カルデアの落ちなし意味なしのぐだぐだ短編集   作:御手洗団子

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最終章後のネタバレ注意です。


泣けなかった少年の話。

 

ベルの心地よい音が廊下に響いています。 様々な色の明かりが点いたり消えたりしています。 大きなツリーに様々な飾りがぶら下がり、大きな星がてっぺんで光り輝いて、その下にはたくさんのプレゼント箱。 見る物すべてが輝き、見るすべての者が輝く笑顔になる素敵な一日。

今日は素敵なクリスマス。 大人も子供もおねーさんも、皆が楽しみにしていた一日なのです。

 

日々人理のためにその身を費やすカルデアも、今日ばかりは皆お休み。 食堂ではクリスマスパーティとして様々な豪華な料理が並び、プレゼントがならんでいます。 日々休む暇のなかったカルデア職員達も皆今日ばかりはお休み。 飲むことを自重していたお酒などを酌み交わし、笑顔で言葉を交わしています。 そこには英霊だって人間だって関係ありませんでした。

だって世界が救われたのです。 これ以上の喜びが何処にありましょうか。 空の光輪は無くなり、地表を覆った炎も跡形もなく消えました。 魔術教会からの連絡によって人間の生存も確認されました。 正にカルデアは「未来を取り戻す」ことに成功したのです。

 

「一年。 長い人生から見てみるとたったの一年だが、忘れる事の出来ないぐらい長い、長い一年だったな」

 

「実際長い人生では人類を救うなんて経験は出来ないしな」

 

「この作戦が成功したから、言えるのかもしれませんけど。 楽しかったです、とても楽しかった。 先輩たちが居て、英霊の皆さんが居て、なんだかちっとも怖くなかったんです。 不思議ですよね」

 

「……そうだな、楽しかった。 失った物は返らず、払われた犠牲は私達の両手ではすくいきれないほどだった。 それでも言える、私達がやってきたことは無駄ではなかったのだと。 あの少年が歩いてきた旅路は全く無駄ではなかったのだと」

 

白衣のカルデア職員がお酒の入ったグラスを掲げると、周りの職員たちもそれに倣う様にみなグラスを掲げました。 部屋がしんと静まり返りました。 英霊でさえも職員に続きグラスを揚げる者もいました。

 

「人類を救ったグランドマスター、そしてその相棒マシュに。 ……そして勇ましく散っていった友人たちと、所長。 そして愛すべき掛け替えのない我らが友、ロマンに」

 

「乾杯」

 

「「「乾杯」」」

 

いなくなってしまった人たちの魂の平穏を祈るようにカルデア職員の皆が酒を酌み交わします。 無くなってしまった物は多く、それを埋めることは出来ないけれど、それに引きずられてしまうほど彼らは弱くはありませんでした。 乾杯が終わった後は皆また笑顔で、パーティーを再開します。 今日は一年に一度のクリスマス、ここに来ることが出来なかった人たちの分まで楽しんでやると、部屋には笑い声が響きます。

 

「あ、そういえば明日からはカルデアの復旧作業が待っているからな」

 

「あっ……思い出したくない事を……」

 

「ふむ、堅物女史のこういう所は尊敬できるな」

 

「ある意味、世界を救うより辛い仕事ですね……」

 

思い出したくない事を言われたように頭を抱えるカルデアの職員たち。 しかしながら日曜日の後には月曜日が来る、これも人理の一つです。 カルデア職員たちは世界を救っても自分たちの仕事は変わらない事を少しばかり誇りに思いながらお酒を次々と開けていくのでした。

 

 

 

 

「先輩? いらっしゃいますか? 皆さんお待ちかねですよ?」

 

食堂でのクリスマスパーティーが始まっている中、マシュは何時まで経っても食堂に来ないマスターを心配に思いマスターの部屋へと足を運んでいました。 人類を救ったのに、マスターに何かあったらそれこそマシュにとっては人類が滅びることと同義なのです。 この間「何もかもが終わった後一人ひっそりと力尽きるマッチ売り系主人公」の本をアンデルセンたちから読まされたのもあって更にそれがマシュに不安を与えました。

