学戦都市アスタリスク ~六花の星野七瀬~   作:ムッティ

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新章突入でございます!

新キャラも登場するよ!

それではいってみよー!


第六章《故郷帰省》
七瀬の実家


 「こ、ここが七瀬の実家なのか・・・?」

 

 目の前の武家屋敷のような建物を見て、ユリスが呆気にとられている。

 

 ユリスにはリーゼルタニアで色々ともてなしてもらったので、そのお返しにと俺の実家に招待したのだ。

 

 綺凛も誘ったのだが、自分の実家の方に顔を見せたいとのことだったので空港で別れた。

 

 「そうだよ。リーゼルタニアの王宮と比べたら狭いだろうけど、それは勘弁してくれ」

 

 「何を言うかっ!」

 

 大声を上げるユリス。あれ、何か目がキラキラしてるんだけど・・・

 

 「この風情ある外観・・・心が躍るな・・・!」

 

 「・・・気に入ってくれたみたいで良かったよ」

 

 苦笑しながら門をくぐり、玄関へ向かおうとした瞬間だった。

 

 「はぁっ!」

 

 「っ!?」

 

 頭上から蹴りが飛んでくる。咄嗟に避けると、一人の少女が目の前に着地した。そのまま拳を放ってくるので、受け止めてこちらも拳を繰り出す。

 

 少女はそれを避け、俺の腕を掴んで背負い投げる。空中で一回転して着地すると、少女が素早く距離を詰めてきた。

 

 「七瀬!?」

 

 「あぁ、心配ない」

 

 突然の襲撃に驚いているユリスに、笑いながら答える俺。少女が放ってくる拳をしゃがむことで避け、素早く足を払う。

 

 「っ!?」

 

 バランスを崩して倒れこむ少女。その隙に首を押さえ、拳を構える。

 

 「勝負あり、だな」

 

 「・・・参りました」

 

 溜め息をつく少女。ユリスが慌てて駆け寄ってくる。

 

 「七瀬!?無事か!?」

 

 「大丈夫だって。妹との軽いスキンシップさ」

 

 「妹!?」

 

 驚いたように少女を見るユリス。俺は少女の首から手を離して立ち上がると、上体を起こした少女へと手を差し伸べる。

 

 「久し振り、八重」

 

 「お久し振りです、七瀬お兄様。突然の無礼、申し訳ありません」

 

 謝りながら俺の手を掴む少女・・・星野八重。

 

 俺が手を引っ張ると、青く長い髪を揺らしながら立ち上がった。

 

 「ずいぶん強くなったな」

 

 「いえ、まだまだです。お兄様に本気を出していただけるくらいにならなくては」

 

 「お前も本気じゃなかっただろうに」

 

 「結構本気でしたよ。それを軽くあしらわれてしまうのですから、私もまだまだ修行が足りません」

 

 「相変わらず謙虚だな、お前は」

 

 笑いながら八重の頭を撫でる。

 

 「八重はもっと強くなれるよ。だからその気持ちを忘れずにな」

 

 「はいっ」

 

 笑みを浮かべる八重。と、ユリスの方へ視線を移しハッとした表情になる。

 

 「も、申し訳ありません!私としたことが、挨拶が遅れてしまいまして!」

 

 「あ、あぁ・・・大丈夫だぞ」

 

 呆気にとられていたユリスが我に返る。まぁ、いきなりあんな登場したら驚くよな。

 

 「ユリス、俺の妹の八重だ。八重、この人がユリス=アレキサンダー・・・何だっけ?」

 

 「決闘した時はちゃんと覚えてただろうが!ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトだ!」

 

 「うん、長いから人間発火装置で良い?」

 

 「覚える気ゼロ!?その呼び方は止めろ!」

 

 「・・・まるで漫才ですね」

 

 八重は苦笑すると、ユリスに対して一礼した。

 

 「星野八重と申します。以後お見知りおきを」

 

 「あぁ、よろしく頼む」

 

 「八重ちゃ~ん?」

 

 二人が握手をかわしていると、玄関からもう一人少女が出てきた。紫銀の長い髪をなびかせた、スタイル抜群の少女である。

 

 「何だか騒がしいけど、何かあったんで・・・すか・・・」

 

 セリフの途中で俺と目が合い、固まってしまう少女。そして・・・

 

 「な・・・七瀬兄さああああああああああんっ!」

 

 「うおっ!?」

 

 勢いよく抱きついてくる少女。目には涙が浮かんでいる。

 

 「会いたかったですうううううっ!」

 

 「久し振りだな、九美」

 

 抱き締め返し、少女・・・星野九美の頭を撫でる俺。

 

 「元気にしてたか?」

 

 「勿論です!胸も一段と大きくなりました!」

 

