アインハルト・ストラトスとの出会い
これは3年前のこと、JS事件が解決して1年が経ったころの、劇的でもないそこら辺にありそうな、よくある出会いの物語
今日はSt.ヒルデ魔法学院の入学式。それに合わせて俺はヴィヴィオと一緒に学院に入る。
「お兄ちゃん・・・・ヴィヴィオ友達できるかな・・・・?」
ヴィヴィオが不安そうに聞いてくる。
「大丈夫。お兄ちゃんより難易度低そうだから」
俺は転校生という立場のためヴィヴィオよりも若干難易度が高い。みんな一緒の立場であるヴィヴィオはともかく俺は最初ミスったら永遠にぼっちだろう
「そうなの・・・・・?」
「それに仮に友達が出来なくてもお兄ちゃんいるし2人のママもいるし八神家のみんなや聖王教会のみんながいるし大丈夫だよ。ヴィヴィオはそれだけじゃダメ?」
「ううん!みんながいればいいよ!」
「よし!その元気なら友達だってちゃんと出来るさ!なのはママが車だしてくれるらしいしママたちと一緒に行こうな」
「はーい!」
この調子ならヴィヴィオも大丈夫だろう。別に非社交的ってわけでもないし問題はない。問題なのは・・・・
「俺の方だよなー・・・・・」
まずは隣の席のやつから攻略していこう。それを切っ掛けに輪を増やしていけば大丈夫だよね・・・・・きっと・・・・・多分
しかし俺はそのとき予想していなかった。隣の席のやつが一番難易度が高かったことを・・・・・
入学式が終わり、その後始業式が執り行われた。俺はその間ずっと待機をしていた。
クラスの前まで行き担任の先生に呼んだら入ってきてと言われた。この瞬間が心臓に悪すぎる・・・・・・そして待つこと約1分、ついに呼ばれる
俺は教室に入って中を見渡す。特にオラついてそうな子もいないことに安堵した。一応教会系列の学校なだけあって育ちの良さそうな子が多いのは少しだけ救われた
「では、自己紹介をお願いします」
きた。俺は覚悟を持って話だす。
「えー高町紫苑と言います。1年前にミッドに引っ越してきたんですが、事情があり学校に通うのが遅れました。趣味は特にありません。特技は格闘技。俺は無趣味なので色々面白そうなことがあれば教えてください。あとこの学校についてよく分からないので色々教えてくれるとありがたいです。」
無難にいくことにした。
「はい、みんな拍手」
パチパチッと拍手が鳴った。少なくても歓迎されていないというわけではないので安心した。
「じゃあ席は・・・・・ストラトスさんの隣で。後ろの窓際ね」
俺は後ろに空いてる席をみつけそこに座る。
「(さて、まずは予定通り隣から・・・・)よろしくね、ストラトスさん」
「よろしくお願いします」
こっちを見ずに答えるストラトスさん。
碧銀の髪をツインテールに結い、左の大きな赤いリボンが印象的な少女。そして・・・
「(ヴィヴィオと同じオッドアイか・・・・)」
にしてもクールな子だな。無愛想だし無口そう・・・・でも、笑うと絶対可愛い
俺は何故かそう確信した。
「(うん、やっぱり予定通りこの子と最初に友達になろう)」
2週間が過ぎた
まずは色々話かけた結果を話そう。しかし得られた情報は彼女の名前だけだった・・・・
「(難易度高すぎだろ!どんだけ話かけても「はぁ」「ええ」「はい」「いいえ」しか言わないんだけどー・・・・)」
俺が溜息をついてると
「ねえ高町くん」
そこには数人の女子がいた。
俺たちは校舎裏に移動する
「で、どうしたの?」
「ストラトスさんにいっぱい話しかけてるけど無駄だよ」
「なぜ?」
「だってどれだけ話かけてもちゃんと返答しないし、いつも無表情だし多分見下してるんじゃない?」
「なんでそうなんの?」
「ストラトスさんって学年で一番成績いいんだもん。自分よりも成績悪い人たち見下してるんだよ。きっと。」
「それにちょっと可愛いからって男子に人気でさー。ムカつくよねー」
「あと、あのオッドアイだっけ?あれとか超気持ち悪い。左右で目の色違うとかさー笑えるよね。」
「そういえば新入生にもいたよね?左右で目の違う子」
あ?
