『クインヴェールの翼』がアニメ化されたら、ソフィアの声は金元さんにやってもらいたいなぁ・・・
金元さん、頑張って下さい!復帰をお待ちしております!
『皆様、お待たせいたしました!グラン・コロッセオの開幕です!』
実況の声と共に、観客席から大歓声が聞こえてくる。
学園祭最終日、俺達はシリウスドームのステージに集められていた。
『実況は私、星導館学園新聞部の夜吹英士朗がお送りいたします!』
「チェンジで」
『七瀬!?いきなりかオイ!?』
ドッと笑いが起きる。
何で夜吹なんだよ・・・梁瀬ミーコさん呼んでこいや。
『コホン・・・えー、それでは選手の紹介です!』
仕切り直す夜吹。
『アルルカント・アカデミーより・・・《鳳凰星武祭》ファイナリスト、リムシィ!』
「リムシィ、お前も参加してたのか?」
「えぇ、不本意ですが」
溜め息をつくリムシィ。
「実はこのイベント、元々は《獅子派》の副会長が企画したイベントでして」
「え、マジで?」
「えぇ。そこに《万有天羅》が絡んできて、当初の予定とは違うものとなってしまったようですが・・・ともかく《獅子派》の企画したイベントということで、代表のカミラ様の代理として私が参加することになりまして」
「・・・大変だな」
「全くです・・・七瀬、よろしくお願いしますね」
「おう、頑張ろうぜ」
リムシィと握手する俺。
『レヴォルフ黒学院より・・・序列十八位の《吸血暴姫》、イレーネ・ウルサイス!』
「え、イレーネって今十八位なの?」
「《覇潰の血鎌》が使えなくなったからな」
溜め息をつくイレーネ。
「アタシなんざ、純星煌式武装が使えなきゃそんなもんさ」
「いや、それでも十八位だろ?身体的スペック高いなオイ」
「そこは多少自信あるからな。ま、今日はお互い頑張ろうぜ」
「だな」
イレーネと拳を合わせる。
『界龍第七学院より・・・序列五位の《天苛武葬》、趙虎峰!』
「スミマセン七瀬、師父が無茶なお願いをして・・・」
謝ってくる虎峰。良いヤツだなぁ・・・
「気にすんな。ってか、虎峰も出ろって言われたのか?」
「えぇ。こういう面倒な役目は、いつも僕が押し付けられてまして・・・」
「・・・今度マジで星露しばこうかな」
まぁ無理だけど。返り討ちにされるけど。
「頑張ろうな、虎峰」
「はいっ」
笑顔で拳を合わせてくれる虎峰。
『聖ガラードワース学園より・・・序列一位の《聖騎士》、アーネスト・フェアクロフ!』
「アーネスト、仕事は大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。全部レティシアに任せてきたのでね」
「・・・ねぇ、皆レティシアに恨みでもあんの?」
可哀想に・・・今度マジでレティシアに何か奢ってあげよう・・・
「ってかアーネスト、お前あんなに美人な妹がいたんだな」
「おや、ソフィアに会ったのかい?」
「あぁ。ホント美男美女の兄妹だと思ったよ」
「ハハッ、それはどうも。どうだい七瀬、ソフィアを嫁にもらう気はないか?」
「ソフィアの理想は『お兄様みたいな人』らしいからな。俺じゃ無理だろ」
「そうか、それは残念だね」
苦笑しているアーネスト。
『クインヴェール女学園より・・・序列一位の《戦律の魔女》、シルヴィア・リューネハイム!』
大歓声が鳴り響く。流石はシルヴィ・・・
「世界の歌姫の人気は凄いな」
「もうっ、茶化さないでよ」
頬を膨らませるシルヴィ。
「いやいや、マジで凄いと思ってるから。それだけシルヴィのファンが多いっていうのは、俺としても嬉しいからさ」
「・・・バカ」
頬を赤く染めながら、そっぽを向くシルヴィ。
『そして最後に、我が星導館学園より・・・序列三位の《雷帝》、星野七瀬!』
シルヴィほどではないが、歓声が聞こえてくる。
嬉しいもんだな・・・
『さてさて、巷では《戦律の歌姫》と《雷帝》の熱愛報道も流れていますが・・・』
「《雷帝の閃槍》」
『どわーっ!?ちょ、七瀬!?悪かった!悪かったって!』
雷の槍を実況席に叩き込もうとすると、夜吹が土下座して謝ってきた。
あの野郎・・・
「チッ・・・次は無いと思えよ」
『ホントすいませんでした・・・えー、それでは気を取り直しまして!ルールの方を説明したいと思います!』
安堵の溜め息を漏らす夜吹。
『これから六名の選手の皆様には、界龍第七学院が誇るガーディアンを二体倒していただきます!制限時間内に倒せたら勝ち、倒せなかったら負けとなります!なお被弾判定はありませんので、いくら攻撃を受けても失格にはなりません!ご安心を!』
「いや、何も安心できねーよ」
思わずツッコミを入れてしまう。
「要は遠慮ない攻撃がバンバン飛んでくるってことじゃん」
「だろうね。星露が絡んでるんだから、そう考えて間違いないと思う」
苦笑しながら頷くシルヴィ。だよなぁ・・・
「なぁ虎峰、界龍のガーディアンって知ってるか?」
「・・・僕の想像が正しければ、ヤバいのが来ますよ」
虎峰が苦虫を噛み潰した表情をしている。ヤバいの・・・?
