魔法少女リリカルなのはvivid~氷結の拳~   作:園部

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引き続きチーム戦です。そして旅行終了
気づいたらお気に入りが100件超えてましたね。ありがとうございます。
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第8話

「はぁはぁ・・・・・・」

 

槍を構えたエリオの息が上がる。攻撃が全然通らず自慢のスピードも通じない。焦りからくる精神的疲労がモロに出てしまった。

 

「どうした?俺はまだまだ余裕だぞ」

 

二刀の小太刀を構え余裕綽々の紫苑。本来、体力的にはエリオに分があった。しかしここまで通用しないと気持ちが保つことさえ難しい。

 

「(攻撃の速さには慣れてきた。けど僕自身の速さも通じない。ソニックムーブを使っても簡単に見切られる。正直ここまで実力差があるなんて思いもしなかった。昨日の模擬戦は見てたけど・・・・・刀があるだけでここまで違うなんて・・・・)」

 

エリオは必死に考える。ここからどうするべきかを、撤退はしたくない。自分から挑んで逃げるなんて絶対にしたくない。しかし・・・・・

 

「(ライフが残り少ない。ここで早々に敗北したらみんなの迷惑になる・・・・せめて・・・・・まともな1撃を・・・・)」

 

「なにボーっとしてやがる」

 

いつの間にか目の前に来ていた紫苑に気づかなかった。

 

「!?」

 

「オラァ!」

 

魔力を纏った斬撃が襲ってくる。それを避けられずにくらってしまった。

 

「く・・・・・」

 

ライフ残り120。そのときルーテシアからの通信がくる。

 

「エリオ戻ってきなさい!今ここでアンタがやられるわけにはいかないわ!」

 

「・・・・・了解。」

 

エリオがしぶしぶ答える。熱くなっていたがチームのことを優先させる程度の冷静さは持っていた。

 

「行く前にヒントをやる。」

 

召喚術で転送されるエリオに言い放つ。

 

「お前は決して弱くない。速さに関しても自分が劣っているように感じてるだろうが、単純な速さならお前のほうが早いんだ。なのにお前は俺にまともに1撃を加えられなかった。別にお前が俺より劣っているからじゃない。全ての可能性と状況を考えてみろ」

 

「分かったよ・・・・・次は勝ってみせるよ」

 

「おう、やれるもんならやってみろ。」

 

エリオはここから離れて俺はすぐにティアナに連絡した。

 

「こちら紫苑。エリオは一旦下がった。次はどこ行けばいい?つーか状況教えて。」

 

『こちらティアナ。状況は見てたわよ。というかあそこまでやったんなら倒しなさいよ』

 

「んーここで倒すのもつまらないだろ?せっかくなんだしもっと楽しみたい」

 

『はぁ・・・・まぁいいわ。今はスバルVSノーヴェ。アインハルト&フェイトさんVSチビ3人組ってとこね。スバルとノーヴェは互角。アインハルトのところは優勢って感じ』

 

「フェイト姉さんはやっぱりアインのとこに行ったのか。」

 

『予想通り?』

 

「ああ。別にアインハルトを信用してないわけではないんだろうが、性格上苦戦してる仲間のほうに向かうのは分かっていた。」

 

『で、アンタにはなのはさんのところに向かってもらうけど』

 

「いや、俺はルーのところに向かう。」

 

『は?じゃあ、なのはさんには・・・・・』

 

「ちょっと、通信するから待ってろ。アイン、今いいか?」

 

『ちょうどいいタイミングですね。ヴィヴィオさんは下げられました。』

 

「なら、青組リーダーのなのは姉さんのところに行ってくれ。」

 

『分かりました。』

 

そう言ってウインドウを切る。

 

『ちょっとどういうこと?なのはさんの相手ってキツすぎるでしょ』

 

「それでもいい経験にはなる。せっかくの合宿なんだ。色んな相手をさせてやりたい。」

 

『まぁ、アンタが決めたことならいいけど・・・・アインハルト、トラウマにならない?』

 

「・・・・・大丈夫だろ。アインはそれほどヤワじゃない」

 

『ぶーん・・・・・随分アインハルトを信用してるんだ。』

 

「友人だしな。俺の友人はそんなにモロいハートは持ってない。」

 

『分かった。じゃあアンタはルーのところに行くんでしょ?』

 

