学戦都市アスタリスク ~六花の星野七瀬~   作:ムッティ

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アスタリスクの新巻を読みました!

とりあえず一言・・・レスターがカッコいい。

まぁこの作品、しばらくレスター出てないですけど・・・

それではいってみよー!


一件落着

 「綾斗ッ!」

 

 「ユリスさんッ!」

 

 走ってきた紗夜と綺凛が、倒れている綾斗とユリスに駆け寄る。俺も翼をはためかせて下降し、二人の下へ向かった。

 

 「二人とも大丈夫か!?」

 

 「大丈夫、気を失ってるだけ。瘴気にやられたんだと思う」

 

 紗夜が綾斗とユリスの脈拍を測りながら言う。良かった・・・

 

 「・・・とんでもない力ね」

 

 前方の煙が晴れ、《孤毒の魔女》が姿を現す。制服はボロボロになり、あちこちに傷を負っているものの・・・まだまだ戦えそうな雰囲気だ。

 

 「こんなボロボロになったの、いつ以来かしら・・・」

 

 「知るかバカ」

 

 《孤毒の魔女》を睨む俺。

 

 「これ以上、俺のダチに手を出そうって言うなら・・・今この場で殺すぞ」

 

 「・・・貴方が星野七瀬ね」

 

 俺をじっと見つめる《孤毒の魔女》。

 

 「流石は《鮮血の殺し屋》の弟・・・相当な強さだわ」

 

 「・・・二葉姉を倒したお前に言われても、説得力の欠片もねぇよ」

 

 「・・・彼女は強かったわ。《王竜星武祭》ではずいぶん手こずらされたもの」

 

 哀しげな表情で笑う《孤毒の魔女》。

 

 「次の《王竜星武祭》・・・貴方は出場するの?」

 

 「あぁ」

 

 即答する俺。

 

 「俺は《王竜星武祭》で、シルヴィア・リューネハイムとお前を倒す。二葉姉の仇はとらせてもらうぞ、オーフェリア・ランドルーフェン」

 

 「・・・そう。なら、今ここで戦うのは止めておくわ」

 

 くるりと踵を返す《孤毒の魔女》。

 

 「決着は《王竜星武祭》で・・・また会いましょう、《覇王》」

 

 「望むところだ。首洗って待っとけ」

 

 俺の言葉を背に、《孤毒の魔女》はその場から立ち去った。

 

 やれやれ・・・

 

 「とりあえず一安心、と言いたいところだが・・・」

 

 俺は左前方に視線を移し、何もない虚空を睨んだ。

 

 「いつまでそこで高みの見物してるつもりだ?」

 

 「おや、バレていましたか」

 

 突如として、宙に浮いた老人が現れた。

 

 「なっ!?ギュスターヴ・マルロー!?」

 

 《千羽切》を構える綺凛。

 

 「いつからそこに!?」

 

 「俺達がここに来た時にはもういたよ。多分最初から見てたんだろうな」

 

 「はっはっはっ、こいつは驚きましたな」

 

 愉快そうに笑うギュスターヴ・マルロー。

 

 「依頼主から聞いていた通り・・・やはり貴方が一番厄介なようだ」

 

 「クローディアの父親がそう言っていたのか?」

 

 「ッ!?」

 

 ギュスターヴ・マルローの表情が驚愕に染まる。

 

 「何故貴様がそれを知っている!?」

 

 「私が教えたんですよ」

 

 俺達の背後から声がした。ったく・・・

 

 「遅いぞクローディア」

 

 「申し訳ありません」

 

 クローディアは苦笑しながら謝ると、ギュスターヴ・マルローへと視線を移した。

 

 「貴方の依頼主が、私の父であることは分かっています。それで・・・どういたしますか?私としてはここで貴方の相手をしても構いませんが、貴方は違うでしょう?」

 

 「・・・なるほど。不愉快なほど聡明なお嬢さんですね」

 

 苦々しい表情のギュスターヴ・マルロー。

 

 「確かに私は、貴方に手を出さないよう申し付かっております。せっかくのチャンスではありますが、ここは一度身を引いて・・・」

 

 「させると思ってるんですか?」

 

 ギュスターヴ・マルローの背後から声がする。次の瞬間・・・

 

 「がはっ!?」

 

 宙に浮いていたギュスターヴ・マルローが、衝撃と共に地面に墜落する。

 

 「な、何が・・・」

 

 「のこのこ出てきたテロリストを、みすみす逃がすわけないでしょう」

 

 先程までギュスターヴ・マルローが浮いていた宙に、メイド服を着た女性が呆れた表情で浮いていた。

 

