魔法少女リリカルなのはvivid~氷結の拳~   作:園部

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ロウきゅーぶ書きたい


第22話

あの大会から一週間が経った、

ミウラは都市本選の1回戦は突破したが、2回戦の相手はジーク

ミウラも相当強くなったがさすがにジークにはまだ勝てないらしく敗退した

 

 

 

 

 

「と、言うわけでアインにはU-15の大会に出てほしい」

 

「どういうわけですか・・・・」

 

俺は今、アインと一緒にミカヤの道場にお邪魔していた。

今は休憩中な為お昼を食べている。

 

「予想外なことに、ジム探しが難航してるんだよ」

 

俺とミウラがいれば余裕に借りれると思っていたが俺のせいで予定通りとはいかなくなった。その理由は

 

「いい物件はみんな借りたいものだからね。本来紫苑クラスがいるならあっちから頼みこんでくるもんなんだろうけど・・・・」

 

「まさかあの決勝があそこまで問題視されるとは思ってなかった・・・・」

 

大会決勝でフルール選手を挑発した事。当事者間では別に問題にはならなかったし俺自身本気でバカにしていたわけじゃない。ただ調子に乗ってしまったのは反省したい。

 

「まぁ、戦いってだけで白い眼で見てくる人もいるからね。観客たちはそうでもなかったけど君の試合前の挑発行為は上の方にお気に召さなかったみたいだね。」

 

上にとって悪いイメージがつくと困るだろうしね。

 

「そうらしい。次やったら永久的に出場停止。二度と公式戦には出さないみたいだ」

 

「今度からは控えてくださいね?」

 

「ああ。もう俺一人の問題じゃなくなるし、気を付ける」

 

さすがにノーヴェやジムに通う他のみんなに余計な迷惑はかけたくない。

 

「で、ぶっちゃけ紫苑のせいでジム探しは難航中。だからイメージの良い強い子がもう1人ほしいわけだ。」

 

「そういうこと。アインがU-15の大会で活躍して話題になってくれれば」

 

「ジム探しも捗るんじゃないかな?」

 

「なら、出ます!」

 

他力本願で情けないけどこればかりは・・・・後悔しても遅いか。いつか絶対別の形で挽回しよう。

 

「なら大会については・・・・」

 

「ちょうど再来週にある知人が運営する大会で欠員が出てね。15歳以下で実力がある格闘系の選手を紹介してほしいと言われていたから推薦しておこう」

 

「お願いします・・・・・随分都合がいいですね?」

 

「たまたまだよ」

 

「嘘を言ったつもりはないだろう。実際人気選手がいればジム探しの追い風になるのは事実だしな・・・・それにお前の実力は地区予選程度で終わる器じゃないだろう」

 

今のこいつなら都市本選に出ても上位にいけるはずだろうし、将来的に世界の頂点にすら立てるだけの才覚もある。

 

「さて、君の覇王流でU-15の冬季・春季の大会を制しておいで。ただスケジュールもそれなりにハードになるし簡単な道程ではないよ」

 

「大丈夫です。負けません・・・・それにジークさんとも約束しました。世界の頂点でもう一度戦おうと」

 

・・・・・羨ましいな。俺もそんな相手に巡り合いたい。

 

「勝手に勧誘して私はナカジマちゃんに怒られるかもしれないなぁ」

 

「大丈夫。お前の分も俺が怒られるから」

 

「そうですね。きっと紫苑さんが怒られることになるでしょうから気にしなくてもいいのでは?それにコーチはミカヤさんに優しいですから」

 

アインがノーヴェに通信で報告する。

そこで年内のうちに10試合ほど出る。そして春までにU-15を制覇する。

大雑把だが報告はこんなもんだ。ミカヤはノーヴェと話しがあるようで午後の指導が終わったら出かけるらしい

 

「ミカヤ。無いとは思うがノーヴェに怒られそうになったら全部俺のせいでいいから」

 

「いや、私もそそのかしたしお叱りは受けるよ。君1人が責任を負う必要もないさ」

 

そう言ってミカヤはノーヴェに会いに行った。

 

「それで、今日はどうします?」

 

この言葉の意味は「私の家で夕飯を食べるか、自宅で食うか」って意味だ。

最近ユミナがアインの家でご飯を作っている。俺は1日置きで食べに行っている。状況にもよるがそのまま泊まることもある。

 