『それでは登場していただきましょう!界龍のガーディアン達です!』
ステージの中央に大きな穴が空き、下から機械仕掛けでせり上がってきたのは・・・
「あぁ、やっぱり・・・」
呻く虎峰。
「白秦と黒胡だ・・・」
白と黒の二体の巨人が姿を現した。白い巨人は両手に剣を一本ずつ、黒い巨人は両手で長大な矛を握っている。
「・・・虎峰、何アレ?」
「初代の《万有天羅》が残していった界龍の仙具です」
説明してくれる虎峰。仙具って確か・・・
「歴代の《万有天羅》が作り出した武器兵装・・・だっけ?」
「えぇ、あの二体は黄辰殿の番人みたいなものです。本来仙具は、界龍の外に持ち出してはいけない決まりになっているのに・・・師父は何を考えてるんですか・・・」
「面白そうだから出してみた、とか言いそうだよな」
「そんなYou●uberの動画タイトルみたいなこと・・・言いそうですね」
ガックリと肩を落とす虎峰。ホント苦労人だよな、コイツ・・・
「なぁ、アイツら強いのか?」
「弱かったら番人になりませんよ」
イレーネの問いに、虎峰が力なく答える。
「まぁ、僕ら六人が本気を出したら普通に倒せr・・・」
『ちなみに今回、《魔女》のリューネハイム選手と《魔術師》の七瀬選手は能力を使ってはいけません。それから純星煌式武装の使用も禁止ですので、趙選手・アーネスト選手・七瀬選手はご注意下さい』
「あのクソチビいいいいいっ!ホント覚えてろよこんちくしょおおおおおっ!」
遂に壊れる虎峰。俺は溜め息をつき、皆を見回した。
「アーネスト、白い方を任せて良いか?剣の腕はお前が一番だからな」
「了解した。ただ、一人ではキツいだろうね」
「分かってる。だからイレーネ、虎峰と一緒にアーネストに力を貸してやってくれ」
「構わねぇけど、黒い方は大丈夫なのかよ?」
「あぁ。幸い武器は一つだし、俺とシルヴィで攻めるよ。リムシィは援護射撃を頼む」
「承知しました」
「よし・・・そんじゃ、勝とうぜ!」
「「「「「おうっ!」」」」」
『それでは、バトルスタートです!』
気合いを入れたところで、試合開始のゴングが鳴り響くのだった。
どうも~、ムッティです。
シャノン「ねぇ作者っち、《獅鷲星武祭》はいつ始まるの?」
もうそろそろこの章が終わるから、それからだね。
とりあえずこの章はボケたかったのと、ついでにシルヴィとイチャつかせたかったのよね。
シャノン「ヒロインとのイチャイチャが『ついで』って・・・」
ユリスやクローディアが台頭してくるなか、シルヴィは正妻ポジションを確保できるのだろうか・・・
シャノン「いや、それは作者っち次第だよね?ヒロイン複数人構想はどうなったの?」
色々と考えてるよ。今後の展開をお楽しみに。
それではまた次回!以上、ムッティでした!
シャノン「またね~!」