 「なっ!?新手ですか!?」

 

 「何者?」

 

 クローディアと紗夜が警戒する中、綺凛だけポカンとした表情を浮かべる。

 

 「その声・・・もしかして、七海さん!?」

 

 「はい。こうしてお会いするのは初めてですね、綺凛さん」

 

 薄緑色のロングヘアを揺らしながら、ニッコリと笑みを浮かべる七海。

 

 「修行の結果、私もこうして人型に具現化できるようになったんですよ」

 

 「いやー、まさかこんなことが出来るとは・・・修行してみるもんだよなぁ」

 

 「ホントですよねぇ」

 

 俺と七海がそんな会話をしていると、他の三人が呆れたような表情をしていた。

 

 「もう何でもアリですね・・・」

 

 「純星煌式武装が人型に具現化するなんて、聞いたことがありませんよ・・・」

 

 「七瀬は色々とぶっ飛んでる」

 

 「いや、紗夜に言われたくないわ」

 

 その時、ギュスターヴ・マルローがフラフラと立ち上がった。

 

 「小娘が・・・調子に乗るなッ!」

 

 二つの魔法陣が浮かび上がり、それぞれから獣が飛び出してくる。一歩は巨大な双頭の犬、もう一方は三つ首の犬だ。

 

 あれって・・・

 

 「オルトロスにケルベロスですか・・・凄いですね」

 

 「お前達、あの小娘を血祭りに上げろ!」

 

 ギュスターヴ・マルローの命令で、オルトロスとケルベロスが七海へ襲いかかる。

 

 「七海さんッ!」

 

 「大丈夫だよ」

 

 七海の下へ行こうとした綺凛を、手で制す俺。その視線の先では、七海が二匹の攻撃を避けていた。

 

 そして後ろへ回り込むと、七海の両手が光り輝く。

 

 「《断罪の双撃》ッ!」

 

 両拳が触れた途端・・・二匹は跡形もなく消し飛んだ。

 

 「なっ!?」

 

 驚愕するギュスターヴ・マルロー。七海はギュスターヴ・マルローへ視線を向ける。

 

 「・・・まだ抵抗しますか?」

 

 「くっ・・・私はこんな所で捕まるわけには・・・!」

 

 逃げようとするギュスターヴ・マルローだったが・・・

 

 「はい、チェックメイト」

 

 「ガアアアアアアアアアアッ!?」

 

 その先で待ち構えていた俺が、ギュスターヴ・マルローの身体に電を流す。煙を上げながら倒れるギュスターヴ・マルロー。

 

 「スタンガンの真似事ぐらい、朝飯前だっての」

 

 「今のはスタンガンなんて比じゃないくらいの電撃でしたけどね」

 

 苦笑する七海。

 

 「まぁ何はともあれ、一件落着ですね」

 

 「おう。お疲れ七海」

 

 「お疲れ様です、マスター」

 

 ハイタッチを交わす俺達。

 

 「・・・何か、七瀬さんと七海さんだけで解決しちゃいましたね」

 

 「今回、私達は必要無かった」

 

 「そんなことないって。とりあえず、綾斗とユリスを王宮まで運ぼう。早いところ手当てしてやらないと。七海、ギュスターヴ・マルローの拘束を頼む」

 

 「了解です、マスター」

 

 苦笑している綺凛と紗夜の背中を押し、七海に指示を出す俺。

 

 そして、思いつめた表情を浮かべているクローディアの頭を撫でた。

 

 「・・・お前のせいじゃない。だからそんな表情すんな」

 

 「・・・ありがとうございます」

 

 悲しげに笑うクローディアなのだった。

 




どうも~、ムッティです。

はい、ギュスターヴ・マルローさん捕まりました。

シャノン「確か原作だと、もうちょい後で捕まってなかった?」

そうそう。ヒュドラとの戦いは全カットです。

シャノン「マジか・・・」

本当は早いところ七瀬の実家に帰省して、《獅鷲星武祭》に突入したいんだけど・・・

未だに執筆がそこまで進んでないのよね。

シャノン「そんな裏事情ぶっちゃけないでよ!?」

まぁぼちぼち執筆していきますので、これからもよろしくお願いします。

それと現在、綺凛・凛綺さんの作品である『刀藤綺凛の兄の日常記』とコラボさせていただいております!

もう一つの作品である『刀藤綺凛の兄の日常記~外伝~』も昨日更新されましたので、そちらも是非チェックしていただければと思います!

それではまた次回!以上、ムッティでした!

シャノン「またね~!」

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