魔法少女リリカルなのはvivid~氷結の拳~   作:園部

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第11話

「コロナが負けたか・・・・・・」

 

俺は観客席でアインハルト対コロナの試合の行く末を見届けていた。

しかしコロナはよくやった。はっきり言ってコロナは純粋な格闘技の才能はない。しかしゴーレム操作というマイノリティーの技法とチーム1の知性でその才能の無さをカバーしている。だからといってアインにここまで善戦できるとは・・・・正直侮っていたな。それに・・・・

 

「あんなオットー初めて見たな」

 

オットーは基本的に冷静沈着で、人によっては冷たい印象すらあるが、あんな大声で激励をするとは、付き合いは結構あると思っていたがあんな一面があったとは

さて、コロナは医務室に運ばれたか。ノーヴェやオットーも一緒に行ったみたいだし、様子を見に行くか。

 

 

「コロナ、大丈夫か?」

 

俺は医務室に入りコロナに声をかけた。そばにノーヴェとオットーもいる

 

「あ、紫苑さん。怪我しちゃいましたけど大丈夫です。」

 

顔色も悪くないし無理言ってる感じでもないな。

 

「そっか。でも後で何かあるかもしれないし今日1日は安静にな。」

 

「はい。試合どうでした?」

 

「どっちも良かったよ。コロナもアインも自分に出せる全力を出してて観てる方も気持ち良く見れた。」

 

「それなら良かったです。」

 

「さて、次はヴィヴィオだな。応援行けるか?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

この笑顔が見れるならもう安心だな。遺恨もなさそうだし、まぁ遺恨については最初から心配してなかったけど

 

「にしてもオットーには驚いたな」

 

俺はニヤケながらオットーを見る。

 

「え?」

 

「だってあのオットーが大声であんな熱い激励を送るなんて思ってなかったし」

 

「あ、あれは・・・・」

 

オットーの顔が赤く染まる

 

「短期間とはいえ自分が育てた子には愛着が湧いたか?」

 

「そうですね。初めてトレーナーをやったんですが子供が傍で育っていくのを見てると楽しくて嬉しくて・・・・こんな感情は初めてですね。さっき紫苑様が来る前に引き続きトレーナーをしてよいかと聞いたら了承してくれました。」

 

「よかったじゃないか。案外お前にトレーナーは合ってたかもな。じゃあ俺はそろそろ観客席に戻るよ。」

 

俺は観客席に戻ると姉さんたちが急いでる姿を発見した。

 

「姉さんたちまだ始まってないから焦んなくていいよー」

 

そこにいたのはなのは姉さん、フェイト姉さん、はやてとシグナムとリインだった。

 

「あ、紫苑ひさしぶりやな~」

 

そういって抱きついてくるはやて。

 

「久しぶりだからって抱きつくなし。」

 

「ええやん。あんまり会えないんだし堪能させてな~」

 

そう言って離れる様子をみせないはやて。するとシグナムが

 

「すまんな紫苑。まぁ、好きにさせてやってくれ」

 

「本気で嫌なわけじゃないし別にいいんだが、人目がな・・・・」

 

たださえ目立つ容姿が揃っている状態でなおかつチャンピオンである俺が見知らぬ大人の女性に抱きつかれてるのは、はやてにも俺にもよろしくないし嫌でも人目が引いてしまう。

 

「それもそうやね。しょうがないし離れてやってもええよ」

 

あれ?なんでこっちがお願いする立場になってるんだ

 

「まぁ、いいや。5人は一緒に来たの?」

 

「ううん。そこでたまたま一緒になったんだー」

 

なのは姉さんがそう答える。

 

「なら折角だし一緒に見ようか。目当ての試合は同じだしね」

 

俺達は席を移動する。

 

「さて、この試合どっちが勝つと思う?」

 

シグナムがそう聞いてくる。

 

「この試合に関しては両方のことを知っている俺から言わせれば、どっちが勝つかは本気で予想がつかない。スタイルは違うが、それほどに実力が伯仲してるんだ。」

 

「そうなんですか?トップファイターを倒したミウラのほうが勢いありそうだしミウラが勝つと予想してました」

 

「確かにミウラに勢いはあるが、それすら楽しみに変えるヴィヴィオのメンタルを甘くみてもらっては困る。ヴィヴィオ程試合を楽しめるやつを俺は知らない。どんな試合であろうと純粋に楽しめることが出来るヴィヴィオはメンタル面で言えば世界の強者と遜色ないよ」

 

ヴィヴィオは重たいものを背負って今まで生きてるからな。そこら辺のガキがメンタルでヴィヴィオに勝てるわけがない。

 