「ああ、時間経っちまったからある程度エリオも回復してるしヴィヴィオとも戦うことになるのかな。楽しみだ。」

 

『じゃあ、気をつけなさいよ』

 

「分かってる。」

 

さて早速向かうかな。ルーがなにかしら策を実行するまでに潰してやろうじゃないか。

 

 

 

向かってる。途中なのは姉さんとアインハルトが戦っていた。それを観戦するスバルとノーヴェ

 

 

「お前らなに観戦モードに入ってんの?」

 

「えーだってアインハルト心配だもん」

 

「お前に至っては敵チームじゃねーか」

 

「まぁ、アイツがなのはさん相手にどこまでやれるか気になるな」

 

「そう。じゃあ俺はもう行くわ」

 

そう言ってここから去ろうとするが

 

「行かせないよ」

 

スバルが後ろから抱きついてくる。

 

「・・・離しなさい。」

 

ため息つきながら言うがスバルは気にもとめずその拘束を強めた

 

「せっかくアインハルトが頑張ってるんだよ?友達ならしっかり見ないとね!というわけで、ここでお姉さん達と一緒に見よう!」

 

「・・・・・胸当たってるぞ」

 

「気にしない気にしない!」

 

全く気にも留めない様子だし俺は諦めた・・・・・堪能したいしね。ティアに連絡しとこ

 

「ティア、緊急連絡だ。予想外の妨害にあって動けそうにない。」

 

『なんですって!?・・・・・オイ、どこが妨害だコラ』

 

どうしよう。ティアナの口調が・・・・キャラが若干崩壊気味だ・・・・

 

「いや、この状態だと動けないし」

 

『アンタなら振りほどけるでしょうが!』

 

「さっきのエリオとの戦闘で予想外に力を使ったせいで振りほどけないんだ。」

 

「あれ?今そんなに力込めてないよ?」

 

バカスバル!余計なこと言ってんじゃねーよ!!

 

『・・・・オボエテナサイヨ・・・・』

 

一方的に通信を切ってしまったが、さすがに許されるよね?後でOHANASHIされないよね?

 

「いい加減みるなら見ようぜ」

 

ノーヴェは呆れた様子でこっちを見るが俺は悪くない。

 

 

 

「へぇ、アンチェインナックルか・・・・・」

 

アレって極めるとシールドすら無意味になるからな。やっぱスゴイな。

いつの間にかノーヴェも後衛攻めに行ってるし、スバルもそれを追っていない

そう思ってると上からオレンジの弾が・・・・・あれ?

 

「なんで敵だけじゃなくて俺にも降ってくるんだよ!」

 

ティアのクロスファイアか!さっきの恨みか!?くそー・・・・・

 

「まさか味方すら敵に回るとは恐ろしいぜ・・・・」

 

「また何かやったの?」

 

後ろから声が聞こえる。

 

「フェイト姉さんか。リオとコロナの相手はもういいのかい?」

 

「うん、楽しかったよ。とは言っても倒してはいないけどね。下がらせただけになったかな」

 

うん?ということは後衛にいるのって、ほぼ全快してるだろうエリオとヴィヴィオ。そしてリオとコロナ?あ、ノーヴェを追ったスバルもか。つーか青組のほぼ全員じゃん。

 

「さすがにノーヴェだけじゃ無理だな。すぐに相手の本陣に向かうよ」

 

「うん」

 

さて、ティアに通信するか

 

「あー・・・・・ティアナさん」

 

『・・・・なに?』

 

うおー・・・・まだ怒ってる。

 

「今から相手の本陣にフェイト姉さんと行って暴れてきます。ブレイカーの用意が出来たら言ってくださいませ」

 

『分かったわ。あたしのほうはいいから早く行ってやって。』

 

さて、早速行くとするかね。こっちの本陣にはアインがいるし問題ないだろ。

 

「フェイト姉さん、全速力で行くよ」

 

 

 

 

「さて、このメンツ相手にどこまで粘れるかしら?」

 

なのはさん以外の青組全員か。さすがにキツイけど・・・・・

 

「そうは言ってもそっちが今動けるのは4人。うち2人はまだ治りきってないだろ?充分粘れるさ。それに今にうちのダブルエースがこっちに向かってくる」

 

「ええ、正直紫苑は予想以上だったわ、強さもバカさ加減も」

 

否定できない。

 

