ムッティが帰ってきたよーっ!
・・・スイマセン、調子に乗りました。
翌日、俺と綺凛は控え室で待機していた。あともう少しで、五和姉と六月姉との試合が始まる。
俺はいつになく緊張していた。
「七瀬さん、大丈夫ですか?」
綺凛が心配そうに声をかけてくれる。
「大丈夫だよ。ちょっと緊張で吐きそうなだけだから」
「それ全然大丈夫じゃないですよねぇ!?」
「大丈夫だって。大したことな・・・おえっ」
「な、七瀬さあああああんっ!?」
ゴミ箱に顔を突っ込む俺を見て、慌てて綺凛が背中を擦ってくれる。
「うぅ・・・緊張する・・・」
「ほ、本当に大丈夫ですか・・・?」
「・・・ゴメン。やっぱり大丈夫じゃないな」
溜め息をつく俺。
「俺は今まで、あの二人に勝てたことが無い。でも今回、俺は絶対に勝たないといけないんだ。綺凛の願いを叶える為にも・・・」
「七瀬さん・・・」
「それにあの二人に勝てないようじゃ・・・シルヴィアにだって勝てない。だからこそ俺は、ここで負けるわけにはいかないんだよ」
強く拳を握る俺。と、その上に綺凛の手が重ねられた。
「・・・一人で背負わないで下さい」
優しく微笑む綺凛。
「私は七瀬さんのタッグパートナーです。いつだって七瀬さんの隣にいるんですから」
「綺凛・・・」
「七瀬さんは、私の為に戦ってくれています。私の背負っているものを、一緒に背負ってくれています。なら私にも、七瀬さんの背負っているものを背負わせて下さい。それがパートナーというものでしょう?」
屈託の無い笑顔で言う綺凛。参ったな・・・
「・・・これじゃ、どっちが年上か分かんないわ」
「フフッ、私だって大人になってるんですよ」
「・・・確かに。大きいもんな」
「ちょ、何処見て言ってるんですか!?」
綺凛が赤面しながら、慌てて両腕で胸を覆う。俺は思わず笑ってしまった。
「うぅ・・・七瀬さんはエッチですぅ・・・」
「ゴメンゴメン」
綺凛の頭を撫でる俺。
「・・・ありがとな、綺凛。おかげで落ち着いたよ」
「・・・もう大丈夫そうですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
俺は綺凛に笑いかけた。
「俺は一人じゃない。隣で綺凛が一緒に戦ってくれるんだ。絶対、一緒に勝とうな」
「はいっ」
笑顔で頷く綺凛。
その時、試合開始が迫ったことを告げるアラームが鳴り響いた。
「よし、行こうか」
「そうですね」
控え室を出る俺と綺凛。と、ドアの側に三咲姉が立っていた。
「え、三咲姉!?何でここに!?」
「先ほどまで、五和と六月の控え室にいました。ガラードワースの一員として、味方の対戦相手の控え室に来るのはどうかとも思いましたが・・・」
苦笑する三咲姉。
「それでも七瀬は・・・私の大切な弟ですから。一言だけ激励しに来ました」
「三咲姉・・・」
「私から言えることは、一つだけです」
三咲姉が、俺に拳を突き出した。
「七瀬・・・全力でぶつかってきなさい」
「・・・あぁ。ありがとな、三咲姉」
俺は微笑み、三咲姉の拳に自分の拳を合わせた。
「悪いけど、勝利は譲れない。五和姉と六月姉には、ここで敗退してもらう」
「その意気や良し、ですね。楽しみにしてますよ」
微笑み返す三咲姉なのだった。
*****
『今年の《鳳凰星武祭》も、いよいよ五回戦まで進んで参りました!この五回戦を勝ち抜いたタッグはベスト八・・・準々決勝へと進出することができます!果たしてどのような顔触れになるのでしょうか!?』
『いよいよ佳境ッスねー。注目のタッグもまだまだ残っていて、これからぶつかるのがとても楽しみッス』
お馴染みの実況と解説、梁瀬ミーコさんとファム・ティ・チャムさんの声が響く。
『それでは五回戦の第一試合へいきましょう!何といきなり、注目のタッグ同士の対戦となっております!まず姿を見せたのは、星導館学園の刀藤綺凛選手・星野七瀬選手のタッグです!』