 

「せんぱーい? 入りますよー?」

 

何回ノックしても返事が無いのでマシュはとうとう心配でたまらなくなり、マスターの部屋のマスターキーを使って部屋の中へと入っていきました。

部屋は明かりはついているものの部屋は至って静かで、とても部屋にマスターがいるようには見えませんでした。

 

「先輩? いらっしゃるのですか? せんぱっ……」

 

「____……」

 

「……お休み中だったのですね」

 

マスターはベットではなく、部屋の隅に置いてあるソファーに体を横にしてひっそりと寝ている途中でした。 無防備に寝顔を晒している姿は、マシュの母性本能を刺激するには十分であり、マシュはちょっとドキドキとしながらマスターへと近づいていきました。

 

「さすが先輩、ハサンさん達の様な気配遮断スキルをお持ちなのですね、まったく気づきませんでした」

 

そういってマシュは寝ているマスターを起こさぬように細心の注意を払いながら頬を突き始めました。 マスターは突かれるたびに寝ているフォウ君みたいに耳をピクピクと動かし、くすぐったいのかマシュの突っつきから逃れる様に顔を動かします。

 

「せんぱーい、起きてくださーい……皆さんが待ってますよー……」

 

なんだか癖になってきたマシュが突っつく速度を上げますがマスターは一向に起きる気配はありません。 元々マスターは眠りが深く、一度眠ると中々起きないのです。 ダ・ウィンチちゃんは、多くのサーヴァントと契約したせいでサーヴァントとの夢を見る時間が増えているせいだと言っていましたが、寝るときは廊下だろうが管制室の中でも気にせず何処でも寝てしまうマスターなのであまり関係は無いのではないかとサーヴァント達の間で噂されていました。

 

「ふふっ、マスターは本当に寝坊助さんなのですね……こんなに突いても起きないなんひゃっ!?」

 

「_____……」

 

突っついてくる指が流石煩わしくなったのか、マスターが大きく首を振りました。 すると、突っつこうとしていたマシュの指が綺麗にマスターの口へと向かってしまい、結果マスターがマシュの指を咥えてしまいました。 マスターの柔らかく暖かい舌の感触がマシュの指を包みます。

 

「せ、先輩ぃ! あわ、あわわわわわわわ!?」

 

飴をなめる夢でも見ているのでしょうか、そのままマスターの舌はマシュの指を味わう様に絡んできます。 何回も何回も丹念にマシュの指を綺麗にしようとするように舌がマシュの指を舐め回すので、味わったことのない感覚にマシュは指を引き抜こうとせずにそのままマスターの口の中へ指を入れたままにしてしまいます。

 

「先輩、そんな……はぁ……」

 

マシュは自分の指を先輩に舐めさせているという背徳的な行為になんだか背筋がゾクゾクするような感覚を感じ、頬が上気してきていました。 惜しみながらも指を引き抜くと、彼の唾液が糸を引き、マシュの濡れた指が艶やかに光っていました。 なんだかマシュは自分の中のビーストがデンジャラスに昂ってくるのを感じて、ちゃんとマスターを起こして皆の所へ戻ろうと考えるのですが、彼の、マスターの唇から目が離せません。 先ほどまで自分の指が入っていたマスターの唇。

 

__もしも、もしも先ほどの状況が指ではなく■だったら……?

 

マシュの体に電流が流れたかのように体が震えます。 やってはいけない事だと感じてはいるのですが、いけないと分かっているほど何故か体の抑えが利かなくなって来ます。

 

「せ、先輩? 起きてください、起きないと■■しちゃいますよ……?」

 

自分の心臓が跳ねる音を聞きながらマシュはゆっくりとマスターの顔へと自分の顔を近づけていき、顔が熱くなってくるのを感じながら蕩けた目で舌なめずり。

その様子と言ったらマタ・ハリも絶賛の妖絶さありましたが、この部屋にはマスター以外誰もおらず、そのマスターも寝ていて気付いてはいません。 _勿体ないと思うべきか、寝ていてよかったと思うべきか_

 