「なるほど、メンタルはヴィヴィオが上。実力は同じくらい。ならヴィヴィオに軍配が上がるとお前は予想してるのか?」

 

「どっちが勝つか分からないって言ったろ。些細なミスが命取りになるくらいの差だ。ヴィヴィオには勝ってほしいが最後の最後まで分からないよ」

 

「そうか」

 

とは言ったが、今現段階では互角なのは間違いない。しかしファイターの資質はミウラのほうが上。将来的には差がつくかもな・・・・・

 

「あ、そろそろ始まるよ」

 

フェイト姉さんがそう言った瞬間、舞台にミウラとヴィヴィオが上がってきた。

 

「さて、どっちが勝つのやら」

 

試合のゴングが鳴った。最初はヴィヴィオ優勢に思えたがすぐにミウラが巻き返し一進一退の攻防が繰り広げられた。結果は・・・・

 

ミウラの勝利で終わった

 

最後動きが鈍ったヴィヴィオにミウラの抜剣が炸裂。そして・・・・

 

 

 

 

「シャマル!ヴィヴィオは!?」

 

「落ち着いて紫苑くん。消耗しすぎて意識が落ちただけ。治癒促進もかけたし大丈夫よ」

 

「そっか・・・・・」

 

俺は姉さんたちと医務室にいた。ミウラとの試合で意識を失ったヴィヴィオは即医務室に運ばれた。今は姉さんたちとヴィヴィオが目を覚ますのを待っている。変身が解除され、外にクリスが出てきた。

 

「ありがとうございます。シャマル先生」

 

「いーえー」

 

「クリスもありがとな」

 

俺がそう言うとクリスが落ち込む。

 

「お前はよくやったよ。そう気に病むな」

 

そういうと少し元気が出たようだ。

 

「とりあえずうちのチビ達とミウラに無事だったこと伝えてきます。」

 

「あ、私もいくよー」

 

「私はルーテシアやセインたちに伝えてくるよ」

 

そういってノーヴェとはやてとフェイトが退出する。

 

「一応近くの病院で精密検査の予約入れてくるわね。紫苑くんやなのはちゃんはついててあげて?」

 

「「はい」」

 

シャマルも退出した。

 

「死ぬほど心配した・・・・」

 

「そうだね。だけど無事でよかった」

 

「ああ。自分で試合したほうがよっぽど楽だよ」

 

そうして話してるうちにヴィヴィオが起きた。

 

「あ、目覚ましたか?」

 

「ヴィヴィオ・・・起きた?」

 

「お兄ちゃん・・・ママ・・・クリス・・・・?」

 

どうやら意識がハッキリしてきたようだ

 

「わたし、負けちゃったんだね・・・・いい試合できてた?」

 

「ああ、会場もすごく盛り上がってたし」

 

「恰好よかったよ」

 

「えへへ、ありがと」

 

照れた様子ではにかんだヴィヴィオ。そこへノックが鳴る

 

「ヴィータとミウラ?」

 

そこにやってきたのはヴィータと泣いてるミウラ。どうやらヴィータはミウラの付き添いらしいが・・・・・

 

「あ、あのすみません、なのはさんに紫苑さん。ボクのせいでヴィヴィオさんが・・・・」

 

「正々堂々と試合した結果だ。ヴィヴィオも無事だし謝ることはねーよ」

 

「そーですよーミウラさん。勝者なんですから胸を張ってください」

 

ヴィヴィオがなのは姉さんの後ろからひょこっと現れた。そうして2人で話し今からリオの応援に行くことになった。

 

「俺もヴィヴィオ心配だしついてくよ」

 

「うんよろしくね」

 

なのは姉さんにそう言って俺はヴィヴィオとミウラの後についていく

 

 

「お前らなに2人で支え合ってんの?」

 

「だってダメージ抜けてないし・・・・」

 

「フラフラ同士ですから支え合ってるんです」

 

なら俺が2人を支えていくか。そう思って俺は二人を抱える。

 

「ちょっと恥ずかしいよお兄ちゃん」

 

「さすがに恥ずかしいです・・・・」

 

「いいから支えられてろ。見てるこっちが心配になる」

 

 

 

試合会場につくと試合はもう終盤に差し掛かっていた。

 

「おーハリー相手に健闘してんじゃん」

 

「リオ凄い!」

 

恐らくハリーは初見の武術で戸惑っているところもあるんだろうが、それを差し引いてもリオはよくやってる。しかし・・・・・・

 

「リオ負けちゃったね」

 

「でもトップファイター相手に凄いです!」

 