「行くよ。ユミナのご飯美味しいしな」

 

 

アインの家に行くとユミナがご飯を作って待っていた

 

「おかえり、2人とも」

 

「「ただいま(もどりました)」」

 

「準備も出来てるし手洗って座ってねー」

 

そして夕食を食べながら今日の出来事を話す。

 

「U-15のタイトルか~楽な道じゃないと思うけどいいと思うよ!」

 

「色々違いがあるから後でルールの確認しといたほうがいいな。」

 

「DSAAは無差別級で無制限。でもUSWやWGCは制限があるからねー」

 

「体重での階級とか魔力制限とか・・・・色々面倒だ」

 

「ええと、あの・・・・」

 

アインが話し辛そうにしているので黙って聞くことにする

 

「私が駆け足で目標に向かうのに2人に助けてもらうと嬉しいです。何も返せるものなんてありませんけど・・・・・それでも一緒に戦ってくれますか?」

 

「今更何を・・・・・好きで手伝ってるだけなのに返すもなにもないよ」

 

「そうだよ!というか私から手伝いたいくらいだし・・・・私で力になれるならなんだって頑張るよ!」

 

「あ・・・でも」

 

「欲しいものなら2つあるかな・・・・」

 

俺はユミナとアイコンタクトをとってからアインに向けて言った

 

「「(アイン)(君)の勝利と笑顔です」」

 

「勝ちます・・・3人で一緒に笑っていきましょう。これからもずっと」

 

「ああ」

 

「はい!」

 

俺達は顔を合わせて良い雰囲気になるが、ティオの鳴き声で冷静になる

 

「・・・・・・・・そろそろ片づけようか」

 

「・・・・・・・・そうですね」

 

「・・・・・・・・お茶出すよ」

 

冷静になるとすっごい恥ずかしい・・・・

 

 

「で、アインの初戦の相手って・・・・」

 

「この人ですね。U-15の現役世界チャンピオンです」

 

モニターに映像を写す

 

「え?初戦からこんなに強敵なの?」

 

「私は彼女との対戦を避けた方の代理ですね」

 

「でもラッキーだよな」

 

「「え?」」

 

俺がそういうと2人がこっちを見る。

 

「怪我もない状態。一番最高の状態で一番強いやつに当たれたのはラッキーって言ったの」

 

「そうですね。大会は1日で終わるので怪我を癒す時間もそんなにありません。そう考えると無傷でチャンピオンと戦えるのはラッキーというべきですか・・・・」

 

「物は考えようだね」

 

 

 

翌日

 

ランニング中。ヴィヴィオたちにもこのことを報告すると協力してくれるそうだが

 

 

「ヴィヴィオは姉さんとの試合があるだろ?」

 

「えーでも私のはエキシビションだし・・・・」

 

「でも、大切な試合なんでしょ?これから先それぞれに大事な試合を目指して・・・なんてことがこの先何度もありますし、一緒に歩いて行きましょう。あなたが自分の為に頑張るのは私の励みになりますから」

 

おー先輩っぽいこともさらりと言うとは・・・・あれから半年程度のはずなのにな。

 

「そういえば紫苑さんも・・・・・」

 

「ああ、俺もシグナムと試合がある。きっと全力で来るだろうから今から対策練って訓練して・・・・楽しみだな。昨日の夜手伝うとは言ったが時間があるとき限定に・・・」

 

「気にしないで下さい。貴方も自分の試合に集中するべきですよ」

 

「悪い。でも何かあるなら絶対言えよ・・・・」

 

「ちゃんと言いますよ。貴方の場合、余計に心配かけてしまいますから」

 

「余計か?」

 

「嬉しいから困るんですよ」

 

そのやり取りを見る3人は

 

「うー・・・お兄ちゃんたちランニング中なのに・・・」

 

「仲良くていいね!」

 

「・・・・・・・」

 

「コロナ?」

 

「う、うん・・・仲良いよね」

 

「「?」」

 

 

 

俺は夜に河原で1人練習していた。

イメージでシグナムを創造して立ち回る。ボクシングでいうところのシャドウと似た感じのものだ。

 