「先輩? 本当にしてしまいますよ……?」

 

デンジャラスビースト値臨界点。 いまだに寝息を立てているマスターの唇に向かってマシュはそっと唇を近づけていきます、時間をかけながらも唇と唇が近づいていき、そして__

 

「マシュー? マスター? 遅いからお姉さん心配……して……」

 

二人があまりにも遅いので心配して部屋まで来たブーティカによって、触れる寸前で止まりました。 突然の出来事に固まるマシュに、ブーティカは二人の状況を見て、少しばかり冷や汗を流すと

 

「うん、そうだもんね! 二人ともお年頃だし! いや、その邪魔したね! ごめん、ごゆっくりー! め、メリークリスマース!!」

 

「ち、違います! 誤解です! 待ってくださいブーティカさん! 待ってー!」

 

と、気まずい空気に耐えられず部屋から飛び出していきました。 マシュも誤解_誤解ではないような気もしますが_を解こうと呼びとめますが、ブーティカはアタランテもかくやという物凄い速さで走っていってしまいました。

 

「せ、先輩! 起きてください! このままでは物凄い騒ぎになってしまいます! せんぱーい!」

 

「___!?!? ___!?」

 

カルデアの奥様会の一員であるブーティカの事です、さぞ嬉しそうに今の出来事を同じ奥様に伝えまわるでしょう。 そうなったら世界は救われてもマスターが終わりです。

それを阻止するため物凄い勢いでマシュに揺らされたマスターは何事か、また人理が焼却かと半ばパニックになりながら飛び起きる羽目になりました。

 

 

「さぁ、急ぎましょう。 皆さんもお待ちかねですし……」

 

「____?」

 

「いえ、焦っていません。 焦ってませんとも」

 

数分後、マスターとマシュの二人は食堂に向かう為廊下を歩いていました。 急に起こされたマスターはなんだか寝ぼけ眼でマシュの方はなぜか顔を赤くしながら早足で歩いていました。 二人が歩く廊下は所々が損壊しており、最終決戦の際の激しさを思わせます。

 

「そういえば、先輩はなぜベットではなくソファーで眠っていたのですか? あそこは先輩の身長では少々窮屈では?」

 

歩きながらふとマシュは疑問を口にします。 マスターの部屋では、ソファーは部屋の隅にあり、マスターは腰を掛けるにも近くにあるベットを使っていましたのでマシュはマスターがわざわざベットよりも遠くにあるソファーで寝ていたのがマシュには不思議なのでした。

 

「_____……」

 

マスターは言葉を詰まらせ、少し顔を上げてマシュから顔を見られないようにすると、細く小さな声でこう言いました。

 

「___あそこで、よく座ってたから」

 

マシュが驚いた様にマスターの方を向きます。 マシュからはマスターの表情をうかがうことは出来ませんでしたが、手を必死に握りしめ、こみ上げる物を必死に抑えているかの様でした。

マシュはマスターに何と言えばいいのか分かりませんでした。 彼のこんな姿を見るのはこの長い旅で初めてだったのです。

 

「_____……」

 

「先輩……」

 

マスターは不意に立ち止まると、こちらを見ないようにお願いしました。 食堂の賑やかな声が聞こえてくる中、ただ二人は誰もいない廊下で立ち止まっていました。

マシュにとってマスターはどんな時もまっすぐで、笑いたいときに笑って、人を助けることも、助けを求めることにも躊躇が無い人でした。 そんなマスターがただ一人で涙を流すまいと肩を震わせている。 それは誰も見たことが無い、サーヴァントたちのマスターでもマシュにとっての先輩でもなく、彼というただの少年の年相応の姿でした。

 

「ごめん、マシュ。 顔を洗ってくるよ」

 

震える声で何とか笑顔を作り出してマシュにそう言うと、少年は食堂から遠ざかるように足を向け歩き始めました。 マシュにはそれがとても、とても小さい背中に見えました。

彼は強い人です、きっと明日には彼は一人で立ち直って皆の前でいつもの様に、いつもの笑顔で現れる事でしょう、別れも自分の強さに変えて彼は更に成長するでしょう。

だがそれでいいのかとマシュは思いました、彼にこのまま涙を堪えさせていいのか。

__彼もまた、自分と同じように弱音を押し殺して旅をしてきたのではないのか。

 