「この試合に関しては実力差が出たな。だがハリー相手に本気を出させたのは勝算に値する」

 

最後の大技はヴィクターとあたるまでとっときたかったんだろうな。それほどまでにハリーを追いつめたリオは間違いなく強い。

 

今日の試合は全て終わり、それぞれ帰宅する。

疲れてるせいかヴィヴィオは帰ってすぐに寝た。

 

 

早いもので次の土曜が来た。

アイン対ジーク。どっちも応援したいところだが・・・・・

 

「(時を越え、子孫同士が激突か。何もなきゃいいけどな)」

 

2人の体調は万全っぽいな。今日はどっちとも会っていない。結局どっちも応援することにしたし、どっちも最高の戦いが出来ればいいが・・・・

 

アインとジークの戦いが始まった。予想してたがやはりアインが劣勢か・・・・

 

「紫苑」

 

ミカヤに話しかけられる

 

「どうした?」

 

「ジークのあれは出るのかな?」

 

「あれなら心配ない。もうある程度コントロール出来てる。」

 

「なに?」

 

「以前ちょっとな。まぁそれからは意識を失うこともない。アインも怪我はしないだろ。」

 

「なら安心だな。君がジークに何をしたか気になるところだけど」

 

「あれってなんですか?」

 

ヴィヴィオが不思議そうに聞いてくる。

 

「エレミアの神髄。まぁ、ジークの特異体質みたいなもんだ。本来あの状態になると自分の意志と反して暴走するんだが、今ならその心配もない」

 

そして試合が終わった。予想通りジークが勝ったか・・・・

しかしあの状態は抑えられたみたいでよかった。

 

「じゃあ早速行こうか。」

 

「そやね。まずはダールグリュンさんのとこ行ったほうが早いやろ」

 

この後アインとジークを交えて話をする。議題はベルカ諸王時代についてだ

 

 

「こんにちは~」

 

「ようお二人さん」

 

「えーっとチャンピオンと・・・・?」

 

「時空管理局海上指令・八神はやてです」

 

「ヴィクトーリア・ダールグリュンです」

 

紹介を終えるとヴィヴィオたちがくる。

 

「主役の2人がいないが、このメンツで話すことがある。落ち着いて話せる場所をはやてが押さえてあるからジークの取材が終わったあと移動するぞ」

 

「はやてって・・・・呼び捨てにしてるんですか!?」

 

エルスが聞いてくるが関係を知らないやつらが聞きたそうにしてる。

 

「まぁ、俺は生まれたときからの付き合いではあるな。姉の親友の1人でまぁ、もう一人の姉みたいなもんだ」

 

「えー愛人やないのー」

 

ここで悪ノリしてくるのか!?空気読めよ!!

 

「「「「あ、愛人!?」」」」

 

「冗談だ。真に受けるな」

 

「へー・・・・そうなんですの」

 

「ヴィクター顔怖い。般若は実姉で充分だ」

 

「ママに言いつけちゃおー」

 

「やめてくれ!まだ死にたくない!」

 

「お前の姉って・・・」

 

「管理局のエースオブエースだ」

 

「マジか!?あ、苗字同じかよ!」

 

とそこで話してるとジークが来たので移動する。

 

 

 

移動した場所はとあるホテルの最上階

 

「うわーまた金掛けたな」

 

「ええ眺めやろ?料理もあるしみんな食べてなー」

 

そうして料理を取りに行って食べる

 

「食べながらでいいから聞いてくれ。みんなも知ってる通り今日の試合で戦った2人には複雑な因縁がある。「黒のエレミア」継承者のジークリンデと「覇王インクヴァルト」末裔のアインハルトそして・・・・二人を繋ぐ聖王女オリヴィエ。かつて戦乱を生きたベルカの末裔が今この時代に生きている。雷帝の血統やここにはいないがベルカ王家直系の子がいる。これを偶然か何かの縁かは知らないが、どうやら大人たちはこれだけの濃密な旧ベルカの血統継承者たちが一堂に会するのは気になるらしい。」

 

「ま、インターミドル中の大事な時期に事件に巻き込まれたりせえへんように私たちは守っていきたい。そのためにも2人が過去のことを話し合う会に参加させてほしいんよ。行きたい場所や欲しい資料なんかあったら私も協力するよー」

 

「じゃあまずは記憶のある限りでいい、アイン話してくれ」

 

「はい」

 

そうしてアインは過去について話した。




戦闘シーンとか色々カットするとペースが速いなぁ・・・・
色々カットしすぎてわけわかんねーかも
あ、タグに「原作既読推奨」って追加しときますね

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