「紫苑が余裕ぶってなかったら本陣は落とされてこちらの負けが決まってたかもしれない。でも、仮定の話はどうでもいいじゃない。ノーヴェも疲労状態だしあの2人がこっちに来るにはまだ・・・・」

 

その時、銀の閃光と金の閃光が相手の本陣に到着する

 

「間に合ったみたいだな」

 

「そうだね。」

 

「・・・・・いや、早すぎるでしょ。まだ戦ってすらいなかったんだけど・・・・」

 

さすがに俺のミスでノーヴェが落とされるのは申し訳ないし、俺は神速の回数制限を解除した。

 

「最速2人が全速力で来たんだぜ?舐め過ぎたな。ルーよ」

 

「でもまだこっちの方が数は多いわよ」

 

「それがどうした?リオとコロナはまだ動けず、お前も2人の回復に専念したい。実質動けるのは3人じゃないか。しかも回復しきれてない2人+1人。それに対してこっちは大したダメージのない2人+1人。数の利なんてもはやないぞ。さぁどうする?」

 

自信満々に言う紫苑は実は焦っていた。

神速の回数制限を解除し間に合ったのはいいが、精神的疲労と肉体的疲労がピークに達していた。神速は身体の出来てない子供が使うのは負担かかるが、それ以上に集中力もかなり削られる為、多様するにはまだ早い。

 

「(さて、時間稼ぎは相手もしたいがこっちもしたい。さすがに俺が動けないのがバレると一気に相手は攻めてくる。ティアナ・・・・チャージまだかな・・・・)」

 

「(マズイ・・・・下手するとなのはさん以外青組は全滅だ・・・・なのはさんにはチャージを止めてこっちに来てもらう?でも、ティアナもやってそうだし・・・・・あれ?というか何で攻めて来ないの?時間稼ぎはこっちは望むとこだけど相手にメリットがないよね?もしかして・・・・)」

 

「ねぇ紫苑?もしかして・・・・」

 

「なんだ?ルー」

 

「動けないの?」

 

紫苑が反応する。そういうことか

 

「流石に早すぎたもんね。無理しすぎたのかな?よし、そうと分かれば話は別!青組さん、紫苑はほっといてノーヴェはスバル!フェイトさんには他のみんなで当たって!」

 

やはりバレたか・・・・・でも

 

「確かに俺は動けない。が、動けないだけで魔法は使えるんだぞ。」

 

!?しまった。

 

「全員下がって!」

 

「氷の楔!」

 

地面から氷柱を生やして敵を貫く。今回は非殺傷のため当たるだけ

前方に氷の柱が出来て敵の動きも封じる

 

「串刺しになりたいなら来るといい・・・・それにどうせお前らもブレイカー待ちだろ?それまでジっと待ってようじゃないか」

 

「・・・・正直信じられないわね。そう言って他になにか策でもあるんじゃない?」

 

「策か・・・・そうだな。例えばこの戦いで何も見せ場がないやつがいるだろ?今は本陣でアインを回復してるヤツが・・・とっくに終わってこっちに向かっているとしたらどう思う?」

 

「どういうこと?」

 

「俺が本気でお前にバテてるのがバレないと思ったか?」

 

待って、ということは時間稼ぎっていうのは・・・・・

 

「キャロとアインハルトが来るまでの時間を稼いでいたんだよ。キャロが来れば俺も回復できるしその間アインに守って貰えばいい」

 

「・・・・それを言っていいの?」

 

「ああ、だってもう来ているし」

 

そう言われてあたしは辺りを見渡した・・・・・が

 

「来てないじゃない」

 

「ああ、出任せだからな」

 

ムカつく!危うく信じそうになったじゃない!

 

「でも出任せって言葉は嘘かもしれない。さて嘘かホントかどっちかな?」

 

だから紫苑は敵に回したくないのよ。普段はバカっぽいくせに腕も立つし頭は切れる。

さて、この氷柱に関しての強度はそこまで強くないはず、これならエリオでもスバルでも壊せる・・・・・しかし

 

「(砕いた瞬間あそこで鎌を素振りしてるフェイトさんに撃退される。ノーヴェもいるし2人同時でも無駄だろう。)」

 

というか何で鎌を素振りしてるの?殺る気マンマンすぎて正直引くんだけど。

 

「(さて、どうするか)」

 

あたしが悩んでいると

 

「悩んでいるところ悪いが・・・・・・全部ウソなんだ」

 