俺と綺凛がステージへ上がると、割れんばかりの大歓声が出迎えてくれる。
『ここまで危なげなく勝ち進んできた刀藤選手と七瀬選手ですが、チャムさんはどのようにご覧になっているでしょうか?』
『二人とも強いのは勿論ッスけど、コンビネーションが素晴らしいッスね。特に四回戦では、七瀬選手が隙を作って刀藤選手がそこを突いて勝利を収めたッス。お互いを信頼しているからこそ、ああいった戦法を取れたんだと思うッスよ』
「・・・何か恥ずかしいな」
「・・・ですね」
こんな風に大勢の観客の前で賞賛されると・・・嬉しいけど照れ臭いわ。
俺達が照れ笑いを浮かべていると・・・
「でも、間違いなく事実だよ」
「賞賛。素晴らしいタッグだと思います」
五和姉と六月姉がステージに上がってきた。
『おぉっと、ガラードワースの星野五和選手・星野六月選手が姿を見せました!今回の《鳳凰星武祭》優勝最有力との呼び声高いタッグです!』
『ここまで相手を瞬殺してきてるッスからね。そのスピードで相手を圧倒してきたッスけど、刀藤選手も七瀬選手もスピードは負けてないッス。どういった戦いになるのか、注目したいところッスね』
『そして姉弟対決にも注目です!ご存知の通り七瀬選手は、五和選手・六月選手の弟さんです!果たして姉が勝つのか!?それとも弟が勝つのか!?』
「姉が勝ちを譲るっていう結末とか無い?」
「いや、無いに決まってるでしょ」
呆れている五和姉。
「じゃあいいや。五和姉が土下座するっていう結末で妥協しよう」
「何処を妥協したの!?むしろ酷くなってない!?」
「提案。全裸で土下座させましょう」
「お、六月姉ナイスアイデア」
「この場に私の味方は居ないの!?いくら私でも泣くよ!?」
「「泣け喚け叫べ」」
「チクショオオオオッ!?」
「ア、アハハ・・・」
突っ伏してシクシク泣いている五和姉。それを見て、綺凛が苦笑していた。
「ま、冗談はさておき・・・来い、《神の拳》」
俺の両手に、金色の純星煌式武装が装着された。五和姉と六月姉が驚いている。
「・・・ここできたか、《神の拳》」
「これまでの試合では使っていませんでしたが・・・」
「あまり使いたくはないけど・・・二人が相手じゃ、出し惜しみしてらんないからな」
溜め息をつく俺。
「姉さん達を相手に、《神の拳》を使ったことって無かったよな・・・悪いけど、手加減なんて出来ないから」
「反論。そんなもの必要ありません」
「あんまり姉を舐めてもらっちゃ困るなー」
二人はニヤリと笑うと、レイピアを起動した。
「いくぞ、綺凛」
「はい!」
綺凛が日本刀・・・《千羽切》を鞘から抜く。
『さぁ、いよいよ試合が始まります!果たしてベスト八に進むのは、どちらのタッグになるのでしょうか!?』
俺達が構える中、機械音声が試合開始を告げるのだった。
『《鳳凰星武祭》五回戦一組、試合開始!』
どうも~、ムッティです。
シャノン「このアホ作者っちいいいいいいいいいい!!!!!」
うおっ!?どうしたシャノン!?
シャノン「どうしたじゃないでしょ!?最後に投稿したのいつよ!?」
・・・今年の一月ですね。
シャノン「七ヶ月も何してたの!?」
他の作品にハマってました☆
シャノン「死んでしまえ」
スイマセンでした!全然執筆意欲が湧かなかったんです!
シャノン「おおう・・・遂にぶっちゃけたね・・・」
でもこの間久々に書いてみたら、何か面白くて!
もうすぐアスタリスクの新巻も出るっていうし!
とりあえず熱が冷めるまで書くんで!ホントすいませんでした!
シャノン「熱が冷めるまでって・・・まぁいいや。私の出番増やしてね」
今のところ出してないんだけどね☆
シャノン「・・・」
ちょ、無言で武器出さないd・・・ギャアアアアア!!!!!
シャノン「作者死亡の為、この作品は終わります。ご愛読ありがとうございました」
※終わりません。作者はかろうじて生きてます。