ドラえもん のび太の僕たちだけがいない街    作:雛月 加代

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第八章:正義の味方、ワンダーガイ!

「このままこの部屋で、寂しく孤独の中で死んでしまうんだ〜っ!!」

 

牢獄の中でのび太が泣いていると突然声がした。

 

「助けよう!」

 

「???」

 

顔を上げると、目の前に赤いスーツを着たスーパーヒーローがいた。

 

「君、誰?」

 

「正義の味方、ワンダーガイ!」

 

「ワンダーガイ?」

 

のび太は前に悟の家で見たアニメを思い出す。

 

「早くここから出よう!時間がないべさ。」

 

「う、うん!」

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう。ワンダーガイのおかげで無事に出られた。貴方はどこのどなたですか?」

 

「そんなことより早く集合場所に行きなさい。」

 

「集合場所?」

 

「君が今一番知りたいこと、答えは1988年にある。」

 

そういうとワンダーガイは去っていった。

 

「ありがとう。ワンダーガイさん、ピンチになったらまた助けに来てね!」

 

目的地に向かい走り出すのび太だったが、突然立ち止まった。

 

「ん?ワンダーガイ・・・・あの声、どこかで聞いたような・・・。」

 

必死で思い出そうとするが、

 

「まぁ、いいか。とにかく早くタイムホールへ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合場所に着いたのび太だったが・・・

 

「ない!ない!タイムホールがない!」

 

過去に戻る唯一の方法がなくなっていた。すると

 

「野比のび太だな?」

 

「!?」

 

「もう逃げられないぞ!」

 

いきなり警官たちに取り囲まれる。警官たちがのび太に飛びかかろうとしたその時、

 

 

「まてーーーーーーーー!!!!」

 

のび太の数少ない味方の登場である。

 

「なんだ、お前たちは!!」

 

「友達。」

 

「のび太、手を貸すぜ!」

 

「加代ちゃん!ジャイアン!」

 

と言い切ったジャイアンだったが、相手は大人。まともにやっても、勝てるはずがない。これでは二人共のび太を助けた罪で捕まってしまう。

 

「そうだ!」

 

のび太はジャイアンを見てあることを思い出した。剛田武、通称「ジャイアン」。彼が世界最強のガキ大将と呼ばれている訳。彼にかかれば世界をも簡単に滅せる。ジャイアンが持つ世界を滅ぼす力。それは・・・・

 

「ジャイアン!コンサート開始だ!」

 

「えっ!?」

 

「何でもいいから歌って!早く!」

 

「お、オレはジャイアンガキ大将天下無敵の男だぜー ーーーーー!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「分かった!」』

 

のび太とジャイアンが同時に声を上げた。

 

「???」

 

『「スネ夫だ!」』

 

今までの経験からタイムホールはスネ夫が持っていったことを推理するのび太たち。

 

「絶対にスネ夫が持って行ったんだ。アン野郎タダじゃおかねぇ。」

 

「よし、スネ夫の家に行こう!」

 

『「うん!」』

 

三人は倒れている警官たちの体を踏みながら、スネ夫の家に向かった。するとのび太は失神している警官たちを見て思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

恐るべし・・・・・ジャイアンの歌


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