そう言った瞬間赤組は全員、後退していった

 

 

 

ネタバレをしよう。全部ウソと言ったが、2つ本当のことを言った。

・身体と精神の疲労がピーク

・ブレイカーの準備をしている

 

が、別に動けないほど疲労しているわけないだろ。それで相手の本陣行くって自殺行為で詰むだけじゃないか。

ブレイカーの準備をしている。それは当然ホントのことだ。言っても支障ないしね。

 

 

魔法を出した後、念話で各々に通達していた。

 

『(ねぇ?紫苑、本気で動けないの?)』

『(んなわけないじゃん。本気で動けないのにここに来るとか自殺行為じゃん)』

『(だと思ったよ。で、アタシらはどうすればいい?)』

『(そうだなぁ、俺が「全部ウソ」って言ったら各々全力で後退してくれ)』

『(ブレイカーが来るからか?)』

『(そ、敵と一緒にいたら巻き添えくうしな。恐らくルーなら直に察して反射的に追うように言ってくるはずだ)』

『(は?お嬢ならむしろ各々の身を守るように指示するんじゃ・・・)』

『(反射的にって言ったろ。ルーは確かに頭はいいが、瞬間的に判断が必要な場面。人は慣れてないと無意識の素が出る)』

『(それが追うってことか?)』

『(すぐにそれが間違いだってルーなら気づく。が、躊躇は一瞬で充分。お前らは速いから一瞬あれば逃げられる。)』

『(お前は?)』

『(俺はあまり動けないから足止めと相打ちする)』

『(いいのか?)』

『(別にいいさ。チームが勝つなら必要な犠牲だ。)』

『(・・・・・・また私だけ仲間外れ)』

『(姉さんはとりあえず相手を威嚇するために素振りしといて)』

『(・・・・・・うん)』

 

ブレイカーが来るまで残り30秒。ここからは全力で足止めだ。

 

「エリオ、最後の勝負するか?」

 

「悪いけど、早く逃げなきゃいけないんだ。」

 

「ツレないなぁ。けど、全員ここにいてもらおうか。」

 

そう言って俺は最後の魔法を放つ

 

「アイスウォ・・・」

 

「させない!」

 

スバルに妨害されたか、というかまた俺の邪魔を・・・・

 

「また俺の邪魔をする気かスバル!」

 

「あれは紫苑だって望んでいたことでしょ!」

 

「望んでいた?」

 

イカン!ヴィヴィオが興味を持ち始めた。

 

「ヴィヴィオ!気にするな。今はここから逃げていいから早く行け!」

 

「え!?あたし達敵同士だよね!?どれだけ聞かせたくないの!」

 

馬鹿野郎!煩悩に負けた兄の話なんて聞かせられるわけないだろ!

 

「とかなんとか話してるうちにブレイカーが・・・・」

 

ブレイカー同士の激突。俺は咄嗟にヴィヴィオを抱いて守ろうとする。

 

「いや、何で敵チームの紫苑がヴィヴィオを守るの・・・・」

 

スバルが何か言ってブレイカーに巻き込まれたが知らん。兄が妹を守るのは当たり前だろうが

 

 

ブレイカーがはれるとそこに生き残ったのが数名

 

 

「はぁ、なんとか凌ぎきった・・・・」

 

ティアナ。魔力量がなのはよりも残っていたためギリギリsw生きている。

 

「他の方は大丈夫でしょうか?」

 

アインハルト。全力のキャロの結界の為に軽傷で済んだ。

 

「うん?凄いスピードでこっちに向かってくるのってスバル!?」

 

「じゃなくてヴィヴィオです!」

 

そこには軽傷ですんだヴィヴィオが向かってきた。

 

「は!?なんで軽傷で済んでんの!?」

 

「お兄ちゃんに助けてもらいました!」

 

「・・・・・・あのシスコンがぁ!!!」

 

その頃の紫苑

 

「ヴィヴィオを守れたしまぁ、いいか」

 

「あとでティアナに怒られるよ」

 

「・・・・・全力で謝ればなんとかなるかな?」

 

「ごめんね、お姉ちゃん助けてあげられないかも」

 

「俺を助けてくれない痴女服の姉さんなんて知らない・・・・」

 

「痴女!?」

 

ボロボロのジャケットで色々際どいフェイト姉さん。最高です。

 

