ドラえもん のび太の僕たちだけがいない街    作:雛月 加代

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連続誘拐殺人事件
プロローグ


のび太が元の時代に戻って来た次の日。

 

「起きろ、のび太くん!遅刻だ!」

 

「もう、起きてるよ。」

 

「あっ、そう。」

 

過去から帰ってきたのび太はまるで別人のようだった。今もドラえもんに起こされる前に着替えまで済ませたのだから。

 

「凄い、まるで別人だ!」

 

「僕だっていつまでも子供のままじゃないさ。」

 

「そのいき、そのいき。(加代ちゃんとの一件がそんなにこたえたのかなあ。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のび太は台所で朝食を食べ始めた。まだ一時間目が始まるまで一時間もある。だがそれだけではない宿題もちゃんとやってある。いままでとは違う一日。親としては喜ばしいことなのだが、何かがおかしい。ドラえもんとのび太は哀れみの視線を向ける両親に好奇の目を向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「のび太?もう行くの?」

 

玄関で出掛ける準備をするのび太に両親は優しく声をかけた。

 

「うん。」

 

「そう、・・・気を付けてね。」

 

するとのび助はのび太の肩を掴むと、

 

「のび太、辛いだろうけど。気をしっかり持つんだぞ。」

 

「・・・行って・・・・きます?」

 

訳が分からず、家を出るのび太。

 

 

 

 

【野比家の台所】

 

「ふ〜ふ〜ふ〜。」

 

台所で片付けをしていたドラえもんはふとのび太の父(のび助)が読んでいた新聞が目に入る。ドラえもんは新聞を手に取ると、

 

「・・・・・・・・・・・・えっ!?まさか!」

 

 

 

 

 

 

【学校の教室】

 

学校に着くとのび太は自分のクラスに入るが、

 

「あれ?」

 

クラスの中には誰もいない。クラスどころか職員室にもいない。今日は学校が休みなのか?今日は日曜日?祝日?いや、校門が開いているのだからそれはないろう。

 

「のび太、こんなとこにいたのか。」

 

振り向くと、ジャイアンとスネ夫が息を切らしながらやってきた。

 

「ジャイアン、スネ夫。」

 

するとジャイアンはのび太の肩を掴むと、

 

「大丈夫か?」

 

「???」

 

何故か両親と同じ視線を向けてくるジャイアンとスネ夫。するとジャイアンはため息をつき、

 

「なわけないか。」

 

「???」

 

「とりあえず行こうぜ。」

 

「行くって・・・・何処に?」

 

「体育館に決まってるだろう。」

 

ジャイアンとスネ夫は体育館に向かい歩き出す。

 

「体育館?」

 

首を傾げながらのび太も体育館に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【学校の体育館】

 

体育館には全校生徒と先生たちが集まっていた。しばらくすると校長の話が始まった。

 

「皆さんも、もう知っていると思いますが、昨日。8月31日に6年3組の源静香さんが不幸な事故に会い・・・・その短い将来に幕を閉じてしまいました。」

 

 

 

 

えっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静香ちゃんが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んだ?

 

 


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