「(シグナム相手なんだ、全てを出さないと勝てない。開幕から全力でいくか、それとも調子を見るために様子見してからいくか。立ち回りの大体の方向性を決めないと・・・・・・中途半端が一番ダメだ。即斬られて終了になるかもしれない。速度は恐らく俺が勝っている自信がある。しかしそれ以外っていうと・・・・良くて互角くらいか・・・?悪くてそれ以下。最近の映像とか無いからイメージも去年のオフトレからさほど変わってない・・・・それで互角程度か・・・・。)」

 

ダメだな。今のシグナムが分からない以上イメトレはこれ以上するわけにもいかないか

 

「で、いつまで影から見てるつもりなんだ?・・・・コロナ」

 

「あはは、やっぱりバレちゃいましたか?でも何で私だって・・・・」

 

「気配はそれぞれ違うからな。途中から見てたろ?」

 

「そうですね。気分転換に散歩でも・・・・と思いまして、そうしたら紫苑さんが河原にいるからどうしたのかな?って」

 

「気になって見ていたと?」

 

「はい・・・・今の相手ってシグナムさんですか?」

 

「驚いたな。なんで分かった?」

 

「紫苑さんの動きから対剣士用って感じだったのでタイミング的に考えてもシグナムさんかなって・・・・・」

 

「え・・・・・?俺の動き見えてたの・・・?」

 

「はい・・・・え?ダメでした?」

 

え?マジで?コロナってそんなに動体視力よかったの?しかも対剣士用の動きって分かったの?あれ?そもそも対剣士用の動きってなに?

俺の頭が疑問で埋め尽くす

 

「コロナ、ちょっと公園のベンチ行かない?時間も遅いけど付き合って。ちゃんと送るからさ」

 

「あ、はい」

 

そういってベンチに移動して途中自販機で飲み物を買ってコロナに渡す

 

「冷え込んで来たから温かいココア。甘いの好きだよな?」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「で、ちょっと聞くけど俺の動きって全部見えていたの?」

 

「いえ、部分部分ですね。ただ動きを切り替える瞬間とかはハッキリと」

 

ナンテコッタイ・・・・・

 

「・・・・その時の俺って刀をどうしてた?」

 

「え?そうですね。下げているように見えましたけど・・・・」

 

・・・・試合前に気づけてよかった。そのまんまなら絶対狙われてた。

 

「他に・・・・対剣士用って言うのは?」

 

「えっと・・・いつも見ていたので分かったんですけど動きにパターンがあったんです。拳用と魔法使い用と剣士用。動きの流れが3パターンがあってそれで対応してるんだなーって、・・・・紫苑さん?」

 

ぶっちゃけ無自覚でした。というか3パターン!?

 

「・・・・・・その動きって分かりやすいから気づいたんだよな?」

 

「えっと・・・・多分よく見ないと気づきませんよ?ヴィヴィオたちも気づいてませんし、ずっと見ていた私ですら最近気づき始めましたし」

 

俺は今まで考えて動くなんてことはあまりしなかった。というかそもそも必要がなかったけど・・・・・これは

 

「(あっちにはバレてるとみていいよな?シグナムなら相手の研究もするだろうし八神家には、はやてがいる。アイツが気づかないわけがない・・・・。このことを知らず試合に挑んでいたら大したことが出来ずに負けていた?)」

 

俺はゾッっとした・・・・・・互角とかなんとか言っときながら・・・・・

俺は顔を真っ赤に染める

 

「紫苑さん?」

 

「・・・・・大丈夫。ただ自分の思い上がりとか勘違いっぷりとか恥ずかしいだけだから」

 

俺は気を取り直すことにする。

 

「ありがとうコロナ。コロナのおかげで最悪は回避できそうだよ」

 

「えっと・・・・お役に立てたのならよかったです。」

 

「にしてもよく分かったな。誰も気づいた様子なんてなかったのに・・・・」

 

「いえ・・・・ずっと見てきましたから」

 

「あーコロナとの付き合いも結構長いか?小1のころだから4年目か」

 

懐かしいな。初めての友達ってことでヴィヴィオから紹介されたときは嬉し泣きそうになったっけ

 

「いえ・・・・そういう意味じゃなくて・・・・」

 

「ん?」

 

「・・・・・好きだからずっと見てたんですよ」

 

