Persona4 second challenge   作:やってらんねーとか思ってる未成年

17 / 19
人は見かけで判断するな

八十稲羽高校、通称八高。おそらく八十稲羽で高校生といえば八高生が大多数を占めることは間違いないだろう。

 

ふむ、久しぶりって訳でもないがやはり愛着のある八高へ帰って来たとなると嬉しいものだ。ここで過ごした思い出は数えられない程ある。そんな高校にまた通える日が来るなんて、思ってもみなかった。

 

「ねー 邪魔なんだけど?」

 

>おっと すまない

 

最近は物思いに更ける癖が付いてしまっている。気を付けよう。それに、校門の前で棒立ちするのは他の八高生に迷惑が掛かってしまう。周りにも十分に気を配らなければいけないな。

 

>どうした そんなに俺の顔をじっと見て 何か付いてるか?

 

「! べ、別に・・・」

 

何故、目を背ける?いや、それよりお前は-

 

「じゃ!!」ダッ

 

>え?

 

走り去っていった・・・。俺が何かおかしいことでもしただろうか?(初)対面の時は、あまりハメを外さないように気をかけているんだけどな。もっと注意をした方がいいのだろうか?

 

「何あの子?急に走り出したわよ ウケるー」

 

「なんかすごいモノでもみたんじゃない?」

 

「見てたのってあの・・・男子・で・・しょ・・・」

 

「「・・・・・」」

 

>?

 

「「・・・・・」」( ⊙ ω ⊙ )( ⊙ ω ⊙ )ジー

 

な、なんだ?さっきまで騒いでいた女子生徒が急に静かになったと思えば、明らかにこっちを凝視している。何か重大なミスを犯しているのか?俺・・・

 

>!

 

まっ、まさか!?そんなことがっ??いや、そうに違いない。それ以外に視線を集められる理由なんて考えられないな。・・・クソっ!俺としたことが、

 

チャックを開けたまま登校していたなんてっ!

 

 

 

一生の不覚だ。見られていては上げることすら出来ないぞ。明らかに不自然な行動として取られてしまうからな。転校生というだけで注目を集めるのにチャックが開いていた事が噂にでもなれば・・・。

 

「相棒!チャック開けたまま登校してたんだってな!」

 

「鳴上くんも・・・花村みたいなことするんだね」

 

「チャック開けてたって事は、お口チャックだね!」プッ アハハハハ

 

 

こんな事態は必ず回避しなくては。どうする?説得を試みるか?駄目だ、言い訳にしか聞こえない。ペルソナを使用するときか?もってのほかだろ!?大人数の前で使えば問題しか生まれない。

かくなる上は・・・!

 

 

 

>ハイカラだろ?

 

 

あえて、自主性を出すことでやり過ごす!

 

 

「「え」」

 

 

>・・・・

 

「・・・う、うん」

 

 

 

 

 

 

>フッ

 

ε=ε=ε=ε=┌(; ・_・)┘撤退だっ!

 

 

 

 

 

「「あ」」

 

 

 

 

 

「・・・ビックリしたね」

 

「そだね・・・」

 

「急に私に話しかけてきたし」

 

「は?あたしの方に話しかけたに決まってるじゃん!」

 

「な、なに言ってんのよ?!第一 私が‘うん’って答えたから彼が微笑んでくれたんですー」

 

「は、はー?そんなの後付けでしょ?」

 

 

「「・・・・・・・」」

 

 

「でもさ」

 

「うん」

 

 

 

 

 

「「彼 イケメンすぎるわー」」(*´ー`*)(*´ー`*)

 

 

 

 

 

 

 

あの耐え難い視線から逃げるべく俺は校舎に入り込んでいた。

 

>さてと まずは・・・

 

記憶が正しければ、転校の手続きとかの関係で職員室へ行かなくてはならなかった気がする。時間はさほど掛からない筈なのだが・・・諸岡先生の話がある。つまり、諸岡先生の話で時間が結構掛かる。そう考えると職員室へ入る一歩が重い。正直、根は悪い人間ではないのだが関わりづらい。たぶん、お気に入りの生徒になれば話は別なのだろうが・・・

 

「む?もしや貴様が転校生か」

 

>!

 

いつの間にっ!背後を取られてしまった。戦闘だったら痛い一撃を受けていたことだろう。恐るべし、モロキン。

 

>はい 転校生です

 

「ほー 貴様が」

 

腰に片手を添え、もう一方の片手は顎をさすりながらジロジロと俺の顔を見てくる。もう見られるのはこりごりだ。さっさと切り上げて貰うために、一芝居打とう。

 

>先生!

 

「ん?なんだ」

 

>僕は・・・どうしようもない人間なんです

 

「あぁ?どういう意味だ」

 

>今までの僕は勉強、それに運動ができることを良いことに、幾人の女性とみだらな関係を結んできました(事実)それに、修学旅行へ行けばクラブに行ったり(事実)文化祭ではイベントに出る気のない友人を強制して出させる奴(陽介)の片棒を担いだりもしました(事実)

 

「なんて奴だっ・・・貴様のような奴は腐ったミカン帳に書いといてやるからな!」

 

>待ってください!先生!!変わりたいんです!

 

「うるさい!落ち武者のような奴の話は聞きたくもない!!」

 

>・・・その通りです 僕は落ち武者なんです だから!先生!!

 

「黙れと言ったんだっ!」

 

>・・・・

 

 

「・・・・」フン

 

 

「都会から来たから知らんが貴様の容姿は悪くはない だから、そこに惹かれる女もいたことだろう」

 

>・・・・

 

「自惚れてハメを外すこともあっただろう」

 

>・・・・

 

「・・・本音を言うと 初めて見た瞬間から気に食わん奴だと思ったわ!」

 

>・・・・

 

「しかし、そう思った時以上に貴様のことが嫌いだ!!」

 

>・・・・

 

 

「何故かわかるかぁ!?」

 

 

 

 

「貴様は自分のことを落ち武者呼ばわりしたからだぁっ!」

 

 

 

 

 

>!!

 

 

>先生・・・

 

「変わりたいくせに自分は落ち武者だと認めてどうする?!認めたら変われると思ったら大間違いだ!!助けを求めたら助けられると思ったら大間違いだぞ!!!」

 

 

 

 

ちょっと待ってくれよ。ホントに俺の知ってるモロキンなのか、この人は?彼の説教が胸に来る日が来るなんて・・・。実はいい教師だったんじゃ、ない、か。

 

う、涙が・・・。

 

>先生ェ!!

 

 

「・・・貴様が嫌いなのに変わりはない」

 

>ぅ・・・・

 

 

「・・・・」

 

 

 

「だが、教師は職務を全うする義務がある」

 

 

 

>っ!じゃあ?

 

 

「助けがどうしても必要な時は聞いてやらんこともない」(´A`*)

 

 

>諸岡先生ェェェ!!。・゚(゜´Д`゜)゚・。

 

 

「転校手続きは終わった じゃあ教室へ向かうぞ」

 

>はいっ!

 

 

 

 

 

「「「「うおぁぉぉぉぃぁぁあ」」」」

 

 

 

このやり取りを聞いていた数人の生徒は、みんな泣いていた。

 

 

 

そして、その生徒たちがこのやり取りを噂として広め、モロキンに相談する生徒が後を絶たなくなるのはそう遠くない未来のことである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それと 貴様のチャックさっきから開いとるぞ」

 

>あ( ゚∀゚):∵グハッ!!

 

 

 




モロキンとか小西早紀とか堂島千里さんとか、なんか死者ばっかり良いとこ持ってくなー、と思いました_(._.)_
今回は大増量版でした!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。