、僕の方で書類なんかを用意出来るけど…」
「い…いいんですか!?」
おう…珍しく大声を上げたね、白音。
「勿論さ。マユ君には大きな借りが沢山あるからね。その家族である君達を少しでも支えられるなら幸いさ」
「とは言っても、ちゃんと受験はして貰いますけどね」
「ま、そこら辺は…ね?流石に裏口入学させるわけにはいかないしね」
そりゃそうだ。
そんなことしたって、嬉しくもなんともないしね。
「でも、過去問とかは送れるかも」
「それで勉強すればいいにゃ」
「私も教えよう」
「マユさんが?」
「うん」
転生者ですからね。
記憶は消えても、知識はなんでか残ったままだし。
勉強を教えるぐらいは楽勝楽勝。
「だったら頑張ります!」
「その意気だ」
私は白音を頭を撫でる。
なんか…この光景も当たり前になってきたな…。
「そう言えば、そこの二人の女の子は誰なんだい?」
「我、オーフィス」
「オ…オーフィス!?無限の龍神のオーフィスかい!?」
「ならば、その赤い髪の女の子は…」
「我はグレートレッドだ!」
「真なる赤龍真帝…!夢幻の龍神…!」
まぁ…そんな反応になりますわな。
最強クラスの実力を持つ龍神が、揃いも揃って幼女になってるんだから。
「はは…。赤龍帝は龍のオーラで色んな者を引き寄せると聞くけど、まさか伝説の龍神すらも手懐けるとはね…。(彼女を僕の女王にするのは、諦めた方がいいのかもしれない…)」
あれ?
なんかサーゼクスさんが何かを諦めたかのような表情になったけど、どうしたんだ?
「そ…それじゃあ、僕達は行くよ」
「今日はいきなりの訪問、失礼しました」
「いや…。さっき白音も言ったが、別に気にしてない。よかったら、いつでも来て構わない」
「マユ君……君はどこまでいい子なんだい…」
そこまで感動するようなことか?
至って普通の事を言ったつもりだぞ?
「では、またいつか」
「お邪魔しました」
二人はこちらを見ながら、魔法陣で転移していった。
その後、黒歌のはぐれ悪魔認定が解除されると知った白音は物凄く喜び、グレートレッドとオーフィスちゃんも自分の事のように喜んでくれた。(オーフィスちゃんは相変わらず無表情だったけど)
その日の夜はテンションが上がった黒歌の気合いの入った料理の数々が出され、珍しく御馳走だった。
これで、黒歌と白音に本当の笑顔が戻った。
私は、自分の高校入学よりも、その事の方が嬉しかった。
ドライグも、空気を読んでずっとだんまりを決め込んでくれて、ありがとう。
(ふん…。俺とて場の空気ぐらいは読める)
柄にもなく、これからの生活が楽しみになってきた私だった。
もうちょっと短く纏めるつもりが、気が付けば約7000字に…。
まだまだオリジナル回は続きそうです。
出したいキャラ…って言うか、マユと会わせたいきゃがいますから。
では、次回。