「……っ!」

 

「_____……?」

 

そう思った瞬間、マシュは少年の手を握っていました。 少年は驚いた様にマシュから繋がれている手を見つめています。

 

「あ……その、私は、失う悲しみにどちらが辛いとかないと思うんです。 確かにドクターと私はある一種の親子の様な絆で繋がっていました、彼が人類を救うためその身を犠牲にしたと聞いて、酷い、酷い悲しみに覆われました」

 

何とか自分の中で言葉を組み立てて、マシュは自分が言いたいことを目の前の少年へと伝えようとします。

 

「でも、だからって、先輩が涙を堪える必要なんてないんです。 私のために涙を堪える必要なんてないんです」

 

多分、きっと、この少年はドクターロマンの事だけではなく、旅の始まり、燃え盛る炎の中マシュの手を握り微笑んだ時からマシュを不安にさせないように涙を堪えていたのです。

荒れ狂う嵐の様な恐怖が、理不尽なまでの強大な暴力が、心にこびり付く泥の様な悪意が少年を襲ってもマシュの心を曇らせないために、誰も見ていない夜でさえ涙を流しはしなかったのです。 それが掛け替えのない友人を失ったとしても。

 

「きっと、先輩は最初から私のために涙を堪えてくれていたのでしょう、きっとドクターのことだって私がこれ以上悲しまないために笑おうとしてくれたのでしょう」

 

「______!」

 

否定しようとする少年をマシュは優しく抱きしめました。 抱きしめられた少年は開いた両手を何処に持っていくか迷って、ゆっくりとマシュを抱きしめ返します、薄暗い廊下で二つの影が一つになりました。

 

「ありがとう……きっと私はあなたがいたからこの旅を続けられた。 だから次は私の番……どうか私にあなたの涙を受け止めさせて……」

 

だからこそマシュはこの目の前にいる愛しい少年の涙の受け皿になりたいと思いました。 マシュの抱きしめる力が強くなり、二人の体温がお互いを温めました。

マシュの言葉に少年は目を見開くと、しばらくしてぽつりと言葉を零していきました。

 

「_____?」

 

「はい、いっぱい泣いてください。 服が濡れる事なんて気にしません」

 

「_____?」

 

「いいえ、男の人だって泣くときは泣きます。 可笑しくなんかありません。 この前だって黒髭さんがナイチンゲールさんから部屋を消毒されて泣いていました」

 

「_____?」

 

「はい、誰にも言ったりしません。 そんなことはしませんとも」

 

「_____?」

 

「いいえ、嫌いになったりしません。 私は先輩の事が大好きですから……」

 

その言葉を皮切りに、一つ、また一つと少年の瞳から涙が零れ落ちていきました。 やがてそれは大粒になってマシュの服を濡らしてもマシュは彼を抱きしめることを止めることはしませんでした。 その泣き声は食堂からの喧騒で消えてしまうぐらい小さな声でしたがマシュは一つも聞き逃すこともなく彼の背中を撫でながら相槌を打ちました。

それは、彼の一年分の涙でした。 泣きたくても一人の少女のために必死でこらえてきた一年分の涙でした。 そして今はその少女がその涙を受け止めていました。

特異点の事、そこ出会った人たちの事、倒してきた者達のこと、守れなかった人たちの事、彼の喜びと怒り、楽しみと哀しみ、そして掛け替えのない友人の事が涙となって少年から少女へと伝わっていき、その全てを流し終わるまで二人はずっと抱きしめあっていました。

 

 

 

「先輩、本当に大丈夫ですか?」

 

「_____!」

 

その後二人は食堂の前へと来ていました。 泣き続けたマスターの眼は両目が真っ赤になっており誰が見ても心配することは必至ですが、マスターはそんなことは気にせずに吹っ切れた笑顔でマシュに大丈夫だと答えました。

 

「_____?」

 

