こういう気温の変化で体調を崩す人も多いので、皆さんお気を付けて!
by思いっきり風邪をひいた人
翌朝・・・
「・・・これが朝チュンってやつか」
ベッドに横になりながら、そう呟く俺の隣では・・・
「うぅ・・・///」
生まれたままの姿のシルヴィが、顔を真っ赤にしていた。
「何で今さら恥ずかしがってんだよ・・・」
「昨日はその・・・勢いに身を任せてたから・・・」
思い出したのか、シルヴィが両手で顔を覆う。まぁ確かに・・・
「凄かったよな、シルヴィ。あんなに乱れるとは思わなかったわ」
「それ以上言わないで!?」
凄い勢いで首を横に振るシルヴィ。やれやれ・・・
「とりあえず起きよう。お腹も空いたし」
「あ、待って!」
何故か慌てるシルヴィ。
「どうした?」
「その・・・布団めくったら・・・見えちゃうから」
「ホント今さらだなオイ」
俺は溜め息をつくと、思いっきり布団をめくった。
「キャッ!?」
シルヴィが身体を隠そうとするが、お構い無しにお姫様抱っこで抱えた。
「ちょ、何するの!?」
「何って・・・シャワーを浴びようかと」
「ふ、二人で!?」
「勿論。身体の隅々まで洗ってやろう」
「ふえええええっ!?」
赤面するシルヴィ。
「恨むなら、俺のスイッチを押してしまった自分を恨むんだな」
「うぅ・・・ななくんがケダモノになっちゃった・・・」
そう言いつつも、決して拒もうとはしないシルヴィなのだった。
*****
「やぁ、七瀬」
「お久しぶりですわ」
聖ガラードワース学園の正門の前で俺達を待っていたのは、なんとアーネストとレティシアだった。
おいおい・・・
「会長と副会長が揃ってお出迎えって・・・いつから俺達はVIPになったんだ?」
「ハハッ、僕達の仲じゃないか。遠慮などしないくれ」
「三咲達は今少し手が離せないので、代わりに私達が迎えにきたのですわ」
「手が離せない?もしかして仕事が忙しいのか?」
「いえ、仕事といいますか・・・」
歯切れの悪いレティシア。と・・・
「喧嘩の仲裁です」
後ろから男性が現れ・・・いや、男装している女性か。
男性には無いはずの二つの膨らみが・・・
「ななくん?」
隣のシルヴィが頬を抓ってくる。痛い痛い・・・
「パーシヴァル?三咲を手伝いに行ったんじゃなかったのかい?」
「そのつもりだったのですが・・・少々問題が生じまして」
女性・・・パーシヴァルさんはそう言うと、俺達の方を見た。
「初めまして、《雷帝》。お隣は《戦律の魔女》ですね。私はパーシヴァル・ガードナーと申します。以後お見知りおきを」
「あぁ、貴方が《聖杯》の使い手・・・《優騎士》ですか」
ガラードワースの学有純星煌式武装である、《聖杯》こと《贖罪の錐角》・・・その使い手が二十年ぶりに現れたことは、俺もニュースで見て知っていた。
この人がその使い手、ガラードワースの序列六位か・・・
「《雷帝》、貴方の力をお借りしたいのですが・・・」
「構いませんよ。あと、七瀬で大丈夫です」
「では、私のこともパーシヴァルとお呼び下さい。それで、その問題というのが・・・」
パーシヴァルさんは、どこか困り顔で俺を見たのだった。
「現在、トレーニングルームにて・・・貴方の姉上方が喧嘩しておりまして・・・」
*****
パーシヴァルさんに連れられて、トレーニングルームへやってきた俺達。
そこで見た光景は・・・
「はあああああっ!」
「やあああああっ!」
五和姉と六月姉が、三咲姉へと剣を振るう姿だった。しかし・・・
「無駄です!」
三咲姉が剣で受け止め、そのまま二人を弾き飛ばす。
「どういうことだい・・・?」
驚いているアーネスト。
「確か三咲は、五和と六月の喧嘩を仲裁しに来たはずでは・・・?」
「その予定だったのですが、三咲まで喧嘩に加わってしまいまして・・・」
パーシヴァルさんが説明してくれる。
「三咲には一対一では敵わないと判断した五和と六月が、一時的に手を組んで三咲と戦っているといった状況です」
「どうして三咲まで加わっているんですの・・・」
呆れているレティシア。と・・・
「先輩方!もうその辺にして下さい!」
「お、落ち着いて下さい!」
二人の男女が、三咲姉達に必死で呼びかけている。
あれ、片方は見覚えが・・・
「あぁ、《鳳凰星武祭》に出てた・・・《輝剣》だっけ?」
「ん?」
こちらを振り向く男子生徒。
