「このままこの部屋で、寂しく孤独の中で死んでしまうんだ〜っ!!」
牢獄の中でのび太が泣いていると突然声がした。
「助けよう!」
「???」
顔を上げると、目の前に赤いスーツを着たスーパーヒーローがいた。
「君、誰?」
「正義の味方、ワンダーガイ!」
「ワンダーガイ?」
のび太は前に悟の家で見たアニメを思い出す。
「早くここから出よう!時間がないべさ。」
「う、うん!」
「ありがとう。ワンダーガイのおかげで無事に出られた。貴方はどこのどなたですか?」
「そんなことより早く集合場所に行きなさい。」
「集合場所?」
「君が今一番知りたいこと、答えは1988年にある。」
そういうとワンダーガイは去っていった。
「ありがとう。ワンダーガイさん、ピンチになったらまた助けに来てね!」
目的地に向かい走り出すのび太だったが、突然立ち止まった。
「ん?ワンダーガイ・・・・あの声、どこかで聞いたような・・・。」
必死で思い出そうとするが、
「まぁ、いいか。とにかく早くタイムホールへ。」
集合場所に着いたのび太だったが・・・
「ない!ない!タイムホールがない!」
過去に戻る唯一の方法がなくなっていた。すると
「野比のび太だな?」
「!?」
「もう逃げられないぞ!」
いきなり警官たちに取り囲まれる。警官たちがのび太に飛びかかろうとしたその時、
「まてーーーーーーーー!!!!」
のび太の数少ない味方の登場である。
「なんだ、お前たちは!!」
「友達。」
「のび太、手を貸すぜ!」
「加代ちゃん!ジャイアン!」
と言い切ったジャイアンだったが、相手は大人。まともにやっても、勝てるはずがない。これでは二人共のび太を助けた罪で捕まってしまう。
「そうだ!」
のび太はジャイアンを見てあることを思い出した。剛田武、通称「ジャイアン」。彼が世界最強のガキ大将と呼ばれている訳。彼にかかれば世界をも簡単に滅せる。ジャイアンが持つ世界を滅ぼす力。それは・・・・
「ジャイアン!コンサート開始だ!」
「えっ!?」
「何でもいいから歌って!早く!」
「お、オレはジャイアンガキ大将天下無敵の男だぜー ーーーーー!!!!!!!!!!」
『「分かった!」』
のび太とジャイアンが同時に声を上げた。
「???」
『「スネ夫だ!」』
今までの経験からタイムホールはスネ夫が持っていったことを推理するのび太たち。
「絶対にスネ夫が持って行ったんだ。アン野郎タダじゃおかねぇ。」
「よし、スネ夫の家に行こう!」
『「うん!」』
三人は倒れている警官たちの体を踏みながら、スネ夫の家に向かった。するとのび太は失神している警官たちを見て思うのだった。
恐るべし・・・・・ジャイアンの歌