「服は大丈夫か、ですか? 大丈夫です、少し濡れましたが、先輩の涙ですし先輩の泣き顔も見れたので全然気になんかしていません!」

 

「____!」

 

「くすっ、分かってます。 誰にも言ったりしません」

 

必死に懇願するマスターがマシュにはなんだか可笑しくて、マシュはくすくすと笑い始めました。 それを見てマスターは頬を膨らませますが、少し息をつくと自分も笑い始めました。

 

「……_____?」

 

「……はい、ドクターも先輩の泣き顔を見たかったと言うに違いありません、あの人は笑うことと泣くことは同じくらい大事だと言っていましたから」

 

そういって微笑むマシュと少し悲しげに微笑むマスター、マスターは散々泣いてやっとマシュの前で素直にドクターの事を悲しむことが出来たのでした。 それはやっとマスターがロマンとの別れにマシュと向い合えた証拠でもありました。

 

「でも、ドクターが見てしまったら笑ってしまうかもしれませんね。 凄い泣きっぷりでしたから」

 

そういって、またからかってくるマシュ。 からかうのは無しだと言っているのに、ニコニコと笑いながらそんなのは知らぬとばかりです。 マシュとしては誰も知らないマスターの一面を知ることが出来て嬉しいのでしょうが、このままでは先輩のメンツが潰れてしまって困るので、マスターもお返しとばかりからかうことにしました。

 

「そういえばあの時、大好きって言ってくれたけどあれは本当?」

 

「えっ!? ……あの、その……」

 

抱き合っていた時にマシュが言った言葉をしっかりと覚えていたマスターはお返しとばかりにニヤニヤと笑いながら問いかけます、問われたマシュの方はまさか覚えられていたとは思わず、顔を真っ赤にしてしどろもどろになってしましました。

 

「______?」

 

「いえ! 嘘では……その……」

 

あれは安心させるための嘘だったのかーとわざと大げさに残念がるマスター。 それを見てマシュはあたふたとするばかりです。 少し意地が悪い気がしますが、先にからかってきたのはあちらであり、マシュもからかわれていると気付いたら何時もの通り焼きマシュマロになって食堂に入っていくだろうとマスターは高をくくっていました。

__が、今日のマシュは少しデンジャラスなビーストになっていたことにマスターは気付いてはいませんでした。

 

「……先輩、こっち向いてください」

 

「_____?」

 

急にマシュが真面目なトーンになったので何かと思ったマスターがマシュの方を向くと、マシュはすぐ隣で何かを決心したような目をしてマスターを見上げていました。 どうしたのかマスターが聴こうとすると、マシュは踵を上げて背伸びをし、マスターの顔へ近づくと

 

「……んっ!」

 

「_____!?!?」

 

そのまま、目を閉じてマスターへ口づけをしました。 やらかい唇の感触と、彼女の香りがマスターを包みます。

いきなりの出来事に、ゆっくりと口を離して顔を赤くするマシュにマスターは何も言えず顔を魔神柱の眼のように真っ赤にしながらマシュを見つめます。

 

「その、嘘じゃありませんからっ……大好きです……先輩……」

 

そのまま食堂へと顔を真っ赤にしながら入っていくマシュを呆然と見ながら、キスをされた唇を指でなぞるマスター。

なんだか、いろんな意味で今までの関係とはいられないような、そんな甘い春の訪れを一足先にマスターは感じていました。

 

_______マスターの明日はどちらでしょう。




ウォォォォォオドクターァァァァァァ!!

最終章は、もう何とも言えません。 バルバトス嬉々として殴っていたら、次はスマホ片手に涙を流していました。 もうなんというか言葉が浮かび上がらない……

と、いうことで今回はマシュとマスターもの。 マシュは彼のおかげでここまでこれたと言いましたが、彼の方もマシュのおかげでここまでこれたのではないかと思います。

感想誤字報告毎度ありがとうございます。 最終戦後で心が燃え尽きた時に感想などはとても励みになりました。

次は、ちょっと書きたかった未来を取り戻した後のぐだーずの帰省話を書こうと思っています。

では楽しんで読んでいただけると嬉しく思います。

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