「あ、皆さん・・・って《雷帝》!?どうしてこんなところに!?」
「ヤッホー。えっと、チャリオット・ブースターくん?」
「エリオット・フォースターですけど!?」
「あぁ、ゴメン。よろしくエリオ」
「初対面で名前を略された!?」
ショックを受けているエリオ。と、不意に横から制服の袖を引っ張られた。
振り向くともう一人の女子生徒が、俺を涙目で見つめていた。
「た、助けて下さい・・・先輩方の弟さんである《雷帝》さんなら、喧嘩を止められるかもしれません・・・」
「何この可愛い子、妹にしたいんだけど」
「その子はノエル・メスメル。ウチの序列十位で、二つ名は《聖茨の魔女》だよ」
アーネストが説明してくれる。へぇ・・・
「ノエルかぁ・・・良い名前だな」
「はうっ!?」
途端に赤面するノエル。と、そこへエリオが駆け寄ってきた。
「それより《雷帝》!先輩方を止めて下さい!」
「何で皆二つ名で呼ぶかなぁ・・・七瀬で良いんだけど」
「じゃあ七瀬さん!あの三人を止めて下さい!」
「だが断る」
「何でですか!?」
「逆に聞くけど、エリオはアレに突撃したいと思う?」
「・・・絶対嫌です」
「ミートゥー」
五和姉と六月姉だけならともかく、三咲姉までいるしなぁ・・・
「ってか、そもそも何で喧嘩してんの?」
「そ、それは・・・」
ノエルが口ごもるが、やがておずおずと口を開く。
「五和先輩と六月先輩が、どっちが七瀬さんを案内するかで揉めて・・・そこへやってきた三咲先輩が、自分が案内するに決まってるって断言して・・・それで、誰が一番七瀬さんを上手に案内できるかで喧嘩に・・・」
「《超電磁砲》」
ノエルの説明の途中で、俺はトレーニングルームの壁に《超電磁砲》をぶち込んだ。凄まじい爆発音が鳴り響き、三人の動きが止まる。
恐る恐るこちらを振り向く三人に、俺はニッコリと笑いかけた。
「とりあえず・・・死にたいヤツは前へ出ろ」
「「「すいませんでした」」」
その場で土下座する三人なのだった。
*****
「エリオもノエルも、悪かったな」
謝る俺。
三咲姉・五和姉・六月姉は、アーネスト・レティシア・パーシヴァルさんに生徒会室へ連れていかれた。俺がトレーニングルームに空けた穴も、三咲姉達のせいということにしてもらった。
恐らく余分に反省文を書かされることだろう。自業自得である。
「まさか一瞬で終わらせてしまうなんて・・・」
「す、凄いです・・・」
「力ずくだったけどね」
驚嘆しているエリオとノエルに、苦笑するシルヴィ。
「でもななくん、結局案内役がいなくなっちゃったね?」
「まぁ良いんじゃね?テキトーに見て回ろうぜ」
「あ、あの!」
そんな会話をしていると、ノエルがおずおずと手を上げた。
「わ、私で良かったら・・・案内させてもらえませんか・・・?」
「それなら僕も。助けてもらいましたから」
エリオまでそんなことを言ってくれる。おぉ・・・
「サンキュー!助かるよ!」
「うわっ!?」
「キャッ!?」
二人の肩を掴んで抱き寄せる。こんな後輩がいて、三咲姉達が羨ましいわ。
「そういや二人は、チーム・トリスタンの一員として《獅鷲星武祭》に出るんだよな?」
俺の問いに、エリオとノエルがおずおずと頷く。
チーム・トリスタンは、ガラードワースの序列七位から十二位までの六名で構成される。
五和姉が七位で六月姉が八位、エリオが九位でノエルが十位なので・・・四人はチームメイトということになる。
「・・・五和姉と六月姉のこと、よろしく頼むよ。あの二人は、今回で《星武祭》への参加が三回目・・・つまり今回が最後になるから。後悔だけはしてほしくないんだ」
「七瀬さん・・・はい!任せて下さい!」
「全力で頑張ります!」
「・・・ありがとな、二人とも」
エリオとノエルの心強い返事を、嬉しく思う俺なのだった。
どうも~、ムッティです。
ノエルちゃんマジ天使。
シャノン「出たよ浮気性・・・」
最新巻の最初のページのノエルちゃんの絵が可愛すぎて・・・
くっ、『お兄ちゃん』と呼ばれているエリオが羨ましいぜ。
次はノエルちゃんのお兄ちゃんが主人公の物語でも書こうかな。
シャノン「シスコンぶりが目に浮かぶようだよ・・・」
うん、とりあえず最初にエリオは抹殺されるだろうね。
シャノン「エリオくん逃げて!超逃げて!」
それではまた次回!以上、ムッティでした!
シャノン「またね~!」