「・・・・・・・え?」

 

「最初は一目惚れでした。ヴィヴィオがお兄ちゃんを紹介したいって言って紫苑さんを紹介してもらったときから。ゴーレム操作の練習に付き合ってくれたり、遊んでくれたり、心が折れそうになったときもノーヴェコーチと一緒に優しくしてくれて、益々好きになって・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「先日アインハルトさんとユミナさんと付き合うって聞いたときはショックで倒れそうになりました。理解が追いつかなくて、延々家で泣いて・・・・・でも冷静になったときに思ったんです。私の初恋はまだ終わってないって・・・・」

 

「紫苑さんはまだ女性を増やすんですよね?」

 

「・・・・・言い方に身も蓋もないけど、そうだな」

 

「私も入れてください。貴方の3人目の彼女にしてください!」

 

コロナが頭を下げる。俺はコロナに言う

 

「いいよ。俺は何も・・・・・何も問題ない。」

 

「じゃあ!「だけど」」

 

「コロナはいいの?言っておくけど俺はこれらかも多分増やすよ。もちろんコロナのことも全力で愛すけど、コロナはそれで本当に後悔しない?」

 

「・・・・・分かりません。けど、ここでチャンスを不意にしたら絶対後悔します。もう一度言います。あなたの彼女にしてください!」

 

「分かった。じゃあちょっと待って2人に聞くから」

 

「え?」

 

「言ってなかったが、俺に新しい彼女が出来るときは既存の彼女に了解を取らなきゃいけない。つまり今の段階ならアインとユミナだな。理由は悪女対策らしい。コロナなら問題ないと思うけど・・・・」

 

俺はアインに連絡を取る

 

『どうしましたか?』

 

「よう、そこにユミナもいるな?」

 

『いるよー。お泊り三日連続更新中!そろそろ同居も考えてます!』

 

「なんかテンション高いが・・・・・報告がある」

 

俺は真剣な顔をして言う

それに釣られて2人も真面目な顔になる

 

「3人目が出来そうだ。」

 

『『やっぱり』』

 

どうやら予想されていたらしい

 

『相手はコロナさん辺りですか?』

 

『たまに視線が好きな人を見る目と同じだったからねー。バレないように気を付けてたけど、油断したときなんかはそういう目になってたよ』

 

どうやらバレバレだったらしい

 

「で、いいか?」

 

『もちろんです。コロナさんはよく知ってますし』

 

『もちろんOKだよー。』

 

「じゃあコロナ」

 

俺はコロナを呼ぶ

 

「は、はい・・・・・すみませんお二人とも」

 

『『?』』

 

「えっと、3人の仲に割って入るような感じになっちゃって・・・・アインハルトさんには大事な試合も控えているのに・・・・」

 

『大丈夫ですよ。増える覚悟は常にしていましたので問題ありません。これからもよろしくお願いしますね』

 

『私からも同じ立場としてよろしくね!』

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

通信を切った。

コロナもやっと笑顔になってくれた。

 

「じゃあ改めて・・・・よろしくな、コロナ」

 

「はい!」

 

「恋人になるんだしその言葉づかいもタメ口にしていいんじゃないか?」

 

「えっと、それはまだ・・・・・」

 

「まぁ、徐々にやっていこうか。時間はいっぱいある」

 

「はい、あの紫苑さん・・・・」

 

なんかモジモジしてる・・・・ああ

 

「悪い。忘れてるわけじゃなかったんだ。」

 

そう言って俺はコロナに口づけをする

 

「じゃあ、今日は遅いし帰ろうか」

 

「・・・・はい////」

 

 

俺は手を繋いでコロナを家に送った

コロナの手はちっちゃいけど柔らかいだけじゃなくところどころ硬かった。

 

「(努力してるんだよなー)ただいまー」

 

「おかえりなさいー」

 

おっとヴィヴィオが出迎えてくれるとは

 

「ヴィヴィオー」

 

「なに?お兄ちゃん」

 

「コロナとも付き合うことになったから」

 

「・・・・・・・お兄ちゃん」

 

「じゃあ俺は疲れたし風呂にでも・・・・」

 

「お兄ちゃん!!!OHANASHIする?」

 

俺はヴィヴィオに説教された。

 




ロリコンじゃないし。紳士だし。

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