いやいや、気にしないd・・・ゴフッ(吐血)
シャノン「さ、作者っちいいいいい!!!!!」
試合開始が告げられた瞬間・・・
「はぁっ!」
俺の目の前には五和姉がいた。校章に向けてレイピアを突き出してくる。
俺は身体を捻って避け、レイピアに向けて手刀を振り下ろした。
「ヤバッ!?」
慌ててレイピアを引っ込める五和姉。そのまま蹴りを放つが、後方へジャンプして距離を取られた。
「コラ七瀬!私のレイピアを破壊しようとしないの!」
「嫌に決まってんだろ。レイピアの無い五和姉なんて、海桜石の手錠を填められた能力者ぐらい無力なんだから。そりゃ破壊したいわ」
「そこまで!?私そこそこ身体能力には自信あるんだけど!?」
「黙れ貧乳」
「だから誰が貧乳よ!?皆が大きすぎるだけだから!」
五和姉がギャアギャア喚いている一方、綺凛と六月姉は剣の打ち合いをしていた。
「驚嘆。これが刀藤流ですか・・・流石です」
「六月さんこそ。隙の無い剣捌き・・・お見逸れしました」
「感謝。褒めていただいて光栄です」
どうやら、六月姉の相手は綺凛に任せて良さそうだ。俺は五和姉に向き直った。
「さて・・・続きといこうか」
「言われなくても!」
再び五和姉が接近してくる。繰り出される突きを避け、隙を見て拳を放った。
だが、五和姉は最小限の動きで避ける。
『お互いの攻撃を避け合う七瀬選手・五和選手と、剣を打ち合う刀藤選手・六月選手!序盤から激しい攻防戦が繰り広げられています!』
『注目は七瀬選手と五和選手の攻防ッスね。五和選手のレイピアは普通の煌式武装ッスから、七瀬選手の純星煌式武装・・・《神の拳》に触れさせることが出来ないッス。そんなことしたら、レイピアが砕けてしまうッスからね』
チャムさんが冷静に解説している。
『なるほど。そうすると、七瀬選手が有利ということでしょうか?』
『いや、そうとも言えないッス。五和選手の剣技は素晴らしいですし、先ほどから拳以外を狙って攻撃してるッス。七瀬選手はその軌道に《神の拳》を置くことでレイピアを破壊しようとしてるッスけど、五和選手は寸前でそれを避けて違う場所を攻撃してるッス。七瀬選手も何とか避けていて、本当にギリギリの攻防戦をやってるって感じッスね』
実際、避けるのもかなりギリギリだった。《神速》の二つ名通り、五和姉の剣のスピードは尋常じゃない。
一瞬たりとも気が抜けないのだ。
「んー、困ったなー」
苦笑している五和姉。
「一撃も掠らないとは思わなかったよ。おまけに七瀬の拳をレイピアで受けるわけにはいかないから、どうしても避けなきゃいけないし・・・あー、やり辛い」
「そりゃこっちのセリフだわ。寸前で剣の軌道を変えてきやがって・・・テキトーな性格してるくせに、何でそんな繊細なマネが出来んだよ」
「誰がテキトーよ!?」
そう言いながら突きを放ってくる五和姉。俺は突いてくる場所を見極め、そこへ星辰力を集めた。
次の瞬間、強烈な衝撃が走る。だが・・・
「おらぁっ!」
「うわっ!?」
レイピアを殴り、真っ二つに叩き折る。そしてすかさず膝蹴りを放った。
「ごふっ!?」
左脇腹に入り、フィールドを転がっていく五和姉。
「五和!?」
驚愕している六月姉。俺は綺凛と打ち合っている六月姉との距離を詰めた。
こちらへとレイピアを向ける六月姉だったが・・・
「やぁっ!」
「くっ・・・!?」
綺凛が下から刀で、六月姉のレイピアを跳ね上げる。がら空きになった腹部に、右ストレートをぶち込んだ。
「がはっ!?」
勢いよく吹っ飛び、フィールドの壁に叩きつけられる六月姉。《神の拳》で放った右ストレートは、さぞかし効いたことだろう。
『五和選手・六月選手が攻撃をもろにくらったーっ!これは大丈夫なのか!?』
『五和選手はともかく、六月選手は《神の拳》の一撃をまともにくらったッスからね。意識消失の合図は、今のところ無いッスけど・・・』
「七瀬さん!」
綺凛が駆け寄ってくる。
「ナイスだ綺凛。おかげで六月姉に一撃入れられた」
「いえ、こちらこそ助かりました!ですが・・・」
「あぁ。これで倒せるほど、あの二人は甘くない」