「いたいた。金髪の子でしょ?一体どんな風に生まれたん・・・・ヒッ」
俺はそこにいた数人の女子に殺気をぶつけた
「お前らが陰口叩こうがどうでもいいが、醜い嫉妬に俺巻き込むのやめてくんない?」
「し、嫉妬って・・・・」
リーダー格の女が辛うじて声を出す
「お前らストラトスに嫉妬してるだけだろ?自分よりも可愛く成績も良く男子に人気があるアイツにさ。お前ら見た目も中身も醜いとかこの先どう生きてくの?ハッキリ言ってお前ら不愉快だ。」
「な、なんでそこまで・・・・」
ドガァ!!!!
俺は校舎の壁を砕いた。
中には泣き出す子もいたが俺は止まらない
「なによりお前らが気持ち悪いと言った新入生の金髪は俺の妹なんだよ。俺は自分の家族や仲間を侮辱するのは絶対に許さない・・・・・」
俺はゆっくり彼女たちの前に向かう
「しかし今回は許してやろう。ただし、次はない。もし今後ストラトスや俺の身内に何かしたら・・・・」
「し、したら・・・・・?」
俺は一部砕いた壁に指を指し
「こうなるだけだ」
そう言った瞬間彼女たちは逃げるようにこの場を去った
「(さて、まずは・・・・・)誰か来る前に壁を直すか。だから誰にも言うなよ。ストラトス」
「気づいてたんですか?」
「気配察知は得意なんだ」
「・・・・・すみませんでした」
「なにが?」
「下らないことに巻き込んでしまったことです」
ストラトスのほうを見ると申し訳なさそうな顔をしていた
「そもそもあれはお前のせいでもないんだけど?」
「・・・・・・・」
「お前って俺に話しかけられて迷惑だった?」
「いえ・・・・ただ何を話せばいいのか分からなかったんです。」
「そう、ならいい」
「え?」
「迷惑じゃないって分かっただけでも充分だ。後はこれからお前のことを知っていく」
「なぜ、貴方は諦めなかったんですか?今までにも話しかけてきた人はいました。でも私の反応を見ると皆さん離れていったんです・・・・」
「まぁ、興味無さそうに見えるからなー。諦めなかった理由?そんなの友達になりたかっただけに決まってんだろうが」
「友達・・・・・」
「だからこれからも毎日話かけることにするよ。嫌じゃなかったんだろ?悪いが俺の学校での友達1号はお前って決めてるんだから。ウザくなっても逃げるなよ」
「変な人ですね・・・・貴方は」
「せっかくだし名前で呼んでくれ」
「名前・・・・ですか?」
「姉の持論だが友達になるには名前を呼べばいいらしい。」
「変わってますね。」
「だが俺は姉の一歩上を行こうと思う」
「それって・・・・?」
「あだ名で呼ぶ。あだ名で呼ぶなんて友人以外ありえないだろ?だから俺は今後お前のことをあだ名で呼ぼう」
「それは恥ずかしいです」
「拒否権なんてないよ。アインハルトだから・・・・・アインでどうだ?」
「なんといいますか・・・・安直ですね」
「自覚はしてる。そして次はアインだ。」
「?」
「あだ名だよ。アインもあだ名で呼んでくれ」
「む、無理です!難易度が高すぎです!」
「おーデカイ声も出せるんだな・・・・・紫苑だからしー君とか?」
「うぅ・・・・せめて紫苑さんでお願いします。」
「それって名前にさん付けしただけじゃん」
「限界なんです・・・・許してください・・・・」
「許してやるよ。じゃあ今から友達決定な」
「乱暴すぎませんか・・・・?」
「いいんだよ。仲はこれから深めていけばいいんだからさ」
「はぁ・・・・これが私の初めてのお友達とは・・・・」
「手始めに今日は一緒に帰ろうぜ!アイン!」
「また拒否権ないんですよね?・・・・・・紫苑さん」
「いやーなんかテンション上がってきた!アインとは一生友達でいられるような気がする!!」
「私はそんな予感ありませんよ・・・・・」
紫苑の予感は良い意味で外れることになるのだが、この時は誰も予想出来なかった。
番外編書いてみたい!!って思って書いてみたけど内容薄すぎて書く意味あったかな・・・・