その頃のアインハルト&ティアナVSヴィヴィオだったが

ティアナは速攻で撃沈。2人は相打ちでこのチーム戦は引き分けで終了した。

 

 

 

 

 

「うん、気持ちの良い引き分けだった」

 

「死になさい」

 

ティアナに銃口を押し当てられる。

 

「まぁ待とうか。まずは落ち着いて・・・・そう落ち着くべきだ」

 

「アンタが最初から真面目にやっていたら恐らく勝っていたのよ!なにスバルに胸当てられて行動不能にしてんの!それだけじゃなく敵チームのヴィヴィオを守るとか意味分かんないだけど!」

 

「な!?胸は関係ないぞ!あの時は疲れてたから動けなかっただけだし!ヴィヴィオに至っては兄の本能が守れと囁いたんだ!」

 

「自慢げに言うことか!」

 

「よし分かった!次で挽回しよう。あと2戦あるしそこで名誉挽回してやるよ!」

 

「え?あと2戦あるんですか?」

 

「ん?アインハルト聞いてなかったのか?チーム振り分けし直してあと2戦やるんだ」

 

「そうなんですか。楽しみですね。ところでスバルさんに胸を押し当てられたってどういうことですか?」

 

「いや、あれは拘束されてただけだし。決して俺の本位じゃ・・・・」

 

「あ、コイツデレデレしてたぞ」

 

ノーヴェ!空気読め!

 

「そうですか・・・・私だって胸があれば・・・・・」

 

「うん?なんか言った?」

 

「いえ!何も!」

 

ブンブン手を振るアインハルトしかし・・・・・

 

「そっか。ところでアインは胸が小さくても魅力的だよ」

 

「聞こえてたじゃないんですか!」

 

「あっはっはー紫苑さんは鈍感主人公特有の難聴スキルは持ってないのだ」

 

「何意味が分からないことを言ってるんですか!あ、逃げないでください!」

 

だが断る。さて、次のチーム分けが発表されるまで遊んでようか。

 

 

 

 

 

今日の日程が全て終了して、各々自由に過ごす。

 

「お前らはダウンか?」

 

子供部屋でヴィヴィオ、リオ、コロナ、アインがベットで横になりダウンしている。それを見ている俺とルー

 

「なんでお兄ちゃんとルーは平気なの?お兄ちゃんは1戦目でダウン寸前だって言ってたじゃんー」

 

「年長者なりのペース配分よ」

 

「俺は体力ないけど回復は早いんだ。」

 

「うー・・・・・・」

 

「アインハルトってこういう試合初めてだけどどうだった?」

 

「そうですね。色々反省することができましたし自分がどれくらいか確認もできました。私の見ていた世界は狭かったんですね・・・・」

 

「今日の試合が良かったんなら、DSAAでも出てみるか?」

 

「DSAA?」

 

モニターにDSAAの映像を映す。

 

「10~19歳の公式魔法戦競技戦。全世界から10代を対象とした魔法自慢が集う大会。インターミドル・チャンピオンシップ」

 

「今年は私たちも出るんですよ~」

 

「数は多くないけど格闘家も出ますし」

 

「自分の力を試したいならうってつけの大会です!」

 

「ちなみに今年は私も出る!」

 

「「「お~」」」

 

そこへなのは姉さんとメガーヌさんがジュースを持ってきてくれた。

 

「みんなー栄養補給の甘いドリンクだよー」

 

「うん、ありがとう。」

 

「DSAAかー紫苑くんは今年は出るの?」

 

「いや、出ないよ。」

 

「え?紫苑さん出たことあるんですか?」

 

「あるよ。去年だけね」

 

「お兄ちゃんは男子の部で優勝しているんですよー。次元世界最強10代男子です!」

 

「そうだったんですか!?そういえば、去年クラスで騒がれていたような・・・・・」

 

「うん、あれだけ騒がれてたのに知らないって正直ショックなんですけど」

 

「う・・・・すみません」

 

「いや、責めてるわけじゃないって(笑)」

 

「初出場で優勝でしたもんね~。凄くカッコよかったです!」

 

「ありがとう。薄情な友人とは違ってコロナは優しいな~」

 

そう言ってコロナを抱き上げる。ちょうどいいサイズだな。抱き枕にしたい。

 

「わ、わわ・・・・////」

 

「お兄ちゃん!コロナが困ってるでしょ!」

 