俺はフィールドに倒れている二人を見た。
と、五和姉がゆっくり立ち上がる。痛そうに顔を顰め、脇腹を擦っている。
「痛てて・・・容赦無いなー、七瀬は」
「当然だろ。容赦出来るほど、俺は強くもないからな」
「いやいや、強いよ。正直ちょっと舐めてたわ」
苦笑する五和姉。
「昔より強くなったのは分かってたつもりだったけど・・・実際に戦ってみないと分かんないね、やっぱり。レイピアも折られちゃったし」
折れたレイピアを見つめ、溜め息をついて放る五和姉。
「六月ー、いつまで寝てんのさー?これで倒されるほどヤワじゃないでしょー?」
「・・・反論。ヤワではありませんが、さっきの一撃はヤバかったです」
よろよろと起き上がる六月姉。
「説明。五和と違って、六月は《神の拳》の一撃をまともにくらったのですよ?普通なら一撃でK.O.です」
「大丈夫、アンタ普通じゃないから」
「抗議。心外です」
と、六月姉がこっちを見た。
「感動。七瀬、強くなりましたね。お姉ちゃんは嬉しすぎて泣きそうです」
「嬉しすぎっていうか、痛すぎて泣きそうな顔してるけど・・・大丈夫?」
「反論。大丈夫ではありません。罰として今度、買い物に付き合ってもらいます」
「あ、ずるい!じゃあ私も!」
「・・・何で試合で戦ってるだけなのに、罰とか受けなきゃいけないんだろう」
「アハハ・・・」
げんなりしている俺を見て、綺凛が苦笑する。
「まぁとりあえず・・・この試合は勝たせてもらうぞ」
「それはコッチのセリフだよ」
俺の言葉にニヤリと笑う五和姉。懐から別の煌式武装の起動体を取り出した。
「レイピアで勝てると思ってたけど・・・認識が甘すぎたかな」
起動する五和姉。五和姉の手に、黒の大剣が現れた。
おい、あれって・・・!
「まさか・・・《黒皇剣》!?」
「お、流石だね。正解」
笑う五和姉。綺凛が警戒して身構えている。
「・・・七瀬さん。あの剣、強力なオーラを感じます。あれは一体・・・」
「《黒皇剣》・・・純星煌式武装の一つだ」
「なっ・・・」
絶句する綺凛。五和姉が笑う。
「これ、ガラードワースの学有純星煌式武装でね。前回の《獅鷲星武祭》で負けた後、適性検査を受けて合格したんだけど・・・使っても良いよね、六月?」
「・・・了承。六月もアレを使うことにします」
そう言うと六月姉も、別の起動体を取り出した。
次の瞬間、赤の大剣が現れる。
「《赫皇剣》・・・よりにもよって、《二大皇剣》の使い手が二人だなんて・・・」
思わず苦い顔になる。
《黒皇剣》と《赫皇剣》は、純星煌式武装の中で《二大皇剣》と呼称されるものだ。
その力は《四色の魔剣》・・・綾斗の《黒炉の魔剣》や、アーネストの《白濾の魔剣》に匹敵すると言われている。
厄介だな・・・
「二人の決闘の映像はチェックしたけど、その剣を使った映像は無かったはず・・・」
「回答。決闘では使わず、六月と五和が一対一で模擬戦をやる時のみ使っていました。この剣は六月達にとっての隠し玉なので、情報の漏洩には気を遣ったのです」
淡々と答える六月姉。
「今回《鳳凰星武祭》に参加したのは、この剣の力を試す為なんだよ。来年の《獅鷲星武祭》の予行演習ってわけ。まぁ、まさか五回戦で使うとは思わなかったけどね」
苦笑する五和姉。そして目をギラギラと輝かせ、俺達に剣先を向けるのだった。
「さて・・・第二ラウンドといこうか」
どうも~、ムッティd・・・ガハッ(吐血)
シャノン「ホントゴメン!やり過ぎちゃってゴメン!」
いいんだよ、シャノン・・・俺の自業自得さ・・・
俺はもう長くない・・・元気でな、シャノン・・・
シャノン「もう出番増やせとか言わないからっ!元気になってよ作者っち!」
出来れば・・・お前の出番を増やして・・・やりたかっ・・・た・・・
・・・・・チーン。
シャノン「さ・・・作者っちいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」
ま、生きてるんですけどね。
シャノン「・・・チッ」
今舌打ちした!?ねぇ舌打ちした!?
シャノン「それではまた次回!」
ちょ、待って!?勝手に締めないで!?