 「いや、それは聞いてないんだけど」

 

 俺の身体に押し付けられている二つのメロンの感触で、聞かなくても分かるからな。

 

 コイツ、一年前よりさらに大きくなってやがる・・・恐ろしい子・・・

 

 「ちょっと九美!?破廉恥ですよ!?」

 

 「兄妹同士のスキンシップだから良いんですぅ!」

 

 八重の抗議に反論する九美。いや、兄妹同士だからこそアウトなのでは・・・

 

 「だ、だったら私もお兄様に抱きつきます!」

 

 「ちょ、八重!?」

 

 八重まで抱きついてくる。

 

 っていうか二人とも離れて。ユリスの視線が冷たいから。まるで汚物を見るような目でこっちを見てるから。

 

 「七瀬・・・お前、自分の妹達に手を・・・」

 

 「出してないから!何もしてないから!」

 

 「お兄様・・・私はいつでも・・・」

 

 「兄さんが望むなら、私は全然・・・」

 

 「それ以上言ってはいけない!」

 

 危うくとんでもないセリフを言いかけた二人を引き剥がす。

 

 危なかった・・・

 

 「コホンッ・・・ユリス、妹の九美だ」

 

 「白々しいほどの話題転換だな・・・まぁいい。ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトだ。よろしく頼む」

 

 「星野九美です。よろしくお願いします」

 

 握手をかわす二人。と、ユリスが八重と九美を交互に見てから俺に視線を移した。

 

 「えーっと・・・順番的には、七瀬→八重→九美で良いのか?」

 

 「あぁ、合ってるよ」

 

 頷く俺。

 

 「ただ、八重と九美は双子だから歳は一緒なんだ。俺達の一つ下・・・今は中三だな」

 

 「この二人も双子なのか?五和さんと六月さんのようには似ていないが・・・」

 

 「五和お姉様と六月お姉様は、一卵性双生児ですから」

 

 八重が説明する。

 

 「私と九美は二卵性双生児ですので。似ていないのはその為でしょう」

 

 「なるほど、そういうことか」

 

 納得するユリス。一方、九美は再び俺に抱きついてきた。

 

 「フフッ、兄さぁん♪」

 

 「あ、ズルいですよ九美!」

 

 慌てて八重も抱きついてくる。やれやれ・・・

 

 「・・・お前は姉だけでなく、妹にもずいぶん愛されているのだな」

 

 「・・・勘弁してほしいわ」

 

 苦笑するユリスの言葉に、溜め息をつく俺。

 

 「ところで、姉さん達は帰って来てるのか?」

 

 「四糸乃姉さん以外は帰ってきてますよ」

 

 九美が答えてくれる。

 

 「明日のカウントダウンコンサートが終わったら、そのままこっちに帰ってくるそうです。さっき連絡がありました」

 

 「あぁ、そういや大晦日って明日だっけ。いよいよ今年も終わりだな」

 

 「気付いてなかったのか!?」

 

 ユリスのツッコミ。まぁ色々あったしな・・・

 

 「とりあえず入ろうぜ。外は冷えるから」

 

 「あ、その前に・・・」

 

 八重と九美がニッコリと微笑む。

 

 「「七瀬お兄様(兄さん)、お帰りなさい」」

 

 「っ・・・あぁ、ただいま」

 

 八重と九美を抱き締める俺なのだった。

 




どうも~、ムッティです。

遂に七瀬の実家へ帰ってまいりました。

シャノン「八重ちゃんと九美ちゃんかー。モチーフは・・・九美ちゃんの方は予想つくわ」

はい、デート・ア・ライブの美九です。

シャノン「名前を逆さにしただけじゃん・・・」

スミマセン、ホントスミマセン・・・

シャノン「まぁいいけどさ・・・八重ちゃんの方は?」

ラブライブ!の海未ちゃんだよ。

シャノン「へぇ・・・お兄様って言ってたし、魔法科高校の劣等生の深雪かと思ってた」

深雪も考えたんだけど、深雪の攻撃って魔法が主体じゃん?

八重は七瀬と同じで、肉弾戦で戦うスタイルにしたかったのよね。

シャノン「あー、なるほど・・・深雪が肉弾戦で戦うイメージはできないかも」

でしょ?まぁ、最近ラブライブ!を観てハマったっていうのもあるけど。

シャノン「今さら感ハンパないね・・・」

それは自分でも思ったわ・・・

まぁそんなわけで、ここからはちょっとオリジナルの話が続きますのでお楽しみに!

・・・いつになったら《獅鷲星武祭》編に入れるんだろう。

シャノン「が、頑張れ作者っち!」

それではまた次回!以上、ムッティでした!

シャノン「またね~!」

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