「困ってないもんなー。コロナは抱き心地がいいね!」

 

「あ・・・・あう・・・・////」

 

コロナが俯いてしまった。恥ずかしがってるだけだよね?ホントに嫌だったら自殺を考えよう。

コロナを離しアインハルトに向き合う。

 

「さて、どうする?」

 

「・・・・出たいです。」

 

「OK.じゃあ参加資格についてだが・・・・」

 

「セコンドとコーチはノーヴェが引き受けてくれるそうです!」

 

「なら、後はデバイスだな。CLASS3以上のデバイスを所有して装備すること。アインは、デバイスなかったよな?」

 

「はい、持ってないです。真正古代(エンシェント)ベルカのデバイスは中々手に入らなくて・・・・」

 

「なら、ルー」

 

「任せて、今ミッドは早朝よね。八神指令にメールしてお願いしてみるよ。」

 

「頼む。あそこの家族ならきっとノリノリで組んでくれるだろう。」

 

「お、お願いします」

 

トントン拍子で決まったが、さてどうなるか。

 

 

 

 

早朝になり、みんなで朝ごはん。

 

 

「今日はみんなお休みよね?」

 

「そうですね。ゆっくり散歩でもする予定ですよ」

 

「アインハルト、八神家のみなさんとは連絡取れたから。朝ごはん食べたら一緒にお話ししよ」

 

「はい」

 

 

アインハルトはたぬ・・・・はやてさんと連絡中で俺はノーヴェとヴィヴィオと散歩中。

 

 

「ありがとね。ノーヴェ?」

 

「なんだよいきなり。」

 

「アインハルトさんを誘ってくれたこととかコーチやセコンドを引き受けてくれたりとか。」

 

「ちょっと待て、アインハルトを誘ったのは俺だぞ」

 

「お兄ちゃんじゃ連れて来れなかったじゃん。言いだしっぺはノーヴェだし」

 

「ま、あたしは声をかけただけだよ。」

 

「そのおかげで一緒にインターミドル出てくれる」

 

「ま、あいつが魔法戦競技の楽しさとか知ってくれて夢中になれそうならなによりだ。そして、お前らも一緒に楽しんで強くなってくれれば一番さ」

 

「はい、コーチ!ご指導よろしくお願いします!」

 

「おう、よろしくな!さて・・・・」

 

「どうした?」

 

「お前は今年出ないのは何でだ?」

 

「あー今年はヴィヴィオ応援したいからな。初出場だし試合は全部見たい。」

 

「お前にリベンジしたいやつとかいるんじゃないのか?」

 

「知らん。そもそも男子選手には知り合いという知り合いいないし」

 

「まぁ、お前がそれでいいならいいけどよ」

 

「その代わり。U-23総合の大会に誘われてる。」

 

「は!?お前まだ12歳・・・・今年で13か・・・・いやそれにしたって・・・ホントか?」

 

「ホントだよ。去年のインターミドルを見た関係者が是非出てくれってさ。一応23歳以下ではあるし、ただジム通いではないからセコンドについては知り合いに頼むことにしてる。」

 

「それなのはさん達には?」

 

「私聞いてないよ!」

 

「2人の姉さんには言ったよ。普通に喜んでくれた。ヴィヴィオに言ってないのは単純にその場にいなかったから。2回言うの面倒だし言うほどのことじゃないしね」

 

「勝てるのか?」

 

「勝てるさ。格闘オンリーなら分からないけど何でもアリの総合なら俺に勝てるのはそういないと思ってる。油断はしないけどね。大会の結果が微妙だったら次からは流れるらしいし」

 

「うー・・・・応援してるからお兄ちゃん頑張ってね!」

 

「俺よりも先にヴィヴィオだよ。俺の試合はまだまだ先だし。相手がほしかったら言いなよ。協力は惜しまないから」

 

「うん!私も頑張るよ!」

 

 

アインのデバイスもどうにかなりそうで、3泊4日の旅行は終了してミッドに戻る俺達。

DSAAの予選まで残り2ヵ月。この期間で彼女たちがどう成長するのかが、楽しみである。

 

 




読んでくれてありがとうございます!

文字数的にいつもの倍多めに書いてあります。
戦闘シーン難しいなぁ・・・・
大勢のキャラを動かすってのは大変だな・・・・
全然動かせてなかったけど・・・・・

反省はしない!自分勝手に書くよ!ごめんね!

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