Persona4 second challenge 作:やってらんねーとか思ってる未成年
初のss投稿頑張るクマー!
エンディング≒スタート
今、俺は電車のドア口に立っている。
ホーム側にはこの一年を共にした俺の大切な仲間達と叔父の堂島さん、娘である菜々子が俺の顔をまじまじと見ている。
というのも、今日は3月21日。この地、八十稲羽を離れる日が今日ということだ。
正直にいうと、初めてこの八十稲羽に来たときは心が踊っていたなんてとてもじゃないが言えなかった。親の都合で引っ越すなんてのはよくある事だったし、それ自体に不満はこれといってない。
だが、ここは別だ。今までの引っ越しとは訳が違う。都会とは勝手が違う。ネットで調べても画像はほとんど掲載されてないしWebで上がったのは旅館、染め物などほとんどの学生には縁遠い物だった。
今の俺から言わせれば、それはただの食わず嫌いと同じだったと思う。今じゃ、裁縫は完二と共に作ったあみぐるみの数々が全てを物語っているし、旅館では仲間と過ごした文化祭の後のことを今でも鮮明に覚えている。
・・・いや、別に女性陣の裸を覚えているわけではない。
むしろ、あの時撤退命令を出すべきではなかったと悔いている。今なら・・・今の豪傑級の勇気があればしかと目に焼き付けるのに!!くそっ
おっと話が逸れてしまった。
とにかく、今ではこの八十稲羽とそこに居るみんなが大好きなんだ。
そんな事を考えている内に陽介が口を開いた。
「じゃあ、またな」
陽介。 俺はお前を誇りに思ってる。想い人を失っても、他人に避けられてもめげずに真実を追い続けたお前は誰よりも誇れる親友だ。
「向こうでも頑張ってね」
雪子。現実を直視して自分が旅館を継ぐ決意をした、それは並大抵の覚悟じゃない筈だ。
「そっちで何かあったら駆けつけるからさっ」
千枝。自らの内面と向き合ってなお強くなりたいと願い、励んだ日々を俺は知っている。
「また会いましょう、きっと」
直斗。真実が見えなくなっても決して諦めない強さ、それはもう性別なんて関係ない直斗の長所だ。
「先輩、俺待ってるッスから!」
完二。お前は優しさに溢れた奴だ。たとえ、誰かが誤解しても俺が完二の仲間である事に変わりはない。
「またね、先輩」
りせ。りせはもう自分らしさとは何かを知っている。誰かに希望を与える、そんな誰にでも真似できることではないのをりせにはできる。
「会えるの楽しみにして待ってるクマ」
クマ。自分の事を知り絶望してた時もお前は菜々子の心配をしてた。仲間想いでムードメーカーな大切な仲間だ。
「気をつけてな」
堂島さん。感謝しても、し足りない人だ。この人のお陰で間違いを犯さず自分の正しく在る道を進めたのだから。
もはや、父親だ。
「またねお兄ちゃん、バイバイ」
菜々子。いつまでも俺は菜々子のお兄ちゃんだ。
「菜々子、しゃうらいお兄ちゃんとけっこんする。」は忘れない
(あとネットの‘’くせーんだよ!‘’の画像は許さない、絶対にだ絶対許さ(略))
>うん
そう言って俺は電車に乗り込んだ。
電車が発車すると同時に、みんなが俺を追いかけてきている。やはり、ここに来て良かった。
不意に泣きそうになるのを
電車のスピードが上がり、みんながホームの端についても
俺はずっと窓からみんなを見ていたんだ。
>・・・・・・・
辛くはあるが不思議と嬉しさがこみ上げて来た。
ー大丈夫、また会える
不思議とどこからか聞こえて来た気がする。
電車の座席に座ると肩の力が抜けたのか、眠気が襲ってきている。電車の揺れが心地いい。
>・・・・
あぁ、俺は‘’幸せ‘’だな。
俺は静かに眠りについた。
『大丈夫、またすぐに会えるさ。1日と経たずにね。』
やっぱり、ssって難しいクマね。